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『+ そして舞台は未来へ続く + 』
ライラ・マグニフィセント(eb9243)&クリス・ラインハルト(ea2004)&ユリゼ・ファルアート(ea3502)&アーシャ・イクティノス(eb6702)



「人がいない?」


 新大陸上陸後すぐにライラ達は集落の跡を発見する。
 その事によって新大陸探検隊は期待に胸を大きく膨らませた。だが其処には肝心の人の姿は無く、今は廃村なっているばかり。


「……移住かな。よし、本当に人間がいないかこの集落の周りを探ってみよう」
「ふふ、じゃあボクがお付き合いしますよ〜♪」
「私も行きます。――ああ、此処からが本番なのですね。人が居る事は間違いないのですからきっと出逢えますよ」
「では私は何かあった時のために援護に行きましょう。他の皆さんも同様に。決して個人で動かないよう気をつけてくださいね」


 ライラについてきたのはクリス、ユリゼ、アーシャ。
 特にクリスは物珍しげに大陸の空気をすんすんと匂い、「大地を渡る風の匂いが違いますね♪」と楽しそうだ。
 新しい大陸という言葉に胸躍らせているのはクリスだけではない。特に調査隊のリーダーであるライラの気持ちは他の誰よりも高揚しているだろう。だがそれは今はまだ抑え、冷静に集落の跡の分析に回っている。それが分かっているからこそ皆真剣に彼女についていくのだ。
 ライラ達のグループは集落のすぐ傍にあった丘に登り、そっと下を見やる。上から集落の跡を観察しようとそう考えての事だが……不意に、ライラが口を開いた。


「なんだろう、見覚えのある配置さね」
「あー! さっきからなんでこんなにも見覚えあるんだろうとボクも思ってたんですよ〜! これ、バイキングさん達の様式に似てるんです! 住む土地は移ろっても、安らぎを得られる『家』は故郷の形を残すのですね♪」
「あら、本当。確かに先日訪れたバイキングの村の様子にそっくり。探索には気合入れていきましょ」
「やっぱり此処はバイキング達の子孫が住んでいた場所なのですね〜。なら理由があって移動しただけですね」
「よし、じゃあ集落はバイキング達に見てもらってあたし達は他を探そう。皆は少し此処らへんで待ってておくれよ」


 ライラはそう答えると今来たばかりの道をすぐさま戻り、バイキング達に気付いた点を伝達する。彼らは彼らでやはり同じような感覚を覚えていたらしく、すぐに承諾の言葉が返ってきた。近くにいた他の調査隊の面々にも一応言付けてからライラは再びクリス達三人の元へと身体を向けた。
 すると、三人のうち一人が思い切り手を振って何かを叫んでいるのが見える。
 誰だろうかと思いながらライラは丘を登っていけばそれは一人、また一人……最終的には三人が慌てて彼女を呼ぶように手を振っている形となり、些か異常を感じてライラは駆け上がった。


「何かあったさね!?」
「見てください、あそこ!」
「あそこって、――あ」
「あれって、お墓……ですよね」


 クリスが指を指し示した先を見て、ユリゼがその先の光景を示す単語を口に出す。
 アーシャは自分の腰に掛けてある剣の柄に無意識に手を引っ掛けながら二人の言葉に一度頷いた。


 四人が見た光景は明らかに人の手が加わった石に文字らしきものが彫られ、等間隔に並べられた墓場だった。
 それがただ石が並べられているだけならば儀式と考えたかもしれない。だが石の前に置かれた供え物――茎を結わえた花束がそうではない事を伝えてくる。


「ライラさん、歌ってもいいですか?」


 進言したのはクリス。
 彼女は数歩前に進むと自分の竪琴をそっと見せながら三人に向かい合うように反転する。そうして対面した彼女の目はこの場に眠る人々への強き想いを宿していて、三人にはそれがどのような種類であるかすぐに分かった。
 止める者などこの場にはいない。
 ライラも、ユリゼも、アーシャも互いに顔を見合わせて静かに頷くと彼女達は彼女達で両手を組み合わせ、目を伏せた。


 やがて聞こえてきた音楽は――鎮魂歌(レクイエム)。


 ポロロン……と紡がれる優しい音色。
 それに乗るのはクリスの澄んだ歌声。耳に非常に馴染む音と共に四人は心から弔いを行う。


「新大陸に欧州の音色が響くのはこれが始めてでしょうか……」


 歌の途中、クリスがそう疑問を……いや、確認の様な言葉を呟く。だがそれに答えられる人間は存在せず、居たとしてもきっと墓の中であろうと――そう誰かが口にしようとした瞬間。


― ヒュンッ!!


「何者っ!?」


 何かが飛来し、それがクリスのすぐ傍の土へと刺さるのを確認するとアーシャは素早く柄に手を掛け剣を引き抜く。
 三人の前に素早く身を進め彼女達を守るように身構えた。ライラは飛来物へと視線を落とし目を細める。それが自分達の武器である「矢」とほぼ同系統のものであることが確認出来ると彼女自身も攻撃態勢を取ろうとするが。


『――、――っ!』


 丘を囲んでいた茂みの向こうから現れたのは人間だった。
 それもまさに自分達が探していた原住民そのもの。年齢は二十代男性の様に見えるが、外見だけで年齢は判断出来ない。しかも言葉が分からない。彼女達は今まさに同じ先祖を持っている者と対面しているという事実と、別った時が長すぎる現実をひしひしと感じていた。
 クリスは自分の傍に刺さった矢を引き抜くと、まずユリゼの横を通り、次にライラの傍を歩む。だがアーシャの前に出ようとするも、彼女はそれを許さなかった。
 彼女にとってクリス達三人を守ることこそが今回の使命。相手が何者かも分かっていない現状、危険に晒す事は本意ではないのだ。
 だがそれを知っていながら、ユリゼもまた一歩前に進んだ。


「私も参ります」
「駄目。今はまだ危険です」
「でもクリスさんも私も彼と話したいの」


 クリスはバード。そしてユリゼもまたウィザードという職業を有しており、この場で彼と対話出来るのは二人のみ。ライラとアーシャには意思を伝える術はない。
 警戒を解くのは危険だが、このままでは進む事も出来ない。アーシャは唇をほんの僅か噛み締めると、二人の意思を優先すべくゆっくり横へ反れた。


『ここは聖地だ。お前ら何をしている?』
―私達はこの大陸よりずっとずっと先にある別の大陸からやってきたの。
―今ボク達はこのお墓を見て弔っていただけ。
『信じられん! お前らは我らの村を襲いに来た者ではないのか!?』
―そうね。信じてとは都合が良いけど……決して奪いに来たんじゃないの。
―その証拠にボクらは何もしないよ!


 テレパシーで二人が対話し、通じたことをライラ達に通訳する。
 ライラとアーシャはその経緯を聞くと、一旦顔を見合わせた。だがすぐに自分達の武器を身体から外すと地面へと下ろし、そのまま数歩後へ下がる。言葉で意思を伝える事が出来ない彼女達なりの「攻撃の意思は無い」事を伝える行為だ。
 クリス自身も竪琴を草の生えた土の上に横たえると、抜いた矢を両手でそっと差し出す。
 原住民である男は訝る様に睨み目で彼女を見やる。警戒心は解かれる事はないが、それでも彼はクリスに近寄り矢を奪う様に掴み取った。


『我一人の意思では判断が出来ない。それにお前達の疑いが解けたわけではない』
―せめて人のいる場所に案内して貰えないかしら。誤解は自分達で解くわ。
―だってこのままじゃ何も変わらないもん!


 ユリゼとクリスが必死に説得と住処を聞き出そうとするも、原住民はただ睨むだけ。
 これ以上の交渉は難しいかと思い、ライラはせめて先祖からの言葉を伝えて貰おうとユリゼの肩を掴み言葉を口にしようとする。だがその行動を行うより先に原住民は急に背後を振り返り、そのまま自分達の存在など既に眼中から消したかのように走り出した。


「お待ちなさいっ!」


 その様子はあまりにも切羽詰っているように見え、アーシャは地面に置いておいた剣を引っ掴むと本能的に相手の後を追う。何か感じるものがあったのは彼女がナイトであったためかもしれない。
 ライラ達も遅れたが原住民とアーシャの後を追う。
 草木の生い茂る森を駆け抜ける途中、他にも走る者の気配を感じそちらを見れば自分達の調査隊の面々の姿が其処にはあった。


「何があったさね!?」
「今子供が何かに追いかけられているのが見えた! 原住民だ!」
「ああ、あたし達も原住民を見つけたよ。先頭を走っているのがそうさね! 子供は一体何に追いかけられていたんだ!?」
「分かんねぇがっ……あれは確実に人間じゃなかった! モンスターかもしれない。気をつけろ!」


 合流という形で並列で走ればやがて森が開け、其処には先ほど見つけたばかりの集落とほぼ同じ建築形式を取られた建物が幾つか見えた。だがそれを詳しく観察している暇は今、ない。何故なら子供を追いかけていたモノの正体は――。


「グリズリーだ!」


 誰かが指をさし、声を荒げる。
 集落を襲っているのはグリズリー、つまり大きめの熊だった。それが数匹暴れまわっているのを見て、冒険者達はぞっと血の気が引いた。墓地で出逢った原住民は己が持つ鋭い感覚で仲間の危機を感じ取ったのだという事がすぐに分かる。現に彼は今、ライラ達を射た弓でグリズリーを狙い仲間の応援へと交じって戦っているのだ。
 そしてその姿を見過せるほど冒険者達は薄情ではない。


「あたしは子供達を守る事に専念させて貰うさね! 皆は徹底的にやっておくれ!」
「了解ですっ!」
「もちろんですわ。私は後から援護します」
「では私は前へ。今度こそ皆を危険から護らせて貰いますからね――はぁぁあっ!!」


 言うや否やアーシャは騎士の本領発揮とばかりに誰よりも先を駆ける。
 剣を振るう彼女の姿を見るとグリズリーはその鋭い爪を用いて彼女へと攻撃を仕掛けた。アーシャの何倍もある熊の其れは重くのしかかり、シールドで防いでも地面に押さえつけられる形になってしまう。だが其れを耐えられる彼女に原住民達は目を見開く。
 女性で、しかも見知らぬ土地の者。それが何故か自分達の集落を守るために戦ってくれていることに驚きを隠せない。いち早く墓地で会った原住民の男は意識をはっとさせるとアーシャの援護を開始した。


「う……重い。――でも私のスマッシュの方がずっと重いから! 私は歴戦の騎士、負けません!!」


 獣の爪をシールドで見事弾き返すとアーシャは獣の懐へと飛び込み、そのまま腹部へと剣を差し込む。そしてぶつかった勢いのまま獣を仰向けに倒し、剣を回転させ傷口を抉り致命傷を与えた。暫くはもがき苦しむグリズリーだが、アーシャはせめてもの情けと心の臓に狙いを定め、切っ先を沈める事にした。


「アイスブリザード!!」


 一方ユリゼは宣言通り冒険者達の援護に回っていた。
 ユリゼが放った吹雪は扇状に広がり、冒険者を襲うグリズリーの足止めをする。だが彼女もただ単に魔法を放っているわけではない。決して集落に損害を与えぬよう攻撃範囲に気を付けている。突然の冷気に驚いたグリズリーの内一匹は森へと逃げ返ったので、それはそれで良いと追う事はしない。


「さてと、私は私でまだ出来る事があるわね」


 薬草師でもある彼女は怪我を負った原住民の傍へと寄る。言葉は簡単には通じない。けれど彼女がすでに敵ではない事は彼らにも分かっており、もう逃げられることは無かった。


「大丈夫、大丈夫ですよー。ボク達が守りますから」
『――、――? ――っ!?』
「あ、テレパシー使うの忘れてました〜!」


 その頃、クリスは怯えた子供達にテレパシーを使い、落ち着きを取り戻させようと懸命に話しかける。
 戦場で何が危険で、何が足手纏いになるかと言われれば、味方の『混乱』だ。特に子供は判断力が無い為、大人が思いも付かない行動に出る事もあり出来るだけ大人しく身を隠させる事が得策だ。
 クリスは背後を振り返り、目を細めながら現状を把握する。
 その視線の先ではライラが己の愛剣・ティワイズを使用し、グリズリーを子供達から遠ざけていた。ファイターである彼女の剣捌きはいつ見ても見事だとクリスは思う。


「あたしはこの土地で伝えなきゃならない事があるんだ! 此処の人達に手出ししたらあたしが許さない!」


 ギラギラとした闘志はまるで熱せられた剣そのもの。
 動物に言葉は通じないがライラが放つ気を受け、グリズリーはぐっと動きを一瞬止めた。だがそこで怯んで逃げてくれれば良かったが、獣の方も一筋縄ではいかない。巨大な体躯を活かし、太い腕を振り力任せの攻撃を放つ。


 一瞬後――グリズリーが倒れる音が辺りに響いた。土煙を僅かに上げながら転がる獣は徐々に冷えていく。


「これで終わったさね?」


 そして全ての危機がこの場から去った事を確認する為、ライラはゆっくりと辺りを見渡す事にした。



■■■■



 無事グリズリーを撃退する事が出来た冒険者達は原住民に快く受け入れられる事となった。わだかまりも解け、かつ墓地への弔いも許され、ライラ達もほっと安堵の息を吐く事が出来る。
 やがてライラ達がこの場に来た目的である新大陸の調査と先祖からの伝言について語ると、集落の年寄りの一人が彼女達にある事を伝えた。その者の言葉はこう。「五大湖の畔を目指せ」と。
 その言葉に従いライラ達一行は原住民の案内の元、五大湖の畔へと進む。
 場所はそう遠くなく、すぐに辿り着いた。


「五大湖……綺麗ね、湖が空を映して……」


 ユリゼがほうっと柔らかな息を吐き出しながら素直に感想を口にする。
 向こう岸が全く見えない広大な湖、そして遥かな果てまで広がる草原。これは自分達が住む場所にもそうあるものではない。


『こっちよ』
『こっちだよ』


 誘う声が聞こえれば、現実に引き戻されライラ達は再び警戒心を強める。
 ふわりと姿を現したのは精霊二人。少年の姿をしているのはアースソウル。美しい少女の姿をしているのがフィディエルだと言う事は長年冒険を続けてきたものにはすぐに理解出来た。木霊と水の精が手招く先は同じ場所。冒険者達は互いに顔を見合わせ、最終的にはランラへと顔を向けた。
 最終判断を下すのはリーダーである彼女の役目。そしてライラは多くの視線を浴びながら決断する。


「先へ行こう。あたし達にはそれしか道が無い」


 フィディエルは水の中へと生者を引き込むという噂もあるが、彼女が示す先は陸地。アースソウルも全く同じという点で多少情報として信用出来るのではないかとライラは判断したのだ。
 ライラが先頭に立ち、先を行く。
 続いてアーシャ、そしてクリスやユリゼ達が続いた。


 歩いた距離はさほど多くない。
 だが最初に上陸した場所よりかは大分陸地へと進んだ。一体何処に連れて行かれるのだろうかと調査隊の中で不安が浮き上がり始めた頃、精霊達はぴたりと動きを止めそしてある一点を示し続けた。
 そして最後にアースソウルは愛らしく、フィディエルは美しく微笑を浮かべるとその姿を森へ、湖へとすぅっと消した。


 二人の精霊が示した其処は『残された子孫の村』だった。
 突然現れた調査隊に村人は驚き最初は警戒されたが、そこは案内人である原住民が上手く説明を行ってくれ攻撃される事はなかった。むしろ彼らにとって調査隊とバイキング達は歓迎に値するもので、すぐに村中に伝令が飛び交わされる。


 やがて村長を筆頭に年季の入った者達が現れ、ライラとバイキングの長がまず代表で挨拶を行った。
 子孫には代々話が継がれていたらしく、ライラ達の言葉がその話と合致すると彼らは疑う事も無く、歓迎の宴を開くようにと周りに命令を下した。


 もっと。
 もっと話を。
 もっと、もっと、遠く離れた土地の話を。


 まるで子供の様に話を強請る彼らにライラは語り、そして彼らはその土地ならではの食材を使った料理を調査隊に振舞う。


「ふむ、これは面白い食材さね。何とか料理をしてみようか。出来れば持って帰りたいね」


 話の途中、噛めば噛むほど甘い汁のようなものが出てくる作物を口にするとライラは興味を抱き、棒状の其れを手に取る。


 感動の再会の途中から既に戦闘のため腹を空かせていたアーシャは、最初こそ物珍しげに眺めるだけだったが、黄色の粒が房に付いた作物をすすめられ、子供達が美味しそうに食べるのを見ると自分もそれを齧った。


「え? これは、と、と、――こし? なんでしょう? あとでクリスさんとユリゼさんに詳しい話は通訳してもらうとして、これは初めて見ます。あ、美味しい! おかわり〜!」


 幸せそうに食事するアーシャの隣でクリスは弦を弾きながら子供達に歌を聞かせる。


「不思議なご縁に導かれ、求める方々とお会いできました。この旅の物語はボクのレパートリーの1ページに加えさせてもらいますね♪」
『――! ――!』
「え、これを食べるんですか? じゃあ、頂きまーす♪ ん、っく…………っ〜! 水、水ー!!!!」
「え、クリスさん、どうしました?」
「か、辛いよ〜っ! これ、このあ、赤いの! あかい、ちっさなこれ、辛いっ! お水ー!!」


 子供達に進められ別の食物を食べたクリスが悲鳴を上げる。
 アーシャは慌てて出されていた水を手渡すとクリスは一気に飲み込んだ。どうやら赤くて緑の房が付いたものを食べたらしい。子供達の可愛らしい悪戯とは分かってはいるものの、アーシャはそれだけは食べないようにしようとそっと心に誓ったとか。


 宴は続き、やがてライラは先祖からの手紙を彼らに手渡した。
 だが子孫達には文字が正しく読めなかったため、テレパシーを使える者の通訳を通じて伝わる事となる。


     『新大陸へ残さねばならなかった者達へ』


 そう始まる言葉は置いていった上に迎えに行けなかった事に対しての謝罪から始まり、そして当時の思いが綴られていた。
 そして彼らの方も長がとても古びた手紙を一つ取り出すとライラ達に渡してくれた。そちらの文字は幸いにも通訳を必要とせず、ライラは読む事が出来た。
 だが読み終えてもライラから言葉は出ない。
 いや、正しくは出す事が出来なかった。
 残された側の思いを読み取った彼女は暫くの間俯き、そして暫く沈黙を続けた。


― パシャン。


「あら」


 水を叩く音。
 それは水の精が宴に興味を抱いて寄ってきた精霊によるものだった。ユリゼは飲み物が入った碗を手に湖へと近付く。もちろん多少の警戒は残して、だ。
 けれどフィディエルは遠くから眺め見るだけでユリゼに近付こうとはしない。ただ、ただ、子孫達を見守るかのように微笑むだけで。


「そう。貴女がいるからこの湖はこんなに美しいのね。会えて嬉しいわ」


 ユリゼもまた笑みを浮かべ、そして小さく胸元で手を振った。
 空を見上げれば今も昔も変わらない星空が広がっている。自分の相棒である月竜を思い出し、流れてくる風に彼女は髪を遊ばせる。


「今度は何処へ行こう?」


 それは冒険者としての彼女の言葉。
 この旅が参加した者にとって大きな思い出になった事は間違いなかった。









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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【eb9243 / ライラ・マグニフィセント / 女性 / 21歳 / ファイター / お菓子作り職人】
【ea2004 / クリス・ラインハルト / 女性 / 23歳 / バード / 吟遊詩人】
【ea3502 / ユリゼ・ファルアート / 女性 / 24歳 / ウィザード / 薬草師】
【eb6702 / アーシャ・イクティノス / 女性 / 21歳 (実年齢43歳 ) / ナイト / 警護】


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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、冒険発注有難う御座います!
 三度目の文字数上限ぎりぎり……でも無事お届けできて嬉しいですv


■ライラ様。
 こんにちは、いつもお世話になっております。
 今回はリーダーポジションとして様々な判断を下して頂きました。そしてグリズリーとの戦いでもその腕を披露して頂いたり、例の作物に興味を抱くあたりが「ああ、ライラ様だなぁ」とほっこりさせて頂きましたv


■クリス様
 いつもながらサポート面有難う御座います!
 そして今回は戦闘時の指定がありませんでしたので、「クリス様だったらきっとこうするんじゃないかな〜」と思った事を書かせて頂きました。あと悪戯は当方からのちょっとした悪戯で(笑)楽しんでもらえれば嬉しいです!


■ユリゼ様
 こんにちは、前回に引き続きサポート兼通訳です!
 そして今回は薬草師としてなら、の場面も小さく突っ込ませて頂きました。後は最後の場面がユリゼ様が一番綺麗な描写でしたのでこのような形で使用させて頂きました。次の旅も楽しんでくださいねv


■アーシャ様
 戦闘と警護お疲れ様でした!
 いつもながらアーシャ様の戦闘描写には力が入ります。思わずもっともっとと書き込みたくなりますが、書き込めない悲しさ(涙)例の作物は個人的に大好きなものですvあれ美味しいですよねー!



 最後に。
 皆様が今後どのような過ごし方をされるかは分かりませんが、どうかこの先に幸あらんことを!
WTアナザーストーリーノベル -
蒼木裕 クリエイターズルームへ
Asura Fantasy Online
2010年08月23日

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