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『ドキッ☆夏のわくわく男子会〜ポロリはねぇよ〜2013 』
青空・アルベールja0732


 どうせ、みんな野菜もってこないんだろうな……
 と、久遠 栄はBBQに備え野菜を準備し、

 どうせ、誰か溺れるんじゃねぇのか? 水場だし。
 と、百々 清世は軽い荷物にバスタオルを詰め込み、

 どうせ、清兄ちゃんは今回も寝坊でしょう?
 と、青空・アルベールは出がけに本日の運転手を起こしに行くことを忘れずに。

 昇り始めた太陽は未だ熱を帯びていなくて、空気は澄み渡っている。
 そんな、夏の早朝。
「おはよう、莉音君…… 荷物少ないな!?」
「鷹政さん、おはよーございまーす! んーとね、水着は要らないって、モモちゃんが」
 集合場所にて一足早く合流した筧 鷹政は、紫ノ宮莉音の軽装に驚きを見せる。
「水着ひとつで荷物は膨れないけどな。あー、そっか。キャンプ用の道具は」

「はいはい、おにーさん到着ー みんな乗っちゃってー」
 
 クラクションと共に、清世が車窓から首を出す。
 助手席には青空の姿。
 なるほど、今回も安定の青空めざましだったか。
「テントとかは、この夏買った新品よー」
 トランクに、既に収まっているテントやBBQ用のコンロや、恐らく食材を入れているのだろうクーラーボックスや。
 清世は軽くウィンクを飛ばすが、準備は大変だったに違いない。
「英雄部の合宿に使う予定なんだけど、強度確認する必要性を感じてねー……」
「なるほど」
 恐らく、同じ部活の青空も準備を手伝ったのだろう。
「今日は、湖でヒーロー修行なのだー!」
「だー!!」
 身を乗り出す青空が、莉音とハイタッチ。
 そこへ、釣り道具を背負って栄が到着。
「おっはようー!」
「あ、おはよう、久遠君」
「久遠先輩、寝癖なおってないですよー??」
「お約束をありがとう、紫ノ宮君」
 久遠 栄・大学部2年、ついに中学生に身長を越されました。
 伸びてくる手を払いのけるでなく慣れた掛け合いしつつ、栄は荷物をトランクへ詰め込む。
「……あれ?」
 バタン、と閉めて、車へ乗り込もうとしたところで。
「俺、もしかして一番背が低いの?」
「気にすんなって、さかえん。身長なんてモテ要素に関係ないって。俺180あるけど」
「僕は、そろそろ止まってくれないとお気に入りの靴、はけなくなっちゃうー」
「俺も、高校卒業してからまだ伸びたし…… あれ? 久遠君、大学b」
「え? 栄先輩は私と同級生だった気がすr」

 栄の、声にならない声を乗せたところで、湖畔キャンプへ出発進行!




 涼やかな湖畔のキャンプ場。
 到着するなり、青空と莉音が飛び出す。
「わー! 広いのだーー!!」
「まぶしー!」
 湖面が光を弾き、揺れている。遠く、水鳥が飛んでいった。
 他にもいくつかのキャンプ客の姿があるが、全体的に穏やかで、雰囲気の良いスポットだ。
「あっ、そうだ。ばらばらになる前に、皆これ塗って塗ってー!」
 莉音が、慌てて日焼け止めを取り出した。
 車内では、青空が持参したお菓子を食べたりキャッキャしていて、すっかり忘れてしまっていたのだ。
「だって、明日痛いでしょー? それから、虫除け!」
 海ほどに強烈な日差しではないとはいえ、夏の晴天は馬鹿に出来ない。
 毎年毎年、迎える夏の暑さは同じなのに、どうして人は過ちを繰り返すのか――。
 莉音の周囲に群がり、日焼け止めを使いまわししつつ虫除けスプレーを噴射しあう。後半、なんとなく攻防のような状態になるのはご愛嬌。
「はー。ありがと、莉音君。降ろす荷物って、これで良いんだっけ」
「荷物なんて肉と酒と、あと…… テントと……肉と……酒、だろ?」
「……ですよねー。じゃあ、俺、受付行って宿泊の手続きしてくるね」
 キリッとイケメン顔をする清世へ、鷹政は頷きを返し。
「テントはおにーさんに任せろー、釣りは任せたー!」
「よーし、みんな釣り行くぜーっ! 俺……湖の主を釣るんだ……!」
「わー! 主釣りだー!!」
 鷹政が車から離れ、清世がテント設営の準備をし、栄が青空と莉音を先導する。
「魚が俺を呼んでいる……」
 栄、去年も同じことを口にしていた記憶。




 釣り組が走り始める、その前に莉音が足を止めて振り返った。
「モモちゃん、電池の蚊取線香あるからね! どうぞ!」
「ん? 電池なら『線香』じゃねぇべ」
「えー……? じゃあ何? 蚊取置物?」
「ん、置物?」
 かくり、首を傾げる莉音に合わせ、清世も同じ角度に首を傾げる。
「置物ー! 虫さされると痒いからね、気を付けてね!!」
「ありがとなー、りおちゃん」
 蚊取置物を受け取って、清世は莉音に手を振った。
「さーて…… とりあ、テント張りますかねー」
 鷹政が戻ってくるのを確認し、清世は軽く肩を回した。
 肉体労働なんて、一人でやるものじゃないですよ。

 男5人が雑魚寝しても十分な広さのテント。
 最近は随分と手軽に組み立てられる物が増えたとはいえ、それなりの重労働だった。
「ふー、様になるねぇ…… ……おにーさん?」
「どうよ、ハンモック!」
 テント設営後半のほとんどを鷹政に任せていたと思ったら、清世は木陰を利用して上手いことセッティングしていた。
「いいね。……いいけど、一人分?」
「だって俺、長時間運転で疲れてますしおすし」
「ですよねー」
「あ、そうだ筧ちゃん。これ渡しとくー」
 ハンモックで優雅にシエスタする前に。
 清世は、一緒に降ろしていた荷物を取り出す。
「うん、何?」
「みんな、濡れて帰ってくるっしょ?」
 どさり、重ねられたバスタオル。
「……りょーかい」
 『引率は筧ちゃんがいるから』なんて言っておきながら、面倒見が良いのだ、清世は。
 鷹政はへちゃりと笑い、大事に受け取る。
「夕飯の支度が出来たら、声かけるよ」
「よろー」
 右手をひらり、そして清世はハンモックでふわふわ昼寝タイム。
「……。つまり、この食材の下ごしらえは、俺ひとりか」
 男5人の胃袋を満足させるだけの、肉に野菜に……
 クーラーボックスを開け、とりあえず鷹政は10分ほど立ち尽くした。




「毎年泳ぎに連れてってもらうのは湖だったの。だから初めて海に行った時は、青くて波が高くて明るくてしょっぱくてびっくりした!」
「莉音は、だから泳ぐの上手いのだな」
 青空が、こくりと頷き納得する。ここの湖は、遊泳禁止なのが残念…… いや、泳げない青空にとっては幸い、でもあるのだけど。
「潜って行くと、草が生えてたのねー。だから、水が緑色だった気がするー」
 その水の色は、海や川では見ることができない。
 懐かしさもあり、けれど莉音にとって慣れ親しんだ湖とは違う部分もあり。
「おっ、丁度いいとこに船があるじゃないか、一緒に船乗って釣りしよーぜ」
「はーい、釣りましょー!」
 鑑賞に似た感情は、栄の明るい声で吹き飛んだ。
 船着き場を見つけ、三人はまっしぐらに向かう。


 古めかしい、木製の手漕ぎボート。釣り道具と三人を乗せ、ゆっくりと湖へと漕ぎ出す。
 ゆらゆらと危ういバランスも、なんだかアトラクションのようで楽しい。
「ここの湖って深いのかな……。私は泳げないけど、船なら大丈夫だな!」
 ぱしゃり、青空が水の中へ手を差し入れる。冷たい。
 底がよく見えないけれど、莉音が言うように水草が生えているからなのかもしれない。
「紫ノ宮君、船を漕いでみるかい?」
「漕ぎたーい!」
 片目を瞑る栄から、莉音がキャッキャとオールを受け取る。
 その間に、栄は釣りの準備を進める。
(釣りは何度かやったことあるけど、釣れたためしはないんだよね……)
 こう見えて、釣りビギナーの栄。しかし、後輩たちを前にそんなことを明かせるものか。
「? おっとと」
「……まっすぐ進まないねー」
 顔を上げると、莉音が困ったように笑っている。
 何処へ向かうでもないから適当に漕いでいてもいいのだけど……
「ははは、俺が手本を…… これ、どうやったら真っ直ぐ進むんだ?」
 何処へ向かうでもないから、良い所を見せる必要は特にないのだけれど……
 首を捻りながら、栄はオールを動かす、不規則に船が揺れる、揺れる、ぐるぐる回る、
「……うぷ」
「久遠先輩、大丈夫ー!?」
「気持ち悪い……」
「ストップ、ストップなのだー!!!!」
 口元を押さえた栄から、青空がオールを取り上げた。
「す、すまないアル君……。そろそろ、釣りと行こうかね!」
「「はーい!!」」
 適当に流れ着いたところで、それぞれが釣糸を垂らす。
「何が釣れるのかなー♪」
「主って、どんな味なんだろな??」
 莉音と青空が、そわそわと水面を見遣る、その後ろで栄が声を上げた。

「うお! 大物……これは主!! 釣るぜっ」

 二人が振り返ると、栄の釣竿が大きくしなっている。
 負けてなるかと栄は立ち上がる。
 繰り返すが、古めかしい木製の手漕ぎボートに、男子三人が乗っている状況である。

「あっ」
「わわっ」
「わーっ!」

 〜お約束、ありがとうございました〜

「……帰りはぐるぐるしないように、泳いで押して行く? 水着いったねー」
「こ、これなら私も水の中でも平気なのだ」
「うへぇ。髪までびしょぬれだ……」
「久遠先輩、大丈夫ー!?」
 水草が絡まり、癖毛と相まって、まさにワカメな栄の髪を、莉音が面白がって引っ張った。


 ひっくり返ったボートに掴まりながら、帰りは三人仲良く並んで泳いで。




「モモちゃんただいまー! 蚊、大丈夫でしたー?」
 清世の読み通り、ずぶ濡れで釣り組帰還。
 清世はまだまだ、お昼寝中。
「うわ!!? 蚊より、そっちが大丈夫!?」
「焚き火できてる……?」
「火は起こしてる途中。とりあえず、おにーさんの愛を受け取って」
 鷹政は笑いながら、ワカメ頭となった栄へフワフワのバスタオルを投げかけてやる。
「獲れなかったけど、湖はどんなお魚が獲れたんやろー?」
「ねー。湖の主、食べたかったなぁ……」
 髪を拭きながら、莉音と青空。
 ……獲れなかった、だと。
 鷹政の動きが止まる。
「え、一匹も?」
「「いっぴきもー♪」」
「湖が俺を呼んでしまってな……」
「……なるほど」
 濡れた前髪をかき上げてポーズをとる栄に対し、鷹政もそれ以上は追及できなかった。
 肩を竦め、清世を起こすべくに踵を返す。


 網と、鉄板とを半分ずつコンロに渡して。
「おっしゃー肉焼こうぜ、肉!」
「カレーも良いけど、やっぱ肉だよねー」
「焼きそばも焼こー♪ ソース、ソース!」
「あ、私にもお肉とってー!」
 夕暮れをバックに、わいわいとBBQがスタート。

「あれ、そういや魚ねーの?」

「え、魚……? や、野菜もちゃんと食べろよー」
 清世の一言を、栄が強引に打ち消す。
 だばだばと投入される野菜。
 切り口、サイズが乱雑なのは見逃していただきたい。大変だったんです、と鷹政は明後日の方向へ視線を投じる。
「ピーマン食べよー♪」
「おっ、りおちゃんわかってんじゃん。筧ちゃん、野菜食ったほうがいいいよ、モテるよ」
「まって、それ俺の肉!」
「そかー、筧兄ちゃんモテたらいいなっ」
「アルベール君!? それ、俺の肉!!」
 どさどさっ、鷹政の空いた皿へ野菜追加。
「……私も、頑張るのだ」
「何もそんな、戦場へ向かうような顔しなくても」
 そして同じ分だけ自身へ取り分ける青空へ、鷹政が苦笑する。
「食べないと強くなれないらしい、ので……」
「あー、うん、そうだね……」
 真剣なまなざしを、そっと見守るばかりであった。

 炭火が弱まり始めた頃、ふらりと姿を消していた清世が何やら丸い物体を抱えて戻ってくる。
「ふふー。秘密裏にスイカなんて持ってきたんだぜ……。クーラーボックスで冷え冷えよ……?」
「きゃー! スイカ! 冷たい!」
「おぉー、スイカ良いね!」
「荷物多いと思ったら、それだったのかー」
「もっと…… 褒めてもいいんだぜ……?」
 キリ、と表情を作ったところでスイカを鷹政にパス。
「あ、うん、そんなことだろうと。切り分けるから待っててなー。ざっくりでいいだろ」
 均等にしなければ戦争が起こる、というメンバーでもないはず。
 洗ったまな板をもう一度もちだして、鷹政は包丁を手にする。
 一方。
「俺は……これもってきたぜ」
 ドヤ顔で、栄が取り出すのは…… マシュマロにクラッカー。
「キャンプでマシュマロって、一度やってみたかったんだよね」
「おー、いいね、さかえん」
「枝に刺して焼くんだよね」
「そうだ、私のチョコレートも一緒に挟もう、持ってくる!」
 手を鳴らし、青空が荷物へと走ってゆく。
 適当に枝を拾い集め、綺麗に拭いてから栄はマシュマロをさし、火へ近づけるが……
「あーあー、そんな近づけたら焦げちゃうよー?」
「! うわっあちっあちちっ」
 清世の助言むなしく、身を乗り出していた栄の前髪がマシュマロ共々焦げ付く。
「きゃー! (乾燥)わかめせんぱーい!!」
「わー! わー! 栄先輩大変!」
 チョコの入った箱を抱えた青空もパニックである。
「乾燥わかめになっちゃう!! えーい!」
 近くにあったバケツで、栄へ水をぶっかける!!
「……迷いないな、アルベール君」
「鷹政さん、今、アルベールくんにバケツ手渡しましたよね……?」
「え、なになに、なんのこと?」
 莉音の指摘に、鷹政は両手を挙げて潔癖をアピールした。

「俺に貸してみ? おにーさんまじマシュマロプロだから、まじでまじで」
「モモちゃんかっこいー♪ マシュマロ焼いてー♪」
「きゃーきゃー! 兄ちゃん、私も焼いてー!」
 惨劇の傍ら、清世が慣れた手つきでマシュマロを炙っていく。
 遠火でとろり、溶け始めたところにチョコレートを一欠け、そして素早くクラッカーでサンド。
「「きゃー!!」」
「あっちーからな、火傷すんなよー?」
 ふわふわのモコモコのトロトロの、さくさく!
「ありがと。おにーさんは食べないの?」
 ひとつもらって、鷹政が隣にしゃがみ込む。
「この後に…… これがあるからな……?」
 フッ、と笑みを浮かべ、足元に待機させている酒を指す。
「……フッ」
 満天の星空の下、さぞ格別の味であろう。




 空気まで濃紺に染められるような夜。
 月明かりに星の瞬き、未成年たちはそろそろ眠る時間。

「夜遅くまで起きれて兄ちゃんたちはずるいであるな」
 おやすみなさいタイム到来に、青空が頬を膨らませる。
「でも、ヒーローは、早寝早起きするの、大事なので……」
 むぅ、けれど仕方ない。自問自答で、羨ましさを何とか押し込める。
 大人が夜更かしする分、早起きして朝を楽しもう。
「寝袋! わーわー! すごい!」
「今年の夏は、去年みたいには事故らねぇはずなんだぜ……?」
「事故ってないよ!」
 ぺし、鷹政が思わず清世の背を叩く。
 記憶を失うまで飲んでしまったのは確か、だが。
「また、みんなで遊びに来れてよかったな」
「なーに言ってんの、りおちゃん。来年も遊ぶっしょ?」
「山、湖って来たから、今度は何処が良いだろうね」
「うん。また来年も、皆でこれたらいいな! それじゃ、おやすみなさいなのだ!」
「おやすみー」
 しんみりした表情を見せる莉音へ、清世と鷹政が明るく方向を変えて。
 青空が、元気よく手を振って莉音と共にテントへと入っていった。


 さて、と。
 成年組は輪を作り、清世が持ち込んだ酒を囲む。
 つまみは鷹政が持参。サラミやチーズ、ナッツ類といった定番が多い。
「ビール! 今年は俺も飲めるからねー」
 そわそわと紙コップを手に、栄。
「とりあアレだな、さかえんお酒解禁おめでとー!」
「おめでとう。ようこそ、コッチ側へ!!」
 鷹政も悪戯っぽく笑い、三人で冷えたビールで乾杯!
「さかえん、飲みは初めてじゃないよな?」
 誕生日は9月だから、クリスマスだの正月だの、機会はあったはずだけど……。
 違和を感じ、清世がヒョイと顔を覗きこむ。
「へえへへえ、お酒って結構美味いじゃないか」
 ――早い。
「一気飲みは回るの早いよ、そんなグイグイいっちゃあ」
 だいじょうぶ? と、鷹政が水の入ったコップを渡す。
「んー、最初は苦くて何が美味しいんだかわかんなかったんだけどねぇ」
 たくさんはしゃいだ疲れが、ホロ酔いを手伝っているのだろうか。
 もともと下がりがちな目じりが、愛嬌たっぷりになっている。
「この味がわかれば、さかえんも大人よ。次、これどうよ?」
「あああ、チャンポンはまずいって!」
「なーに言ってんの筧ちゃん。おにーさんのオススメよ? だいじょぶだいじょぶ」
 飲みすぎ注意、種類混合注意、けれど気を付ける部分に気を付ければ、お酒も楽しい。
 勧められるままに、栄はグイグイ飲んでいく。
「酒飲むようになると、肴の味も違って感じられるんだよね」
 飲んでばかりじゃ良くないと、鷹政はつまみを栄へ差し出す。
 充分に食事をした後だから、変な酔い方はしないはずだけど。
「さかな……」
「あ、うん、主じゃない方ね?」
 酔いは…… 個人差があるしな。
 遠い目をして、鷹政は栄を見守った。




「清兄ちゃん、おきろーおきろー!」
「むーりーーー 青空も一緒に寝袋はいるー?」
「遊ぼうってばぁ!」
 てぇい、青空が清世の寝袋をゴロゴロ転がそうとするが勝てない。
「朝は…… だめぇーー……」
 しばらく押し合いをした後、清世は完全に二度寝の世界へ。
「帰りの運転もあるしねぇ……。久遠君たちは、ゆっくりさせてあげた方が良いかな」
「鷹政さんは、今日は二日酔いじゃないんですかー?」
 顔を洗ってきた莉音が、小首を傾げる。
「俺は、ね」
 にこりと笑い、鷹政はもう一つの寝袋を指した。


 湖に足を浸したり、近くの林で虫を追ったり。
 身体を動かして遊んで、帰る時間到来。
「おーい、さかえん。いつまで寝てんのー? 置いてくよー?」
 清世も起床し、湖畔を満喫したというこの時間に。
「うーん、頭いてぇ……」
 撤収されたテント。
 車の傍らに、寝袋のまま放置されていた栄が意識を取り戻す。
「あ、あれ!? なんでこんな事に!!?」
 一変した周囲に驚く栄、叫び、二日酔いによる頭痛襲われ、呻く。
「うん、ほんとうに」
「なんで」
「そんなことに、なったんでしょー?」
 笑う四人の理由を栄が知るのは、車に乗り込んでルームミラーを見てから。

 湖の主で魚拓を取れなかった代わりに、栄拓取らせていただきました。
 これ、なんの記念になるんだろう……。



【ドキッ☆夏のわくわく男子会〜ポロリはねぇよ〜2013 了】


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ja3082/ 百々 清世 / 男 /21歳/ インフィルトレイター】
【ja2400/ 久遠 栄  / 男 /20歳/ インフィルトレイター】
【ja0732/青空・アルベール/男 /17歳/インフィルトレイター】
【ja6473/ 紫ノ宮莉音 / 男 /14歳/ アストラルヴァンガード】
【jz0077/ 筧 鷹政  / 男 /26歳/ 阿修羅】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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今年も楽しく男子会、ありがとうございました!
限界ガッツリ盛り込みまして、今回は分岐なし一本道での納品です。
楽しんでいただけましたら幸いです。

流星の夏ノベル -
佐嶋 ちよみ クリエイターズルームへ
エリュシオン
2013年08月19日

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