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『 ●中の良い三人組 』
伊万里 冬無(ga8209)
 
「麗華さん、ヴァサーゴさん、これ可愛いです♪」
「ヴァサーゴさん、伊万里さん、こちらもいいですわ♪」
「‥‥これも‥‥いい‥‥」
 伊万里 冬無、大鳥居・麗華、L3・ヴァサーゴの三人は仲良く街へショッピングをしに出ていた。
 雑貨屋や、ブティック等三人はいろんな店に入り、可愛いものやいろんな物を見て回る――だが。
「雨です?」
 伊万里の頬を濡らす一滴の水滴。
 空を見上げれば、先ほどの晴天は何処へやら――雨雲が周りを覆っていて陽も弱い。
「雨‥‥ですわね。 天気予報では晴れでしたのに」
「困りますです」
「‥‥傘、無い‥‥」
 困惑する麗華と伊万里とヴァサーゴの三人。ぽつりぽつりと水滴が路面を濡らし――そして。
 まるで雪崩たかの様に崩れる天気――ゲリラ豪雨の大粒の雨が三人を襲う。
 軽装であった三人――大粒の雨に振られ、あっという間に全身を濡らす。
 雨によりトップスが濡れて体に張り付いた為、うっすらとインナーの形と色が透けてボディラインをハッキリさせる。
 たわわに実る肉実、形の良い白桃がクッキリと現れ、扇情的な姿を晒す三人。扇情的な光景が其処にはあった。
「はぁ〜もぉ、インナーまでぐっしょりです」
「まったくまさか急に雨が降り出すとは運が悪いですわね。と、其処の店で雨宿りさせて貰いましょう」
「‥‥急ぐ‥‥」
 慌てて三人が入ったのはウェディングドレスを扱っている店だった。
「ま、せっかくですし着てみるのもいいかもですわね。店員さん試着の方をしてみてもよろしくて?」
 麗華が店員にウェディングドレスの試着を聞くと快く承諾し、洗濯して服が乾くまで試着をさせて貰う事になった。
 ディスプレイされ、マネキンが着ている色々なデザインのウェディングドレスを前に心が踊る三人。
「まずは着替えです♪」
「風邪をひくと厄介ですものね」
「‥‥着替え、る‥‥」
 ずぶ濡れの為風邪をひかない為にも伊万里は先に着替える事を提案する。
 伊万里の提案に従い、ずぶ濡れの服を脱ぎ、着替える三人。
 インナーも脱ぎ、着衣に隠されていた姿が顕になる――生まれたての姿。
「くしゅん」
 麗華が可愛いくしゃみをする――流石にインナーも変えないといけない程にずぶ濡れになっていた為、どうやら体が冷えた様だ。 その為、まずはインナーを着替える事にした。
 試着場所ではウェディングドレスに合う様にレースが付いたインナーやガーター等、色々とものが揃っている。
 そんな、いろんなデザインと色のインナーに三人は目移りしながらも選ぶ。
「これがよさそうです♪」
 伊万里の選んだのは白をベースとしたガーターが付いたインナー。
 清楚さと妖しさがガーターのラインが伊万里の魅力を引き立てる。
「‥‥これ‥‥」
 ヴァサーゴが選んだのは黒ベースのシンプルなインナー。
 黒色のシンプルなデザインがヴァサーゴの黒い髪とあい、一層魅力的にさせる。
「私はこれにいたしますわね」
 麗華が選んだのはシンプルなデザインながらも上品さがあるブルーを基調としたインナー。
 飾り気の無い、シンプルさがかえってボディラインを強調し麗華の魅力を引き立てる。
「眼福でしたわね。代わりに二人のインナーのお支払いさせて頂きましたわよ」
「麗華さん、ありがとうです」
「‥‥ありが‥‥とう‥‥」
 インナーを買い取ってプレゼントする麗華と感謝の言葉を述べる二人――その様子に少し照れるのは麗華と表情に出ていないがヴァサーゴもだ。
 ウェディングドレスの試着場所には様々な様式やデザインのウェディングドレスや小物などがインナー以外にも所狭しと並んでいる。
 着替えたインナー姿の三人は思い思いにドレスを選び――。
「伊万里にはこちら、ヴァサーゴにはこちらなんてどうですかしら?」
 麗華が二人にウェディングドレスを薦める。
「冬無、麗華‥‥これ、どう‥‥かな」
 ヴァサーゴも伊万里と麗華にウェディングドレスを差し出す。
「ヴァサーゴさん、麗華さん、此方とかいかがです?」
 伊万里もまたヴァサーゴと麗華に選ぶ。
 こういった調子で三者三様、色々なデザインのウェディングドレスを楽しそうにお互いに選び、楽しむ。
 こんな事は滅多に無いという事で様々なドレスを試していく三人だった。
 そして、着替えるドレスが決まった様で着替えようとする三人は――
「んふふふぅ♪ お手伝いしますよ、麗華さん♪」
「着替えさせ、あいっこ‥‥」
 着替えようとする麗華を手伝おうとする伊万里とヴァサーゴの二人。
「あ、こら伊万里‥‥何処を触っていますの!? ちょ、其処は大丈夫ですわ」
 伊万里のあらぬ所を触る悪戯に驚き、紅顔させる麗華。
「相変わらず、大きい‥‥。良い、な‥‥」
「ヴァサーゴ!? 其処は!?」
 伊万里が麗華に悪戯をしている隣で麗華の胸が羨ましいのか、軽い悪戯心で麗華をマッサージしヴァサーゴと突然のその行為に驚く麗華。
 少しの悪戯のはずだったが、何時の間にかマッサージをする事が止まらなくなっているヴァサーゴ。
「麗華さぁあん」
「伊万里っ!?」
 蕩ける様な声で麗華の耳元で囁く伊万里もまたヴァサーゴと共にマッサージする。
 麗華に絡まる伊万里とヴァサーゴ。
 身を捩り、声を上げる麗華、興奮も一入の二人もその姿に更に興奮する。
 そして、刺激のあまりにぐったりと項垂れる麗華――。
「ヴァサーゴさんも、ほら、力を抜いて下さいです♪」
 明るく――妖しくヴァサーゴに向き合う伊万里。
 麗華の次は――ヴァサーゴの番だった。
 着替えさせあいという事で伊万里がヴァサーゴにドレスを着させるが――。
 先ほどの麗華への悪戯をしたばかりの二人――素直に着替えさせあいとはならないだろう。
「‥‥っ」
「ヴァサーゴさぁぁん‥‥」
 敏感な肌のヴァサーゴは先ほどの興奮もあり、触られるたび身を捩ったり声を出したりする――その様子に興奮している伊万里はヴァサーゴを求める。
「!?」
「わたくしも‥‥」
 受けている刺激に電気を受けた様にビクッとするヴァサーゴ――そして、刺激で項垂れていた麗華も復活し参戦する。
 先ほどの影響か興奮が収まらない麗華はヴァサーゴの正面へ回り込み、顎を持ちキスをする。
 正面の麗華、後方の伊万里といった風に二人にサンドイッチされるヴァサーゴ。
 そして、刺激が強くなったせいかへたり込んしまうヴァサーゴだった。
 伊万里と麗華の二人になる――
「伊万里‥‥ふふふ‥‥」
「麗華さん?」
 興奮が収まらない麗華が伊万里を襲う。
「いやぁぁんです♪」
 そんな状況に満更でない様子の伊万里と求める麗華。
 伊万里の顔を麗華の顔の横へ向けさせると――キスをした麗華。
 手の口の動きにより、水音が、声が辺りに漏れる。
「麗華さぁぁん♪」
 口を離した伊万里の興奮がヒートアップし、互いに絡み合う――。
「麗華‥‥」
 復活したヴァサーゴが交じる――更にあたりの雰囲気は百合百合しくなる。
 巡る巡る変わる攻守――伊万里が求め、ヴァサーゴが求め、麗華が求める。
 絡み合う三人――互いが互いを求め、引きつけ合う。其れはまるで
「麗華さん♪ ヴァサーゴさん♪」
 麗華、ヴァサーゴを病的にまで執着を抱いている伊万里。
「‥‥冬無‥‥麗華‥‥」
 伊万里、麗華に恋人同然の愛情を感じて、依存気味なヴァサーゴ。
「伊万里、ヴァサーゴ」
 伊万里、ヴァサーゴの事が好きな麗華。
 見つめ合う三人――互いが、互いを想う気持ちが溢れだし、互いを絡め合い、絡めとる。
 興奮の収まらない三人によって組んず解れずな状態が続く――。
 
 その後――興奮の収まった伊万里、麗華、ヴァサーゴの三人はお互いのウェディングドレスの見せ合いをする。
「どうですか?」
 伊万里の選んだのは王道的な純白のウェディングドレス――王道だが、伊万里の魅力を十分に引き立てている。
「きれ、い‥‥」
「伊万里、素晴らしいですわ」
 伊万里のウェディングドレス姿に二人は感嘆の声を漏らす。
「‥‥どう、かな‥‥?」
 次はヴァサーゴの順番であった。
 ヴァサーゴの選んだウェディングドレスは装飾の少ないシンプルなデザインのものだった。
「はぁぁぁ‥‥ヴァサーゴさん、良くお似合いですよ♪」
「よくお似合いになってますわ」
 そのシンプルなデザインがヴァサーゴの黒髪と相まってより一層、引き立てる。
「どうかしら?」
 最後は麗華の番だ。
「はぁぁぁ‥‥素敵です♪」
「‥‥いい、きれい‥‥」
 麗華が選んだのはAラインのボディシルエットを生かしたデザインのウェディングドレスだ。
 そのデザインが麗華の良さを引き立て、魅力を引き出している。
 三人が、大きめの鏡に向かい合う。
 三者三様――其々の姿にあったドレスに身を包んだ伊万里、麗華、ヴァサーゴの三人。
「‥‥記念、写真‥‥撮り、たい‥‥」
 余りみる事の無い姿にヴァサーゴが伊万里と麗華に提案をした。
「いいですわね♪ カメラならありますです♪」
「グッドアイデアですわ♪」
 麗華と伊万里もヴァサーゴの提案にノリ気の様だ。
「店員さん、撮影をして貰ってよろしくて?」
 伊万里が預けてあるバッグからコンパクトカメラを取り出し、麗華が店員に撮影を頼む。
 快く記念撮影を受け付けてカメラを受け取る店員。
 ヴァサーゴ、伊万里、麗華の三人が思い思いの姿で記念撮影を行う――。
 当初、伊万里のコンパクトカメラでの撮影であったが、気を利かした店員によって店にある大判カメラでも撮影を行う事となった。 記念撮影をする三人――其れはかけがえの無い思い出になるだろう。
 
 こうして、記念撮影を終えた頃には洗濯され、綺麗になった服が出来上がり店を後にする事になった。
 
「綺麗な虹です♪」
「‥‥虹、綺麗‥‥」
「あ、二重虹ですわ」


 外に出て見上げた空には――何処までも蒼い晴天とまるで三人を祝福するかの様な二重の虹の橋がかけられていた。
Dream Wedding・祝福のドリームノベル -
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2012年06月14日

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