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『SweetLife!〜初恋はチョコの味〜 』
綾河 零音(gb9784)

わ、わたしの名前は綾河 零音っていいます

アスレード先輩の後輩で、いつも見守っていました

今日はバレンタインだけど、チョコなんて渡す勇気ないし‥‥

アスレード先輩はクラスでも人気だから、きっと地味な私となんて合わないです

けど、それでも‥‥私は先輩のことが‥‥

〜出会いは突然に〜
「今日のお昼もこれだけか‥‥ダイエットと思えば平気だよ‥‥ね」
 零れ落ちそうになる涙をこらえて零音は屋上に続く扉を開ける。
 二月らしい冷たい風が頬を打ち、スカートを巻き上げた。
「きゃっ! ああっ、私のお昼ごはん!」
 風に煽られて昼食の為に隠し持っていたチョコレートコーティングされた棒状クッキーのお菓子が零音の手から離れる。
 ついてないという一言で片付けるには重なりすぎて、堪えていた涙がコンクリートの床に小さな染みを作った。
「おい、拾っておいたぞ。十分の一は貰ったがなぁ」
 零音の頭上に影ができて、見上げれば封の開いた赤いお菓子の箱を持つアスレードの姿がある。
 ぽりぽりと棒状のお菓子を5本ほど噛みつつ、アスレードは零音を見下ろしていた。
 三白眼な瞳は半端な不良を震えあがらせるも、何もしない生徒には手を出さないことで一部の女子には密かなファンがいる。
「はっ、はわわ、別に邪魔しようとか思ったわけじゃないんです! ごめんなさい!」
 思わず謝るが、アスレードは気にした様子もなく零音の手にお菓子の箱を握らせた。
「チョコが好きな奴に悪い奴はいねぇ、それが俺様の流儀だ」
「アスレード先輩は思っていたよりも優しいんです‥‥ね、ふふふ」
 外見や風貌に似合わないアスレードの行動に思わず零音は噴出してしまう。
「ハッ、俺様を捕まえて優しいなんていうタコはてめぇくらいだ」
 その日、綾河零音は人生初めて授業をサボった。
 
〜放課後の制裁〜
 ドンと零音の体が女子トイレおくの壁に叩きつけられる。
「いい子ちゃんのフリしておいてサボるなんていい根性してるじゃないのさ!」
 髪を染めて、チャラチャラっとした不良女子学生に零音は囲まれていた。
 屋上でアスレードと二人きりで話しているところを同じようにサボってタバコをすっていた彼女達の気に障ったらしい。
「私、そんなつもりじゃ‥‥ッ!」
「そういうカマトトぶっているところがムカつくんだよっ!」
 バチャーンとバケツの水が容赦なく零音にかけられ、髪や制服までビチョビチョであった。
 彼女らがトイレ掃除が担当でなければ不審に思うだろうが、バレンタインの放課後ということもあり誰も助けにはきそうも無い。
「冷たい‥‥寒いよ‥‥なんで、どうしてこんなことをするの!」
 体をぎゅっと抱きしめるようにして零音はその場にうずくまって泣き始める。
「今更ワビいれたっておせぇんだよ! あんたにはタップリとここでのオキテってのを教えてやるよ!」
 泣き出す零音のことなど気にせずリーダー格の不良女が零音を腕を引いて体育館裏まで連行した。
 取り巻きが人が来ないよう見張るという用意周到さである。
 零音がこれから行われる『オキテ』とやらが恐ろしいものだと暗に示しているようにも感じた。
(嫌だ‥‥怖い、助けて‥‥先輩!)
 恐怖と寒さで声の出ない零音は目をつぶって密かに想う相手の顔を思い浮かべる。
「おい! クソアマども! 俺の女をどうしようってんだ?」
 ドスの利いた声と共に不機嫌に顔をしかめているアスレードが体育館裏に現れた。
「アスレードさん‥‥だって、この女、生意気だから〆てやろうと‥‥」
「俺の女とわかっててやったのかぁ? 生意気なのは俺様の名前を借りてちいせぇことをするテメェの方だ!」
 怯えて言い訳を口にするリーダー格の女の顔にアスレードの回し蹴りが叩き込まれる。
 ドラマか映画、もしくは漫画のように女の体が浮かんだかと思うと1mは吹き飛んで転がった。
 ピクリとも動かないリーダーの姿に取り巻きの女生徒達はおろおろとする。
「テメェらもこうなりたいか? だったら、そいつを連れて俺様の前から消えろ。二度とこんなことをするようなら死んだほうがマシという目にあわせてやるからな?」
 鋭い眼光でアスレードが睨みを利かせると、取り巻きたちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「ハンッ、ちゃんとリーダーを肩車していったのは評価してやってもいいな」
 鼻で軽く笑うと、へたり込んでいる零音にアスレードが自分の学生服の上着を着せる。
「何時までもそのままじゃ風邪をひくぜ? 体操服くらい持ってるだろ?」
「は、はい‥‥持ってますけど‥‥その、今、『俺の女』とか‥‥冗談、ですよね?」
 自分の耳に届いた言葉が不思議だった零音は、アスレードの学生服でぎゅっと体を包み込みながら見上げて尋ねた。
「二度も言わせるんじゃねぇ、チョコレート好きに悪い奴はいねぇ‥‥そして、テメェは俺の女だ」
 告白というには荒っぽくて、ムードも何もないが逆にそれが零音にはアスレードらしくて嬉しい。
「それじゃあ‥‥アスって呼んでいいですか?」
「好きにしやがれ。あと、さっさと着替えて来い。あのクソアマどもが諦めたとはかぎらねぇからな、一緒に帰ってやる」
 薄く頬を染めておずおずと尋ねる零音にそっけなくアスレードは返すも、願いが通じたことが零音にとって嬉しくてしかたながなかった。
「はい、直ぐに着替えてきますね。アス‥‥」
 バレンタインにチョコレート菓子が縁で一組のカップルが生まれた。
 
 


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 外見年齢 / クラス】
 gb9784  /綾河 零音/  女 /  16歳 / ファイター

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お久しぶりです。橘真斗です。
以前、発注されたのはお花見の時期ですから大体1年ぶりくらいでしょうか?
NPCを愛していただきありがとうございます。

普段とは違う零音ちゃんをかけてちょっと嬉しかったりしています。
こういうIF学園ものは色々とネタができていいのでしょうかね?

また機会がありましたら、よろしくお願いします。

それでは次なる運命が交錯するときまでごきげんよう。
Sweet!ときめきドリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2011年03月03日

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