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『夏に向けて 』
ソール・バレンタイン7833)&紫苑 サクラ(NPC5192)

「サクラ、朝ご飯が出来たよ」
 ソール・バレンタインは朝食の準備を終えて、まだ夢の中にいる紫苑 サクラに声をかける。よほど疲れているのかソールの声にも気づかない程にサクラは寝入っていた。
「最近、疲れているみたいだもんね‥‥ゆっくり寝かせてあげたいけど、朝ご飯も冷めちゃうし‥‥サクラ、起きてよ。サクラ」
 サクラは昨晩からソールの部屋に泊まっていた。今日は2人で何処かに出かけようと言っていたのでそろそろ起きてもらわないと出かける時間が遅くなってしまう。
「んぅ‥‥おはよう、ございます」
 眠そうな表情でサクラが目を覚まし、ソールに挨拶をする。
「うん、おはよう。朝ご飯出来てるから顔洗ったら一緒に食べよ。今日は何処かに出かけようとも言ってたしね」
 ソールの言葉にサクラが時計を見ると「わぁ! こ、こんなに寝過ごしちゃってたんですか‥‥! ごめんなさい!」と何度も頭を下げて謝ってくる。
 それから急いでサクラは顔を洗い、美味しそうな朝食が並ぶテーブルを見て、ソールの前にサクラは腰を下ろしたのだった。
「「いただきます」」
 2人揃って挨拶をしてぱくりと朝食を食べ始める。
「そういえば、今日は何処に行きますか? 何処かに行こうとは言ってたけど、具体的には決めてないし‥‥」
 サクラが呟くと「そうだねぇ‥‥あ、そうだ」とソールは名案が浮かんだかのようににっこりと笑って言葉を続ける。
「夏に向けて新しい水着を買いに行かない? 今年の新作水着も出た事だしね」
 ソールの言葉に「わ、私も水着を着なくちゃいけないですか‥‥?」とサクラが顔を赤くしながら小さな声で言葉を返した。
「え? だって僕1人で着たって意味がないでしょ?」
 きょとんとした表情でソールが言葉を返すと「ですよね‥‥地味なのあるかな」とサクラはご飯を食べながらシンプルな水着を買おうと心に決めていたのだった。

「わ、人が多いね」
 今日は日曜日、休日と言う事もあり水着を買いに来たデパートは人が沢山いて気を抜くとはぐれてしまいそうなほどだった。
「新作水着は‥‥4階のレディースフロアだって」
 ソールがサクラの手を引き、エスカレーターまで歩き出し、4階を目指した。水着売り場に到着するとそこには多くはないけれど、決して少なくもない人数の女性が色々な水着を見ている姿が2人の視界に入ってきた。
「やっぱり夏は海だもんね。女の子は特に気合が入っちゃうよね」
 ソールが水着を見ながら呟くと「うぅ、私は少しだけ苦手です‥‥スタイルに自信ないから」とサクラは少ししゅんとしながら言葉を返した。
「そんな事ないと思うけどなぁ。サクラは自分に自信なさすぎだよ。もっと自信持ってもいいと思うんだけどなぁ‥‥」
 ソールがサクラを見ながら呟くと「そんな事ないですっ」と慌てて手を振る。勿論スタイルの良いソールと比べれば貧相な方なのだろうが、普通の女性と比べたらサクラが自分で言うほどのスタイルではない。
「ねぇ、これはどうかな?」
 ソールがサクラに差し出したのはかなり大胆なデザインの水着だった。どちらかと言えばサクラよりソールの方が似合いそう、そんな水着だった。
「ソールさんが着たらいいじゃないですか。絶対ソールさんの方が似合います!」
 サクラの抗議に「これを着たサクラを見てみたいなぁ‥‥ダメ?」と可愛らしく首をかくりと傾げながらソールが水着とサクラを交互に見る。
「う‥‥っ」
 サクラはソールの強請るような視線に小さく呟き、彼が手に持つ水着を見る。自分1人で水着を買いに来たならば絶対に選ばない類の水着。
(「でも‥‥」)
 ソールはその水着をサクラに勧めてくる。つまりソールはサクラに似合うと思って勧めてくれているのだろうということが分かる。
「う‥‥わ、分かりました。それ、着ます」
 小さくか細い声でサクラが言葉を返すと「ホント? きっと凄く似合うだろうから海に行くのが楽しみになってきた」とソールも嬉しそうに言葉を返した。
「ソールさんはどんな水着を買うんですか?」
「僕? 僕はこれを買おうかなって思ってるんだけど‥‥どうかな? 似合う?」
 ソールはパレオ付のビキニを当ててポーズを取りながらサクラに言葉を投げかける。
「は、はい。凄く似合ってます‥‥」
 そう、恐らくこの場にいるどの女性よりも似合っていてサクラは少しだけ複雑な気持ちだった――というのは内緒にした。
 それから2人は水着を買って、ソールが行きつけているというエステサロンに行く事になった。
「水着も買ったことだし、今年の夏は2人で絶対海に行こうね」
 ソールの言葉に「はい、私も楽しみです」とサクラもにっこりと笑って言葉を返した。
 そしてエステサロンに到着する。
「そういえば、私ってエステとか初めてです‥‥大丈夫かな」
 サクラが少し心配そうに呟くと「大丈夫だよ。此処の人たちって凄く丁寧で愛想もいいし」とソールが言葉を返す。
「それに身体をケアしないとだめだよ。折角のお肌だって荒れちゃうよ」
 ソールがサクラに言葉を投げかける。そして店内に入ると行き着けという事もあり、店の人たちはソールの事を覚えており「こんにちは、お久しぶりですね」と声をかけてきた。
 そしてソールとサクラはアロマオイルマッサージを受ける。丁寧なマッサージに眠気を誘われるほどに気持ちがよく、少しうとうととしてしまう場面がサクラにもあった。
「それにしてもソール様は肌が綺麗ですね、羨ましいくらいですわ」
 エステティシャンがソールに言葉を投げかけると「いや、それほどでも〜」と言葉を返す。だけどほめられて悪い気はしないので、少しソールは照れくさそうだった。
「でも、もしそうなら母さんからの遺伝かな。母さんは今でも30代にしか見えないしね」
 ソールの言葉に「きっとお綺麗な人なんでしょうね」とエステティシャンも言葉を返す。

 それから暫くエステで身体をケアした後、リフレッシュして2人は帰路に着いたのだった。


END


―― 登場人物 ――

7833/ソール・バレンタイン/24歳/男性/ニューハーフ/魔法少女?

NPC5192/紫苑 サクラ/20歳/女性/OL

――――――――――

ソール・バレンタイン様>
こんにちは、いつもご発注ありがとうございます!
今回は「絆」のシチュノベでしたが、内容の方はいかがだったでしょうか?
気に入って頂ける内容に仕上がっていると良いのですが‥‥。

最近は体調を崩しやすい日が続いていますので、体調などには気をつけて下さいね。

それでは、今回は書かせて頂きありがとうございました!

2010/5/25
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2010年05月25日

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