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『Snow Festival〜ファイト一発、初日の出〜 』
ヤナギ・エリューナク(gb5107)

 初夢に富士山がでているといいと、日本の知り合いがいっていた
 
 けれど、今年、俺が見た夢は本当にいい夢だったのか不思議である
 
 新年早々こんな夢をみるなんて、あの誕生日の出来事が影響あったのかな?
 

〜夜空を見上げて〜
「意外と体力あるんだな」
「ヤナギには負けるけど、日課の太極拳を欠かした事はないから」
 ヤナギ・エリューナクは白い息を吐きつつ、後ろからついて来るライディ・王を見下ろした。
 あたり一面は見晴らしのいい大地が広がり、足元は白い。
 ライディが近づいて来るごとにギュッギュッと足元を踏みしめる音が大きくなってきた。
 上を見上げれば綺麗な星空が輝き、月は二人の進むべき山頂を照らす。
 霊峰富士とも呼ばれる山にヤナギとライディは初日の出を見るために登っていた。
「ようやく追いついた。まだまだあるけど、日の出までには間に合うかな?」
「そうだな、まだ日付変更だし、大丈夫だろうぜ?」
 黒いスキーウェアの腕についた時計を見たヤナギはニィッと笑う。
「あけましておめでとうだ。ライディ、今年もよろしく頼むぜ?」
「あはは…今年もよろしくね。こんなところでいうとは思わなかったけど」
 苦笑を浮かべ、紺色のスキーウェアのライディがヤナギと握手する。
「じゃ、登るか」
「うん……あれ、靴の紐が切れてる……」
 ヤナギの言葉にライディが答え、足を踏み出すと違和感に顔をしかめた。
 「おーい、どうした?」
「何でもない。すぐ行くよ」
 ライディは応急処置だけ済ませてすぐにヤナギを追いかける……。
 夜空の月は何事もなかったかのように二人を照らしていた。

〜トラブル発生〜
 雪山を歩いて登っている二人をいつしか吹雪が襲ってきていた。
「通りで登山客に出会わないわけだ。こんなに荒れるなんて調べが足りなかったぜ」
 ヤナギは吹きすさぶ風と雪にじわじわと体温と気力を奪われるのを感じながらライディとの距離を縮めた。
 ロープで互いの体を結び、声を掛け合いながら雪原を踏みしめて進む。
 聞こえていた足音は風音にかき消され、次第に声さえも届かなくなってきた。
(「俺が誘わなきゃこんな事にはならなかったかもな」)
 ヤナギは結び合ったロープの重さを感じつつ、自らの行いを悔やむ。
 自分が寒さを感じているのに、ライディが平気なわけがない。
 口では大丈夫といってくれるだろうが、無理をしがちなのはわかりきったことだ。
 ふっと、腰が後ろに引っ張られるのを感じたヤナギは青ざめた顔で振り返る。
「ライディ!」
 雪に埋もれる様に紺色の塊が倒れているのが見えた。
「くそ!」
 歯噛みをしたヤナギは覚醒し、ライディを抱き上げると一気に吹雪の中を突き進む。
 能力者としての自分の感覚全てを使い、ライディを救うための手段を探した……。

 ***

「ここは……山小屋?」
 ライディが目を覚ますと暖かい室内だった。
 窓には雪が張り付き、風でガタガタと音を鳴らしている。
「起きたか? わりぃ、こんなことになっちまってさ」
 ストーブに辺り、ウェアを乾かすヤナギは雪に濡れた髪をタオルで拭いていた。
「僕の方こそごめん。足でまといになちゃって……靴の紐が切れてて挫いたみたいなんだ」
「無理しすぎだぜ、ライディ。俺たち友達だろ?」
 タオルをライディに投げ渡しヤナギはニヤリと笑う。
 受け取ったライディは素直に頷いた、ヤナギは捨てられた子犬のような顔をしていたのだ。
「じゃあ、吹雪が収まるまで休憩していきたいな」
「いいぜ、それならこうだな」
 半身を起こしたライディの側まで寄るとヤナギは毛布と共に背後から抱きしめる。
「この方が温かいだろ?」
 息のかかる程近くに顔を近づけたヤナギは微笑みを浮かべるのだった。

〜朝日と共に告白を〜
 薄靄(うすもや)のかかる頃、二人は体を支えあった状態で二人は山を登り、何とか初日の出に間に合った。
 息を白くさせるほど空気は冷えているが、吹雪が収まっているため異常な寒さはない。
 それよりも澄んだ空気を肺に入れることが何よりも心地よかった。
 ゆっくりと空が明るくなり、光の筋が眼下に広がる雲の海を切り裂くように走る。
 雲海の上に登ってくる太陽の眩い光と暖かな熱は言葉に表せない感情を二人の胸に湧き上がらせた。
 両手を合わせて太陽に祈るヤナギを真似てライディも手を合わせた。
 しばらく祈っていた二人は同時に顔をあげる。
「ライディは何を祈ったんだ?」
「……こういうのって、言わない方が叶うとかって言わない?」
 ライディはヤナギの問いかけに苦笑を漏らしつつ答えた。
「そうか……けど、俺の願いってのはたぶん言うことで叶うかもしれないんだ」
 ヤナギのライディを見る目が妖艶に、そして真剣になってくる。
 見つめられたライディもその目から視線がそらせないでいた。
「……実は俺……ライディのこと……」
 頬をやや赤らめ、そう呟くヤナギ。
「そんな、突然いわれても……心の準備が……」
 ヤナギに対してライディも顔を赤くして潤んだ瞳を向けていた。
 
 ***
 
「ちっがぁぁぁう!」
 がばっと起き上がったライディは嫌な汗をびっしりかいている。
「嫌な夢を見た……。日本で縁起のいい富士山だったけど、なんであんなことに……」
 一人ライディは呟くも、隣でぐっすり寝ている妻は答えてはくれなかった。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名       / 性別 / 外見年齢 / クラス 】
 gb5107  / ヤナギ・エリューナク/ 男  / 22   /エクセレンター

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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こちらでははじめまして、橘真斗です。
初夢ノベル発注ありがとうございました。
こちらでも精一杯雰囲気に合うように色々とがんばってみましたがいかがでしょうか?

BLはあまり書いていないので、不安ではありますが楽しんでいただけたのなら幸いです。

それでは運命が交錯するときまでごきげんよう。
SnowF!新春!初夢(ドリーム)ノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2011年01月24日

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