▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『とある夫婦の児童退行[リトルバック] 』
クラーク・エアハルト(ga4961)

 その日もいつもと変わらない朝を迎えた。
 昨夜は久しぶりにレオノーラを愛し、安らいだ夜を過ごしていた。
「んにぃ……おはようなのです」
 自分が目を覚ますと、隣のレオノーラが少し大きく見える。
 いつもの横を向けば顔を見下ろしていたのだが、今日は胸のあたりが目の前にあった。
 自分の好む丁度いいサイズで触り心地が……いやいや、そういう問題じゃない。
「レオノーラが大きくなったです?」
 口に出す声がやや高い気もしてきた。
「んぅ……おは……よ、う?」
 ごろりと横になって目をあけたレオノーラが自分を見ると大きく見開き口をあけている。
「どうしたですか?」
「クラーク、貴方若くなっているわよ?」
「ふぇ?」
 ごそごそと布団に潜り下半身を確認すると確かに若かった。
 
〜姉弟デート?〜
「今日が休日でよかったわね。依頼とかだったら、みんなびっくりしているわよ?」
「デートするには特に問題ないのです。見た目は子供中身は大人なのです」
 レオノーラとクラークは手をつなぎながら町へと繰り出す。
 この日は休日で服を買いに行く約束をしていたのだ。
 少し遠くのお店まで公園を散歩しながら歩いていく。
 春らしい温かい日差しを浴びながらゆっくりと進んだ。
 のんびりした時間が流れるのは気持ちのいいものである。
「この後は喫茶店で食事をして、服の買い物だったかしら?」
「そうなのです。レオノーラの服を選ぶのですよ」
 レオノーラがクラークを見下ろすとクラークは満面の笑みで見上げて答えた。
 穢れの無い天使のような微笑にレオノーラの胸がキュンとなる。
「ん〜、いい子ね」
 むぎゅっと抱きしめられてクラークは顔を赤くしてあわあわと動揺をはじめた。
 しかし、その行動はよりレオノーラの母性本能をくすぐったらしくハグが続く。
「可愛い〜。ずっとこのままでいてほしいくらい可愛いわよ。クラーク」
「ずっとは困るのですよー」
 顔に胸を押し付けられて気持ちいいのと苦しいのを半分半分に味わいながらクラークは抗議の声をあげた。
「ああ、いけないわ。目的を忘れるところだった……。喫茶店で食事に行きましょう」
「助かったです」
 ようやく当初の目的を思い出してくれたレオノーラにホッとしつつクラークは公園の散歩を続ける。
 問題ないと思っていた若返りを後悔し始めたクラークだが、もっと酷い目にあうとはこのとき微塵も思っていなかった。
 
〜着せ替えごっこ〜
「約束してからずいぶん立ってしまったですね」
「そうね‥‥けど、これはチャンスだわ」
 喫茶店でのんびりしたあとブティックへ足を運んだ私はクラークの言葉にきらんと目を光らせる。
 今の彼は男の娘(こ)と呼んでも過言では無いほどに小さくて可愛かった。
 私は自分がいろいろな服を着ることが好きだけれど、可愛い子に服を着せるのも好き。
 チャンスを伺ってクラークをなんとしてでも着せ替えさせたい‥‥。
「どうかしたですか?」
 ちょこんと首をかしげてクラークが私を見上げてきた。
 キュンキュンと私の中の何かが反応する。
 危険すぎる‥‥落ち着かないといけないわ。
「なんでもないわよ。どんな服が似合いそう?」
「そうですね、こういうのが似合うと思うのです」
 クラークが選んだのは白いワンピースだった。
 シンプルなデザインで結構いい線いってる。
「他には?」
「露出が高いのは苦手といってたですから‥‥」
 私の身長に合う服を一生懸命に選ぶクラークの姿は微笑ましかった。
 子供ができたらこんな気分を味わうのかと私は思う。
「こんなのも似合うと思うのです」
 青いロングスカートに胸にリボンのあるシャツをもってきてクラークは首をかしげた。
「うん、いいわね。じゃあ、両方とも買っておこうかしら」
「はーい。自分の服もレオノーラに選んでもらおうと思ったけど、この体じゃ無理ですね」
 クラークが喜んで籠に服を入れると自分の姿を見直して呟いている。
 チャーンス。
 私の中の黒い私がニヤリと笑った。
「無理じゃないわよ、むしろ今だからこそ出来ることをやるのよ」
「ほえ?」
 何のことか理解できないといった惚けた顔をしたクラークに私はノースリーブのワンピを持って迫る。
「試着室で着替えてね。その間に他のも選んでおくから」
「で、でも女装はいけないって前いった‥‥」
「男の娘が女の子の格好をするのは女装じゃないわ」
 私の顔が余程恐ろしかったのか顔を震わせて反論しようとしたクラークだが、有無を言わさぬ言葉を私はぶつけた。
 カメラを持っていないことを今日ほど悔やんだことは無い。
「あぅ、レオノーラ怖いです」
「ほらほら、いっていって」
 半ば強引に試着室へクラークを追いやると私は次の衣装を選び出した。
 久しぶりに楽しい買い物が出来て満足満足。
 
〜混沌は終わらない〜
 一時間だったが、ものすごく長い時間かかったような着せ替えショーを終えて、帰ったらすぐに寝てしまった。
 手を繋いで帰るときに楽しそうに笑うレオノーラが見れたのでよかったと思う。
 そして、気がついたら朝を迎えていた。
「おはよう‥‥」
 体を起すと視線が見慣れた高さになっている。
 程よく筋肉のついた腕や胸を見回し、元に戻っていることを自分は確認した。
「レオノーラ、起きてください。戻りましたよ」
「んゆ‥‥まだ眠たいの‥‥」
 シーツを被り甘えた声を出すレオノーラがもぞもぞと姿を見せる。
「そ、その姿は‥‥」
 思わず自分は声を裏返して驚いてしまた。
 何故なら、今度は彼女が若返っていたのだから‥‥。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス 】
 ga4961  /クラーク・エアハルト/ 男  / 28 /スナイパー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
どうも、橘真斗です。
今回はいつもよりラブコメ度をあげてみたのですがどうでしょうか?
ややコメディなのもたまにはいいかなと思います。

楽しくかけたのでまたこういうトラブルものも書いてみたくありますね。

それでは次の運命が交錯するときまでごきげんよう。

■WTアナザーストーリーノベル(特別編)■ -
橘真斗 クリエイターズルームへ
CATCH THE SKY 地球SOS
2010年06月08日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.