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『ダンテンション帝国、夢物語 〜徒紫野 獅琅〜 』
徒紫野 獅琅(ic0392)

 シンシンと降り積もる雪。
 見渡す限りの雪景色に、ひっそりと輝く星たち。
 足跡の無い白の世界はあなたを別世界へと誘う。

 新たな年を大切な人と共に――。

   ***

 ダンテンション帝国歴二〇一三年末

 今から13年ほど前のことである。
 ダンテンション帝国未開の地であるメーエツに、新規開拓と称して帝国軍の精鋭が派遣された。
 メーエツは帝国の遥か北に位置し、今まであまりにも厳しい気候故に野放しにされていた。
 だが近年、帝国の人口は急増し、新たな土地が必要となった。そこで注目されたのが極寒で厳しい気候であるメーエツだ。
 派遣された者達は2年と半年を掛けてメーエツの中央部へと到達。其処で新規開拓の基礎となる砦を築く筈だった。しかし――

「メーエツには既に文明が存在したのだ。それも現在の帝国を遥かに凌ぐ技術を持つ文明が、だ」
 それが何を意味するか分かるか? そう問い掛けるニノ・コッポラ(ic0938)に神室 時人(ic0256)は面倒そうに欠伸を零す。
 その上で足元に散らばった書類の山や掃除道具を見ると、やれやれと頭を書いてニノを振り返った。
「帝国の脅威になるかもって話ならもうすんでるでしょ。そんなことより其処の書類取ってくれる?」
「あ、これか? ――じゃない! 済んでいたとしても問題は其処では無くその文明が残した書物にあるだろ!」
 反射的に示された書類を手に取りながら反論するニノに、時人は「そうだねー」と返しながら受け取った書類の所在を確認する。
 此処はダンテンション帝国第一七師団軍事医務室。帝国軍の中でも暇中の暇とされる『イーナ(十七・良いな)』師団の中枢部だ。
「まったく。そんな興味の無い態度ばかりをとるから僕まで暇人だと思われてしまうんだ。良いか? 発見された書物にある通りなら、来年には大恐慌が訪れる。それは人災とも天災とも、第三の生命体の存在とも噂されている。現にメーコクの至る所では魔物が活発化し、奇妙な生命体の確認もされているんだ。このように暇人の如く大掃除なんてしている場合ではないんだ!」
 ダンッと地団太を踏んだ瞬間、先程まで時人が高く積み上げていた本が崩れ落ちた。
 その音に医務室のベッドの上で何かが動く。
「うぅん……なんか今日、騒がしくない……?」
 ゴロンッと転がりながら腕を伸ばしてシーツを捲り上げたジャミール・ライル(ic0451)は、医務室の主である時人を見て眉を潜める。
「流石の君でもこの騒動では起きざる終えないか。騒がしくして悪いな」
 クスリと笑って白衣を整える時人に、ジャミールの眠そうな目が室内を見回す。そうして眉を潜めると、彼は怪訝な表情になって体を起こした。
「何……室ちん、移動しちゃうの?」
「人聞きが悪いな。これ以上移動されるようなら私にはクビしかないぞ」
 第十七師団は最後の師団でもある。
 此処に送り込まれる軍人は軍部から使い物にはならないと判断された者ばかりなのだ。まあ、良く言えば個性的過ぎて扱いきれなかった者達が集まる、一癖も二癖もある師団。と言う訳だ。
 つまり此処で軍人として働けない者は軍部には置いておけない――要はクビだ。
「ちょっとちょっと! 今、先生がクビとか聞こえたんだけど、誰がそんな失礼ないこと――あ! ライルさんでしょ!」
 物凄い勢いで開かれた扉の向こうに居たのは徒紫野 獅琅(ic0392)だ。彼は片手にコップを持った状態で這うようにして中に入ると、ベッドに座るジャミールに詰め寄った。
「まーた俺の先生を奪おうとしてこんな所に! いーから今すぐここから出て下さいよ!」
 グイッと引っ張ったシーツに反応して、ジャミールもシーツを引っ張る。そうして自分の体に巻き付けるようにすると「イーッ」と歯を出して見せた。
「このベッドは俺のなのー!」
「はあ!? 俺と先生のベッドに決まってるだろ!」
 ぎゃあぎゃあ、わあわあ。
 一気に騒がしくなった室内に時人とニノが顔を見合わせた時だ。
「時人先生。報告書を貰いに……あら、大変そうね」
 開けっ放しだった扉から中を覗き込んで音野寄 朔(ib9892)が首を傾げる。
 豊満なバストを惜しげもなく強調した黒い軍服にタイトスカート。白くしなやかな足が欲求のたまっている(であろう)男性軍人には眩しすぎる彼女に中に居た男性陣が一気に黙り込む。
「確か今日は第十七師団全ての部隊へ大掃除特務が言い渡されていましたね。時人先生も大掃除……ですか?」
 お世辞にも綺麗になっているとは言えない室内に朔の目が彷徨う。それを受けてだろうか、ニノが得意気に胸を張って何処からともなくエプロンを取り出した。
「僕は日頃から自室の掃除を心掛けている。よって此処に居るのは大恐慌を控えた未来の為……もっと分り易く言えば、医務室掃除の監督をする為だ」
 大きく広げたエプロンを無駄にカッコよく装着しながらニノの口角が上がる。が、そんな格好の見せ場もほんの一瞬。とてもゴージャスなエプロンを付けた直後、彼は朔の視界から消えた。
「はいはい☆ 俺は先生が大掃除するなら手伝いますよ! 自分の仕事? そんなの気にしない、気にしない!」
 ニノの前に出て手を取った獅琅に、時人が苦笑気味に微笑んで頭を掻く。
「気にしないと言われてもな……獅琅君の上官殿に怒られてしまう」
「大丈夫☆ ちょっと上官とOHANASHIすれば何とかなりますから☆」
 爽やかにそう言ってのける獅琅に時人は困惑気味だ。とは言え弟のように可愛がっている少年からここまで言われては断る事も出来ない。
「そうかい? なら無理をしない範囲で頼もうかな……」
 それなら問題ないだろう。何かあれば自分が彼の上官と話をすればいいし。そう思考を切り替えて頷きを返す。
 その時だ。ふと入口の方から思いがけない声が聞こえて来た。
「え、大掃除、ってなに、聞いてないんだけど……」
 如何言うこと。そう問い掛けるジャミールに朔がやや呆れたように呟く。
「ひと月ほど前からスケジュールは出されていたわ。もう少し部下の報告をきちんと聞いた方が良いかもしれないわね」
 そう言いながら彼女の目は室内をくまなく見回している。そして中に居る面々を確認すると、大仰に息を吐いて時人を振り仰いだ。
「時人先生、お手伝いしますわ」
「え……良いのかい?」
 嬉しい申し出だが、何だか申し訳ない気もする。戸惑う彼に彼女は言う。
「私は普段から整理整頓していますので、普段通りの掃除と不要書類の処分で直ぐ終わりそうですもの……後は各方面の報告書を回収すれば良いだけですから――主に、ここに居る方々の」
 語尾を若干強めて微笑んだ彼女に、全員の顔が強張る。
「うふふ。貴方達がここに居ると言う事は、自分の掃除は終わったと言う事ですわよね。でしたら報告書の提出も早めにお願いね。特にジャミール殿」
 名指しをされた瞬間、ジャミールの目が忙しなく瞬かれる。そして僅かに間を置いてニッコリ笑うと、紳士然とした態度で彼女の手を取った。
「医務室は書類するところじゃないよね。それに書類は、俺の机を見て貰えればきっと出来てる筈だから」
 キリッと顔を整えてとんでもない事を言いのけた彼に、ニノが密かに「小人でも居るのか」と突っ込んだのはここだけの秘密だ。

   ***

 医務室の中にはベッドが5台。その他に治療に使う台なども存在しているこの部屋は、暇な師団と言われるイーナ師団の割には広い。
 つまりこの部屋を掃除するのは意外と大変なのだが、流石はイーナの精鋭人である。
「ふふ。この角度から鏡を拭く僕も悪くない……っと、此処にも汚れがあるじゃないか」
 雑巾を片手に鏡を拭くニノ。その要所要所で身だしなみを整えている所為か、どうにも作業が進んでいない。
 そんな彼に朔がピシャリ。
「ニノ殿。鏡ばかり見ていないで手を動かしてくれないかしら。掃除してしまうわよ」
「そ、掃除、だと?」
 ピクリと動いた眉に反応して朔の良い笑顔が炸裂する。それを目にした瞬間、彼の目が周囲に飛んだ。
「君! ここまだ拭き掃除が甘いぞ!」
「え、そこ俺の持ち場じゃないしー」
 どうやら獅琅からシーツの奪還に成功したらしいジャミールは、シーツにくるまった状態でベッドの上に腰を下ろしている。
 その姿からにどうにも掃除をしているようには見えない。その証拠に――
「ねー、暇なんだけどー」
 上体をゆらゆらさせながら真面目に掃除をしている時人に声掛け。それを耳にした志郎が透かさず飛んで来た。
「ライルさん邪魔だから……表に出て俺と痛いことしましょうか☆」
 最上級の笑顔と共に腕を引っ掴んで引っ張って行く彼にジャミールの眉が上がる。
「ちょ、待って、俺ここが――っ、痛……や…っ……室ちーん!!」
 外に出るや否や見舞われた災害に悲痛な悲鳴が上がる。その声に顔を上げると、時人は苦情を浮かべた状態でジャミールと獅琅を追って外に顔を出した。
「何をして……って、ジャミール君。面白い顔になっているが、大丈夫か?」
 獅琅に思い切り引っ張られた挙句に抓られた顔を見てポツリ。それを耳にして獅琅の手を振り払うと、ジャミールは半泣き状態で時人にしがみついた。
「大丈夫じゃなーい! ヤダー! しろち、にがて!」
 ぶーぶーと反論を見せる彼の頭を撫で、時人は不満そうにジャミールを見詰める獅琅を見る。
「何で獅琅君はジャミール君に痛い事をするんだい? それなら私にもして良いのでは?」
「先生にはしないです。だって俺が痛い目に遭ってる時に先生が痛そうな顔する方が俺は好きだから」
 にっこり笑って言われた言葉に、時人もジャミールもゾクッと背を震わせた。

 一方、掃除を黙々と続けていた朔はある一角で足を止めると、手にしていた雑巾を足元に置いて顔を上げた。
「文字通り本の山ね」
 朔の背よりも高く積み上げられた本に目が細められる。そうして手を伸ばすと、後ろから声がした。
「朔君、そこは危ないから私がするよ」
 言いながら近付いて来るのは時人だ。
 彼は朔の目を避けるように彼女を見ると、ふと高く積まれた本を見上げた。
 本は専門的な医療書ばかり。それこそ朔だけでなく他の面々が読んでも意味が分からない物ばかりだ。
 朔は今まで一度も目を合わせてくれない時人に息を吐くと、ふるりと頭を振って手を伸ばした。
「大丈夫ですわ。この位の高さなら私でも――っ……落ちてっ!?」
 最上部の本に手を伸ばした瞬間、彼女の視界が一気に黒くなった。
「危ない!」
 自身を覆うように攫われた体に目を見開く。それと同時に降ってきた衝撃に息を呑むが、朔自身、何の痛みも訪れなかった。
「っ……イタタ……紙で手を切ってしまった……朔君、大丈夫かい?」
 本を全身に浴びながらそれでも微笑んで見せる彼に、微かにだが頬に朱が走る。だが次の瞬間――

 むにっ☆

「〜〜っ!」
 朔の大きな目が更に大きくなり、彼女の可愛らしい狐耳が震えた。そして直後。

 バッシーンッ☆

 凄まじい音が響き渡り、崩れ落ちた本に塗れるように時人が倒れ込んだ。
「室ちん、ずっるーい!」
「アクシデントに見せかけ女体をまさぐる……ふっ、痴漢の常套手段だな」
 次々と上がる声に、時人は「事故だ」と言い張るが、実は彼、それ以上の危機が迫っていた。
「せーんせ♪」
 倒れた時人に優しく、まるで甘えるように声を掛ける獅琅。その何とも言えない場違いな声に時人の目が見開かれる。
 そして勢い良く起き上がろうとした彼に悲劇が起きた。
「エッチなのはだめですよ? 俺は後で一人で楽しみますからお気遣いしなくても良いんですけど、こういう機会は逃したいけないと思うんですよ」
 起き上がろうとした時人に跨るようにして抑え込んだ獅琅がニンマリ笑う。
 その笑みに悪寒を覚えた時人が目で助けを呼ぶがもう誰もこちらを見ていなかった。
「戸棚の上は任せた。その無駄に恵まれた体格を存分に生かしたまえよ」
「これどこー……なんて書いてあんの?」
「本の表紙が少し切れてるわね。補強した後でしまった方が良いかしら」
 各々が掃除を再開していてそれどころではないらしい。と言うか、見ないようにしている。
「それじゃ、いただきます♪」
「!?」
 哀れ、時人の血塗られた手は獅琅の餌食となって綺麗に舐めとられたのだった。
 そしてそれから数時間後、ある程度片付いた所でニノの元気の良い声が響いた。
「だから!ここを拭けと言っているだろう!馬鹿者!!」
 顔を真っ赤にして叫ぶ彼に、ジャミールが渋い表情を見せながら頬を膨らませる。
「もーやだー。力仕事きらいー」
 室内もだいぶ綺麗になり、あとは仕上げをするだけとなっているのだが、ここにきて皆に疲れが見えてきた。
 ジャミールに到っては、最初に陣取っていたベッドで転がる始末。
 しかし朔と時人だけはまだ静かに掃除を続けていた。
「先生、音野寄少将! こんなの見付けたんですけど!」
 見て下さい! そう言って獅琅が見せたのは鼠らしき生き物の死骸。それを目にした瞬間、朔が盛大に飛びあがった。
「!?」
 バッシャーン☆
「きちんとしなさいよむきー! ……あ、待って髪が乱れ――……え」
「あーあー……」
 ジャミールは見てしまった。
 飛び上がった朔の足にバケツが引っ掛かった事を。そしてそのバケツが盛大に飛び上がって髪を整えようとしたニノに引っ掛かった事を。
「〜〜〜〜、ぼ、僕の……僕の特注のエプロンが……僕の美しい髪が……うああああああんっ!!!!」
 びしょ濡れになりながら大声を上げて泣き出した彼に時人が慌てて駆け寄る。そうして彼に毛布を掛けて拭くのだがニノは納まらない。
「君達が悪いんだぞ! 真面目に掃除しないから! 僕を崇めないから! こうなったらこの部屋丸ごと吹き飛ばして――んぐぐぐむぐッ!」
 おもむろに本を取り出したニノに時人や朔、ジャミールも慌てて口を塞いだり手を抑えたり妨害策に出る。
 実は彼、この中の誰よりも立場が上だ。
 その理由は彼が持つ帝国位置の魔力が影響している。とは言え、この性格に年齢である。
 色々と扱い辛く、だからと言って軍の外に置いておく訳にもいかず、渋々イーナ師団に置かれたのだ。
 そんな経歴を皆が知っているからの行動だったのだが、獅琅だけは違った。
「天才はキレると怖いね」
 自分が原因だと言うのにニッコリ笑顔でこんな事を言う。だから……
「むぐんむぐふははーッ!!!」
 じたばた暴れるニノにそれを抑える面々。
 今日も第十七師団・通称イーナの医務室は平和な空気を纏ったまま、賑やかな声に包まれたのだった。

   ***

 日も完全に暮れた頃。医務室は甘く温かな香りに包まれていた。
「さて、色々とあったが落ち着いたようだね」
 そう言いながらお盆にお汁粉の入った碗を乗せてやってきた時人が、皆が手に取りやすい机の上にそれを置く。
「妹の作ったおしるこなんだが、良ければ休憩しないかい?」
 部屋に充満していた甘い香りはこれだったようだ。透かさず香りに負けて寄って来たジャミールが1つの碗を手に取る。
「わーい! 掃除頑張ったし俺も食べていいよね!」
 ほんわか湯気の昇るお汁粉は見た目にもとても美味しそうだ。それに口を寄せて食べると、甘い小豆の香りが口の中いっぱいに広がった。
「あまうまー!」
 瞳を輝かせて声を上げるジャミールに、時人は嬉しそうに微笑んで自らも碗を手にする。
「私も頂くわ」
 時間的にもお腹が空いて来たところ。
 手を伸ばした朔の尻尾は期待で揺れている。そしてひと口飲んだ所で彼女の頬が柔らかく綻んだ。
「中々美味しいわね」
 言葉とは裏腹。
 尻尾が美味しさを現すかのように大きく触れる。その魅惑の様子を視界に納めながら獅琅もひと口。
「あ。本当だ、美味しい♪ 後でお礼に行かなくちゃ」
「ああ、程よい甘みが絶妙だな」
 新しい軍服に身を包み、冷静さを取り戻したニノが頷く。そうしてお汁粉を食べていると、思い出したように獅琅が声を上げた。
「先生、お掃除楽しかったですね!」
 時間もかかったし、騒動も起きた。
 それでも比較的片付いた室内を見る限り、信念は無事に迎えられるだろう。と、其処まで考えた所でニノが呟いた。
「二〇一四年は大恐慌が訪れると言われている年だ。何か起きれば僕たちイーナでさえも駆り出されるだろう……皆、訓練を怠るなよ」
 言われて気付く。
 あと数時間もすれば新しい年が来る。そしてその年はメーエツで発見された書物にするされていた大恐慌の年でもある。
 大恐慌――はたしてどんな厄災が降り注ぐのか。
「何があっても、だいじょーぶでしょ。難しーことは今から考えてもわかんないよー」
「そうね……今から慌てた所で意味はないわ。大切な事はその時に何をするか。何が出来るか。それだけだもの」
 ジャミールの声に朔は頷くと、甘く喉を流れるお汁粉の感覚に息を吐く。
 其処へ時人の声が届く。
「私は君たちが安心して戦える環境を整えるのが仕事だからね。進んで危険に身を投じることはないだろうが、いつでも君たちを守る手段は用意しておくつもりだよ」
 だから安心しなさい。
 そう言葉を添えると、時人は迎えるであろう波乱の年を思って瞼を伏せた。

   ***

 ガバッと起き上がった獅琅は、早鐘を打つ胸に手を添えると、今見た夢を思い返すようにして頭を抱えた。
「〜〜っ、なんて夢……!」
 あまりにあんまりな態度を取っていた自分に顔面が真っ赤に染まってしまう。
 もしかしたらああいう願望があるんだろうか。とか、もしかしたら元はああいう性格なんだろうか。とか、考え出したらどんどんドツボに嵌って行く。
 とは言え、夢の内容自体は面白かった。
「……あの後、メーエツは如何なるんだろうな」
 現実の世界でもアヤカシとの闘いが激化している。もしかしたら今年がその闘いの山になるかもしれない。
 それを思うと、向こうの世界とこちらの世界がまるっきり無関係でもないような気になってくる。
「考えても仕方がない、か……まずは顔を洗ってこようかな!」
 獅琅は布団から勢い良く抜け出すと、傍に置いておいた羽織を羽織って外に出た。
 もう年は明けている。
 願わくば、全てが順調に進み、人にとって……この世に生きる者にとって良い年でありますように――。

―――END



登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【 ic0398 / 徒紫野 獅琅 / 男 / 外見年齢14歳 / 志士 】
【 ic0256 / 神室 時人 / 男 / 外見年齢28歳 / 巫女 】
【 ic0256 / 音野寄 朔 / 女 / 外見年齢19歳 / 巫女 】
【 ic0451 / ジャミール・ライル / 男 / 外見年齢24歳 / ジプシー 】
【 ic0938 / ニノ・コッポラ / 男 / 外見年齢15歳 / 魔術師 】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
こんにちは、朝臣あむです。
このたびは『winF☆思い出と共にノベル』のご発注、有難うございました。
如何でしたでしょうか。
何か不備等ありましたら、遠慮なく仰ってください。

この度は、ご発注ありがとうございました!
winF☆思い出と共にノベル -
朝臣あむ クリエイターズルームへ
舵天照 -DTS-
2014年02月03日

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