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『ヤギの縁結び 〜私の運命の人はどこに〜 』
ラグナ・グラウシード(ib8459)

●かぁいいもの好きの朝
 ラグナ・グラウシード(ib8459)が目覚めたそこには、洋服を着たヤギがいた。
「起きたやぎか?」
「え‥‥え‥‥?」
 状況が飲み込めないラグナのナイトキャップを白ヤギが、パジャマの袖を黒ヤギが引っ張っている。
「人手が足りないから手伝って欲しいやぎよ」
 ちっこくって、もふもふで、かぁいい――早い話が動くぬいぐるみが、いた。

「や‥‥ヤギさんだぁ‥‥っ!!」
「ぎゅ、く、苦しいやぎっ!」
 右の袖口にくっ付いていた黒ヤギを左腕に確保して、ぎゅむっと抱き締めた。 ああ、このもふもふの感触っ! 最高だ!!
「黒ヤギに何するやぎー!」
「白ヤギさんは焼餅やきさんやぎねー♪」
 口調を真似たラグナの右腕が白ヤギを捕らえて、2匹一緒にぎゅむぎゅむもふもふ。
「おお‥‥この至福! うさみたん以外に動く子がいたとは!」
 ――いや、うさみたんは動かないから。
 枕元でウサぬいのうさみたんが呆れている――ように見えなくもない、無防備に添い寝しているファンシーなベッドで、美青年は萌えた。ヤギーズの事情などお構いなしで。
「くろたん、しろたん、朝御飯食べるやぎ? お手紙DMしかないけど構わないやぎか?」
 話なんぞ聞いちゃいない。しかも普通にヤギ語で喋っている、傍目に非常に危ない人だ。
 2匹を両腕に抱えたまま、パジャマをしどけなく着崩したラグナはキッチンへと向かうべくベッドから起き上がった。勿論、これからヤギーズと一緒に朝食だ♪
「‥‥白ヤギ、何だかヤバイ人を捕まえたやぎね‥‥」
「仕方ないやぎ、時間がないから人を選んでいる暇なんてないやぎよ」
 左右の腕に抱え込まれて顔付き合わせて溜息付いているヤギーズの運命や如何に――!?

 ともあれ、何故かヤギーズはラグナと朝食を囲んでいた。
「1日の始まりは朝食からやぎ!」
「しかし添加物バリバリやぎねー」
「すまないな、手紙らしい手紙が来ないのだ‥‥」
 嗚呼、寂しい非リア充騎士。尤も、ラブレターが届いてもヤギ達に食わせてやる義理はないのだが。
 それで、とクマを模した蒸しパンをもしょもしょ食べながら、ラグナはヤギーズに話を促した。この男、意外と適応力があるのかもしれない。
「用件は何だ?」
「そうやぎ! 結婚式やぎよ!」
 白ヤギが勢い込んで言ったので、色とりどりなチラシの紙吹雪が舞った。せっせとテーブルを拭いて黒ヤギが補足する。
「早くしないと始まってしまうやぎ! さっさと着替えて手伝うやぎ!」
 どうやら急ぎの用事らしい。結婚式の手伝いと聞こえたが――
 ラグナは渋い顔をした。何せ非リア充である。結婚など夢のまた夢、何よりまずは彼女ぷりーず、な身の上である。
 彼の複雑な心境を他所に、ヤギーズは暢気なものだった。
「‥‥でも、これ食べてからにするやぎ!」
「ご飯は大事やぎねー」
 何とも長閑な朝であった。

 ともあれ、少々ジャンクな朝食後、ヤギーズはラグナのパジャマを引っぺがし、何処からともなく取り出した衣装を着せ付け始めた。
「な、何故だ? やぎさんたち、どうしてこんな‥‥」
 純白のシャツはウイングカラー、黒のパンツをサスペンダーで吊り下げる。
(何の仮装だ!?)
「ひげそり忘れたやぎ!」
 ラグナが泡食っている間にも、白ヤギは剃刀片手に肩によじ登って来る。慌ててラグナは自分でやると剃刀を取り上げて洗面台へ。
「‥‥さすが私だ。鎧姿でなくとも、その美しさは変わらんな」
 うっとり鏡に見惚れる彼の肩へ、今度は黒ヤギが黒の蝶ネクタイを手に登って来て、シャツの首元に装着する。
 仕上げに白ヤギが手渡した上着を羽織れば――タキシード、男の正装の出来上がりであった。
「見るがいい、この美しさ、気高さ、凛々しさを‥‥」
「「どうでもいいから急ぐやぎ!!」」
 まだ賛美し足りないラグナなどお構いなしで、ヤギーズは彼の両手を引っ張った。

●結婚‥‥式!?
 一歩出た先は、式場でした。

「!?」
 トンネルを抜けると何処だった、という話はよく聞くが、自室を出たら式場だったなんて話は世界広しと言えどもザラにはないだろう。
「間に合ったやぎー!!」
 いつのまにか手を引くヤギが一匹になっている。もう一匹は何処行った――と視線を巡らせた先に、別の人物と居るのを発見した。
 その人物は――

「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」

 さすが兄妹弟子、揃ってぽかんと同じ顔をして相手を凝視している――理解が及ぶまで暫し、最初に言葉を発したのはどちらだったか。
「貴様はエルレーン!」
「馬鹿ラグナ!」
 ほとんど同時に言ったもので、それぞれに従っていたヤギたちは首を傾げて言った。

「「お知り合いだったやぎ?」」

 知り合いも何も、一触即発、運命の仇敵同士だ。尤も、仇敵だの最大最強の敵だのと思っているのはラグナ一人だが。
 何で貴様が此処に、お馬鹿さんこそ何でいるのよと口論が飛び交う膝下で、彼と彼女の事情など知ったこっちゃないヤギーズは互いに前脚を握り合って喜んでいる。
「お知り合いなら大丈夫やぎね!」
「末永くお幸せにやぎー♪」

「「‥‥は!?」」

 ここへ来て漸く、エルレーンとラグナは自分達が仮装ではなく、正真正銘花嫁花婿役なのだという事に気が付いた。
「「‥‥という事は‥‥」」
 互いに指を指し合って、( ゜д゜ )な表情で見詰め合う。
「この貧乳女が私の花嫁だと!?」
「私が花嫁‥‥馬鹿ラグナの!?」
 ほぼ同時、本当によく似た兄妹弟子だ――などと言っている場合じゃない。
 何せこの二人、兄妹弟子にして宿敵のライバルであり仇敵(※ラグナ視点限定)なのだ。当然険悪な雰囲気は激しい罵倒合戦に発展する訳で――

「馬鹿とは何だ、相変わらず口の聞き方を知らぬ品性の低い女だな!」
「お馬鹿さんを馬鹿と言って何が悪いのよ! ラグナが馬鹿なのは間違いないんだから!」
「何を言う、この品行方正完全無欠完璧美形のラグナ・グラウシードに馬鹿という形容はない!」
「ないんじゃなくて、すっこ抜けてるだけなんじゃないの? 馬鹿、馬鹿ばか、お馬鹿さん!」

 口論は一向に治まる気配がない。
 花嫁エルレーンが朝に見せた、ぼんやりおどおどした様子は微塵もなく、花婿ラグナが自宅で見せた、ふわもこふぁんしー趣味の甘々男子っぷりも全くない。
 ヤギーズは戦慄した。
「「とんでもない新郎新婦を選んでしまったやぎ〜;;」」
「「新郎新婦!?」」
 手を取り合いぶるぶる震えるヤギーズ。つい漏らした不用意な一言を聞きつけた二人にギッと睨まれて更に縮み上がった。
 二人を何とか取り成そうと、勇気を奮って黒ヤギが前に進み出る。
「‥‥そ、そうやぎ。だから二人とも、落ち着いて、仲良くするやg‥‥」
「「誰が!!」」
 最後まで言わぬ内に二人同時に即座に否定された。
 ぴーぴー泣いて白ヤギの後ろへ隠れる黒ヤギ、その首根っこを摘み上げたエルレーンが戦闘時並みに迷いなくキッパリと言いきった。
「花婿が馬鹿ラグナなら、黒ヤギと結婚する方がまだマシよ!」
「‥‥やぎ?」
 突然のプロポーズに目を白黒させる黒ヤギ、負けじとラグナは白ヤギを抱き締めて絶叫する。

「ごめんお、うさみたーん!!」

 ――あれ?
 しかし言いたい事は何となく通じていた。最愛のうさみたんには悪いけれど、この場で選べるのはエルレーンかヤギーズの3択。ならば残っている白ヤギしか選択肢はない。
「ちょ‥‥性別不明の白ヤギなのよ馬鹿ラグナ!」
「私より先に貴様が彼氏持ちになるのが許せんのだ!」
 さあ今すぐウェディングドレスを着ろと白ヤギに迫るラグナ。うさみたんへの不義を詫びながら白ヤギ抱えて壇上へと駆けたラグナは、厳かに置かれていたペアリングを白ヤギの手首らしき箇所へ嵌め込んだ。
「ああっ、白ヤギが新婦になってしまったやぎ!」
「負けてられないわ、私達も、さあ‥‥!」
 エルレーンに迫られ、じりじり後退する黒ヤギは困惑気味に突っ込んだ。
「白ヤギも黒ヤギも、性別不明やぎよ‥‥」

 二組のカップルに宣誓と口付けの時が迫る――
 ――シンロウシンプ ヨ ショウガイノアイ ヲ チカイマスカ――?

●私の部屋は嫁だらけ
「う、うさみたーん!!」
 ごめんお、ごめんおと号泣しながら目覚めたラグナの気分は後悔に満ちていた。
 何せ、最愛のうさみたんを袖にして、別のもふもふと挙式する夢を見てしまったのだ!
 慌てて添い寝しているはずのうさみたんを手で探る。もふ、と柔らかな感触があったのに安心して抱き上げる。
「うさみたん、うさみたん、あのね? こわいゆめをみt‥‥」
 話しかけた途中で息を呑んだ。

 添い寝していたのはうさみたんではなく――ウェディングドレスを来た白ヤギのぬいぐるみ。

「白ヤギたん?」
 ぬいぐるみだからして、当然白ヤギは応えない。円らな黒い瞳をラグナに向けているばかりだ。
 こんな子いたっけ? 疑問に思う余裕もなく、ヤギぬいを抱えたままラグナはうさみたんを探した。
「なんだ、3人川の字で寝ていたのか‥‥びっくりしたなぁもう♪」
 ヤギぬいの反対側で添い寝していたうさみたんを発見し、安堵する。そのまま疑問を記憶の彼方に押し遣った、ある意味幸せな男は、うさみたんとヤギぬいを抱き締めて、そのまま二度寝を決め込んだ。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【 ib8459 / ラグナ・グラウシード / 男 / 19 / 黒ヤギさん 】
【 ib7455 / エルレーン / 女 / 18 / 白ヤギさん 】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 大変お待たせいたしました‥‥いつもありがとうございます。周利芽乃香です。
 かぁいいもの好きのラグナさん、ご用命いただきまして真っ先に思い浮かんだ情景は、勿論ヤギーズとラグナさんの絡みでした!
 ええ、もふもふは良いものですv

 ‥‥が、挙式の夢から何だかダークな方向へ?
 まあラグナさんの事ですから、うさみたんも白ヤギたんも等しく愛してくださる事でしょう♪ ‥‥と個人的には、そう信じてます!
鈴蘭のハッピーノベル -
周利 芽乃香 クリエイターズルームへ
舵天照 -DTS-
2013年08月08日

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