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『雪舞う聖夜の中で 』
相川・勝一(ia0675)

 雪舞う中で、貴方は何を想う……
 手の中には何がある?

 奇跡。

 神と人だけが知る、最高の証。


「りあじゅうは、死にやがれえええ!」
 クリスマスが近づく街に突然現れた謎集団、いや、目的は今告げたので。ある意味謎ではないのだが。
 このクッソ寒い中、褌一丁は漢(おとこ)のポリシーとばかりにマッパで(局部は隠れているが)闊歩する男達がカップル達を襲っていた。
「亀甲縛りだぜ、コラァ」
 相手の男を恥ずかしい恰好で縛り、「ひゃっはア、門松ううう!」とばかりにそこへ飾り付け、女性達をナンパしはじめる。
 彼らによると、「日本人なら紋付袴で おせちじゃろ! もーいくつねるとー元旦だ♪」だそうである。主張はどうあれ、迷惑であることには変わりがない。
「へいへい、お嬢さん。そこの茶店(だんご屋)で、俺と漢を語らないかい?」
 舶来の「わせりん」なる油で艶々のぼでぃ。極太の眉毛。濃ゅ〜い、顔。
 すべてが暑苦しい。あぁ、冬なのに……。
 その存在だけを見ていると先程までの寒さを忘れさせるほどである。
「いやァ! 汗臭い〜〜〜」
「はーっはっは! 汗は漢の象徴よ! これからは、熱い男が流行だぜ」
「ひッ……」
「ふむ、めんこいねーちゃんだ。俺のおいなりさんが爆発寸前だぜ!」
「こりゃぁ、なにがあれしてくれねーと、おさまりがつなねーな」
 町人の誰もが遠巻きに見てるだけとわかるや、褌男たちの妄想が大暴走。「この街を俺たちで狩り尽くそうぜ!」ぐらいの勢いだった。
 「やらないか? 狩らないか?」が合言葉。ねっちょりした視線を彼女の方に向けている。
 そして、男たちは彼女に近づいた。


「年末も近づいて明るい雰囲気ですねー…って、ふぇ!? いったい何事ですか(汗」
 相川・勝一(ia0675)は戦いた。その状況に。
 テカテカのツヤツヤな男衆。溢れる男汁的その雰囲気。どこか爆発寸前なナニカを漂わせた危険な存在に、勝一はあんぐりと口を開ける。
 どう見ても、お年頃のお嬢さんをかどわかし、その彼氏を彼女の目の前で「やらないか(彼を」しようとしているように見えた。
 そう、もちろん彼女はあとで食い、前菜代わりに彼氏をアレでナニしちゃいましょう的な光景にも見えたのだった。

 だって、しょうがないじゃないですか。
 彼氏が亀甲縛りだったんですから。
 男衆の鼻息の荒さは尋常じゃありませんでした。
 このひゃっはーな雰囲気は、「俺たち洞窟探検隊♪(何」としか思えません……
 咲き乱れる男華……このクリスマスに、なんて惨たらしく危険な華なのでしょう。
 そして、彼女もこの後に……あぁ、なんてヒドイ年末なんだ。

「お侍さん!」
「ほぇっ?!」
 不意の声に勝一の背が跳ねる。
 通りがかりの町人が、勝一に声を掛ける。
「何、ぼーっとしてるだ!」
「あわわっ! そ、そうでした。呆然としてはいけませんね……よ、よくわからないですが、そこの変態さん達。それ以上の狼藉は許しませんよー!」
 慌てて勝一はその集団に言い放つ。
 しかし、相手は「は?」という顔。
 もちろん、勝一のサムライとしか見えぬ姿に危険は感じたものの、相手は可愛らしい女の子。そう思った男衆は自重しなかった。
 ずいっと一歩前へ出た。
「あんばいの良さそうなケツだなあ……服の上からでも丸わかりだなァ、ヒヒッ!」
「へへへ……可愛らしいお侍(=嬢)さんが来たぜぇ」
 大事なことなので、もう一度。
 可愛らしいお侍さんが(以下略。
「そ、そこは違います……」
「へ?」
「僕は男です」
「ひゃーっひゃっひゃ! そんな恰好したって男にはなれねーぜ。男ってーのは、俺たちみたいなカッコイイ奴のことを言うのさ」
「いや、だから……」
 女の子みたいに可愛いため、勝一が男だと主張しても男たちは信じなかった。
(「こ、ここは本気にならないと……」)
 褌将軍壱の将の名が廃る。
 勝一は思い切って着物を脱いだ。白く輝く褌。男の心意気をとくと見よ!
「もう手加減はしませんからね!」
 白い褌に銀の仮面。あとは無し。
「……で?」
「えっ! だから、その……」
「……ひんぬー?」
「よぅじょ?」
「ち、違っ」
「どっちにしろ、美味しいな(ニヤリ」
「ひィっ!」
 可愛らしい褌姿の、そのまあるいおケツを眺めつつ。男たちは鼻息の荒さMAXで近付いてくる。
 弾ける桃、その果実――勝一の尻。
 ワキワキさせる男たちの手付きがイヤラシイ。
「咲かぬなら……散らしてあげようホトトギス(ククク……」
 普段ならスポットすら当たらないモブどもの、クリスマスによるイベント効果は怖い。勝一は一歩また一歩と下がった。
「どどど…どうしよう」
「お侍さまー、頑張ってぇ!」
「はッ!」
 先程からこちらを窺っていた女性。襲われていたカップルの片割れである彼女と、その周囲にいた町人の女性達が声援を送っていた。
(「そうです、僕はサムライなのだから……守らなくては!」)
 勝一は拳を握り、褌をはためかせて走り出す。桃も揺れる。
「うおおお!」
 勝一の白き足が空を切り、痛恨の一撃を男たちの●●●(みゃー)に与える。
 踏みつぶされた●●●(みゃー)、白目剥く男たち。勝一はそれらに一目もくれず、そのまま目の前の男のどてっ腹に拳で一撃を加えた。
「ぐぼうッ!」
「はァッ!」
 次々と蹴り、殴っていく。そして、男たちは昏倒していった。最初は多勢に無勢だったが、褌一丁の男衆をなんとか全員を昏倒させることができた。
「俺のお芋を蹴らないで……ガクッ」
 ガクまで言って、男は倒れ込む。
「決まったァ! 成敗です!」
 【成敗!】を使い、敵を撃破すると同時に決めポーズを決めて武器を収納する。しかし、それだけでは済まなかった。
「皆さん、これで大丈夫……ふぇ? 一体どうしm……はわわわァ〜?!」
 今度は勝一は硬直するような事態だった。
 最後に倒した一人が倒れる瞬間、手を伸ばした。ただそれだけだったらよかったのだが、こともあろうに勝一の褌を掴んだのだ。
 そして、倒れると同時にそれがはらりと……

「キャーッ! △◆※○がー!」
「△◆※○ッ!!!」
 女性達の歓声が悲鳴に変わった事で異変に気が付いたものの、時すでに遅し。
 自分を見れば……あぁ。あ゛ぁ゛ッ!!

 こんにちはしている僕の可愛い象さん(ぷるるん♪)
 どうしてどうして、象さんは僕のお褌さんからはみ出てお散歩してるのかな?
 ぷーるる、ぷーるるるん♪
 コラコラ、風邪ひいちゃうぞゥ(象)?
 ぞーさんぞーさん、おーはながながいのよー
 そうよ、僕のはそ〜れなりよ〜♪

「そんな僕が嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
 思い切り見られていた勝一は真っ赤になり、慌てて服を回収する。その間、もちろん象さんはぴるぴるとダンスしておった。
 そして、その場から走り去り、結局恰好を付けられなかったという…


 雪舞う中で、貴方は何を想う……
 そう、今年最後の喜劇。

 そして、悲劇。

 クリスマスの奇跡は、皆の心を温めるコメディーへと変わったのだった。

◆END◆

勝一:「来年はバッチリ決めます!(涙」

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

ia0675 / 相川・勝一 / 男 / 15歳 / サムライ

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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はじめまして、こんにちは。ライターの皆瀬七々海(みなせ・ななみ)です。
ご注文いただきましてありがとうございます。
可愛い勝一さんの登場に、褌とか色々と私の心の除夜の鐘をゴンゴン鳴らしまくってくださいまして、気が付けばこのような(笑
「気が付いたら3000文字はみだし いつーも、ここで削るー♪ 諦めずに文字数削るけど、すーぐにSP切れる〜♪」とか歌いながら、
ノリノリで書いていたと言うのは抜群に秘密ですw
それでは、ご縁がありましたらまたお会いいたしましょう。

皆瀬七々海 拝
winF☆思い出と共にノベル -
皆瀬七々海 クリエイターズルームへ
舵天照 -DTS-
2014年01月20日

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