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『Fairy Future 』
麻宮 光(ga9696)

 ピピッと軽い電子音が鳴り、ロック状態を示していた緑のランプがアンロックを示す赤へと変わった。
「えーっと、今が2時過ぎだから、まあ大体3時過ぎまでね」
 カードキーを白衣のポケットにしまいながら、秋桜理は一歩引いた場所に立つ青年に説明する。
「了解です。取り計らって頂いてありがとうございました」
 丁寧に一礼をして、光は微笑みを浮かべた。
 鋭さを感じさせる端正な容貌も、平時の今は彼の内面の穏やかさもあってか、人懐っこい印象を与える。
「そんな畏まらなくてもいいわよ。カンパネラは知っての通り、色々と緩いし。面会時間の調整ぐらい簡単だから」
「助かります」 
「それじゃあ私は行くけど‥‥」
 秋桜理は光と擦れ違う半歩手前で足を止め、眼鏡越しに瞳を光らせた。
「モニターしてるから、変なことはできないわよ?」
「しませんよ!?」
「ふふ。まあ、なんにせよ程々にね。世の中って呆れるくらい面倒臭い構造だから」
 妙に含んだ言葉を残し、秋桜理は手をひらひらと振って去って行った。
 なんとなくその背中を見送った光は、
「えぇ、覚悟の上ですよ」
 半ば自分に言い聞かせるように、小さく呟いた。

「あら、誰かと思えばヒカルじゃない」
 ベッドの上で足を伸ばして座りながら本を読んでいたフィディエルは、少々芝居がかった口調で訪問者を迎えた。
 本を閉じて膝の上に置き、青玉の瞳で光を見る。
 その視線を受け止めながらも、光はさりげなく部屋の中を観察した。
 部屋の雰囲気は殺風景とも質素とも言えるが、少なくとも居心地が悪い空間ではなかった。
 8畳ほどの広さの部屋に、ベッド、椅子と机が1セット置かれているだけなのだが、淡い色調の壁紙や家具類のデザインは微妙に凝っている。
 尤も、貴重といえば貴重な研究対象であるから、状態を適度に保つ配慮が為されるのは当然のことかもしれないが。
 なんにせよ、不遇な扱いを受けている様子がないことに、内心でこっそりと安堵する。
「やあ、久しぶり。調子はどうだい?」
 気負わない足取りで近づきながら、明るく声を掛けた。
「見ての通りですわ。それにしても、ヒカルは本当に暇なのね」
「依頼も最近は受けてないし、その通りかもしれないな」
 呆れた口調の言葉を軽く受け流し、光は手荷物の置き場を探して視線を彷徨わせた。
「机、借りてもいいか?」
「どうぞ」
 荷物の中身はお菓子とケーキにジュースなどだが、開けるにはまだ早いかと思い、取り合えず置いておくことにする。
 そのまま備え付けの椅子に座り、フィディエルの方へ体ごと向けた。
「何の本を読んでたんだ?」
「あぁ、これ? 『テツガク』っていう学問の本らしいわね。シオリに読めって言われて読んでるのだけど‥‥」
 フィディエルは背表紙を光の方に掲げてみせた。
 有名な哲学者の代表作だ。主に人の罪悪について説いている内容である。
「哲学か。面白い?」
「そうね。益々人間が解らなくなったわね。随分変わった生き物よ、本当に」
「そうは言うが、君も元は人間だろう」
「でも昔の記憶がないもの。今現在の記憶は確かに『私のもの』だけど、メンテナンスを受けていた間は、その度に改竄されててもおかしくありませんし」
 ただ事実を話す、それだけの口調で、フィディエルは言う。
 それがどれほどおぞましいことであるかを、理解しているのか、いないのか。
「ところで」
 僅かに訪れた沈黙。
 特に気まずいと感じたわけでもないだろうが、フィディエルが率先して口を開いた。
「今日はどういったご用件?」
「用ってほどじゃないけど‥‥まあ、お喋りをしにだよ」
「相変わらず物好きね」
「かもね」
 嘆息するフィディエルに、光は軽く肩を竦めて見せる。
 肯定されたことが意外だったのか、フィディエルは少し驚いた顔をした後、「ふふ」と小さく笑った。
 その笑顔の存在を、光はただただ嬉しく思う。
「‥‥随分、穏やかになったな」
「え? あぁ、そうね。色々馬鹿馬鹿しくなったっていうのが大きいのかも」
「色々?」
「素直に命令に従っていたこととか、人間を殺すのに躍起になっていたこととか、ですわよ」
「‥‥それも洗脳だろう?」
「有り体に言えばそうでしょうけどね。でも知っての通り操り人形というわけでもないし、大部分は私の意思ですもの」
 真剣な表情で話を聞く光の視線から、フィディエルは少し目を逸らした。
「貴方が私に拘る理由は、これまでにも何度か聞きましたけど‥‥それで貴方の立場は悪くなったりはしませんの?」
「些細な問題さ。君が気にすることじゃない」
 なんでもないことのように、光は答える。
「‥‥そう。この際だから言うけど、私は、ヒカルの正気を疑ってる」
 光は視線で「何故?」と問い返した。
「多くの同胞を殺されて、どうして私たちと理解し合えるなんて思えるの? 貴方だけじゃないわ。他の人間たちも。だからと言って、人間全てが貴方たちと同じ考えだとは思わない。むしろごく一部でしょう? 私だったら、仲間を殺した相手なんて絶対に許さないわ。でも人間は、人間同士で殺し合うわよね? つまりはそういうこと? 仲間を殺されても、気にならないの?」
 一息に吐き出した後、フィディエルは大きく息を吸う。
 上下する胸。ワンピースの胸元には、いつぞやの傷跡が今も覗く。
 少女の言葉を受け止めた光は、静かな瞳で見つめ返した。
「君がしたことは許されないことだ。俺だってそれを許容したわけじゃない。だが、だからと言って君を殺してしまえば全部綺麗に片がつくのか? いいや、決して解決しない。遺族や同胞の心は一時的には癒されるかもしれないが、それだけだ。『先』がない。殺してしまうのは簡単だ。君が重ねた業のように。でもそれを雪(すす)ぐことが出来るとするなら、生きていなければ不可能だ。死ねば、殺せば、そこで全てが終わる。なにより──」
 息を継ぐためにと意を決するために、二つの理由で、光は一旦言葉を切る。
 フィディエルは、無言で彼の言葉の続きを待つ。
「なにより、俺は誰にも傷ついてほしくない。みんなに笑顔でいてほしい。勿論、君にもだ、フィディエル。その為に俺は、この身を尽くすことを心に決めたんだ」
 真摯な響きの決意を受けて、フィディエルは表情を歪めた。
 どういう感情の表出か、にわかには判断がつかない。
 憐れんでいるようにも、戸惑っているようにも、困っているようにも、呆れているようにも見える。
「‥‥まあ、全部俺の勝手な考えだ。俺は俺のやりたいようにやる。君も君らしくしていればいい」
 重苦しい沈黙を破るように、努めて軽快な声で光は言った。
「‥‥ふん。当然よ」
 それは珍しく、少し強がったような声の、少女の言葉だった。

 他愛のない雑談──と言っても、主に光が話していたのだが──に興じること十数分。
 そろそろか、と判断し、光は机の上に置いておいた袋に手を掛けた。
「プレゼントを持ってきたんだけどさ」
「つまらないものだったら受け取らないわよ?」
「う‥‥いや、多分気に入るとは思うんだけど‥‥」
 光は一瞬怯んだが、気を取り直して袋の中身を取り出す。
 まずは、
「この間、これが気に入っていただろう?」
「あら‥‥ブラウンサンダーじゃない」
 フィディエルの表情が、目に見えて明るくなる。
 安価な駄菓子なのだが、それほど気に入ったのだろうか。
「そちらの箱もですの?」
 20個入り一箱を貰っておきながら、袋に入っている箱の方にも興味を示すフィディエル。
 どんだけ好きなんだ。
「いや、こっちは違う」
「そうなの‥‥」
 あからさまにしょげる様に、光はつい小さく吹き出してしまった。
「‥‥なに?」
 馬鹿にされたと感じ取ったのか、フィディエルは声音にやや剣呑な気配を含ませた。
「ごめん。可愛いなと思ってさ」
「‥‥あ、そう」
 フォローに対しても素っ気ない。
 その反応を見て、それにしても、と光は思う。
 これが果たして、本当に『あの』フィディエルなのだろうかと。
 人を殺すことに何の躊躇いもなく、残酷さ残虐さの象徴のようだった強化人間、ハーモニウム。
 それが今、たかだか駄菓子の有無で機嫌を左右されている。
 そして思う。
 この少女を変えたのは、自分たちなのだと。
 誇りに、思う。
「こっちも気に入ると思うんだ」
 形を崩さないよう気をつけながら箱を持ち上げ、慎重に開ける。
 お披露目されたのは、星型のクリスマスケーキだった。
 レアチーズケーキをベースに、表面には丸い板チョコのプレートと苺、ブルーベリーなどで飾り付けられている。
 シンプルだが凝った作りで、控え目だが地味ではない、センスの良さをふんだんに感じるデザインだった。
 フィディエルはあからさまに反応してみせたが、一方で訝しげに形の良い眉を寄せた。
「随分と豪華なケーキだけど‥‥何故?」
「何故って、クリスマスだからさ」
「なぁに? クリスマスって」
 フィディエルに惚けている様子は無い。
 元より、惚ける意味もない。
 そうか、知らなくて当然か、と光は合点する。
 元人間と言っても本人の言う通り、過去の記憶がないのであれば仕方のないことだ。
「まあ簡単に言うと、人間の行事のひとつだよ。おめでたい日ってことさ」
「ふぅん‥‥どうでもいいけど、そのお陰で食べられるのだとしたら、感謝すべきかしらね」
 素っ気なさを装いつつも、フィディエルの視線はケーキに釘付けだ。
 光は苦笑を押し隠しつつ、箱に同梱されていた紙製ナイフで器用にケーキを切り分け、持参した紙皿に乗せて差し出した。
「どうぞ。フォークもね」
「ありがとう」
 そんな感謝の言葉が、素直に出てくる。
 瑣末なことかもしれないが、意味のあることだ。
「飲み物もあるからさ」
 クリスマスの飲み物といえば、シャンメリーだろう。
 きちんと置ける場所が机しかないので、取りあえずは紙コップに注いで置いておく。
 フィディエルが欲しがれば、いつでも手渡せるようにだ。
「──え!?」
 そのフィディエルが、ケーキを一口頬張った次の瞬間、素っ頓狂な声を上げた。
 初めて聞く彼女の声に、光も動揺する。
「ど、どうした? 口に合わなかったか?」
「なにこれ!? すっごい美味しいんだけど!?」
 目を見開き、瞳を輝かせ、フィディエルは興奮で白磁の肌を紅潮させていた。
「‥‥はい?」
「え? なに? どういうこと? え? 人間ってこんな美味しい物をいつも食べてるわけ? なにそれこわい。許せない。やっぱり滅ぼそうかしら。いやいや、そしたら食べられなくなるし。作る奴攫う? 技術盗む? ウィルカに教え込ませないとならないわね。ちょっとヒカル、これはいったいなんなの!? 教えなさい!」
「え、いや、えーっと‥‥レアチーズケーキ‥‥」
 いろんな意味で気圧された光は、しどろもどろに答えた。
「レアチーズ? レアなチーズ? 貴重なの? 高いの? 入手困難なの?」
「いや、そっちのレアじゃなくて、生焼けのレアだよ。この場合は、焼いてないって意味だろうけど」
「焼いてないの? ケーキなのに? ウィルカに作れる‥‥? ヒカル、作り方を教えなさい!」
「ご、ごめん、俺はちょっと、そういうのは詳しくなくて‥‥」
「使えないわねっ」
 酷い言い様である。
 だが光は気を悪くした様子もなく、呆然とした状態から立ち直ると同時、口元の緩みを抑えられなかった。
 こんなの、歳相応の少女ではないか。
 いや、むしろ幼いと言ってもいいかもしれない。
「また同じようなの買ってくるよ。その時までに作り方も調べてくるからさ。取り合えず、落ちついて食べな」
 シャンメリーを注いだ紙コップを渡し、一息つかせるよう促す。
 我を忘れてしまった自分に気づいたのか、フィディエルもはっとして、気まずそうにしかめっ面をしながら受け取る。
「‥‥人間の恐ろしさを思い知った気分だわ‥‥」
 ケーキひとつで、この子は一体なにを言ってるのだろうか。
 いい加減に笑いを堪え切れなくなった光は、くつくつと笑い声をもらしながら肩を震わせるのだった。

 結局フィディエルはホールサイズを一人で平らげ、満ち足りた表情でベッドの上に横たわっている。
 ケーキの味を反芻しながらごろごろと転がってるものだから、ワンピースの裾がいちいち危険なめくれ方をしていた。
 しかし光はそこには目をやらず、時計を見て残り時間を確かめた。
 あと五分。
 締めに入るには丁度いいだろう。
「フィディエル」
「ん? なぁに?」
 光の呼びかけに、ご機嫌な声が返ってくる。
 人格の変化は落ち着いたとは言え、今でも多少のブレは残っていた。
 今のは随分と幼く甘ったるい口調だ。
「もうひとつプレゼントがあるんだ。あ、食べ物じゃないぞ、先に言っておくけど」
「えー。じゃあいらない」
「おま‥‥そう言わないでくれ‥‥」
 肝心の物を見せる前に一刀両断に切り捨てられ、流石に凹む光。
「冗談よ。私に貢ぎたくなるのは当然だものね。見てあげるわよ」
 フィディエルは起き上がって女の子座りをし、枕を抱える。
 尊大な態度に妙な落ち着きを感じたり感じ無かったりしつつ、光は最後のプレゼントを彼女に差し出した。
 茶色の平たい箱に、赤いリボンが巻かれている。
「確かに食べ物じゃなさそうね。開けるわよ」
 受け取るなり、リボンを解くフィディエル。
 光が「どうぞ」と言う隙もない。
 蓋を開けてお目見えしたのは、赤を基調としたマフラーだった。
「これ、マフラー?」
「あぁ。前に着てた、赤いワンピースが印象的だったせいかな。あと、グリーンランドで活動してたわけだから、寒いとかあるのか疑問だとは思ったんだけど‥‥受け取ってもらえれば幸いだ」
「寒さは勿論感じるけれど‥‥というか私、多分もう外に出る機会はないわよ? これは遠回しな皮肉?」
「まさか」
 あまりに予想外なことを言われ、光は心外だと言わんばかりの口調で否定した。
 フィディエルは依然として訝しげな顔をしているが、突き返すようなことはしなった。
「まあ、受け取っておくわね。使う機会はないだろうけど」
「そう言うな。外出許可が貰えるよう、俺も出来ることをするからさ」
「無駄よ」
 そう吐き捨てるフィディエルの表情と声音から、光は不意に思い出す。
 以前、この戦争が終わった後の話をした時の、少女の呆然とした表情を。
 気づいたときには、口をついていた。
「冬の間に、何処かへ出かけよう」
「だから無理だって」少女はうんざりと、
「春になったら、桜を見に行こう」
「だから」苛立たしげに、
「夏になったら、海とかそういうのも一緒に見てみたいな」
「あのね」呆れ返って、
「秋は紅葉かな、やっぱり」
「ヒカル!」怒った。
「フィディエル」
 静かな、静かな声。
「‥‥なによ」
「諦めるな」
 少女の顔を真っ直ぐに見つめ、光は言い聞かせるように言った。
「‥‥無駄よ。どちらにしろ、私は遠からず死ぬわ。それは解ってるでしょ?」
「それでも、諦めるな。俺は諦めない。足掻くよ、最後まで」
 それぞれの前に立ちはだかる壁の高さ、厚さ、数。
 冷静に考えれば、無謀と言うより不可能。
 それでも光は、信じる。
 自分を。フィディエルを。
「勝手にしないさいよ、もう‥‥」
 諦めのため息をついて、フィディエルは折れた。
「あぁ、勝手にする。だから、俺を信じて欲しい」
「またそれ?」
「これが俺だからな」
「‥‥そうだったわね」
 様々な感情の混在した表情で、フィディエルは呟いた。
「っと、そろそろ時間だな。それじゃ俺は行くよ」
 名残惜しさは当然あったが、ここで無理をして立場を悪くするのは避けたかった。
 少々慌ただしくゴミをまとめる光に、
「‥‥もう?」
 意外にも、フィディエルがそんな言葉を口にした。
「これでも随分と都合してもらったんだ。フィディエルさえ良かったら、また来るよ」
 喋りながらも荷物を纏め、光は帰り支度を整え終わる。
 あとは一言、別れの言葉を言って終わりだ。
 だがそこに、
「‥‥待って。プレゼントのお礼、してないわ」
 妙にかしこまった声で、フィディエルが言った。
「俺が好きでやったことだから、別にいいさ」
「いいから」
 枕を放り、フィディエルはベッドから立ち上がって光の元へ歩み寄った。
 ほんの数歩の距離。
 お礼ってなんだろう、と呑気に考える光。

 彼の、その頬に。
 少女の、口づけ。

「‥‥な、え‥‥?」
 目を丸くする光。
 フィディエルは無言で壁のボタンを押してドアを開けると、顔を俯かせたまま光を強引に部屋から押し出した。
「いや、ちょ、フィディエル!?」
「また来なさい。光」
 そして、閉まるドア。
 光の目には、最後、ドアに隔てられる直前の、頬をほんのりと赤く染めた少女の表情が、焼き付いていた──





━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ga9696/麻宮 光/26/男/ペネトレーター
gz0315/フィディエル/15/女/バグア


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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光さんこんにちは。間宮です。
この度は発注して下さって本当にありがとうございました。
長いことお待たせしてしまいましたが、なんとか無事に遅刻することなくお届けできました。
あとは内容を気に入っていただけば良いのですが‥‥いかがだったでしょうか?
僕としてはとても楽しく書くことができました。
光さんには感謝してもし切れません。
とは言え自己満足するようなものではないので、問題があれば遠慮せずお申し付け下さいね。
少しでも完成度の高いものをお届けしたいですから。
それでは、機会がありましたら、またよろしくお願い致します。
SnowF!Xmasドリームノベル -
間宮邦彦 クリエイターズルームへ
CATCH THE SKY 地球SOS
2011年01月05日

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