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『「ラスト・ホープの新春」 』
赤宮 リア(ga9958)

 夜明け前の闇に覆われた東の空にほんのり明るみが指したかと思うや、やがて水平線に一条の光が走り、群青の海を茜色に染めて東の水平線から太陽がその片鱗を見せ始めた。
 2011年、元旦。太平洋のほぼ中央に浮かぶ人工島ラスト・ホープ(LH)から望む初日の出である。
「バグアとの戦いも予断を許さんが……正月くらい、のんびり過ごすのも悪くないか」 
 東の空に半分ほど昇った初日の出の光に目を細めつつ、漸 王零(ga2930)は独りごちた。

 ここはLHの一角、超高層ビルが林立する市街地を見下ろす小高い丘に建てられた神社の入り口である。
 むろんあらゆる国籍の能力者傭兵、UPC軍人、ULT職員やその家族など数十万人が居住するLHではキリスト教会やイスラムのモスクなど様々な宗教に対応した施設が島内各所に設置されているが、王零自身は特に宗派に対するこだわりというものはない。
 家族である2人の妻たちと相談した結果「今年は和風の神社で初詣をしよう」ということになったのだ。

(何にせよ、こうして生きて今年の初日の出を拝めたわけだ……)
 潮の匂いを含んだ朝風に吹かれつつ、過ぎさりし1年の激しい戦い――数々の依頼や大規模作戦、そして『奴』との積年の因縁に決着をつけたことなど――を思い返し、しばし感慨に耽る王零。
 だがやがて現実に立ち戻ると、訝しげにビル街の方角へ目をやった。
「しかし2人とも遅いな……とうに新年も明けてしまったというのに」
 彼女たちは「晴れ着の着付けに時間がかかる」というので、王零は一足先に兵舎を出て神社の鳥居下を待ち合わせ場所と約束していたのだ。
 だが肝心の2人がなかなか来ないので、愛用の煙管に香草を詰め、火を点けて引き続き待つことにする。
 周囲を見回せば、早朝だというのに初詣のため訪れた傭兵や一般人はかなりの人数に増えていた。
 参拝客の人々が鳥居をくぐって境内の方へと移動していく光景を、煙管をくゆらせながら眺めていた王零だったが、ふいに背後からかけられた声に振り返った。
 そこにいたのは待ち人の2人ではない。
 振り袖姿に身を包んだ金髪碧眼の白人女性が、長身の王零を見上げるようにして艶然と微笑んでいた。
「ん? 誰だ……汝は?」

「やっぱり着物系は胸が苦しいですね……緩めちゃだめですか……リアさん?」
 傭兵用兵舎の一室、ドレスルームの姿見の前で、王 憐華(ga4039)はおろしたての白い振り袖と挌闘しつつ、同じく傍らで着付けをする赤宮 リア(ga9958)の方に振り向いた。
(せっかくの初詣ですし、振り袖姿で零を惚れ直させるつもりでしたが……)
 何しろ彼女の胸は「巨乳」を通り越して「魔乳」と呼んでも差し支えないボリュームがある。オーダーメイドの晴れ着を作るため採寸した時よりも一段と成長したらしく、普通に着付けようとすると胸が苦しくて仕方ないのだ。
「んもぅ……胸が大きすぎるんですよ! ……憐華さんは」
 呆れながらも、ちょっぴり羨ましそうにぼやくリアの晴れ着は赤い振り袖。
 普段は赤いロングヘアをストレートにおろした彼女だが、今日は長い髪をアップに結い、いつもとはやや違った雰囲気を醸し出している。
「そんなこといわれても……う〜ん!」
「だ、大丈夫ですか? 手伝います!」
 見かねたリアが慌てて憐華の着付けに手を貸してやる。
 共に王零と夫婦の契りを結んだ憐華とリアではあるが、互いに女としての競争心はあれど、嫉妬というほどドロドロした感情はない。
 自然と3人で和気藹々とした家庭を築いてしまったのは彼女らの人柄か、はたまた王零という男の器の大きさであろうか?
 結局、着物の胸元を見苦しくない程度に開き――憐華の胸の谷間が露わになってしまうのは致し方のないところだが――彼女ら2人が兵舎を出たのは、予定の時刻よりだいぶ遅くなってしまった。

「久しぶりだな、零。その後息災にしていたか?」
「はて? 我は汝に見覚えはないが」」
 友人知己の中でもごく一握りの、真に心を許した相手にしか使わせない「零」の名で自分を呼ぶ見知らぬ美女を前に、王零はやや警戒しながら尋ねた。
(この立ち居振る舞い、一般人ではないな。軍人……正規軍の能力者か?)
「おや、薄情なものだ。お互い知らぬ仲というわけでもあるまいに」
 袖口で口許を隠し、戯れるようにくくっと笑う女の顔を見つめるうち、はたと気づいた王零の口から小さな驚きの声が洩れた。
 最後に会った時とは服装も髪型も変わっていたので、すぐには判らなかったのだ。
「ま、まさかエリーゼ……いやカルキノスか!?」
 元UPC軍少尉エリーゼ・ギルマン(gz0229)――正確にはエリーゼの肉体を借りたゾディアック「蟹座」の将は、苦笑しながら肩を竦めた。
「やっと思い出してくれたか」
「馬鹿な! 汝は、あのときカメルの戦場で――」
「ああ、確かに死んだ……と思ったのだがな。海に落ちたところをUPC軍の水中KVに回収されてしまったらしい」
「つまり、捕虜になった……ということか」
「そういうことになるな。面白くないが」
 噂には聞いていた。
 およそ20年前に始まり、今この瞬間も地球上の至る所で繰り広げられるバグアとの戦争においては、人類側の捕虜となったヨリシロも少なくないという。
 もっとも捕虜にされたヨリシロ達がその後どうなったかはUPC軍内部でも最高機密とされ、王零たち傭兵には知る術もなかったが。
「しかし、よく1人で出歩けるな?」
 見たところ、近辺に監視の兵がいる様子もない。
「話せば長くなるが……まあよいではないか。今日は『正月』といって地球人にとってはめでたい日なのだろう?」
 一瞬覚醒しかけた王零だったが、とりあえずカルキノスの方に戦意がないのを感じ取り、覚醒は思い留まった。
 気を取り直し、周りの一般人に不審感を与えぬよう、努めて平静を装いながら尋ねる。
「しかし驚いたな……まさかそんな姿で現れるとは」
「これは日本の伝統衣装で『フリソデ』とかいうのだな。着るのにだいぶ手間がかかったぞ? いやはや、地球人の衣服は非効率的だ」
 確かに、そのおかげで憐華とリアも到着が遅れているわけだが。
「まあ晴れ着だからな。毎日着るようなものではない」
「それはともかく、どうだ? 似合うと思うか?」
 カルキノスは小首を傾げ、王零に着物姿を披露するかのように両袖を差し上げた。
「うむ……ま、まあな。悪くはない」
 別にお世辞ではない。
 思えばゾディアック「蟹座」がどんな人間に取り憑こうが、王零にとっては生涯の宿敵、カルキノスを名乗るバグアに他ならなかった。
 しかしいま改めて人間の女、エリーゼ・ギルマンとして向かい合うと、いったいどういう風に接すればいいのかいささか当惑せざるを得ない。
「ところで今日は1人か? 何やら人待ち顔だったが」
「ああ、それは……」
 王零が説明しようとした矢先。
「零ぃ〜……私たちという者がありながら……!」
「だ、誰なんですか……あの女性は! 零さんと馴れ馴れしくして……」
 ちょうどいいタイミング……というか折悪しくというか。
 そこに驚きに目を丸くするリアと、怒ったように王零たちを睨み付ける憐華の姿があった。
「お……やっと来たか憐華にリア……今日も綺麗だよ2人とも」
「零さん! いったいどなたですか、その方は?」
 リアから詰問調の言葉を浴び、王零は思わずエリーゼと妻たちを見比べた。
「2人とも直に会うのは初めてだったな? エリーゼ・ギルマン少尉……そして彼女に取り憑いたゾディアックの『蟹座』だ」
「ええっ!?」
 王零から紹介され、改めて驚きに目を見張る憐華とリア。
 2人とも傭兵として「蟹座」と戦った経験は幾度かあるが、殆どがKV戦なので、ヨリシロであるエリーゼ本人とは初対面といっていい。
(ここで正体を明かしてしまってもよかったか? ……とはいえ、話しておかないとますます事態がややこしくなりそうだからな)
 ちらっと横目で見ると、エリーゼ(カルキノス)の方はむしろ事の成り行きを面白がるかのように不敵な笑みを浮かべている。
「ほう。地球人は一夫多妻か?」
「必ずしもそういうわけではない。人によりけりだ」
「なるほどな……ふふっ、罪な男よ」
 意味ありげに笑うと、王零の脇腹を肘で軽く小突くエリーゼ。
「はじめまして、王零の『妻』でリアと申します」
 コホンと咳払いひとつすると、リアがエリーゼに向かい深々とお辞儀した。
 いつもの彼女らしく礼儀正しい挨拶だが、「妻」という単語を妙に強調するのは、見知らぬ女性が王零に馴れ馴れしい態度で接しているのが気に入らなかったからだ。
 しかも相手はバグアのヨリシロ。王零の態度から見て危険はないようだが、ついこの間まで「敵」だった存在に対し、そう簡単に心を許せない――という感情もある。
 そんなリアに対し、憐華の行動はさらにストレートだった。
 頬を赤らめつつ王零の腕をぐいっと引っ張り、自分の方へ引き寄せる。男の逞しい片腕が彼女の柔らかな魔乳に押しつけられ大きく形を変えるが、気にしている場合ではない。
「零と初めに結ばれたのは私なんですし、零は私たちの夫なんです〜〜!!」
 憐華の場合、相手がヨリシロということは大して気にかけていない。自分とリア以外の女が王零に近づくのは許せない――この一心だ。
 だが「初めに」という言葉が、今度はリアの神経にカチンと来た。
 憐華が掴んでいる反対側の腕に取りすがると、
「確かに憐華さんが先ですけど……順番なんか関係ありません! 零さんを想う気持ちは私が一番です!」
 王零の両腕を左右から取り、たちまち綱引きのごとく引っ張り合いが始まった。
「おいおい、汝ら……」
 弱り切った王零が何とかその場を収拾しようと声を上げたとき。
 騒ぎを遠巻きに見守っていた野次馬の中から一際大柄な人影が、慌てたように小走りで近づいてくる。
「ハワード・ギルマン(gz0118)!?」
 王零、そして彼を取り合っていた憐華とリアも驚きのため喧嘩を止め、初代「蟹座」のヨリシロであった元合衆国陸軍大佐の姿を凝視した。

「いや、すまんな。娘が迷惑をかけて」
 紋付き袴の出で立ちで片手に箸、もう片手に屋台で買ったらしい雑煮のお椀を持ったハワードが3人に詫びた。
 五大湖解放戦当時はカルキノス(その頃はまだゾディアックの称号もない、バグアの下級指揮官だった)のヨリシロにされていたハワードだが、極東ロシア戦の直後、中国の寒村で倒れているところをUPC軍により救出された。
 未来研で受けた精密検査の結果、体内のバグアが完全に分離していることが確認され、ヨリシロ時代の行為は「バグアに憑依された不可抗力」として釈放されたのだ。
 つまり現在のハワードは元通りの人間(一般人)だが、初代「蟹座」の象徴ともいうべき金属製のマスクを未だに被り、初詣客の中にいるとかなりの違和感がある。
 これは憑依される以前に戦場で負った顔の火傷痕を隠すため被っているうち、何となく日常の習慣になってしまったのだという。
「汝が釈放されたのは分るが……エリーゼの方はまだヨリシロだぞ? いったいどういうことだ」
「それなんだがな……」
 ハワードが気まずそうに娘の方をちらっと見やる。
「実は未来研では、既にヨリシロにされた人間の体内から憑依したバグアを分離する手術が可能になっている。そういうわけでエリーゼにもその手術を受けさせたんだが……」
 バグア本体(詳細は未だ研究中だが、実体を持たぬある種のエネルギー生命体らしい)の分離は確かに成功した。だがどういうわけか、カルキノスとしての「意識」だけがエリーゼの中に残留思念として残ってしまったのだという。
「……それは厄介だな」
 王零はハワードに同情して溜息をもらした。
「まあバグアとしての能力はもう使えない。カルキノスの奴もこれ以上人類と戦うつもりはないというから、今はエリーゼの体に居候させてるってわけだ」
 そこまで説明して、ハワードは再びエリーゼに振り向いた。
「おいカルキノス。もう充分羽根を伸ばしたろうが? そろそろ娘に体を返せ」
「仕方ない……まあ今日は懐かしい顔にも会えたし、よしとするか」
 そういうなり、エリーゼは立ちくらみのようにふらっとよろめいたが、すぐ我に返ったように辺りを見回した。
「ここは……? そうか、初詣の途中だったな」
 本物のエリーゼの人格が、カルキノスと「交替」したらしい。
 その間、憐華とリアは物珍しそうにハワードの方を観察していた。
「この方がハワード様……エリーゼさんの御父様?」
 リアは極東ロシア戦で初代「蟹座」を撃墜した功労者の1人であるが、やはりKV戦であったため、ハワード本人に会ってもピンと来ない様子。
(えっと……零さんの仮面友だちの方でしょうか?)
 逆に、今度は憐華の方が少し警戒したように一歩身を退いている。
 それほどまでに、欧州戦線に出現して以来度々人類を苦しめたゾディアック初代「蟹座」ハワード・ギルマンの悪名は高いのだ。
 人間のハワード自身には何の咎もないので気の毒ではあるが。
「ところで、最近バグアどもとの戦争はどうだ? 俺もUPC軍に志願したいんだが、あいにく能力者適性のテストではねられてなぁ……」
「うむ。近々、北京方面で大きな戦闘が起きるのではないかと、傭兵の間で専らの噂だが」
「ほう? ぜひ詳しい話を聞かせてくれ」
 慣れない箸で雑煮の餅を食いつつ、ハワードが身を乗り出す。
 王零の方もかつての「ライバル」相手に、SESやKVなどの最新兵器、対バグア戦術論など語っているうち、段々熱が入ってきた。

 そのまま参拝客の流れに乗って境内に入った王零たち5人だが、ふと気づくとさっきまで傍らにいたリア、憐華、そしてエリーゼの姿が見えない。
(はぐれてしまったか? 困ったものだ)
 引き返して女性陣を捜そうか――と思い立ち止まった王零に、ハワードがやや声を落して尋ねてきた。
「ときに王零、おまえあのバグアがヨリシロをエリーゼに乗り換えたあとも追いかけ続けたそうだな?」
「ああ、そうだが」
「それは、つまり何というか……惚れたのか? 俺の娘に」
 思わず境内の玉砂利に突っ伏しそうになる王零。
「――な、何でそういう話になる!?」
「あのバグア、カルキノスか……奴の話を聞いてると、なぜだかおまえの名前ばかり出てくるのでな……どうもライバルというより、惚れた男ののろけ話を聞かされてるような気になってなぁ」
「いや……だから、カルキノスとは好敵手であってだな……」
 慌てて説明する王零の言葉を聞いているのか、いないのか。
 ハワードは腕組みし、
「まあ俺としては、おまえになら娘を任せてもいい、と思うほどだが……如何せん、もう2人もワイフがいるんじゃ、色々と問題が――」
「ちょっと待てっ!」
 先程とは別の意味で厄介な誤解が生じていることを悟り、王零はその場で頭を抱えたい気分に駆られた。

「う〜〜〜零はどこへ行ったんですか?」
「すっかりはぐれてしまいましたね」
 憐華とリアは背伸びして王零たちを捜したが、日が高くなるにつれ益々混雑を増す参拝客の人混みで、身動きもままならない状態だ。
「エリーゼさんも御父様と……」
「ああ、私なら大丈夫だ。もしはぐれた時は、後で落合う場所を決めてある」
 元の人格に戻ったエリーゼが落ち着いた口調で答えた。
「ごめんなさい、最初お会いしたとき、どうしても『蟹座』のことを思い出してしまっ……」
 ヨリシロの件に関しては彼女も「被害者」であることを思い出し、リアは素直に詫びた。
「いいさ。別に気にはせんよ」
「その……エリーゼさんは、夫とはどういったご関係で?」
 謝りついでに、思い切って気になる質問をぶつけてみた。
「実際のところ、エリーゼさんはどう思ってるんですか?」
 憐華もすかさず話に割り込んでくる。
「どう、と言われても……私自身は彼とあまり面識がないからな。アジア決戦の前、一度偵察依頼で一緒になったくらいで」
 エリーゼは少し考え込み、
「とはいえ……カルキノス――ああ、これは『蟹座』の個体名だが――の方は、零に対してかなり特別な感情を抱いているようだ。もっともそれが人間でいう恋愛に当るのか、私にもよく判らないが」
「少なくとも、エリーゼさん自身は……零に恋してるわけじゃないですよね?」
「とは思うが……」
 そう言いかけてからちょっと意味深な笑みを浮かべ、
「しかし、これからどうなるか判らんな。何しろ私とあのバグアは今も一心同体……影響がないと言えば嘘になる」
「もうっ、どっちなんですか!?」
 もどかしそうに叫ぶ憐華の顔を見て、エリーゼは袖口で口を覆ってクスクス笑う。
「もしエリーゼさんが恋のライバルになったとしても……絶対負けませんよ。だって……だって私が、初めて零と結ばれたんですから〜〜!」
「ちょっと憐華さん? 順番は関係ないです! 零を一番想っているのはこの私ですっ!」
 かくして、再び王零を巡る恋のさや当てが始まりかけた――ところで、人混みを掻き分け王零とハワードが3人を発見。
 女性陣と合流を果たした王零たちは、そのまま5人で初詣をしようと境内の奥へと向かった。

 各々賽銭箱にコインを投げ込み、柏手を打つと、神妙な顔つきで参拝を行う。
(来年も憐華とリア、そして小隊の仲間たちが無事に正月を迎えられるように――)
 そう願う王零の耳に、やはり参拝を終えたギルマン父娘の会話が耳に入った。
「エリーゼ、何をお願いしたんだ?」
「ふふ……内緒だ」
 いいながら、白い頬をポッと染めたエリーゼが王零に流し目を送る。
(むう……。これ以上、厄介なことにならねばよいが……)

 ――そう思ったところで、目が覚めた。

「夢か……妙な初夢だったな」
 兵舎のベッドの上で身を起こし、王零は目を擦りながら呟いた。
 同じベッドの中で、憐華とリアが王零を挟む形ですやすや寝息を立てている。
「むにゃ……私が零の第1夫人で一番なんです〜〜……」
 いったいどんな夢を見ているのか、寝言をもらしつつ憐華が王零の体にむぎゅっとしがみついてきた。
 そうかと思えば反対側からは、
「零さんは渡しませんよ〜……私が一番零さんを愛してるんです〜♪」
 やはり寝言と共に、寝ぼけたリアも抱きついてくる。
「ふふ……さて……もう一眠りするか」
 愛しい妻たちを両腕で抱いてやると、王零は再び横になり、心地よいまどろみに身を任せるのだった。

<了>

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号/ PC名 /性別 /外見年齢/職業(クラス)】
ga2930/漸 王零  / 男/  20歳/傭兵(ダークファイター)
ga4039/王 憐華  / 女/  20歳/傭兵(エレクトロリンカー)
ga9958/赤宮 リア / 女/  20歳/傭兵(サイエンティスト)

gz0118/ハワード・ギルマン/男/43歳/元合衆国陸軍大佐(一般人)
gz0229/エリーゼ・ギルマン/女/20歳/元UPC軍少尉(スナイパー)
―  /カルキノス    /?/??歳/バグア

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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いつもお世話になっております、対馬正治です。
大変お待たせしましたが、3PC様による新春ドリームノベルです。
CTS本編では不幸な最期を遂げたギルマン父娘ですが、今回はアナザーワールドということで2人(+1人?)は健在――という設定です。
同じくヨリシロに関する記述も、あくまで本作のオリジナル設定であり、ゲーム本編とは似て異なるアナザーワールドとしてお楽しみ頂ければ幸いです。
SnowF!新春!初夢(ドリーム)ノベル -
対馬正治 クリエイターズルームへ
CATCH THE SKY 地球SOS
2011年02月21日

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