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『くおんがはらようちえん・おやすみのひ 』
月居 愁也ja6837)&百々 清世ja3082)&加倉 一臣ja5823)&夜来野 遥久ja6843)&小野友真ja6901


 ぴんぽーん。
 チャイムの音が鳴り響きました。
 ぱたぱたぱた。
 足音が近づいてきて、勢いよくドアが開きます。
「お、いらっしゃーい!」
 笑顔で出迎えたのは、はるひさくんのところの愁也おとうさんです。
 厳しい営業で鍛えた人懐こい笑顔がまぶしいです。
 この笑顔のために幾人もの奥様方がお掃除キット(フルセット)をお買い上げになりました。愁也おとうさん、なかなか優秀です。
「お邪魔ー」
 ゆーまくんのところの一臣おとうさんが軽く手を上げました。
「お招きありがとさん。折角の休みなのに、騒がしくてごめんな?」
「こんにちはー」
 お父さんのシャツの裾に掴まりながら、ゆーま君も顔を覗かせます。
 今日は、はるひさくんのお家に集まってお泊まり会なのです。
 はるひさくんは玄関先できちんとスリッパを揃えて、お客さまにすすめます。
「いらっしゃいませ。せまいところですがどうぞ」
「あ……うん、ありがとうね、はるひさくん」
 一臣おとうさんは、はるひさくんがあんまりにもおりこうさんなので、ちょっと引いてます。
「おじゃましまー……す」
 ゆーまくんはちょっとおっかなびっくり。
「そっちこそ仕事は片付いたのか? 無理したんじゃないのか?」
 愁也おとうさんが少し心配そうな顔で一臣おとうさんにききました。
 一臣おとうさんはITデザイナーです。おうちでお仕事をしているのですが、沢山お仕事の依頼が来るので、いつも眠気と戦いながらパソコンに向かっています。
「ああ、それは大丈、ぶ……」
 愁也おとうさんが心配してくれましたが、一臣おとうさんは壁を見て、別の意味で心配になりました。
「ああ、それいいだろ。ほんと遥久って、良い表情するよなー!」
 うっとりと愁也おとうさんが眺めるのは、巨大なパネル。写っているのは等身大のはるひさくんです。
「この前の連続ドラマのスチルなんだけどさ。財閥の御曹司の役がすっげ似合っててさ、さすがだよな! この高貴な感じ、まさに天使……!」
 止まらない惚気に、一臣おとうさんは微笑みを浮かべて頷き続けます。
(ブレないなー……)
 愁也おとうさんは、はるひさくんを溺愛しているのです。
「おとうさん、ゆーまくんのおとうさんがあきれてます。そろそろなかにはいってください」
 玄関先にきちんと正座し、はるひさくんがキリッとした眼で愁也おとうさんを見つめます。
「あ、ごめんな、どうぞどうぞ」
 愁也おとうさんはとろけそうな表情になりました。はるひさくんに窘められるのもご褒美のようです。



 がちゃん。
 きよせくんは小さな手に握りしめた鍵を上手に回します。
 鍵をつけた紐は首にかかっていて、きよせくんはシャツの首元に鍵を隠しました。
「とじまりおっけー」
 きよせくんはくるりと振り向き、そばで待っていた人を見上げました。この男の人はきよせくんたちが通っている久遠ヶ原幼稚園の園長先生です。
「ひとりで鍵をかけられるんだ、えらいね」
 園長先生はそう言って、きよせくんがよいしょと持ち上げた紙袋を、ひょいと取り上げました。
「遥久君の家に付くまで貸してもらおうかな」
「……ありがとう」
 きよせくんは園長先生が荷物を持ってくれたのをわかっているのです。
 お父さんとお母さんは、今日も朝早くからお仕事にでました。
 きよせくんは、ひとりでお留守番もできます。
 でも、今日は特別。お友達のお家でお泊まりできるのです。
 きよせくんはひとりでもはるひさくんのお家まで行けるのですが、園長先生が迎えに来てくれました。先生もおよばれ。先生と手をつないで並んで歩きます。
 きよせくんは先生を見上げて、何かを思いついた様です。
「えんちょうせんせー、お休みの日なのにでーとはなかったの?」
「うん、今日はないんだよ」
 無邪気な鋭い突っ込みに、園長先生の顔が心なしか強張ります。
「そっかー。じゃあいっしょに遊んであげる」
「はは……有難う……」
 園長先生は何だかどっと疲れたような気分になりました。



 ぴんぽーん。
 チャイムの音が鳴りました。
「お、清世君と先生かな」
 愁也おとうさんがまた玄関へ走り、はるひさくんがゆっくりと後に続きます。
 ゆーまくんはなぜかカーペットの上で座り直しました。
(ジュリー先生、きた……!)
 ちょっと複雑な表情で、玄関を窺います。
 ゆーまくんは一臣おとうさんの本当の子供ではありません。
 ちょっと前までは大阪にいました。そこで一臣おとうさんと出会って、おとうさんの子供になりました。
 お父さんのことはもちろん大好きです。
 最初は頼りになる大人だと思っていましたが、一緒に暮らしているうちに、一臣おとうさんは色々と目が離せない人だとわかりました。
 お仕事が忙しすぎて、ご飯を食べ忘れたり、机の上で寝てしまったりするのです。
 ゆーまくんはそんなお父さんが忘れないようにご飯を食べさせたり、うたた寝を起こしたりしています。
 だからゆーまくんは、一生お父さんの面倒を見ようと心に決めました。
 そんな大好きな一臣おとうさんですが、ゆーまくんにはほんのちょっとだけ『ちがう』感じもするのです。
 それは食べ物の味つけだったり、ちょっとした言葉づかいだったり。
 そんなときゆーまくんは、少し大阪が懐かしくなるのです。
 園長先生はどこか大阪のにおいがする人でした。だからゆーまくんは、園長先生の近くにいるとなんだかほっとするのです。
 今日はそれが嬉しいのですが、単純に喜べない事情もありました……。

「はるひさくんのおとうさん、こんにちは!」
 きよせくんは、出迎えた愁也おとうさんに元気よく挨拶しました。
 元気な挨拶をする子は、大人に可愛がってもらえます。きよせくんはそれを知っています。
「おかあさんが、これもってけって」
 美味しいと評判のケーキ屋さんの、シュークリームが沢山はいった箱を差し出すきよせくん。
 他の人のお家にお邪魔するときは、おみやげを忘れないようにしなさいと、いつもお母さんから言われています。
 きよせくんは歳の割にしっかりした子なのです。
「お、これはご丁寧に! ありがとうな、清世君」
 愁也おとうさんはしゃがんで、清世君と目の高さを合わせてくれます。
「今日は厚かましくお邪魔しました。お世話になります」
 園長先生が丁寧に頭を下げます。
「こちらこそ、無理にお願いしまして! ささ、上がってください」
「園長先生、ようこそおこしくださいました。ゆっくりしていってください」
 はるひさくんがとても丁寧にあいさつしました。
「こんにちは、遥久君。今日は宜しくね」

 そんな声が居間にも届きます。
 ゆーまくんは、はるひさくんのことは好きなのですが、なんだかちょっとこわいのです。
 自分とは違う。そういう空気に、子供は敏感です。
 そしてゆーまくんは、ちょっとだけきよせくんもこわいのです。なんだか油断してるといじめられそうな、そんな感じがします。
(大丈夫や……おとーさんも、ジュリー先生もおるし……!)
 ゆーまくんは恐怖と戦う覚悟を決めています。



 キッチンでは一臣おとうさんがご飯の支度をしていました。
「ああ先生、こんにちは。おやすみの所すみませんね」
「いえ、とんでもない。……友真くんのお父さんはお料理が上手なのかな?」
 園長先生は近くに来ていたゆーまくんにききました。
「えっと、オムライスと! ハンバーグのケチャップで煮たのと! すごいおいしいん!!」
 ゆーまくんは目をキラキラさせて力説します。
「そうか、それは楽しみだねえ」
 そこに愁也おとうさんも加わります。
「先生、用意ができるまで良かったらあちらでゆっくりしててください。録画なんかもありますから!」
 愁也おとうさんの言う『録画』が何なのか、もうわかりますね。
「あ、いや、何かお手伝いしましょうか? 皿洗いぐらいなら邪魔にならずにできると思いますが」
「いやいやとんでもない。遥久、先生呼んであげて」
 はるひさくんはキッチンの入口にいて、大人達を見上げていました。
「先生が見ていたら、おとうさんたちきんちょうしますから」
 はるひさくんの言葉に、園長先生は噴き出してしまいました。
「成程ね。じゃあお邪魔にならないところで」
「先生、こっちへ」
 袖を引かれて園長先生はリビングに戻ります。

「さー園長先生にイイとこ見せような!」
 一臣おとうさんは笑顔で愁也おとうさんにキラーパス。
「遥久が喜ぶならなんでも……!!」
 愁也おとうさんは拳を握って気合を入れます。
 さて、どんなご飯ができるのでしょうか。



 リビングの大きなテレビに、はるひさくんが映っています。
 ドラマの宣伝の為に出ていた歌番組の録画です。
 はるひさくんは劇団に所属していて、子役として頑張っているのです。
「ふわー……はるひさくん、おうた上手やなあ」
 ゆーまくんは普段、ドラマは見ません。なので、テレビに映っているはるひさくんをあんまり見たことがなかったのです。
「ありがとう。でもこのときリハの時間がたりなくて、おどりがあまりよくなかったんだよね」
 はるひさくんは厳しく自分の演技をチェックしています。
「すごいなー、はるひさくん!」
 ゆーまくんはすっかり画面に釘付けです。
 きよせくんもじっと見ています。きよせくんは歌や踊りが好きなのです。
「本当にすごいね。遥久君は色々できるけど、その上で頑張りやさんだ」
 園長先生がにっこり笑いました。
 はるひさくんはいつもの通りの笑顔を向けます。でも内心では、かなり嬉しかったのです。
 いつもきりっとしているはるひさくんですが、実は園長先生が大好きです。園長室で絵本を読んでもらうのも大好きです。
「園長先生、このまえのやくそく。スタジオの近くにあるお店のプリン、買ってありますから。あとで一緒に食べましょうね」
 やたら目力のある瞳がじっと先生を見つめます。
「あー……うん、そうだね」
 先生が目を逸らしたいなーと思ったところで、声がかかりました。
「さあ、ご飯できたよ! みんなテーブルの上をおかたづけしてくれるかなー?」
 エプロン姿の愁也おとうさんに言われ、皆でおかたづけ。
 そこに一臣おとうさんが大きなお盆にごちそうをのせて運んできます。
「おっと、ちょっと道開けてくれな? 転んだら大変だからな」
 いい匂いがリビングいっぱいに広がります。

 ポテトサラダに煮込みハンバーグ、ケチャップたっぷりオムライスには小さな旗を立てて。お子様ランチのようなにぎやかなお皿が、テーブルに並びます。
 皆で声を揃えて「いただきます」。
 賑やかなご飯が始まります。
「あんな、俺もはるひさくんみたいにテレビとか出たい、歌って踊るん! そんで俺がおとーさんとけっこんしたげるな!」
 ゆーまくんは大真面目です。
「はいはい、期待してるからな。ほら、そんな顔してたら、テレビなんて出られないぞ」
 一臣おとうさんはほっぺたのケチャップを拭いてあげながら、園長先生に困ったような、照れたような顔を向けます。
「大きくなったらパパの嫁になるそうで、ハハハ」
「成程、成程」
 園長先生、細かい事を突っ込むのは野暮だと分かっているようです。
 ふたりが幸せならそれがいちばんいいのです。
「友真君は運動神経がいいようですから、ひょっとするかもしれませんね」
 にこにこ笑いながら頷く園長先生。それを聞いてゆーまくんは張り切ります。
「よし、俺、最近練習したバク転初披露したるー!!」
 皆にカッコいいとこ見せなきゃ! ゆーまくんはソファに上がると、ぴょいっとジャンプしたではありませんか。
「「「うわああああ!?」」」
 大人3人は思わず叫び声を上げてしまいました。
 ゆーまくんは見事にくるりと回転すると、床に着地。ちょっとよろけて、ソファの背もたれでおでこをゴツンとしてしまったのは痛恨のミスでしたが。
「どや! 俺もけっこうできるやr……いでひぇッ!?」
 一臣おとうさんが軽く頬を引っ張っていました。
「危ないだろう! あと、ご飯どきに暴れるんじゃない。遥久君も清世君もちゃんと座って食べてるだろ?」
「ご、ごめんなひゃい……」
 愁也おとうさんがきよせくんのお皿を見ました。食べ残しもなく、じょうずに食べています。
「嫌いなものとかなかったかな?」
「うん。ぜんぶおいしい」
 きよせくんはおよばれで好き嫌いを言ってはダメだということも良く判っています。
「そうか、よかった。おかわりもあるからどんどん食べるといいよ」
 優しく笑う愁也おとうさんは、子供が好きなようです。



 ご飯もすんで、お父さんたちがお皿を片付けている間に、子供たちはお風呂です。
「園長先生、おふろ入りませんか」
 はるひさくんが言うと、きよせくんとゆーまくんもじっと見ています。
「ああ、いや、先生はそろそろ失礼しようかなと」
 愁也おとうさんが手を拭きながら顔を出します。
「えっ、先生も泊まって行って下さいよ! まだ色々お話も伺いたいですし!」
「しかしご迷惑では……」
「先生さえ良ければ是非! ああ、でも流石に風呂全員は狭いなー。遥久、自分で入れるよな?」
 はるひさくん、こう言われては渋々頷くしかありません。聞きわけの良い子なのです。
「はは、じゃあ何もお手伝いできてませんし、お風呂を担当しましょうか」
 幼稚園にはお泊まり保育もあります。園長先生、子供を洗うのは得意なようです。
「えっ、それこそご迷惑じゃ……」
 愁也おとうさんはちょっと驚きましたが、子供たちはいっせいにお風呂場にむかいます。

 順番に身体を洗って、1から100まで数えながらお風呂につかって。 
 いつのまにかゆーまくんは、はるひさくんもきよせくんもこわくなくなっていました。
「えんちょーせんせー、背中洗ってあげるー」
 きよせくんがタオルにボディソープを含ませて、ぶくぶくさせながら言いました。
「えっ、俺も洗う……!」
 ゆーまくんがそう言ったときには、はるひさくんの目が鋭く光っています。
「おっと、3人一緒かな? これは気持ちよさそうだね」
 3人で先生の背中をごしごしこすって。
 競争みたいに一生懸命こすったので先生はちょっと背中が痛かったみたいですが、ありがとうと言ってくれました。

 身体を拭いてもらって、パジャマを着て。
 みんなちゃんとボタンも自分でとめられます。
「ほーらお布団敷いてあるぞー!」
 愁也おとうさんが寝る部屋いっぱいにお布団を敷いてくれていました。
 お風呂であったまった身体に、まっさらなシーツがとってもいい気持ち。
「ひろいお布団〜!!」
 ゆーまくんはゴロゴロとお布団の上を転がります。
「ここまで俺のじんちー!」
 ど真ん中でべたっと大の字に。
「……じゃあじつりょくでうばいとる」
 ばすっ。
「ひゃっ!?」
 はるひさくんが容赦なく投げた枕は、ゆーまくんの顔の横で音を立てました。
 ゆーまくんは、やっぱりはるひさくんはちょっと怖いと思いました。
「べつにねられたら、どこでもいいよ」
 きよせくんはタオルケットを引きずりながら、コロンと横になります。
 賑やかにご飯を食べて、お風呂に入って。みんなちょっと眠くなってきたようです。はるひさくんも小さなあくびをしました。
「よしよし、枕こっちに並べて。少しお話しようかな?」
 園長先生が枕もとに座って、『ももたろう』のお話を始めます。



 一臣おとうさん、愁也おとうさんが交代でお風呂に入って、そっと皆が寝ている部屋を覗きました。
 園長先生がひとさし指を口元に当てて、小さく笑いながら振り向きます。
 どうやら犬、サル、キジがそろった辺りで、もうみんな眠ってしまったようです。
 お父さんたちと先生は足音を忍ばせて、リビングに戻ります。

「お疲れ様でした! ま、ひとつ」
 一臣おとうさんが先生にビールをすすめます。
「おふたりこそ、色々お疲れ様でした」
「いえいえ。遥久があんなに喜んでくれるなら、疲れなんて!」
 ちょっと判りにくいですが、はるひさくんはとっても喜んでいたようです。お父さんにはちゃんとわかるのです。
「で、先生、園での遥久の様子って……」
 愁也おとうさん、ぶれません。聞きだすまで寝かさない感じです。
「そうですね、とても利発なお子さんです。お手伝いも良くしてくれますし……」
 園長先生ははるひさくんとゆーまくんの、幼稚園での様子をお話しします。
 お友達に見せる顔は、お父さんに見せる顔とちょっとだけ違うのです。
 お父さんにはちょっと寂しいけど、それも成長なのです。

 そうしてお酒を飲みながら、それぞれのおうちの事情なんかや、園長先生がどうして園長先生になったのかなんてお話もして。
 お父さんたちも寝る時間です。
「あ、先生はあっちの部屋に布団用意しておきました!」
「何から何まですみません」
 園長先生はおやすみなさいを言って、別のお部屋へ。
 こどもたちが寝ている部屋をふと覗くと、きよせくんがむくりと起き上がりました。
「えんちょうせんせー……」
 枕を抱えて廊下に出てきます。
「どうしたのかな、おトイレかな?」
 きよせくんは首を振ります。
「いっしょにねていい……?」
 そういえばきよせくんは、お昼寝の時間にはよく園長室に来ています。
 いつもひとりでしっかりいい子をしている分、眠るときぐらいは誰かと一緒がいいのかもしれません。
「いいよ、おいで」
 きよせくんの顔がぱっと明るくなります。

 それからちょっと後のこと。
「おとーさん……」
 はるひさくんもお父さんのお布団にもぐりこみました。
「今日は楽しかったな!」
 愁也おとうさんがはるひさくんの頭を撫でます。
「うん。おとうさん、ありがとう」
 すぐにすうすうと寝息を立てるはるひさくんの長い睫毛を、愁也おとうさんは幸せな気持ちで見ているのでした。

「おい……お前はそのままか」
 一臣おとうさんがお布団を敷きつめた部屋で、呆れたように言いました。
 ゆーまくんはでっかい陣地の真ん中で、大の字になって寝ているのでした……。



 一臣おとうさんと愁也おとうさんは、早起きでした。
 園長先生がきよせくんの着替えを待ってリビングに行くと、もう一臣おとうさんはジューサーに果物を入れています。
「お早うございます」
「おはようございますー」
「あ、お早うございます! 良く眠れましたか? 清世君は?」
 ボウルをかきまぜる手を休めずに、愁也おとうさんが元気に声をかけました。
「すぐにパンケーキができるからなー」
「朝から! パンケーキ!」
 ゆーまくんがそわそわします。
「苺もいっぱいだよ! 苺好きだろ?」
「すきー! あ、でも、パンケーキにアイス乗せるといいて、クラスの女子いうてた……アイス……」
 ゆーまくん、しっかり要求してます。
「アイスのせるかー、それもいいな。よし遥久、ディッシャー出しといて」
「はい、おとうさん」
 はるひさくんはディッシャーも、お皿も、フォークも、ちゃんと取り出して並べます。お手伝いも完璧です。
 焼き立てほかほかのパンケーキがお皿に並ぶのはもうすぐです。
 

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ja3082 / 百々 清世 / 男 / ひとりでできるもん】
【ja5823 / 加倉 一臣 / 男 / せんやくあります】
【ja6837 / 月居 愁也 / 男 / うちのこいちばん】
【ja6843 / 夜来野 遥久 / 男 / おとうさんだいすき】
【ja6901 / 小野友真 / 男 / みらいのおよめさん?】

同行NPC
【jz0089 / ジュリアン・白川 / 男 / 園長先生】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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久遠ヶ原幼稚園、番外編です。アナザーならではの物語ですね。
みんな仲良し、とってもほほえましかったです。
そしてなんだか園長先生が男児にモテモテでした。光栄です。

この度のご依頼、誠に有難うございました!
■WTアナザーストーリーノベル(特別編)■ -
樹シロカ クリエイターズルームへ
エリュシオン
2014年06月05日

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