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『茶話小景。〜想い、重ねて 』
玖堂 柚李葉(ia0859)

 そこは小さなお茶屋さんだ。お品書きに書かれているメニューは決して多くはない。けれどもお願いすれば、叶う限りの希望のメニューを揃えてくれる。
 恋人との久し振りのデートの行き先を聞いて、佐伯 柚李葉(ia0859)が最初に思い浮かんだのは、子供の頃に生まれて初めてたった1人だけで足を踏み入れた、とあるお茶屋さんのことだった。そこもまた、店構えは小さく、メニューも決して多くはないけれども、お客様の希望にあわせてアレンジしたり、全く別の甘味を出してくれる場所だったから。
 あれは、どの町に興行に行った時の事だっただろうか。興行はあちらこちらで行ったし、同じ町で何度も舞台を開いたこともあるから、あの頃はちゃぁんと覚えていたのだけれども、年を経るうちにだんだん記憶が曖昧になってしまった。
 覚えているのは、静かで居心地の良い店内。子供だった柚李葉をきちんと1人のお客様として扱ってくれた、優しい笑顔のお姉さん。お守りだった奥様の――養母のくれたご褒美の入った小さなお財布。白玉餡蜜。ずっしりと小さな腕に重く感じたお土産。
 そんな事を考えながら、柚李葉は街角を抜け、今日の待ち合わせの場所へと向かった。歩くたび、ニットの花がついたワンピースの裾がまるで遊ぶようにふわりと揺れる。首元に巻いた春色の透かし編みのストールも、どこか楽しげに柚李葉の歩くリズムに合わせてふわふわ遊ぶ――まるで、久し振りのデートに浮かれる柚李葉の心を映しているみたいに。
 ワンピースの上から羽織った明るい色のコートが、街角に花を咲かせた。そうして待ち合わせの場所に着くと、恋人、玖堂 羽郁(ia0862)もちょうどやってきた所だった。薄茶のロングコートの下からズボンが覗き、足元はブーツで覆われている。
 ぁ、と柚李葉は小さく口を開けて、そんな羽郁の姿をじっと見つめた。ジルベリア風の服に身を包んだ羽郁は、いつもとはまたがらりと印象が変わっていて、そしてもちろんとても好印象で。
 ジルベリア風の服にして欲しいと、頼んだのは柚李葉だった。どちらが良いと聞かれたから、たまにはジルベリア風の服を着た羽郁も見てみたいのだと。
 それはもちろん、いつもの狩衣を身に纏った、若君姿の羽郁だって言葉では言い表せないくらいにとっても、とっても素敵だと思っている。けれどもぱりっとした若君姿は何と言うか、傍に居る事にほんの少し気後れと言うか、緊張を感じてしまうのも事実で。
 背が高くてすらっとしてる羽郁だから、きっとジルベリア風の服を着たってとっても似合うだろうと思ったし。それに何より、一緒に2人、飛びまわれる格好で居たいと思ったのだ――若君ではなく、同じ目線の男の子の、羽郁が見たかった。
 だからそんな羽郁が見れて、柚李葉はとっても満足で。けれどもじっと彼を見つめていた事に気付いて、にこっと小さくはにかむと、胸の辺りで小さく手を振って羽郁に合図した。
 柚李葉の眼差しには気付いていなかったのだろうか、羽郁がにこっと笑って柚李葉に手を振り返す。

「ちょうど良いタイミングだったな♪」
「うん」

 羽郁の言葉にこっくり頷いて、2人は連れ立って歩き出した。今日のデート先は、羽郁に完全に任せている。
 一体どこに連れて行ってくれるんだろうと、楽しみに胸を躍らせながら、どことなしに賑やかな町を2人で歩く。幾つかの小路を通り抜け、角を何度か曲がり――ふ、と柚李葉は奇妙な錯覚を覚えて、こくり、と首をかしげた。
 何となく見覚えがある、気がした。けれどもそれが一体どこだったのか、いつ頃のことだったのか、どうしても思い出せないまま、先を立って歩く羽郁の背中を追うように町を歩く。歩きながら何度も首を傾げる。
 そうして幾つ目かの角を曲がり。ふと、予感にもう一度首をかしげた、次の瞬間――曲がった角の向こうに、そのお茶屋さんが見えた。見えて柚李葉は思わず足を止め、確かめるようにその建物を呆然と見上げた。
 閑静なたたずまいの、落ち着いた、けれども決して古臭いわけではないお店。かすかな風に揺れる暖簾は程ほどに色身の抜けた良い風合いで。
 そんな柚李葉を振り返った羽郁が、きょとん、と首をかしげたのは見えていたけれども。

「‥‥柚李葉?」
「まさか‥‥本当に? あの頃と全然変わってない‥‥」
「‥‥へ? 柚李葉、この店知ってたのか!?」
「うん‥‥」

 まるで夢を見ているような心地で、羽郁の言葉に呆然とした呟きを返しながら、柚李葉は確かめるようにあちらこちらをきょろきょろ見回す。そこから見える中庭の、木々の具合。お店の中で談笑する人々。
 予感に突き動かされて背伸びして、お店の中を覗き込めばそこに居たのは、優しい眼差しとおっとり笑顔の妙齢の女性。それから同じお店のお仕着せを着た真面目そうな青年――柚李葉の記憶の中にある、あの思い出のお店に居た2人。
 まさか、と思う。けれどもその一方で、間違いないのだとすとんと胸に落ちてくる。
 だから柚李葉はようやく羽郁を振り仰ぎ、実はね、とその思い出を彼に語る事にした。

「‥‥柚李葉の思い出のお店?」
「うん」

 こっくり、羽郁を見上げて懐かしそうに微笑んだ。なんて不思議な偶然なのだろう、と思う。あの懐かしいお店で、お姉さんと交わした言葉。次は良い人と一緒にいらっしゃいな、と微笑んでくれた彼女との約束を、けれども果たせる日はないのだと思っていたから。
 だから本当に不思議で。それ以上に、またやって来れた事が嬉しくて。
 そんな柚李葉を見下ろす羽郁の表情も、まるで年相応の少年のように見えて。それが何だか嬉しくなりながら、彼に促されるまま、お茶屋の暖簾を潜り抜けた。
 中で出迎えてくれたのは、おっとり笑顔が優しいお姉さん。

「いらっしゃいませ。お召し上がりですか?」
「は、はい!」

 その言葉を聞いた瞬間、12歳のあの頃に戻った気持ちになって、柚李葉はぴんと背筋を伸ばして大きな声でそう返事をしていた。それからはっと気付いて顔を真っ赤に染める――自分はもう12歳の少女ではないのだ。
 だからちょっと小さくなって、けれどもほんの少し幼さの残る口調で「また、来ました」と呟いた。そんな柚李葉と、柚李葉を見守るような眼差しの羽郁を不思議そうに見ていたお姉さんは、不意に思い至ったように頬を緩ませて「いらっしゃい、お待ちしてたわ」と懐かしそうな眼差しで微笑んだ。
 ああ、覚えて居てくれたんだ、と思う。ただ1度だけのお客さんに過ぎなかった柚李葉との、きっと他のお客様とも同じように言葉を交わして来たのに違いない会話を、ちゃぁんと。
 それが嬉しくて頬を上気させた柚李葉と、お姉さんを今度は羽郁が不思議そうに見比べた。そんな羽郁をちらりと見上げて、柚李葉は「後でね」とはにかむ。後で、ゆっくり。
 お姉さんは穏やかな微笑のまま「それじゃ、席にご案内しますね」と、お品書き、と筆で流暢につづられた綺麗な冊子を胸に抱いた。そうして、こちらへどうぞ、と歩き出したのに続いて、ほんの少しざわめきに満ちた、けれども静かな店内を歩き出す。
 あちらこちらで穏やかだったり、優しかったり、楽しかったり、または少し甘い話に花を咲かせている客の声を、懐かしく聞いた。この雰囲気も、あの頃と何1つ変わらなくて。その中を、今度は羽郁と一緒に歩いていると言う事実がくすぐったくて。
 案内されたのは見晴らしが良くて、暖かな日差しが程よく射し込む中庭に面した席だった。前と同じ席なのかな、とその中庭の光景を見ながら羽郁と向かい合わせで席に着く。
 そうして、机の真ん中に置いたお品書きをめくりながら約束どおり、昔この店に来た時の事を羽郁に話した。子供だった柚李葉をきちんと1人のお客様として扱ってくれた、優しい笑顔のお姉さん。お守りだった、養母のくれたご褒美の入った小さなお財布。白玉餡蜜。ずっしりと小さな腕に重く感じたお土産。
 そうしていたら温かなお茶を持ってきたお姉さんが、柚李葉と羽郁の前に湯飲みを置く。そうして「お決まりですか?」と首を傾げた彼女に、それぞれ注文を告げる――羽郁は、抹茶風味の寒天ゼリークリームのせに早摘み苺をあしらったぱふぇを。柚李葉は、フルーツ白玉餡蜜を――あの頃から大きくなった分だけ、ほんのちょっぴり贅沢に。
 それからお姉さんに、お土産はお願い出来ますか、と尋ねる。もちろんお願いできる事は解っているけれども、器の中にもちょっぴり細工をお願いしたかったのだ。
 粒餡を入れた白い兎饅頭と、漉し餡を入れた薄紅色の兎饅頭。それがお重の中で遊ぶように、そこに金平糖を敷き詰めてお花畑を演出して、黄味餡でタンポポを割き綻ばせて。
 そんな風に、彼の家族へのお土産を作って欲しいのだと小声で頼むと、お姉さんは微笑んで、聞いてくるわね、と奥へ引っ込んでいった。直前に小さく片目を瞑って、良かったわね、と柚李葉にだけ聞こえるように囁いて。
 ふわりと微笑んで、そのまま、お姉さんが戻ってくるのを待ちながら他愛のない雑談を、重ねる。先日の依頼はどうだったとか、この頃の天気の具合とか。もうじきすればたくさんの花が咲くとか、そういえば庭の花がとか、そんな話を。
 やがてお姉さんが2人の注文の品と一緒に戻ってきて、それぞれの前に器を置きながら、お土産は大丈夫だそうですよ、と2人に微笑んでいった。ほっと顔を見合わせて、安心して目の前に置かれた甘味の器を突付き始める。
 フルーツ白玉餡蜜はまるで、色とりどりのフルーツが器の中で遊んでいるような、見ただけでの華やかさがあった。すくって口に運ぶと、ほんのりとした酸味が酷く心地良くて、一緒に口に入れた白玉がもっちりとその食感を包み込む。
 うん、と満足に頷いた。あの頃と変わらない懐かしい味。そして大人になった分だけ新しい、甘酸っぱい味。
 ふと気付くと、羽郁が柚李葉をじっと見ていたところだった。しっかりと抹茶寒天の匙を握っているところを見ると、きっと羽郁もこのお茶屋の甘味に満足してくれたのだろう。それはまるで自分のことのような誇らしさがあった。
 だから、にこっ、とはにかむように笑って白玉と一口大に切ったフルーツを載せた匙を、はい、と羽郁の前に出す。せっかくだから羽郁にも、この味を楽しんで欲しかった。
 けれども羽郁が驚いたように、その匙と柚李葉をを見比べるから、ちょっと恥ずかしさが込み上げて来た。子供じゃあるまいし、匙を差し出すなんて羽郁に呆れられたんじゃないだろうか。
 だからと言って今更匙を引っ込めるのも、とだんだん困ったような気持ちになって考えていたら、ぱく、と羽郁が柚李葉の匙に口をつけた。それはそれは、嬉しそうな笑顔で。
 わ、と差し出した柚李葉の方が真っ赤になって、おたおたと自分の手と羽郁の飲み込んだ匙を見比べる。いわゆる間接ナントカだ。それに気付き、なんて大胆な事を、と思考が真っ白になりかけたところに、今度は羽郁が、自分の抹茶寒天とクリームと苺を載せた匙をはい、と出した。
 ボンッ、と耳まで真っ赤になったのが、解った。どうしたら良いのか判らなくなって、救いを求めるようにちら、と羽郁を見上げたのだけれども、返って来たのは期待を込めた眼差しで。
 そうしてそのまま、しばしの沈黙が過ぎ。

「‥‥ッ」

 ついにその沈黙に耐え切れず、柚李葉はぐっと胸の中に決意を固めると、ぎゅっと目を瞑って羽郁の差し出した匙をぱくん、と飲み込んだ。うわぁぁぁ、と胸の中で叫び声をあげながら、もごもごと口を動かす。
 言葉にしようのない恥ずかしさと、それから口の中にふんわり広がる甘さにほっこりとなった、複雑な心境だった。しかもちょっと目を開けると羽郁の、この上なく幸せそうな表情が目に飛び込んでくるので、ますますいたたまれない。
 だが、その穏やかなひとときの流れで、羽郁が口にした言葉を耳にした瞬間、ぎく、と心臓が跳ね上がったのが解った。

「柚李葉。今度、玖堂の本邸に遊びに来ないか?」

 きっと今、羽郁を見返す表情は強張っている事だろう。玖堂の本邸――羽郁の実家。いつかはそんな時がくるのだろうと思っていたし、柚李葉だって行ってみたいと、ほんの少しも思っていないわけではない。
 けれども。

「‥‥私で良いの?」

 ことん、と匙を置いて目を伏せ、気づけば柚李葉はそう、呟いていた。先ほどまでの明るくて恥ずかしくて楽しかった気持ちが、見る見るしぼんでいくのが判る。
 以前に招かれた別邸ですら、柚李葉にとってはまるで異世界のように遠い場所に思えた。まして今招かれた羽郁の実家、石鏡の家はその別邸よりもはるかに大きいのだと聞いている。
 寝殿造の丘城となった本邸は、東西南北の建物に加えて、玖堂家が祭事を行う祭神殿を備えている。そこで働く使用人だってもちろん、別邸よりもはるかに多くて、大体百人前後が居るという。
 そんな場所、柚李葉にはもう想像もつかない別世界だ。それこそ物語に出てくるお姫様くらいしか、そんなお屋敷には似合いっこない、と思ってしまう。
 それなのに。

「私は元々は‥‥何処の家の子か解らないのに‥‥」
「でも。俺は『柚李葉』に遊びに来て欲しいんだ」

 瞳を伏せて、匙の動き止めた柚李葉の手の上に自らの手を重ね、訴える羽郁の真剣な眼差しが眩しかった。彼が本心からそう思ってくれているのは解るし、その隣に居たいと願ってもいる。けれどもまだ、それを受け止め切れているわけではないのだ――若君姿の彼に、未だ緊張を覚えるように。
 そんな柚李葉に、羽郁は彼の亡き母の話をしてくれた。羽郁の父親に一目惚れされ、一心に口説き落とされて妻に迎えられた女性――けれども彼女とて、最初から皆に祝福されていたわけではないのだと。
 羽郁の母は理穴のとある下級氏族の出身で、そんな2人が付き合う事に句倶理は反対をした――彼女が一族の人間ではないから。言葉にすれば解りやすく、それゆえにその意思を翻す事はなかなか容易ではないように思える、その理由。
 けれどもそれを翻すために、羽郁の母が取った行動は極めてシンプルで。

「母上は志体と明かして、実力を見せるために包丁1本で猪をなぎ倒し、菜箸を投げて飛んでる雉を撃落として、一族に認めさせたんだ」
「ぇ‥‥ッ」
「句倶理は強い力・心・運を持つ者が頂点に立つ一族なんだ。そして柚李葉はもう、一族に歓迎されてる――だから何の気兼ねも要らないんだ。ただ、俺の育った里に遊びに来て欲しい」

 羽郁の真剣な眼差しに、柚李葉は戸惑いに眼差しを揺らす。そうしながら思い出したのは、彼の双子の対たる友人だ。彼女はそれこそ一族に実力を認められて、陰陽師でありながら巫覡の一族の頂点に選ばれたのだと言う。
 その彼女の、羽郁と瓜二つの面差しを思い出す。それは次に、柚李葉を娘と愛してくれる養母の顔になり、そして最後に養父の顔へと変わった。

「‥‥欲張りで、良い?」

 それらを思いながら、羽郁を見つめて呟いた。確かめるように――もしかしたら、縋るように。
 羽郁が無言で先を促す。それに勇気付けられるように、柚李葉はぎゅっと手を握る。

「私、は。あんまり強くないけれど‥‥」

 誰かに、まして羽郁や真影の背負う一族なんてたいそうなものに認めてもらえるほど、自分が強いとは思えない。けれどもそれでも、羽郁の傍に居たいと、願う。彼の力になりたいのだと、強く思う。
 それは羽郁だけじゃなくて。家を背負う事になる真影の力にも、養母の力にも‥‥養父の力にも、なりたい。彼らを支えて、そこに立ちたい。
 そう――告げた柚李葉の頭を、ぽふり、と羽郁が撫でた。それにちょっとびっくりして、顔を上げて目をぱちくりさせたら、優しい羽郁の笑顔が目に入る。
 良かったと、微笑みが浮かんだ。そうしてそのまま微笑み合って、再び甘味の攻略に取り掛かる。
 今はまだ答えを出す事は出来ないけれども、落ち着いたら羽郁の招待に答えようと、思った。けれども今は目の前の、自分の手の届くところに居ると感じられる彼と一緒に、このひとときを楽しみたい。
 だから匙を動かしながら、また他愛のない雑談に興じる。フルーツ白玉餡蜜のほんのりとした酸味を味わって、中庭の花が綺麗に咲き誇っているのに感心して。
 やがて食べ終わり、そろそろ行こうかと会計を済ませると、すでに頼んだお土産は用意されていた。羽郁に手渡された器は、柚李葉が頼んだ兎饅頭だろう。柚李葉に手渡された紙包みには、羽郁が選んでくれた、養母へのお土産が入っているはずだ――早摘みの苺を使った苺大福。

(羽郁が選んでくれたお土産、お養母さん喜んでくれるといいな)

 そう思いながらいつかのように大切に紙包みを胸に抱き、にこ、と微笑んでお店を出る。そうしてまだ、どこか夢見るような心地でお茶屋を振り返った。養母にもこの話をしてあげたら、きっと喜ぶ事だろう。
 不意に、羽郁が耳元で囁くのが、聞こえた。

「‥‥柚李葉。今日は、楽しかった」

 そう、言葉が耳に届いたと同時に、柚李葉は何か暖かいものに背後からすっぽりと抱き締められていた。びっくりして動きを止めた柚李葉の頬で、チュッ、と柔らかな音が弾ける。
 キスされたのだ、と一瞬後に気付いて、ボンッ、と柚李葉は真っ赤になった。それこそつま先からてっぺんまできっと、どこもかしこも真っ赤になったはずだ。そうして頭が真っ白になったところに、ギュッ、とさらにきつく抱き締められて思考がショートして。
 後で、と思う。後で、手を繋いでも良いか聞いてみよう。羽郁と2人、並んで一緒に、手を繋いでどこまでも。そうやって歩いていけたら素敵だろうと、弾けた思考でぼんやり思う。
 けれども今は、背後から抱き締められる温もりに包まれながら、早鐘のように高鳴る胸の音をじっと聞いていたのだった。






━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 /   PC名  / 性別 / 年齢 / クラス 】
 ia0859  / 佐伯 柚李葉 / 女  / 16  / 巫女
 ia0862  / 玖堂 羽郁  / 男  / 18  / サムライ

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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いつもお世話になっております、蓮華・水無月でございます。
この度はご発注頂きましてありがとうございました。

お嬢様と恋人さんのお茶屋さんでの甘い一時、心を込めて書かせて頂きました。
えぇと、お砂糖成分はこのくらいで足りましたでしょうか‥‥いえあの、これでも精一杯、全力で盛り込ませて頂いたのですけれども!(滝汗
そしてお茶屋のお姉さんがフィーバー状態で、本当に申し訳ございません(土下座
お姉さんは今日も元気です(何

お嬢様のイメージ通りの、甘くてほんのり切なくて、お嬢様の気持ちが伝わるノベルになっていれば良いのですけれども。

それでは、これにて失礼致します(深々と
Sweet!ときめきドリームノベル -
蓮華・水無月 クリエイターズルームへ
舵天照 -DTS-
2011年03月28日

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