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『+ だからサキュバスを怒らすと怖いって言ったじゃなぁい + 』
セルフィナ・モルゲン8581)&(登場しない)



 東京より離れた場所で天使勢とサキュバス達が交戦している。
 天使達は各々自らが持つ最大限の能力を使用し、時に攻撃、時に守備、時に回復にと統制をしっかり取りながらサキュバス達を浄化させようと努めていた。だがサキュバス側もそう易々と倒れるほど弱い存在ではない。魅力的な肉体をフルに使用し、ある者は天使に誘惑の幻惑を、ある者は精気を吸い取るための口付けを、ある者はその手腕を持ってして天使達を堕落させていく。
 そしてそのサキュバス勢の中に赤紫色のウェーブの長い髪を持ち、悪魔の角と羽を持った美女――セルフィナ・モルゲンも存在していた。彼女は身体全体から闇の淫気を噴き出しながら飛行して天使の女に近付く。


「可愛い可愛い天使ちゃん。んふふ、私と共にいらっしゃぁい?」


 その言葉に天使が血の気を引かせ身を引こうとするが彼女は当然それを許さない。
 自分が『人間』だった時に大事な仕事をパァにしてくれた天使が目の前の人物かは知らないけれど、同じ種族なら誰を陥れても同じだろうと、そう考えて。
 セルフィナは結界を張り、多くの天使達に淫靡な幻覚を見せ精力を吸い上げていく。そして吸い上げられた魔力や精力は彼女の胸へとたまり、今までも脚の付け根ほどまで大きかった魔乳は更に膨らみ質量を増やしていく。彼女はその快楽にぶるっと身を震わせる。天使達が幻惑の中で甘い叫び声を上げる度に彼女は快感を得るのだ。


「ンフ、もっともぉっと淫らになっていいのよぉ? 私のお仕事の邪魔をした分だけ愉しませて貰わなきゃ割にあわないものぉ。さあ、次は――あはは! 貴方にきぃーめたっ!」


 嗜虐思考が擽られる愛らしい顔立ちを持つ天使を見つけると彼女は歓喜に身を捩る。
 標的にされた天使は下級天使なのか既に怯え、上位天使の元へと逃げようと足掻く。だがそれよりも先に彼女は空高く舞い上がり、天使が逃げようとする道を断つ。
 天使から見た彼女の姿は恐怖対象。仲間の精気を吸い取って膨らむ胸、くびれた腰、大きな尻に生えた特徴的な尻尾は人間を堕とす女の凶器だ。だがそれは人間が対象では決してない。


「あーははははは! 貴方も闇堕ちしちゃいなさぁい!!」
「待ちなさい、私が相手になろう」


 セルフィナが嘲笑う声。
 だがそれを阻む天使の声が一つ。それは天使勢の中でも群を抜いた能力の持ち主で、他の仲間も中々その美しき天使を堕落させる事が困難であった。
 ならば相手には充分。セルフィナはやっと自分にとって最良の相手を見つけたと全身で感じるとほうっ……と甘い吐息を漏らした。なんて麗しく凛とした天使なのだろう。見ているだけでサキュバスとはまた違った魅力に彼女は虜になった。
 上位天使は自分が持つ槍をセルフィナへと向ける。こちらの大柄かつ豊満な身体に対し、まさに戦乙女とでも呼ぶべきか、スレンダーな身体をした天使は素早い動きでセルフィナへと攻撃を仕掛けてきた。それをかわす事に苦戦しつつも、彼女は彼女で相手を堕落させようと様々な手を仕掛ける。だがそのどれもが天使は弾き返し、そして更に結界をも破壊しながら彼女を傷付けた。
 そう、セルフィナのその胸に傷を、だ。


「やだぁあ! 痛いじゃないのぉ……う、ふふ。この私に傷を付けた子は初めてよぉ。うっとりしちゃう。――でもね」


 にぃっと持ち上がるサキュバスの唇。
 その瞬間、セルフィナが仕掛けていた結界が天使を包み込み、またそれを破壊しようと天使が動く――その時を彼女は待っていた。


「――奥義、アブソリュートダークネス!!」


 セルフィナは大きく右手を高く上げ、そして己の闇の気を収束させると手の周りに輪を描く。そして放たれる闇の気。
 標的にされた天使はその高笑いと凝縮された闇の気に身体が強張らせる。天使を中心に闇の気が綺麗な輪を描き、最終的には収縮して捕らえて離さない。それは天使の思考をじわじわと闇へと染め上げ、そして無力化してしまう。セルフィナの胸がまたずんっと重みを増し、彼女はその大きく膨らんだ愛しい自分の一部を掌で撫でた。


「ほぉんと、こんなにも愛らしい天使ちゃん達にはお仕置きが必要よねぇん」


 仲間のサキュバス達も各々卑猥な幻覚を見せているのだろう。
 天使達が頬だけでなく顔中を赤らめ己の身体を抱きしめている様子からしてそれが成功している事を彼女は知る。そして彼女は彼女で自ら闇落ちさせた天使達を一箇所に集め、そして恍惚な表情を浮かべながら満足げに見下ろした。


「さぁ――て、どんな声で鳴くのか教えてちょうだいねぇ。愉しませてくれなきゃだめよぉ。その心、壊れる寸前まで遊んであげちゃうんだからぁ! あはははは!」


 また一人堕ちる歪な夢。
 ぺろりと舐めた唇は何も塗っていないのにまるで蜜のような味が舌に乗った。



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 その夜、彼女は天使勢の魔力と精力を思う存分吸収し、無力化させた天使達をただの人間へと生まれ変わらせた。
 そしてその翌日からは天使達は完全にセルフィナの忠実な僕となり、自分が「人間」として属している会社へと推薦入社という形で働いてもらう事にする。
 その統率の取れた働きぶりは見事なもので、優秀な人材を呼んだセルフィナは更に賞賛される事となったのは言うまでもない。








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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【8581 / セルフィナ・モルゲン / 女 / 28歳 / ハーフサキュバス】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、続きの発注を有難うございましたv
 天使との戦い、サキュバスとしてのお色気を出しつつもセルフィナ様の魅力が出るよう努めさせていただきました。
 社員として働く元・天使達の姿を想像するとちょっと見目麗しい光景でうっとりしそうですね(笑)

 ではではまた機会がありましたら宜しくお願いいたしますv
PCシチュエーションノベル(シングル) -
蒼木裕 クリエイターズルームへ
東京怪談
2012年07月02日

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