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『アヤカシノウタゲ 』
尼ケ辻 夏藍jb4509)&百目鬼 揺籠jb8361)&錣羽 廸jb8766)&八鳥 羽釦jb8767




 一行を目にし、温泉旅館の前に出迎えた法被姿の男が一瞬身を引くのがわかった。
 尼ケ辻 夏藍は穏やかな微笑を浮かべて丁寧に挨拶する。
「予約をお願いしていたのですが……」
「ああ、いらっしゃいませ。どうぞどうぞ」
 柔らかな物腰でふわりと笑う尼ケ辻。は、いいとして。
 着崩した着物姿の百目鬼 揺籠が、煙と一緒に言葉を吐きだす。
「尼サン、俺は聞いてませんよ。なんで温泉なんですか? おっ、狸が玄関で睨んでますよ、どこかで見たような顔ですねえ。こいつは立派な腹d」
「うるせぇ」
 ドス。
「おぅふ」
 柄シャツサングラスのいかにもヤバい雰囲気を漂わせる八鳥 羽釦のパンチを腹に喰らい、百目鬼のおしゃべりは止まる。
 その横を眠そうな目をした錣羽 廸が、驚いた様子もなく通り過ぎた。
「……うん。相変わらず、仲良いよな」
 彼らは時に世間の陰に潜み、時に人と関わりながら、長い長い時間を過ごしてきたモノたちである。
 飽きるほどに長い時間を共に過ごし、すっかり気心の知れた一同。
 今日は尼ケ辻のふとした思いつきで、温泉旅行と洒落こんだ次第である。

 鄙びた佇まいの温泉旅館は、太い柱や黒ずんだ床に静かな年月の積み重ねを感じさせた。
「お客様方のように、お若い方が来られるのは珍しいですわねえ」
「はははは……」
 年配の中居さんがころころと笑うが、彼女のお婆さんのお婆さんのそのまたお婆さんでも彼らより後の生まれだろう。
 仄暗い廊下をぞろぞろと進み、奥まった部屋に案内される。
「ささ、どうぞ」
 少し軋む襖を開くと、青畳の匂いがふわりと溢れだした。
 どうやら改装したばかりらしく、旅館の古びた雰囲気の割に、壁や畳はまだ新しく綺麗に見える。

 中居さんが辞すると、畳の上にどっかと腰を下ろし、百目鬼が袖をさすった。
「温泉は嫌いじゃないですがね、俺は貸切じゃねェと死にますよ」
「そう思って、ちゃんと家族風呂付きの部屋を取っておいたよ」
 尼ケ辻が頷く。
 何と言っても百目鬼の左半身は百眼の紋様に覆われているし、八鳥の腕と背には見事な刺青の牡丹花が咲いている。裸で入る日本の温泉では少し具合が悪いのだ。
「それなら話は別ってもんです、どれちょっと風呂の具合でも拝見」
 いそいそと百目鬼は風呂場を覗きに行く。
「おおっ露天風呂とは結構な。もうお湯も張っていあるとは、気が利いてるじゃねェですか。おや、ここの簾を開けると部屋が見えるんですかい? ちょっとおもしれェ……あっ」
 ガラスの向こうでは、部屋に食事を運んで来たおねえさん方が、笑いを堪えて肩を震わせていた。




 並んだ箱膳を前に、賑やかな宴が始まった。
 浴衣に着替え気分も解放的になり、百目鬼のおしゃべりも加速する。
「全く、人が居るなら居るで教えてくれても罰はあたりゃあしませンや」
 箸を動かし口を動かし、忙しいことこの上ない。
「誰かさんが余り楽しそうだったから、邪魔したら悪いと思ってね」
 隣の尼ケ辻が杯を手に穏やかに笑う。笑いながら、杯を干す。注ぐ。干す。
 酔う気配もないままに、お銚子がどんどん空になって行く。
 所謂ザルを通り越したワクである。妖怪は妖怪でも、ウワバミとかそういう生き物のようだ。
 百目鬼がぴくりと片眉を上げた。
「へえ? 興味ねえンですかい? じゃあ部屋風呂は尼サンはパスてェことで」
 にこやかな顔を向け、尼ケ辻が応じる。
「百目鬼君はまた随分と気に入ったようだねえ。『私が』手配したお宿が」
「……ッ!!」
 尼ケ辻の方が一枚上手だ。舌戦での不利を悟るや否や、百目鬼は浴衣の裾を翻し、片膝立ち。今にも足を蹴りだそうと力を籠める。
 が、尼ケ辻も慣れたものだ。杯を握っていない方の手を拳に握り、誘うようにくいっと曲げて見せる。
「さてさて、互いにひとつの口なれば勝負は見えたね。こっちの方は多少は楽しませてくれるのかな?」
 さも楽しそうに尼ケ辻が目を細めた。百目鬼も舌舐めずりして身を屈める。
「ハハッ、本気で行ってもいいんですかねェ? 後悔先に立たずって言葉、知っt……」
「うるせぇ」
 ゴスッ。
「ぐほぁ」
 いつの間にかすぐ傍に来ていた八鳥。襟を掴んで百目鬼を引き寄せると同時に、腹を抉るように拳を繰り出す。
「飯時に騒ぐんじゃねえ、埃が立つだろ」
「お……おふぉ……」
 目で『尼サンは? ねェ、尼サンは?』と訴えるも、八鳥はサングラス越しの一瞥で百目鬼を黙らせた。浴衣にサングラス。浴衣の慣れた着方が綺麗に決まっているだけに、却って怖いミスマッチである。
 一方、尼ケ辻は既に他人事のように手酌で飲んでいた。
 百目鬼はどこか理不尽なものを感じながらも、しおらしく自分の席に戻っていく。

 錣羽は煮物を忙しく口に運びながら、相変わらずだなという目でその様子を見ていた。
「……」
 茶碗が空になると、おひつの蓋を開けてお代り。白いご飯が山盛りになったのをじっと見つめ、ふとつぶやいた。
「帰ったら羽釦飯食いたいな……」
 尼ケ辻は僅かに首を傾げ、錣羽の様子を窺う。
「あんまり美味しくなかったかな」
 錣羽はこくりと頷く。
「美味しい」
 既にお膳に並んだお皿はほぼ空になっている。
「でもご馳走と普段のご飯は違うから」
「……おう、任せとけ。腹いっぱい食わせてやる」
 八鳥の声は少し得意そうだった。
「良かったらこれ、どうかな。私はこっちがあればいいから」
 尼ケ辻は軽く杯を上げると、自分のお膳の皿を錣羽の空の皿を取り変える。
「お、ありがと」
 厚意は遠慮しないのも親しい同士。
 もぐもぐもぐ。錣羽は飲まない代わりに、ひたすら食べるのである。




 ぼこり。ぼこ、ぼこり。
 水面に現れる水泡を見つめ、百目鬼は真顔になる。
「釜サン、相変わらずだねェ」
 八鳥は涼しい顔で煮え立つ湯に浸かっていた。
「あァ? ヌルい湯になんか入れるかよ」
 流石といえば流石の釜妖怪。次は五右衛門風呂の宿などもいいかもしれない。
「俺ァ遠慮しときますよ。茹で目玉なんて洒落にもなんねェ」
 この湯では百目鬼も一緒にのんびり浸かるという訳にも行かず、そそくさと風呂場を後にする。

 仲間以外との風呂を嫌がる八鳥と百目鬼を部屋に残し、尼ケ辻と錣羽は大浴場をしっかり楽しんだ。
「いいお風呂だったね。夜中なら、あの二人も大丈夫じゃないかな」
 尼ケ辻はそう言った後で、錣羽がじっと見つめている物に気付く。
「何か気になる物でも?」
「……あれ」
 廸が指さす先に竹製の衝立があり、その向こうに見えたのは卓球台だった。
 何かを訴えてくるつぶらな目が、尼ケ辻をじっと見つめる。
「みんなでやる?」
 錣羽は嬉しそうにこくりと頷いた。

「卓球……? なんで飯食ってから、そんなめんどくせェこと……」
 八鳥はそう言ったが、錣羽の希望と聞くとそれ以上強くは反対しなかった。
 長く同じ時を生きて来たにもかかわらず、何とはなしに錣羽のお願いには皆弱いのである。
 百目鬼は逆に張り切った。先刻の雪辱を胸に誓い、いそいそと部屋を出る。
「卓球ですかい? ちょいと面白い趣向じゃねェですか。あ、組分けはどうしましょうね? あれですかね、ひとつ阿弥陀籤ででも決めることにしますかねェ」
 妖怪の阿弥陀籤というのも中々に含蓄があるものだが。
 ともかく百目鬼の熱意が天に通じたか、錣羽と組んで、八鳥・尼ケ辻組に対することとなる。
「おっと雀サンがお仲間ですかい、よろしく頼みますよ!」
 百目鬼は内心でガッツポーズ。錣羽相手なら、如何に外道(?)のふたりとはいえ、強くはあたるまい。そう思ったのだ。
 ……まあどう見ても、フラグな訳だが。

 尼ケ辻が穏やかな笑顔でラケットを構えた。
「お手柔らかに頼むよ」
 カコン。
 軽い音とともにバウンドした球は、打ち頃の高さで錣羽の元に。
 錣羽が綺麗に打ち返した球が、尼ケ辻の元にポンと返る。――その瞬間。
「……ハッ!!」
「な……!!」
 情け容赦ない弾丸スマッシュが百目鬼の手前に突き刺さり、台の上で鋭く跳ね返った球は危うく百目鬼の顔面を直撃するところだった。
 顔の前に構えたラケットでどうにかガードし、百目鬼が抗議する。
「ちょ、酷過ぎねェですかい!?」
 そう、錣羽に優しい分、百目鬼の被害が大きくなるのは必定だったのだ。
「ふふ、百も目がある癖に脇が甘いようだね」
 尼ケ辻が穏やかに微笑む。ラケットで頭を掻きながら、八鳥が催促した。
「どうでもいいから早く次打てよ。俺、部屋に帰んぞ?」
「ぐぬぬぬぬ……!!」
 右の袖を捲り上げ、闘志を燃やす百目鬼。
 ……だが結果は、始めから見えているようなものであった。




 一通り暴れた後は、部屋に戻って宴の続き。
 敗者の常として、百目鬼は大量の酒を奢らされることとなった。
 元来倹約家の百目鬼としては辛いところである。唯一の慰めは、酒は自分にとっても許容できる出費であったことか。
「……まあ悪くねェ酒で」
 買って来たばかりの地酒を杯に満たし、舌鼓。
「そうだ、雀サンもちょっとだけ味見なんてどうですかい?」
 満面の笑みで百目鬼がすすめる。
「え……?」
 おつまみの乾き物を齧っていた錣羽は、渡された杯をまじまじと見つめた。
 恐る恐る口をつけると、ふわりと軽い口当たり。
「おーいい飲みっぷり、どれ、もう一杯」
「大丈夫かな? 無理はしないで……あ」
 気遣って声をかけた尼ケ辻の目の前で、錣羽撃沈。すやすやと誠に平和な寝顔である。

 一応様子を確かめてから、八鳥が自分の杯を取り上げた。
「いつも通り、そのうち起きるだろ」
 大人しい錣羽は、いつも気がつけば寝ていて、気がつけば起きている。心配はないだろう。
 八鳥はちらりとサングラスの横目で百目鬼を見遣る。
「てめぇが寝りゃ、静かだわ、酒は減らねぇわでいい事尽くしだってのによ」
「あ、釜サン、其れあんまりにも酷くねェですかい? いくら長い付き合いだからってね、親しき仲にも礼儀ありって言葉があるんですよ?」
 八鳥が憎まれ口を叩くと、百目鬼が3倍位言い返す。いつもの光景だ。
「大体ですね、あの卓球、ありゃなンですかい。ふたりして集中攻撃なんて、あんまりにも惨い。惨すぎるってぇもンだ。それで俺ァ奢らされてこのザマですよ。自分で買った酒を自分で飲んで、何でこの仕打ちなんですかねェ?」
「あーもう、五月蠅ぇな」
「ぶはっ」
 止まらない百目鬼のおしゃべりに、面倒くさくなった八鳥が傍に置いてあった枕を叩きつけた。
 ひっくり返った百目鬼が顔を押さえながら起き上がり、別の枕に手を伸ばす。
「流石の俺も、これは我慢できませんね? ヤル気ですね? 受けて立ちますよ?」
 立て膝で枕を思い切り振りかぶり、投げようとした瞬間。
「ぼふぁっ」
 枕の連撃が百目鬼を襲う。
「な、なんで、尼サンまで……!!」
 尼ケ辻がにこにこしながら、両手をクロスさせている。ふたつを一度に投げたらしい。
「この状況で、どちらにつくかと言われればね」
 面白い方に決まっている!
 銃弾、もとい、枕の数が足りないとなると、座布団で補充。危うし百目鬼!

「雀サン起きて! 雀サンは俺の味方ですよね! さっきも一緒に戦ったじゃねぇですか。お願い、起きて!!」
 百目鬼は座布団を楯に攻撃を避けつつ、傍らですやすやと眠っている錣羽を揺り起す。
「んー……うん、味方。大丈夫、安心して……」
 寝ぼけ眼で錣羽は百目鬼の腕を優しく叩く。
「じゃあ起きて。お願い!!」
「ん……?」
 目をこすりながら錣羽が身体を起こした。
 そこに展開されていたのは戦場。座布団を被る百目鬼に、今まさに尼ケ辻が枕を投げんとしているところだった。
「あれ。喧嘩終ったんだろ……!?」
「助けて、雀サン……」
 百目鬼に涙目で懇願され、錣羽は動揺する。いつも騒ぎが収まってから起きるので、現場に遭遇することは余りないのだ。
 だが仲間内の百目鬼の扱いについては、日頃から何かにつけちょっと不憫に思っているので、同情しているのは本当だ。
「……じゃ、枕投げようかな」
 転がっていた枕を抱え、よいしょと錣羽が振り被ったその時。
 尼ケ辻の囁き声がその手を止めた。
「雀君、雀君。実は私、先程珍しいお菓子を見つけたんだけど。どう、ご当地ジャンボポッキリー。ほら、美味しそうだと思うんだけどね」
「え。ご当地ポッキリー……?」
 錣羽は枕を脇に置き、お菓子の箱を掲げた尼ケ辻の元へすすす〜っと寄って行く。
 尼ケ辻の『錣羽無力化作戦』成功。
 お菓子>>>(越えられない壁)>>>百目鬼なのは明らかだった。
「雀サンーーーー!?」
 味方じゃなかったのか。百目鬼の悲痛な声と、投げつけられた枕の音が同時に響く。
「こ、こうなったら、ひとりになってでも……!!」
 百目鬼が錣羽が転がした枕に駆け寄り、充填完了。サイドスローから鋭い角度で、枕が今まさに放たれようとしたとき。
「うるせぇ、周りの部屋に迷惑だろうが」
 バスッ。
「うぼぁ」
 回り込んだ八鳥のパンチが百目鬼の腹にヒットしていた。
「な……なんで、俺だけ……」
 白目になって倒れ込む百目鬼に同情し、錣羽が背中を優しく撫でる。
「ポッキリー、揺籠も食べるだろ……?」
「お、おう……」
 そうじゃない優しさが痛い。

 八鳥のパンチで枕投げは終了。尼ケ辻は飛び交った枕や座布団を拾い集め、何事もなかったようにきれいに並べ直した。
「あれ、そういえば」
 尼ケ辻が鼻をひくつかせた。
「八鳥君はもう風呂を済ませたんだね。百目鬼君は?」
「あー、なんか嫌がって入ってねぇ。何しに温泉に来やがったんだ」
 待って。なんか違う。
 百目鬼が抗議を申し立てようとした瞬間、八鳥ががっしと百目鬼の着物の肩と帯を掴んだ。
「寝る前に風呂入って来い」
「あーーーれーーーーー」
 力いっぱい引かれた帯に、百目鬼が独楽のようにくるくると回る。
「そうだね、すっきりすると思うよ」
 パスを受け取った尼ケ辻が手早く着物をはぎ取り、そのまま風呂場へとシュート。
「ぎゃーーーーー!!!」
 どぼーん。
 ナイスアシストが決まり、無事に(?)百目鬼も入浴を果たしたのだ。
 ……ちなみに、まだ湯は結構熱かった。




 翌朝。
 身も心も疲れ切った百目鬼は、爽やかな空気の中、八鳥のドスの利いた声に叩き起こされる。
「おい、いつまで寝てんだ。朝飯行くぞ」
「え……今、何時……」
 もぞもぞと起き上がると、空気は明らかに早朝の気配。
 そういえば八鳥は早起きなのだった。
「釜サン、自分が朝飯作る訳じゃねェんですし。旅行に来た時ぐらいはゆっくり朝寝もいいもんでしょうよ……?」
 百目鬼はぼりぼりと頭を掻きながら、布団の上に座り直す。
「うるせぇ。習慣なんだよ、習慣。いつまでもゴロゴロしてんじゃねぇよ」
 そのまま布団とイチャイチャしていたら、蹴り飛ばされそうな勢いだ。
 百目鬼は諦めて浴衣の前を合わせ、帯をきちんと締め直す。

 朝食は宴会場のような広間に並んでいた。
 他の宿泊客も賑やかに、けれどどこかのんびりとお膳を前にくつろいでいる。
「お、卵焼きに、焼き魚に、湯豆腐ですかい。こりゃなかなか豪華な朝飯ですねェ?」
 湯気も芳しい白いご飯を前に、百目鬼の頬も思わず緩む。
「ん、結構うまいですよこれは。ねェ雀サン?」
「……うん」
 錣羽の食欲も朝から旺盛だ。ご飯をおかわりしながら、ひたすら黙々と大人しく食べている。
 そこでふと、何かを思いついたように百目鬼が居住いを正す。
「そういやぁちょっと気になったんですけどね。今回の旅行、費用はどうなってたんですかねェ?」
 流石に小声で、百目鬼が尼ケ辻に囁いた。
「え? ああ、心配ないよ。ちゃんと予算は確保してあるから」
「どういうことで……?」
 にっこり微笑む尼ケ辻。
「こんな時の為に、百目鬼君のへそくりがあるんだよね」
 懐から取り出した紙入れは、確かに見覚えのあるもので。
「ちょっと、それへそくりっていうか、俺の酒代ッ……!!」
 慌てて手を出す百目鬼の腕をさっと避け、尼ケ辻が悪魔の微笑を浮かべる。
「有難うね、百目鬼君。お陰で楽しい旅行だったよ」
「いやいやいや、それは納得できねェですよ? おかしいでしょ!?」
 腰を浮かせた百目鬼の袖が、控え目に引っ張られる。
 思わずそちらに顔を向けると、錣羽が天使のような悪魔の笑顔。
「……有難うね」
「く……ッ!!」
 その場にくずおれる百目鬼。
 勝てない。この満面の笑みにはどうしても勝てない。
 百目鬼は今更全員自腹だとは言えないような、そんなパワーに圧倒される。
(尼サン、今度憶えてろよ……ッ!!!)
 心の中で呪詛を唱えるのが精一杯の百目鬼であった。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【jb4509 / 尼ケ辻 夏藍 / 男 / 27 / 】
【jb8361 / 百目鬼 揺籠 / 男 / 25 / 】
【jb8766 / 錣羽 廸 / 男 / 20 / 】
【jb8767 / 八鳥 羽釦 / 男 / 25 / 】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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妖怪御一行様の温泉旅行をお届けします。
かなり好き勝手に書かせて頂きました。お気に召しましたら幸いです。
おひとり様がかなり酷い目に遭っているようですが……一応、皆様の発注文を合わせるとこうなるんですが……!!
長い間一緒にいるが故の力関係というか、居心地の良い位置なのかなと思います。
きっとこれからもずっと。……あれ?
尚、今回お名前の記載は全て姓の方で統一いたしました。
この度のご依頼、誠に有難うございました!
■WTアナザーストーリーノベル(特別編)■ -
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エリュシオン
2014年05月07日

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