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『+ サキュバスを怒らすと怖いのよぉ? + 』
セルフィナ・モルゲン8581)&(登場しない)



 某月某日、昼。
 東京都内のある巨大企業の秘書を勤めている女性は部下達に的確な命令を下しながら己の仕事をこなす。
 彼女の名前はセルフィナ・モルゲン。厳格で妥協を許さない性格で作業をこなす様は機械的でミスも無い。当然その分作業能力の点は評価が高く社長からも強く買われている。
 そしてそんな彼女のもう一つの魅力と言えばその身体にあるだろう。百七十センチほどある身長はまあいい。だがその身体にラインが恐ろしく魅力的なのだ。胸は二メートル近い爆乳で見るものの目を釘付けにする。だが彼女は太っているわけではない。腰はしっかりとくびれており、臀部に到達するとまたむっちりとした肉欲を誘うラインを描いているのだ。そんな彼女の悩みはとても簡単。自分の身体に収まる衣服がないこと。スーツも私服も完全にオーダーメイドで作られており、注文先は彼女のボディラインを間近で見る度に思わず口笛を吹くほどだ。だが彼女自身好奇の目で晒される事に慣れており、最早何も感じないが。


 しかし夕方頃、執務室で仕事をしていた彼女にある特殊な通信機にて一本の連絡が入る。


「はい、こちらセルフィナよぉ。ちょっと仕事中は連絡を入れないっていつも言って――……なぁんですって! 天使勢力が出現したってそれ本当なのぉ!?」


 彼女の電話の相手はサキュバス。
 そう、彼女の正体は普段こそはただボディラインが人より豊満な人間だが、実は異次元からやってきたサキュバスと人間のハーフに生まれたハーフサキュバスなのである。サキュバスにとって天使勢力は敵。なんとしても潰しておきたい存在なのだ。
 だが『人間』である彼女は仕事がある。担当している仕事の期限は今日で、時刻も刻々と迫ってきているのだ。それでも通信機の向こうのサキュバスは「そんなものは捨てて来なさいよぉ!」ときゃんきゃんと耳障りな声を立てる。しかしそれでも彼女は動かない。あくまで人間として暮らしている間の彼女は優秀な秘書なのだ。
 しかしそれを知らぬ相手ではない。彼女を動かすカードにある情報を伝えた。


「――っ、なんですってぇ!? 私の担当している仕事をパァにしたって、それ本当なのぉ!?」


 そう、これこそが通信相手のカード。すぐさまセルフィナは担当している取引先に連絡を取れば確かにその情報が正しい事が判明する。相手は強く強く謝罪の言葉を紡ぎ、「この件についてはまた改めて日を設けて」云々などフォローの言葉を挟みこんでくる。ぎりっとセルフィナの奥歯が噛み締められるが、一人で良かったと本気で思う。大人な対応で取引先とは一旦連絡を終えると彼女は立ち上がる。
 時計を見やれば定時。
 今彼女が会社を出たところで誰も文句を言う人間などいない。むしろ完璧と言えるほど立派に仕事をこなす彼女に定時帰りごときで文句を言える人間がいるならそれは社長くらいと言うものだ。


「あーあ、邪魔された代償として討伐に加わるわよぉ。場所を教えなさぁい」


 彼女は自家用車に乗り込み、通信機の向こう側の相手に場所を要求する。
 その車でさえ胸や尻を圧迫しないよう特注なのは言うまでもない。



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「ふぅん、此処が天使達が現れた場所ねぇん。ふふ、丁度日没。私の仕事を邪魔した事を後悔させてあげるわぁ」


 東京からやや離れた場所に彼女は到着する。
 車から降り、辺りを見渡せば確かに自分にとって不愉快な気配が漂っているのを感じた。一部綺麗に結い上げられている髪の毛を解き、そっと下ろす。そして彼女は周囲に誰も居ない事を確認してから己の本性を現す。


 まず背丈は二メートル三十センチ程まで伸び、それと共に彼女の足元の影も伸びていく。
 次に青くて長かった麗しいストレートの髪の毛は赤紫色に変化しゆるくウェーブを描いている。続いて爆乳は更に巨大化して脚の付け根の辺りまで膨らみそれはもはや魔乳と呼んでも良いほどの大きさへと変わる。その胸には吸収した魔力や精力が詰まっており、触れれば柔らかく弾むであろうその胸は吸収する度に膨れていくため、今の大きさが最大ではないところが恐ろしい。
 そして臀部も当然大きくなりサキュバス独特の先端がハート型の尾と背中からは先端に大きな金属の輪と鎖が垂れた巨大な悪魔の翼、そして頭部からは毒々しい角も生えてくる。その姿は会社で働いている彼女の姿を知っている者が見れば畏怖する対象に値するだろうか、それとも魅惑的な存在に写るだろうか。


 もちろん服装もスーツからサキュバス独特の露出度の高い、いわゆるボンテージファッションへと変化する。特に臀部を覆う布面積の少なさはそれだけで一種の脅威。いつそのむっちりとした肌がそれを破いてしまうか見ている方が心配になるほどである。
 首から掛けているのは灰色のファー。足を覆うのはピンヒール。
 完全にサキュバスと化した彼女は指先を唇に押し当て、妖悦に微笑む。


「さぁいらっしゃぁい、私の邪魔をした天使ちゃん達ぃ。ンフフ、私の力で天使ちゃん達をメロメロにした挙句あれやこれやの夢を見せて力を吸い取ってあげるわぁん」


 サキュバスの気配を察して天使達が姿を現す。
 だがその天使の清らかさが逆に彼女の嗜虐心を煽る。あの顔を地面に伏せさせこの胸で圧迫したらどんな風に啼いてくれるかしら? どんな夢を見たらあの天使達は自分に涙を見せ、止めてと叫んでくれるかしら? あの清楚な顔を踏んだらどんな風に歪んだ表情を見せてくれるかしら?


「んふ、さぁ快楽の宴の始まりよぉ!! あはははは!!」


 天使達を屈服させる、それだけを想像しただけでセルフィナの身体は疼く。早く来なさい、私の為に。早く、許しを乞いなさい、私の為に。だけどすぐに満足させないで、思い切り弄くりまわして、足腰を立たなくしてやるから。


「ん、っふ。早くこの火照りを納めなきゃね」


 ぺろりと舌先が唇を舐める。
 これから先の宴は彼女を主人公とした舞台。その犠牲者に選ばれた天使達がどうなるかは――まだ分からない。







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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【8581 / セルフィナ・モルゲン) / 女 / 28歳 / ハーフサキュバス】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、発注有難うございました!
 変身シーンの描写に力を入れさせていただきましたがどうでしょうか?
 もちろん人間時の描写も楽しませて頂きましたので気に入って頂けることを祈ります。
 ではでは^^
PCシチュエーションノベル(シングル) -
蒼木裕 クリエイターズルームへ
東京怪談
2012年06月29日

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