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『玲奈の裏事件簿 』
三島・玲奈7134)&瀬名・雫(NPCA003)


 とあるデパートの水着売り場を物色する二人の少女の姿。名は三島・玲奈と瀬名・雫。
 彼女達がここにいる理由、それは――夏に向けての準備――などではなく。
 もっと特殊な事情があった。

 強豪揃いのスポーツ万能校が彗星の如く出現!
 対戦者をことごとく、完膚なきまでに打ちのめし、相手方には故障者が続出。
 無名校相手に醜態を晒した選手達に対し、部のOB・OGは大激怒。
 予算縮減、その他諸々の理由で次々と廃部に追い込んでいった‥‥。
 次の標的は‥‥玲奈の通う学校。それが決まると同時期に、ネットで、ある噂が流れる。
 その内容はというと――

 ・強さの秘密は選手が各校のOB・OGのクローンだから
 ・証拠に、選手の顔ぶれに死人が混じっている
 ・いやいや中身は機械だ
 ・練習場代わりに使っているスポーツジムの日焼けマシンで、剥けた皮を幽霊に被せている

 などなど。雫は水泳部の応援に紛れての潜入を思いつくが‥‥
 件のジムはホテルの中。テニスコートの先であり、リゾート客が溢れるプールを越えた向こう。
 スクール水着姿では警備員に怪しまれてしまう。困った雫は、どう変装すればいいか玲奈に相談。
「ふーん、そんなことが‥‥。まあ他人事じゃないしね、衣装代はあたしが持つよ」
「ほんと? わぁい♪ やったー♪」
 といった流れであった。

 一通り物色し終えた二人はさっそく試着。一緒に個室に入る。
「スク水の下にリゾートビキニと日焼用のハイレグ水着を着込めばOK」
 玲奈の提案の通りに二人は着用。
「締め付けがきついかなぁ」
 少し苦しそうに雫が言った。
 水着の重ね着である。きついのは至極当然。
「あ、そういえば、替えの下着はどうするの?」
「体操着とブルマをテニスウェアの下に着とけばOK」
「えぇー」
 そんな会話の後、会計を済ませる二人‥‥。


 試合当日。
 テニスウェア姿の二人はふりふりのスコートをはためかせ、テニスコートの垣根を飛び越える。
「とーう!」
「えーい!」
 ‥‥ちらりと見えるアンダースコートがまた堪らない。
 草むらに隠れ、急いでテニスウェアを脱ぎ捨て、体操服(下はもちろん両サイドに白いラインが二本入った濃紺のブルマ)姿になる。
 間髪置かずシャワー室まで走り、今度はスクール水着姿に。怒涛のキャストオフだ。
 その後適当に応援をこなし、頃合を見て二人は腹痛を訴えて抜け出す。
 するすると脱いだスク水をコインロッカーに隠し、お洒落な水着姿となっていよいよジムへ足を踏み入れる‥‥。


 ――中は幸い、無人だった。
「これ‥‥かな」
 日焼けマシンを発見した雫が、調べようと近づく。
「待って!」
 雫がマシンに触れようとした瞬間、嫌な予感がした玲奈が叫ぶ。
「きゃーーーっ!?」
 しかし遅かった。マシンの下から伸び出た、ぬめぬめとしたグロテスクな触手に捕まってしまう雫。
 足を掴まれ逆さの状態で宙吊りにされ、パレオが捲れてかなり恥ずかしい格好に‥‥。
「いやぁぁぁ! 離してぇぇぇ!」
 雫は真っ赤になった顔を両手で覆う。
「くっ‥‥!」
 一方玲奈のほうは――競泳水着を着た、白眼の、筋肉質の女達に囲まれている――。
 雫を助けたい‥‥だがまずはこちらをどうにかしなければ‥‥!
「グオオォォォ!!」
 玲奈は躊躇わず能力を使って狼に変身。
 爪を振るい、牙で噛み付き、敵の皮膚をずたずたにするが‥‥
 相手の中身は亡霊であり、表皮はマシンで無限に再生してしまうためキリがない‥‥。
「うぅぅ‥‥」
 捕まっている雫の瞳が苦戦する玲奈を見つめる。
 自分には何も出来ないのが‥‥悔しい。
 必死に、思考をめぐらせてこの状況を打開する術を模索する。
「‥‥‥‥っ!」
 ふと、脳裏に案が浮かんだ。
 そう‥‥機械は水に弱い。大抵の機械は水に浸ければ壊れてしまう。
「玲奈ちゃん! マシンをー! プールにー!!」
 力いっぱい叫ぶ雫。
 その声に反応し、玲奈が怪力を発揮して、マシンを掴んでプールに放り投げた!
「ひゃあああ!!!!」
 当然、雫も一緒にどぼん。盛大に水しぶきが上がる。
「‥‥あ、雫ごめん」
 マシンは破壊され、筋肉質の女達も機能を停止。
 雫を回収して一件落着かと思われた。――しかし、そうはいかなかった。


 突如として、プールの中から大蛇が出現。雫は尻尾でぐるぐる巻きにされ、気絶している。
「なに‥‥こいつ‥‥?」
『よくもやってくれたねぇ‥‥』
 玲奈の脳に直接女性の声が響いてきた。テレパシー‥‥?!
『アタシの食事の邪魔をするなんて、いい度胸だ。この娘は後にして、まずはお前を喰ってやる!!』
 この大蛇は雌で、若さを保つために各校運動部の『寿命』その物を喰っていた。
 故障者続出の影にはそんな真相があったのだ‥‥。
「そんなこと、させない! 雫もやらせない!」
 牙を剥いて襲い掛かってくる大蛇。フィールドを展開して防御する玲奈。
 防ぎ切れなかった衝撃が頬を掠め、血液が舞う。
 玲奈は怯まずどこかから取り出した『烈l光の天狼』を変形させ、大蛇の頭部目掛けて霊力レーザーを撃ち放つ!
『ギャアアアアアッ!!!!』
 ‥‥頭部を撃ち抜かれた大蛇は断末魔を上げ、しばしもがいた後、消滅した‥‥。

 激闘の末、勝利した玲奈と雫はシャワー室に戻り、しっとり濡れた素肌の上にブルマを穿く。
 持ってきた服はこれしかない。スクール水着も一応あったが‥‥流石にそれでは外に出られない。
「あー、けっこう疲れた‥‥」
「ブルマを直穿き‥‥なんか‥‥ちょっとえっちっぽいね‥‥」
「うっ、し、仕方ないでしょ。それを言わないでよ、恥ずかしいなぁ。まったくもう‥‥」
 二人して頬を赤らめる。
 そんなこんなで一波乱ありながらも、事件は解決したのだった。

END
PCシチュエーションノベル(シングル) -
とりる クリエイターズルームへ
東京怪談
2010年06月07日

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