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『綾瀬レヲンの憂鬱 』
綾河 零音(gb9784)
 
 何も食べない一週間をすごしているとき綾瀬零音は思っていた
 
 レモネードが飲みたいと‥‥
 
 命の危険があるかも知れないという状況でもレモンのことを忘れないのはレモン教の教祖を自称するだけはあった
 
 アラスカ帰りに乱気流に巻き込まれ、洗濯機のように縦に回っていく飛行機を体験したかと思うと墜落して今にいたる
 
 散々歩いたが生存者は見つからず、川の水でのどを潤して日々をすごしていた
 
 もうだめかと思ったとき、零音の頭に別のことが浮かんでくる‥‥
 
 金髪でいつも不敵に笑うある男の顔だった

〜偶然の遭遇〜
 パチパチという火の音を耳にして零音はぼやける頭で目を開く、焚き火が目の前にあり肩には毛布がけられている。
「もう‥‥ふ?」
「ようやく目覚めたか、レヲン」
 零音の耳に夢にまで見た声が聞こえてきた。
 ぼやけた頭をクリアにして起き上がるとそこにはアスレードがいる。
「ってお前かぁあああ!」
「助けてやったのにその言い草はねぇだろうよ、それとも行き倒れのてめぇを俺の餌にした方がよかったか? あぁん?」
 ギロリと鋭い視線を零音に向けながらアスレードは焚き火で焼いていた蛇を差し出してきた。
「腹減ってるだろ? 食えよ、ほえる元気があるなら、これ食ってとっとと消えな」
「な、なんだと! 誰が獲物を見つけて逃げるものか! 絶対に離れないからな、お前の首を取るまで私は生きてやる」
 焼けた蛇を奪い取るとムシャムシャと零音は食べだす。
 味は美味しくもなく、まずくもない。
 だが、一週間何も食べていなかった零音のお腹には十分なご馳走だった。
「おい、まだないのかこっちは一週間食べてなかったんだ。よこせよ!」
 零音が蛇を食べ終えると、お腹の方は調子を取り戻したのかぐぅ〜と鳴って空腹を訴え続ける。
「うるせぇな‥‥あとでゆっくり食べようと思っていた魚を焼いてやるぜ」
 木の枝に魚を串刺しにするとアスレードは面倒くさそうながらも魚を焼き始めた。
 そこまでされて、零音ははっと気づく。
(「生存者は見つからなかった‥‥ということは今、この島には私とアスレードの二人きり!?」)
 意識をしだすと顔が火照ってきて自分では見えないが赤くなっているのは明らかだと零音は思った。
「いっ、いいか! 顔が赤くたって‥‥べ、別にお前を意識しているわけじゃないんだからなっ!」
「何をいってるんだ? くだらねぇ、こと言ってないでさっさと食え。日が沈む前に俺様の住まいに案内してやるからよ」
 照れ隠しなのか何なのかよく分からない言葉を吐き出す零音に向かってアスレードは冷静に切り返す。
 住まいという言葉に零音の顔がますます赤くなったのは言うまでもなかった。
 
〜どっきり共同生活〜
 翌朝になっても、その次の日、また次の日となっても零音はアスレードの傍を離れることはなかった。
 ついにはアスレードもあきらめてともかく他っての共同生活がいつの間にか始まっている。
 住処は森の奥にあった洞穴で、昼間は川で魚を取ったり木の実をとったりして過ごした。
「おい、アスレード‥‥動き回ると汗をかくんだがシャワーとかないの‥‥」
 ある日のこと、アスレードを探して茂みを掻き分けて進んでいる零音は一瞬言葉を失う。
 泉の水をアスレードが浴びていた。
 全裸で‥‥。
 胸に大きな傷がある以外は美しいといえるほどに見事な筋肉質の肉体をさらにながら冷やすようにしている。
「す、すごい‥‥たくましいな、あいつ‥‥」
 もっと近くで見ようと思ったとき足元の石を零音は蹴飛ばしてしまった。
 チャポンと落ちてアスレードは気づくが、すぐさま零音はその場から離れる。
 
 また、別の日にはこんなこともあった。
 川で釣りをしているアスレードに零音は小走りに近づいていく。
 昼食の用意ができたから呼びに来たのだ。
「おーい、アス! 昼飯ができたからさっさと帰って来い」
「あぁん?」
 全身から不満全開のオーラをアスレードが放つと、思わず零音はびっくりして足が止まる。
「うっ‥‥お、怒るなよぉぅ、わぁっ!?」
 しかし、小走りしていた勢いはとまらずアスレードが座っている岩まで前のめりになりながらアスレードへタックルをしかけていた。
 バッチャーンと二人は川に落ちてビチョビチョの服を洞窟に干してその日を過ごさなければならなくなった。
 
 そんな日々が続いたある日の夜。
 寝息を立てるアスレードに近づいて零音は腰を下ろした。
「‥‥起きてたら言えないから今言っとく。大好き」
 そう呟いて顔にキスしようとしたとき、アスレードが目を開ける。
「べっ別にお前と一緒にここで暮らしていいなんて言ってないんだからなっ」
 慌てて零音が離れて言い訳を述べていると、アスレードは再び目を閉じて眠りにはいった。
「な、なんだよ! 寝相かよっ!」 
 悔しいのやら恥ずかしいのやらが混ざった行き場のない気持ちを零音はアスレードにぶつける。
 再び顔が火照ってきたため、零音は外に出て水浴びでクールダウンすることに決めたのだった。
 
〜今回のオチ〜
「だぁぁぁぁぁ!? 書いてる自分がはずかしい!」
 書いていたノートを一度天井へ放り投げて零音はベッドにねっころがる。
 ばさっと落ちたノートの表紙には『予定日記』と大きく書かれてきた。
「こんな生活本当にできたらなぁ‥‥」
 零音は天井をみつめながら、相容れない家族の仇であるバグアのアスレードを思い返す。
「何であいつは敵なんだよ‥‥私の気持ちをどうしてくれるんだぁぁぁぁぁっ!」
 ベッドの中心でで大の字になりながら零音はアスレードへの愛を大きな声で叫ぶのだった。
 
 
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 外見年齢 / クラス】
 gb9784  /綾瀬 零音/  女 /  15歳 / エキスパート

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも、つんでれっぽさを出してみたのですがどうでしょうか?
本人のいないまでは素直になれるというような仕上がりとなっています。

短くはありますが、今回はこれにて!

また、運命の工作するときまでごきげんよう。
ココ夏!サマードリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2010年08月09日

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