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『夢の中で再認識 』
クラーク・エアハルト(ga4961)
 
 久しぶりの楽しい旅行のはずだった
 
 お互い仕事第一の上に、戦域も違うことが多く一緒に出かけることなど稀だった
 
 自分にとって大切な存在である彼女とこれからもずっと一緒にと思っていたのだが‥‥

〜アクシデント〜
「レオノーラ! 無事ですか! お互い、能力者で助かりましたね」
「クラークこそ、腕が変な方向に曲がっているじゃない! ちょっとこっちに来なさい!」
 墜落した飛行機から脱出した二人はすぐに落ち合うと互いの状況を確認しあう。
 レオノーラ・ハンビーはかすり傷程度ですんでいたが、クラーク・エアハルトはレオノーラをかばったために左腕を骨折していた。
 すぐさまレオノーラはクラークを座らせて自分のシャツを破き、その辺に転がっていた鉄骨の破片を添え木にしてクラークの腕を固定する。
 その手際はよく、10代の外見に反して本物の『傭兵』を続けていたことを物語っていた。
「すみません‥‥けれど、レオノーラが無事でよかったです」
「貴方が怪我をしていちゃ意味がないでしょ‥‥本当に馬鹿なんだから‥‥」
 笑顔を浮かべるクラークにレオノーラは半ば呆れた様子で答える。
 それでも、最後は安堵の吐息交じりだったのは本人も気づいていない。
「他の人の状況はどうなのでしょうか? 自分が見た範囲ではだめでした」
「私も見回って見たけれど死体ばかりね‥‥何が起きたって言うのかしら‥‥」
 二人は互いの見てきた情報を照らし合わせて、現状把握を始めた。
 その間も移動をし、食料や水の確保をはじめるのは軍人や傭兵という職業柄なのかもしれない。
「かろうじて貨物ユニット内の水と食料は確保できましたね。なるべく温存して長くいられるようにしましょう」
 クラークは貨物室から保存食とペットボトルの水を片手で持ち上げてレオノーラに見せた。
「ちょっと、無理するんじゃないの。腕一本いっているんだからおとなしく見ていなさいよ」
 その荷物を奪うように持つとレオノーラはクラークを心配そうに見上げる。
 瞳には珍しく不安が浮かんでいるが、クラークはあえてそこには触れずに素直に荷物を渡した。
「ヘルメットワームの攻撃か事故なのか解かりませんが飛行機が落ちてるんです。捜索隊は出るはずですから待ちましょう」
「そうね、けが人を歩き回らせちゃ酷くなるわ。衛生兵がいないというのも面倒ね‥‥」
「衛生兵がいても骨折はどうにもなりませんよ」
 レオノーラのため息交じりの言葉にクラークは苦笑で答えると不時着した飛行機の残骸から離れると一度敬礼をする。
 客席で物言わぬ形となってしまった同乗者に向けてせめてもの手向けとして捧げたのだった。
 
〜夜を越えて〜
 休めるところをレオノーラが探し、クラークが救難信号のために砂浜に字を書く作業をはじめて数時間後。
 洞窟を見つけて今は二人だけで焚き火にあたって冷え込む夜を過ごしていた。
「毛布も焼けちゃっていたのはちょっと厳しいわね。洞窟で何とか過ごせればいいけれど‥‥」
 体を寄せながら、レオノーラは焚き火を見つめる。
 寄ってくるレオノーラの方に折れていない右手を伸ばしてクラークは抱き寄せた。
「こうすれば少しは暖かいですよ」
「危機的状況だけじゃなくて、普段からももっとリードしてくれたら惚れ直すんだけどね」
 ぽそりと呟いたレオノーラの言葉はクラークに耳には入らない。
 保存食の一食を二人で分けて食べて水を飲むだけの軽い夕食も済ましてしまったために後は寝るだけだ。
 しかし、砂浜に隣接する洞窟は夜の冷気を吸い込み体温を低下させてくる。
「確かに暖かいわ‥‥」
 ぎゅっと胴体に手を回して抱きつきレオノーラが甘えるように体を預けてきた。
 普段はあまり見せない姿にクラークの心臓が高鳴る。
(「やっぱり、自分はレオノーラのことが大切なんですね」)
 自分の気持ちを再認識すると共に抱き寄せる肩に力を込めた。
 守り抜こうという強い思いを込めて‥‥。
 
 いつの間にか閉じていた目を開くと左腕の痛みは消えていた。
 背に当たっているのは硬い岩ではなく柔らかいベッドである。
 変わらないものといえば伝わってくる愛する人のぬくもりだった。
「夢‥‥でしたか」
 クラークは裸で左腕に抱きつき寝息を立てているレオノーラの頭をそっと撫でる。
 くすぐったそうに顔を動かすものの、そのまま安らかに寝ている姿は気の強い依頼中の姿や、余裕を見せる普段の姿からは想像できないほどに愛らしく思えた。
「こういう姿を見るためにも‥‥守り続けて、そして自分も生きなければなりませんね」
 夢で見たことを思い返しながらクラークは自らの心を決めた。
「今日も戦場へ行ってきますが、もう少し一緒にいましょうね、レオノーラ」
 そっと頬にキスをするとクラークはもう一度布団にもぐりこむ。
 
 願わくばはじめの夢よりももっといい夢を見られますように‥‥。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス 】
 ga4961  /クラーク・エアハルト/ 男  / 28 /スナイパー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも毎回お世話になっています橘真斗です。
今回は甘さ控えめでまじめに言ってみましたがどうでしょうか?
クラークさんへの要望を混ぜつつやってみました。

プレイングについてですが、台詞はもう少しかぎ括弧で場面ごとに分けるとこちらもどの場面で使って欲しい台詞か見やすいので助かります。
それでは、短くはありますがこれにて失礼します。

次なる運命が交錯するときまでごきげんよう。
ココ夏!サマードリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2010年08月09日

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