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『●夢だけどリアル。 』
ソウマ(gc0505)

 うたた寝をしてしまったソウマ。一体、彼の見る夢というのはどんな物なのだろうか――?


 辿りついた喫茶店には、少しばかり――いいや。だいぶ違和感がある。
「普通の喫茶店だと思ったんですけど、おかしいですね。聞き間違えたんでしょうか?」
 喫茶店で働いている従業員を見やりながら、同じ恰好をするであろうソウマは自身にも降りかかる災難を軽く想像する。
「‥‥いや、俺も間違いであってほしいと思う。しかし、キーツ‥‥俺の兄だが、風変わりな喫茶店をやってみたいということでな。俺もこうして何故か‥‥」
 だが、この喫茶店のいきさつを説明してくれているシアン・マクニールは青い顔をしていて、今にも失神して倒れそうな程である。
「そうですか‥‥事情は理解したし、一度引き受けた事を途中で止めるのは僕の流儀に反しますからね」
 安心してください、必ずやり遂げますよ。と微笑むソウマ。心強い返答に、シアンもつられて笑みをこぼす。

 というのも――その喫茶店というのはただの喫茶店ではないからだ。

 褌一枚で接客する『褌喫茶』である。何故に褌なのか? それは夢というモノ、自我のコントロールの行き届かないところで為せる技。
 そこは気にしてはいけない事として、忘却してほしい。
 そして制服(?)に着替えるため更衣室へと向かったソウマは、暫くすると黒一色の割褌姿で戻ってきた。
「お尻がちょっと恥ずかしいですね‥‥」
 言わなくても想像がつくと思うが、きゅっとしたお尻が丸見えなのだ。しかし不思議な事に、褌を締めた時の緊張感は心地よい。
 体も普段の傭兵生活で引き締まっているので、なかなかのものである。
 だがシアンには抵抗があるらしく、決まり悪そうな顔をしていた。
「あ。皆同じ褌じゃないんですね。成程、違う褌で個性を出しているわけですか‥‥」
 細かい演出である。従業員の褌を見つめながら一人納得したソウマは、じゃあ頑張りましょうかと喫茶室に入っていく。
 
 喫茶店なのに褌一丁という物珍しさから、客の入りは上々だった。
 あちらのテーブル、此方の席へと品物を運ぶ間にもひらりと揺れる褌の前垂。ある意味、そのセクシーな姿を見たいがゆえに訪れる客の大半は‥‥やはり、というか女性がほとんど。
「すみません。お触りは禁止です!」
 嬉しそうな表情で、お尻に手を伸ばそうとするお客たちを注意するのがシアンの役目らしい。だが、その一方。
「なんか、あのお客さんからじっと見られてるんですけど‥‥」
 ヒソヒソとソウマが小声で相談しに来る。シアンもそちらを見ると――がっしりとした体格の男性が、ソウマのほうを熱く見つめていた。
 頑張っているね、というような激励の表情ではない気がする。あまり深く考えてはいけない、そんな視線なのだ。
 それにはシアンも言葉を無くし、アドバイスも的確なものが浮かばず困ったような顔をした後。ぎこちなく微笑んだ。
「被害が出そうになる前に、逃げてくれ」
「そんな、薄情な‥‥!」
 

●戦い(?)終わって

 ようやく閉店の時間が過ぎ、最後のお客を見送って、後片づけを終えた彼ら。
 ある意味セクシーな喫茶店は大繁盛のまま終わった。
「相当忙しかったが、どうもありがとう。君が協力してくれたおかげで助かった」
 やはり普段の服装は落ち着くな、といいながら安堵した表情を浮かべるシアン。軽く頭を下げて、ソウマに礼を述べた。
「いいえ、疲れましたし色々と大変でしたが‥‥悪くない気分ですよ」
 いい勉強になりました、と微笑みながら返すソウマ。
「また人手が足りなくなったら君の力を借りに来よう。機会があればよろしく頼みたい」
「いつでも構いませんよ」
 お互いの心に心地よいものを残しながら別れた二人。次はお互い依頼という形で顔を合わせるだろう。

「あの‥‥」
 帰途に着く途中、髪の長い女性に引きとめられたソウマ。その人の後方には、友達と思われる女性の集団がいて、彼を見つめていた。
「貴方可愛いわね。私たちと遊ばない‥‥?」
 綺麗な女性からそう言われて嫌なはずがない。ソウマはにこりと笑顔を見せてから、恐ろしいものを発見した。

 女性の喉元‥‥そう、喉仏が出ていたのである。
 まさか、これは‥‥! 戦慄がソウマの身体を駆け抜けた。
「い、いえ、遠慮します」
 逃げようとしたソウマの腕を掴む女性‥‥いや、女性っぽい人。そこから寒気を覚えたソウマ。掴まれた個所から瞬時に鳥肌が立ち上っていく。
 後ろに控えていた喉仏集団も、捕獲されたソウマのほうへと近づいてくる。
 身の危険を感じたソウマ。いやいやとかぶりを振りながら、頬へと伸ばされる、赤いマニキュアがついた指先を見つめていた――ところで、眼が覚めた。


 きょろきょろと周囲を伺っても、誰もいない。うたた寝をする前と同じ部屋。
 ほ、っと胸を撫で下ろした瞬間の事だった! テーブルに置いてあった携帯電話が着信を告げる。
 飛び上がりそうになりながらも恐る恐る電話を取ると、シアンからの着信だった。
 内容としては、手伝ってほしい事がある、との事だ。
「予知夢‥‥?」
 シアンとの通話を終えてから、ソウマはぼそりと夢の内容を思い浮かべながら呟いた。
 心の中で、『オカマには要注意』と呟いて、ソウマは既にぬるくなってしまった飲み物に手を伸ばした。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【gc0505 / ソウマ / 男性 / 14歳 / エキスパート】
【gz0296 / シアン・マクニール / 男性 / 27歳 / フェンサー】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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こんにちは。いつもお世話になっております。
遅くなってすみませんでした。
ソウマさんを楽しく書かせていただきましたが、少しでもPL様にとって、想像通りのソウマさんであれば幸いです。
ココ夏!サマードリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2010年09月06日

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