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『司書と生徒のバレンタイン 』
クラーク・エアハルト(ga4961)

 私が好きなのは結構生徒に人気のある図書室の司書さん

 眼鏡をかけて知的な雰囲気だけれど、少し抜けていたりもするところがいいところね
 
 今日はバレンタイン。放課後の時計台へなんとしても連れ出したいところかしら……。
 
 
〜放課後の図書館〜

 バレンタインデーでも授業が普通に進み、放課後になった。
 クラブ活動や委員会の時間であり、いつもの通りではあるもののこの日ばかりは女生徒の盛り上がりが違う。
 クールな様相のレオノーラ・ハンビーも例外なく緊張した足取りで学園に併設された図書館を目指していた。
「遊びにきたわよ。せーんせ」
 ひょこっと、大きなドアの影からレオノーラが顔をだし、図書館の主を探す。
 彼女は委員会などは特に参加せず、帰宅部であった。だから、こうして図書館に遊びにきたりしている。
 冬の冷たい空気が室内を覆い、いくつもの棚に本が整然と並べられていて圧迫感がそこにはあった。
「ん? ああ、レオノーラさん。こんにちわ」
 奥の暗がりから長身の男性が静寂を破り姿をみせる。
 この図書館の司書であるクラーク・エアハルトだった。
「今日は人がいないわね」
「バレンタインだから、かもしれないね。コーヒーでも飲むかい? インスタントだけど」
 いつもはまばらにひと気のする図書館だったが、今日は二人きりである。
「砂糖とミルクたっぷりでお願いね」
 レオノーラに促されたクラークはコーヒーメーカーでコーヒーを作っていく。
 本のもつ独特の香りをコーヒーの芳ばしさが包み込んだ。
 
***

「先生は今日チョコレート貰ったの?」
「清掃のおばちゃんに貰ったくらいかな? 別段付き合っている人もいないから義理チョコだね」
 コーヒーを飲みながらいつものような雑談をしていると 窓辺から眩しいの光が差し込み、室内に赤い色を落としはじめた。
 運動部も片付けを終えたのか姿が見えなくなっている。
「もう、こんな時間かそろそろ送っていこうか?」
「そうね。これくらいなら丁度いいかしら……」
 五時半をまわった時計を窓から見える時計台で確認したクラークはコーヒーカップを片付けだした。
 そんな姿をチラリと確認しつつレオノーラは小さく呟く。
「何か言った?」
「何でもありませーん。ねぇ、ちょっとよっていきたいところがあるの」
「どこへでも送るよ。ヒマだからね」
 図書館をでて鍵をかけたクラークはレオノーラに案内されるまま後ろをついていった。
「そういえば、レオノーラさんは誰かにチョコはあげたのかな?」
「あげてないわよ。義理チョコなんて趣味じゃないしね」
 ストレートロングの銀髪を揺らし、ゆっくりとレオノーラは歩いていく。
 図書館から校舎に入り、中央の階段を登っていく。
「先生は伝承とか信じる方?」
 階段を登っている最中に一度だけレオノーラは振り返ってクラークの目を見る。
「図書館の司書はロマンチストがなるものだよ……なんていうのは少し格好つけすぎかな?」
 首を傾げて不思議そうな顔を返したクラークに「ふーん」とだけ答えて彼女は階段を登り続けた。
 階段が終わり、古い扉を強引にあける。
 すると、ビューっと強い風が長い髪とスカートを靡かせる屋上が姿をを見せた。
 四方に時計があり、その上には始業などに響く鐘がついた時計台が図書館からみるよりも大きな存在感をだしている。
 時刻は45分を過ぎ、秒針がないものののガチガチガチと時を刻む音が時計台から聞こえてきた。
 
〜伝説の場所で君と〜
「時計台に来たかったの?」
「先生、ここに来てもまだピンとこないの……ちょっと鈍すぎる気がするわ」
 まだよくわからないと頭上にハテナマークを浮かべるクラークへレオノーラは呆れてため息をもらした。
「どういうことなの?」
「ん、もう……まずはこれ、あげるわよ」
 ぷぅっとむくれた様子のレオノーラはスカートの中から小さな包みをクラークへと差し出す。
「これは……もしかして、チョコレート?」
「もしかしなくてもチョコレートよ」
 包みを受け取ったクラークが封を解くと、一口サイズになったシリアルをチョコレートでコーティングしたものがひょっこり顔をみせた。
「あれ、でも義理チョコは趣味じゃないって……あ、本、命?」
 漸くわかったのか彼は驚き目を見開いてレオノーラを見返す。
「本当にせんせーは鈍いんだから、でも受け取ってもらえただけよかったしらね」
 夕日のせいか色白のレオノーラは頬を赤くしながら小さく笑った。
「でも、時間が迫ってきちゃっているから、告白もするわ……私ね、先生のこと好きだったの。だから、部活もやらなく一緒にいたのよ?」
「自分みたいな冴えない男でいいのかな?」
「いいのよ、そういうところも含めて大好きだから」
 レオノーラがクラークに近づき、そっとキスをした。
 その時、夕方六時の鐘がなり二人を祝福するかのようである。
「自分も、大好きだよ……レオノーラ」
 鐘が響く時計台で二つの影が一つになり、伝説が一つ叶った。
 
 Fin
 

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名      / 性別 / 外見年齢 / クラス 】
 ga4961  /クラーク・エアハルト/ 男  / 21   /イェーガー

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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どうも、橘真斗です。
いつもありがとうございます。
CTSも終わりを迎えれば、NPCをつかったイベントも行うことはなくなると思います。

長い間のご支援ありがとうございました。
勉強や励みとなり頑張ってこれたのは支えてくれたクラークさんのような方のお陰と思います。

それでは次の運命が交錯するときまでごきげんよう。
ラブリー&スイートノベル -
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CATCH THE SKY 地球SOS
2013年02月28日

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