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『真夏のON AIR! 』
シーヴ・王(ga5638)

 夫の仕事は大変そうだ
 
 傭兵のように命を懸けることはないのだけれど、多くの人との架け橋となっている
 
 この夏にも大きな仕事があり私も手伝うことができた
 
 そんなとき、ふとあの頃を思い出す‥‥
 
〜一山越えて〜
「ただいまでありやがるです」
 玄関をドアをあける。
 中には誰もいないのだが、すっかり習慣となっていた。
「前夜祭といってもすごかったですね」
 日付変更から朝6時までという異例の時間帯ライブを終えて、高速移動艇で日本の大阪からラストホープまで戻ってきて7時である。
 夫のライディ・王は後片付けと打ち合わせの後で帰ってくるので今はシーヴ一人である。
 カーテンを開けて、フローリングの床に寝転がると肌を通して感じる冷たさが火照った体を冷ましてくれた。
「気持ちいいです‥‥」
 ごろりと横たわっていると、ライディが帰ってくる。
「ただいー‥‥シーヴ! どうしたの!?」
 バタバタと血相を変えたライディが廊下を走りながらリビングへと飛び込んできた。
「床がひんやりして気持ち良かったんで。少し考え事をしてたです」
 寝転びながらシーヴは顔だけライディに向けて、微笑みを見せる。
 ライディの方はのんびりしたシーヴの姿にふぅと息をつくと汗を拭った。
「もう、玄関に入ったら足だけ見えててびっくりしたよ」
「ライディも一緒に転がりやがるですか?」
 着替えること無く横なっていたシーヴは上目遣いにライディを見上げる。
「じゃあ、少しだけ‥‥ね?」
 荷物をテーブルに置くとライディもシーヴの隣で横になる。
 シーヴの言うように冷たい床が忙しかった6時間の疲れを吸い取ってくれるかのようだ。
「ところで、何を考えていたの?」
 なんと無しにシーヴの手を握りながらライディは尋ねる。
「最近はラジオのサブ・パーソナリティもやってねぇですね‥‥少し寂しい、です」
 こちらに引っ越して来てからは、ライディが空いている時間でラジオをやってはいるためシーヴが一緒にやる機会は減っていた。
 今回のようなマネージャーの仕事もあるので不定期放送なのも否めない。
「前みたいに人を集めて放送するって時間が取れなくなったからね‥‥じゃあ、久しぶりにやってみる?」
 苦笑を浮かべていたライディがシーヴの目を見ながら尋ね返してきた。
「断るわけはねぇですけど‥‥ライディ、無理してねぇですか? 6時間仕事していてだからちっとばかし心配です」
「大丈夫だよ、一時間くらいの放送だし。Time Is Moneyだからね」
 流暢な英語を口にするとライディは立ち上がり、シーヴに手を差し伸べて微笑む。
「じゃあ、一緒にやるです」
 シーヴは差し伸べられた手を握り、微笑を返した。
 
〜希望の風で迎える朝〜
「ライディ・王の『Wind Of Hope!』今日は朝の早い時間からお送りしています。予告なしの本当にゲリラな感じは久しぶりです。メインパーソナリティのです。改めて宜しくお願いします」
「こちらの夏は暑くて北欧生まれのシーヴには少しばかり辛ぇです。久しぶりにサブパーソナリティを務めます、シーヴ・王でやがるです」
 スタジオに入るとライディとシーヴは向き合うようにして座って放送を始める。
 ヘッドホンマイクをつけている感覚はシーヴに懐かしさを呼び戻した。
 そんな嬉しさの反面、閉鎖空間で機材の並ぶ部屋で話すのは緊張もする。
(「緊張しすぎてもいけねぇですね‥‥ミスしねぇようにやらねぇと」)
 シーヴはアドリブで進む雑談じみたやり取りに内心不安を感じながらも感覚を取り戻すように付き合った。
 夏の暑さの話題や、最近のラストホープにできた施設、ショッピングモールのイベント紹介など、地域密着の話題をライディが率先して話す。
「それでは、ここで曲紹介をしてもらいます。シーヴ、お願いね」
 話をしていたライディが紙にメモを書いてシーヴに見せた。
「‥‥はいです。今回の曲は夏らしい一曲でやがるです。タイトルは‥‥」
 ライディの気遣いに感謝しながらシーヴは曲紹介を無事済ませる。
 
 そんなことをしているうちにあっという間に一時間は過ぎてゲリラ放送は終了した。
 機材の電源を落として外にでるとライディはぐぐーっと両手を上に伸ばす。
「終わったね‥‥でも、ちょっと体力的にギリギリすぎたかな。ほんの少しでもいいから眠りたい気分だよ」
「ふふ、やっぱりライディはラジオやってる時が、一番いい顔してやがるです」
 大きな欠伸をし終え、一仕事を終えた顔をするライディにシーヴはくすりと笑いながら伝える。
「やっぱり俺としてやりたかったことだからね? 待っている人もいるんだから気が抜けないよ」
「がんばったご褒美をあげやがるですね」
 シーヴは背を伸ばすとライディの頬にそっとキスをした。
 キスをされて照れる夫をみると、シーヴの顔に自然と微笑みが浮かぶ。
「ご褒美はうれしかったですか?」
「びっくりしたけど嬉しかったよ、ありがとう‥‥放送も終わったからシャワーを浴びて一緒に寝ようか?」
「そうでありやがるですね‥‥。せっかくなのでゆっくりするです」
 優しく気遣ってくれる夫と一緒にいて笑顔の増えた自分の変化にシーヴは幸せを感じていた。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス  】
 ga5638  / シーヴ・王    / 女  / 19 / ファイター


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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毎度ありがとうございます。
橘真斗です。

ラジオということでシーヴとライディの夫婦なりプレイになりましたがいかがでしょうか?
楽しんでいただけたら幸いです。

手身近ではありますが、コレにて提出をさせていただきたく思います。

次なる運命が交錯するときまでごきげんよう。
ココ夏!サマードリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2010年09月13日

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