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『Dream Wedding〜逆転結婚〜 』
シーヴ・王(ga5638)

 それはジメジメした夜に見た夢
 
 寝苦しかったせいか、それとも可能性の一つなのか
 
 不思議な夢の中で一組の夫婦はお互いの性別が入れ替わった夢をみていた
 

〜Can You Cereblate Biginning〜
 カツカツカツと靴音を鳴らし、忙しなく歩く青年がいる。
 長身に似合う白のフロックコート、細身ながらもその下は鍛えられているのか動きに無駄がなかった。
 赤い髪をショートにし、釣り目がちな緑の瞳をキョロキョロとさせながら一つの部屋の前にくる。
「ちょっと、新郎は式の前まで新婦をみちゃダメだよ」
「うぐ、わかって……やがるです」
 呼び止められた赤髪の青年、シーヴ・王(ga5638)は恨めしそうな視線を門前払いをしたスタッフに向けた。
 だが、彼のいうことが正しいので、しょんぼりと肩を落としてシーヴは自分の控え室に戻る。
「これなら特攻の方が緊張しねぇです」
 椅子に座り、大きなため息を漏らした彼は出撃待機を命じられた時のように静かに待つことにした。
 
〜教会で誓う愛のメモリー〜
 パイプオルガンが鳴り響き、新婦が父親に連れられてバージンロードを歩いてくる。
 長い黒髪をヴェールに包み、白いマーメイドラインドレスを恥ずかしげに纏う姿は愛らしさがあった。
「綺麗でやがるです……」
 月並みな言葉しかでないほどにシーヴは見惚れて息を止めている。
「ほら、交代だよ。娘をよろしく頼むね」
 新婦の父親に促されて、ようやく彼女と手を組んだ。
 一歩一歩、神父の前に行くにつれて夢想していた結婚というものが現実になってくる気がする。
 心臓の鼓動がはやまり、いやな汗が背中を伝う感覚まではっきりしてきた。
「ねぇ、大丈夫?」
 そんなシーヴのことを気づいたのかライディが緩やかにたれている瞳で見上げてくる。
「だ、大丈夫でやがるです。これくらいの修羅場はいくつも経験していますです」
「こういうときに修羅場というと変な意味に聞こえちゃうよ」
 緊張していてよくわからないことを口走った自分をライディがくすりと笑った。
 その笑顔のおかげで、シーヴも幾分か緊張が解けたのか未来の妻へ微笑み返す。
 ほほえましい二人の姿をみた神父も柔和な笑みとともに式の進行をしていった。
 とんとん拍子に流れていくものの、隣にいるきれいな花嫁の姿にシーヴは再び見ほれてしまう。
「シーヴ、シーヴっ」
「ふえっ!?」
「‥‥もう一度いわなければならないかな? 新郎シーヴ・フェルセン。その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「すいません……です、ええっと、誓います……です」
「新婦ライディ……」
 誓いの言葉のタイミングを忘れてしったシーヴに周囲から暖かい笑い声が聞こえてきた。
 やさしい人々に囲まれて、ここに夫婦の誓いを立てれたことに感動さえ覚える。
「それでは、指輪の交換を」
「最後くらいきっちり決めてやらねぇですとね……」
 給料三か月分とはいわないが、傭兵として出費の多い中でためて買った指輪を手に自分に気合を入れた。
「あんまり気合をいれ過ぎなくても」
 一生懸命なシーヴに少し苦笑をしながらもライディはそっと手を差し出す。
「大丈夫、問題ないです……うわわわっ」
 細くしなやかな指に指輪を近づけ、はめようとしたときシーヴの手から汗のためか指輪が滑ってしまっていた。

〜待ちきれなかったランデブー〜
 式が終わり、外に出るとまぶしい太陽の光が差し込んで一瞬目の前が真っ白になる。
 閉じた目を開くと、青い空に雲が悠々と流れ、そよ風のふく景色が広がっていた。
「おめでとう」
「お幸せにね」
 参列者に拍手で迎えられているのを深呼吸したあとで気づいたシーヴは隣で手を振ってお礼をしているライディのウエディングドレス姿をまじまじと見つめなおす。
 黒髪に白い花嫁衣裳が太陽の光を浴びてキラキラと光り、流れるヴェールも天使の羽のように広がり美しさやいとしさをより強く感じた。
「もう、我慢できねぇです」
 シーヴは誓いも済まし、指輪をつけて自分のものとなった可愛い花嫁をお姫様抱っこで軽々と抱き上げる。
「し、シーヴ〜っ! ちょっと恥ずかしいよーっ」
 顔を赤くし、落ちないように首に手を回して抱きつくライディの小さいながらもやわらかい胸がシーヴの胸に押し付けられた。
 緊張しているだろうライディの鼓動がゆっくりとそして確実に伝わってくる。
「このまま連れ出すです。こんなきれいなライディの姿をほかのやつに見られたくねぇですから!」
 瞳の色をルヴィーレッドに変えてシーヴは駆け出した。
 青い空の下、喜びを勢いにした二人は風のように人垣を超えていく。
「え、ええっと、皆さんにも幸せをー!」
 去り際にライディの声が聞こえたかと思うとブーケが一束ぽとんと落ちた。


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 年齢 / クラス  】
 ga5638  / シーヴ・王    / 女  / 19 / エースアサルト

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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遅くなって申し訳ありません、毎度お世話になっています橘真斗です。
こうしてノベルを書かせていただくのもかなりの数になてきて、ライター通信の方もネタ切れになりそうです。

色々とこちらも表現に悩みつつも色々チャレンジさせてもらっています。
今後もよくしていただければ幸いです。

では、次なる運命が交錯する日まで、ごきげんよう。
Dream Wedding・祝福のドリームノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2012年07月10日

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