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『夏の名残に 』
矢野 古代jb1679)&矢野 胡桃ja2617)&シグリッド=リンドベリjb5318)&華桜りりかjb6883



「門木先生、祭にでも行かないか?」
 矢野 古代(jb1679)がそう声をかけたのは、夏もそろそろ終わろうかという頃。
 木々の枝でツクツクホウシが最後の勝負とばかりに盛んに鳴き交わしている、とある午後の事だった。
「俺達の夏ももうお終いだしな、記念にどうかなと思って」
 会場は近所の神社。地元では比較的名の知れた、夏の最後を飾る大きな祭だ。
 祭そのものは秋になっても行われるが、夏祭りはやはり特別。
 盆踊りに、花火に浴衣――そう、浴衣。
「……浴衣か。良いな」
「だろ?」
 古代はこくりと頷いた門木章治(jz0029)の肩をポンと叩く。
 浴衣を着ずして何の夏祭りか。
「そういう訳で、全員浴衣で集合だ」
 同行者は、お馴染みのシグリッド=リンドベリ(jb5318)と華桜りりか(jb6883)、それに今回は古代の愛娘である矢野 胡桃(ja2617)も一緒だ。
「うちの娘とは余り面識がないかもしれないが――この間、水族館の時は都合が付かなくてな」
「……そう言えば……土産、買ってたな」
 お揃いの、イルカのチャームが付いたネックレス。
「まあ結局、後で別の水族館に連れてく事になったんだが」
 年頃の娘を持つと気苦労が多くて大変だ――そう言いつつも鼻の下が伸びている古代パパ。
「ところで先生、浴衣の着付けは出来るのか?」
 問われて、門木は白衣の前を着物の様に合わせてみる。
「……こう、羽織って……帯で結べば、良いんだろう?」
 うん、わかった、出来ないんだね?
 手伝うから――いや、もしかしたら浴衣一式を揃える所から、か。


「せんせー、お待たせなのですよー!」
 夕刻、深青色の浴衣を着たシグリッドが下駄を鳴らして小走りに駆けて来る。
 その後ろからゆっくりと歩いて来るりりかは、桜づくしの浴衣に琉金の尾鰭の様なひらひらの帯を締めていた。手に提げた巾着も桜色、頭に羽織ったかつぎは桜にかかる春霞の様に肩に流れている。
 二人を迎える門木はシンプルな紺絣に深緑色の帯。
 それを見て、りりかはこてんと首を傾げ――ふわりと微笑んだ。
「章治せんせい、浴衣が似合っているの……」
「……ん、ありがとう」
 上背がある分、何を着てもそれなりに見栄えがする様だ。
 その脇に立つ古代は上級者らしく、黒を基調にした大胆な矢絣に黄金色の帯という組み合わせを粋に着こなしている。
 その後ろに隠れた胡桃は白地に桃柄の浴衣、帯は少し濃いめのピンクのグラデーションだ。
「あ、え、と」
 おどおどびくびく、父の背後から顔を半分覗かせたその姿は、まるで大木に貼り付いたモモンガの様に見える。
「門木先生、豆まきの時は、ごめんなさい……!」
「……え?」
「あの、だって、豆とかぶつけまくっちゃって……」
「……あぁ……」
 そう言えば、そんな事もあったっけ。
「大丈夫なのですよ、せんせーには当たってないのです」
「あたし達が、守ったの……」
 シグリッドが胸を張り、りりかがこくりと頷く。
 二人とも、あの時はガード役として参加していたのだ。
「……魔法少女がどうとか、言ってたよな……?」
 豆は当たらなかったが、後でぽかすか殴られた記憶がある――しかも泣きながら。
「……で、魔法少女には……なれたのか?」
「ならないから! ならないって、言ってるのに! うわあぁんせんせーのばかあぁいぢめこぉぉぉ!」
 ぽかすかぽかすか。
 近頃はクールで落ち着きのある大人の女性に変身しつつある、らしい……が。
 でも仕方ない、変な事を思い出させる門木が悪いのだ。
 最初に話を振ったのは胡桃の方だという事実は、電車の網棚に置き忘れて来た。
「こ、こらモモ!」
 古代パパが胡桃の襟首を掴んで引っぺがす。
「すまんな先生、アレな娘で」
「アレってなに!? アレって!?」
 がぶぅ。
 パパの背中に飛び乗ったクールな娘は、その首筋に噛み付いた。
 もぐもぐ、はむはむ。
「矢野おとーさんと矢野さんは、仲良しなのです」
 ほっこり、シグリッドが和んでいる。
「ちょっぴり羨ましい、の」
 こくり、りりかが頷いた。
「いや待てシグリッドさん、華桜さんも、これが仲良しに見えるか、羨ましいのか!」
「……仲、良いよな」
「門木先生まで!?」
 仲良きことは美しきかな。
「あっ、そろそろ始まるのですよー。ほら!」
 耳に絵を当てたシグリッドに倣い、皆が耳を澄ませた。
 夕闇に沈みかけた鎮守の森からヒグラシの声が聞こえる。
 その向こう、参道に沿って並ぶ提灯の明かりに導かれた先から、風に乗って笛や太鼓の音が響いて来た。
 浴衣を着た子供達の一団が、歓声を上げながら目の前を走り抜けて行く。
「よし、俺達も行くか。みんな迷子になるなよ?」
 背中に胡桃を貼り付けたまま、古代が歩き出した。
「せんせーは、はぐれないようにぼくたちと手を繋ぐのです」
 シグリッドが門木の右手を握る。
 りりかは左の袖をぎゅっと握り締めた。
 初めてのお祭り――
「楽しみ、なの」


 神社の境内に近付くに連れて、最初はまばらだった沿道の屋台も次第に数が増えて来る。
 それに従って、人の数も比例する様に増えていった。
「人がたくさん、なの」
 人混みに気圧されたのか、りりかは門木の浴衣の袖をますます固く握り締める。
 それでも好奇心が勝った様で、視線はきょろきょろとあちこちに動いていた。
 すっかり暮れた晩夏の空に、紅白の祭提灯が揺れる。
 その温かい光に彩られた参道は、この世のものではない何処か別の世界への入口の様にも見えた。
「……人混みは、苦手か?」
 背を曲げた門木が、りりかの顔をひょいと覗き込む。
「ぁ、んと……少し驚いただけ、なの」
「……そうか」
 安心した様に頷き、苦笑いを浮かべる。
「……俺は……ちょっと苦手、かな」
「あー、それは……誘っちゃ拙かったか?」
 少し申し訳なさそうに、古代が頭を掻いた。
「……ああ、いや……入って行くのが、苦手なだけで……」
 突っ込まれてしまえばもう大丈夫。
 嫌いなわけではないし、賑やかで楽しそうな場所は寧ろ安心する。
「……俺、一人じゃ絶対、無理だから……その、誘ってくれて、ありがとう」
「そうか、じゃあ思いっきり楽しもうな」
 古代は門木のぼさぼさ頭をわしゃわしゃと掻き混ぜる。
 何だろうな、この大きな子供は。
 なんか可愛いぞ。
 いや、見た目は年上の男、つまりおっさんを捕まえて可愛いというのも何だが……しかし他に表現のしようがないのだ。
(という事はつまり、この場で保護者的な役割を担えるのは俺ひとり……)
 責任重大である。
「先生、はぐれるなよ。迷子の呼び出しなんて恥ずかしいからな」
 まあ大丈夫か、両脇を固めたあの二人がそれを許す筈もないし。
「ところでモモや、お前はいつまでそこにぶら下がっているつもりなんだろうな?」
「ずっと」
「友達と一緒に回って来たらどうだ?」
「やだ、父さんと一緒がいい」
 だって人見知りだもん。
 それ以上に父さんらう゛だし。
「せめて自分で歩いてくれると嬉しいんだけどな」
 首絞まって倒れちゃいそうだよ?
 父さん倒産、なんてな?
「寒い」
「こんな蒸し暑い夜には丁度良いだろう」
 しかしモモ的には恋人同士の様に腕を組んで歩く姿も捨てがたい。
 という訳で、今度は腕に絡み付いた。
 誰か写メ撮ってくれないかな?


 焼きそば、たこ焼き、お好み焼きに、焼きトウモロコシ。
 焼き物系の屋台からは香ばしい香りがこれでもかという程に漂って来る。
 しかし彼等がフラフラと引き寄せられたのは、そのどれでもなく……チョコバナナの屋台だった。
「せんせー、あれ美味しいのですよー」
 シグリッドは門木をぐいぐい引っ張って行く。
「これが、お祭りで売ってるチョコバナナ……なの?」
 りりかは店先に並んだ、カラフルなスプレーのかかったそれを物珍しそうに眺めた。
 小さく切ったものはチョコフォンデュでよく食べるけれど――
「こんなにたくさん、食べきれないの……」
「大丈夫、小さいのもあるよ?」
 古代と腕を組んだまま、胡桃が指差す。
「ほう、モンキーバナナを使ってるのか」
 一本が人の親指くらいの大きさしかない。
「これなら華桜さんも丸ごと一本食べられそうだな」
 古代に言われ、りりかは嬉しそうにことんと頷いた。
「モモは普通のね!」
 お前も小さいのにしておけと言われないうちに、胡桃が先手を打つ。
 甘い物は正義、相手が古代パパでもここは譲れないのだ。

「これも祭じゃ定番だな」
 皆がチョコバナナを食べている間、古代はベビーカステラの屋台を覗き込む。
「家でも手軽に作れるんだが、こういう所に来ると何故か手が伸びるんだよな」
 良く見れば、普通の丸い物の他にも動物の顔になった物があった。
 どこかで見た様なキャラクター物もある。
 そうしている間に、食べ終えた皆が集まって来た。
「これ、かわいいの……」
 りりかはウサギの顔をしたカステラをつまんで、ぷにゅぷにゅしてみる。
 まだ温かいカステラからは、ほんのりと甘い香りが漂って来た。
 あんまり可愛いので食べるのが可哀想になってくるけれど、食べてあげないのはもっと可哀想だ。
 ぱくり。
「あまくておいしいの」
 ほわん。
「はいせんせー、あーん?」
 シグリッドはネコミカステラを門木の口に放り込む。
 それを見ていた胡桃が真似をして――
「はい父さん、あーん?」
「いや、俺は自分で食べられるからな?」
「モモのカステラは食べられないって言うの?」
 ジト目で見られた。
 これは多分、言うことを聞かないと後々まで引きずるパターンだ。
「わかった、食べます。いや頂きます」
 あーん。
「うん、父さん良い子♪」

 さて、カステラを食べると何か水分が欲しくなるもので。
「次はかき氷にしようね!」
 漸く慣れて来たのか、胡桃は先頭に立って皆を引っ張って行く。
「あ、でも……すごく、たくさん……なの」
 他の客が買って行く様子を見たりりかは思わず尻込み。
「ほんとですね、大きなカップに山盛りなのです」
 シグリッドが頷く。
 でも大丈夫だけどね、あれくらい余裕で入る!
「じゃあ皆で全部違うもの頼んで、一口ずつお裾分けしたらどうかな」
「ほう、そりゃ良い考えだな、モモ」
 古代に頭を撫でられて胡桃はご満悦、早速頼んだのはイチゴミルク味だ。
「ぼくはクリームソーダ味なのです」
「……俺は抹茶練乳あずき、で」
「渋いな先生。俺は……そうだな、このみたらしだんご味にしてみるか」
 え?
「華桜さん、どうだ一口?」
「あ、あの……ありがとう、なの。でも、えんりょしておくの……」
 だんごのタレは、普通にだんごにからめようよ。
「そうか? 案外いけると思うんだがな」
 この何とも言えない香ばしい甘じょっぱさが……だめ?

「この白いふわふわは食べれるの……です?」
「うん、わたあめって言うの。美味しいよ?」
 胡桃は真っ白なわたあめをりりかに手渡した。
「はい、これ」
「んと……どうやって、食べるの……です?」
「こうやって、手でちぎれば良いの」
 手がベッタベタになるけどね。
 因みにわざと固く丸めて歯応えを楽しむ方法も一部にはある。
 主に男の子がやりそうな事だが。
「ぼ、ぼくはそんな食べ方しないのですよ!?」
 シグリッドはわたあめに顔を埋める様に、ばふっとかぶりついて……口の周りがベッタベタ(ry

「次はりんご飴を食べるのです!」
「おいおいシグリッドさん、さっきから甘い物ばかりじゃないか」
「え、そうですけど……」
 呆れ顔の古代に、シグリッドはそれはそれは清々しい笑みを返した。
「お祭の時くらい甘い物オンリーでもいいですよね……!」
 良いのか?
 古代としては異議を唱えたいところではある。
 しかし折角の祭気分に水を差すのも忍びないし、ここは物わかりの良い保護者として、その言い分を認めるべきか。
「甘い物は正義よね」
「あまいものは、しあわせの味なの……」
 こくり、胡桃とりりかが頷く。
 まあ、子供が甘い物を好きなのは仕方がないとして。
「……甘い物、良いよな」
「先生もか!」
 仕方ない、中身は子供だから仕方ない。
 古代は折れた。
「その代わり、後でちゃんと歯を磨くんだぞ?」
「「はーい!」」
 皆さん、お返事だけは立派です。
「りんご飴って、口の中がすごい色になるのですよー」
 真っ赤な飴を思いきり囓り、シグリッドは舌を出して見せる。
「ほら!」
 真っ赤っか。
「せんせーは真っ青なのですー」
 身体に悪そうな色だよね。
 胡桃はピンク色、そしてりりかは……姫りんごにチョココーティングしたものを。
 これはりんご飴と言うより、チョコバナナのりんご版?

「それにしても高いな」
 がっつり食事系の屋台を回って色々と買い込んで来た古代は、楽しそうにはしゃぐ子供達を眺めながら腹拵え。
「なんで祭りの食べ物はぼったくられると解っていても買ってしまうんだろうな」
 粉物にイカ焼き、フランクフルト、アメリカンドッグ……どれも市価の倍以上はするのではないだろうか。
「こう言うのをお祭り価格って言うんだぞ」
 ここ、試験に出るからよく覚えておくように――嘘だけど。


 食べ物系の屋台を制覇したら、次はアトラクション系を回ってみようか。
「金魚すくい……?」
 りりかは金魚すくいも初体験。
「やってみるか?」
 だが、古代に訊かれて遠慮がちに首を振る。
「少しかわいそうなの……」
「まあ、言われてみればそうかもしれんな」
 それならヨーヨー釣りはどうだろう。
「んと、これは……どうやって遊ぶの、です?」
 ふむふむ、なるほど。
 こよりの先に付いた釣り針で、水に浮かんだ風船を釣り上げれば良い、と。
 説明を聞いて、いざチャレンジ。
 針を水中に沈め、ヨーヨーのゴムに引っかけて……
 ぷちんっ。
「あ……」
「よし、俺が手本を見せてやろう」
 いきなり切れて涙目のりりかに、脇から古代が必勝法を伝授。
 まずはこよりを更に捻って強度を高める。
「これはな、こよりを水に濡らしちゃ駄目なんだ」
「でも針を沈めようとしたら、どうしても濡れてしまうのですよ?」
 シグリッドも一度目はヨーヨーを持ち上げる事さえ出来なかった。
「それにはコツがあるんだよ」
 針の外側で、水面に浮かんだゴムをちょんちょんと叩く。
「そうすると、ほら。ゴムが浮き上がって来るだろ?」
 そこに針を引っかけて、ゆっくりと引き上げ……
「ほーら釣れた」
 得意げに胸を張る。
 この瞬間、矢野古代35歳は、きっと誰よりも祭を楽しんでいた。
「あ、ほんとなのです! 釣れました!」
「あたしも釣れたの……」
 シグリッドとりりかは、何度目かの挑戦で見事に成功。
 門木は……うん。
「せんせーの分はぼくが釣るのです」
 どれが良い?
「……じゃあ、あの透明な……青いの」
「任せてください!」
 絶対に釣り上げてみせると謎の使命感と共に挑戦すること10回余り。
「釣れたのですよー!」
 うん、ありがとう。ご苦労様です。
「モモはやらないのか?」
 声をかけられた胡桃は見てるだけ。
 どうやら甘い物と古代パパ、そして新しく好きなものリストに加えられた門木の他には食指が動かない様だ。
 あ、でもヨーヨー自体は欲しいわけですね?
「わかった、どれが良いんだ?」
「んー、あの桃色のやつ」
 了解。

「射的とか、矢野おとーさんは出禁になるレベルで上手そうですね」
 しかし、そこは屋台も撃退士仕様。
 景品が並んだ台は観覧車の様にゆっくりと回転していた。
 その前には向こうが見えない様に仕切りが作られ、そこにシャッター付きの小さな窓がいくつも開けられている。
「ふむ、あのシャッターがランダムで開閉する仕組みか」
 開いた瞬間に銃を撃ち、景品を台から落とせば獲得だ。
「これは、むずかしそうなの……」
「大丈夫、父さんなら取ってくれるよね。モモあれが欲しいな!」
 シャッターが開いた時にちらりと見える景品の中から、胡桃はピンク色をしたモモンガのもふもふリュックを指差す。
「よし、任せとけ」
 後ろの台の回転を読み、狙った場所のシャッターが開いた瞬間に撃つ。
 どさり、目当てのものが床に落ちた。
「父さん、次はあれね!」
 チョコレート色の、お揃いリュックGET。
「はいこれ、華桜さんにあげる!」
 自分で取ったわけではないけれど、さも自分が取った様に手渡すのはご愛敬。
 二人で背負ってみると、幕を広げたモモンガが背中に貼り付いている様に見えた。
「次のリクエストは何だ?」
 貰える景品は一人三個までらしい。
 あと一個、何を取る?
「ぼくはいいですから、せんせーの好きなものを選んでください」
「……じゃあ、あれを」
 権利を譲られた門木は、何やら黒いものを指差す。
 それは黒猫のぬいぐるみだった。
「先生が使うのか?」
「……いや」
 門木は取って貰ったそれをシグリッドに差し出す。
「え……ぼくに、なのです?」
「……白いの、持ってたよな。色違いの……お揃い」
「うわぁ、ありがとうございます! 矢野おとーさんも……!」
 もっふもふ。


「さて、そろそろ花火の始まる時間だな」
 ヨーヨーを手に、射的の戦利品を抱え、屋台でクレープを買い込んだ一行は、喧噪を離れて近くの丘へ。
「ここなら良く見えそうだ」
 やがて大きな音と共に、大輪の花火が視野いっぱいに咲き誇る。
 ドーン。ドーン。
 聞こえる度に、りりかの心臓はドキドキと鼓動を速めた。
 少し落ち着かないけれど――
「でも、きれい……」
 クレープを食べるのも忘れ、りりかは夢中で空を見上げる。
 胡桃はしっかり食べ終えてから、古代の腕に絡み付いていた。
「来年もまた、一緒に来れますように……とかは気障か?」
「うん、気障。でも父さんなら許す」
 そりゃどうも。
「またこうしてみなさんとご一緒したいの、です」
「そうですね。また今度、どこかに遊びに行きたいのです」
 りりかの言葉に、シグリッドが頷いた。
 来年の夏祭りは勿論、その前にも――

 ハロウィンで遊園地、とか?



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【jb1679/矢野 古代/男性/35歳児/保護者】
【ja2617/矢野 胡桃/女性/14歳/もぐもぐ】
【jb5318/シグリッド=リンドベリ/男性/13歳/甘味は正義】
【jb6883/華桜りりか/女性/13歳/はじめてのお祭り】
【jz0029/門木章治/男性/41歳児/大きな子供】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 お世話になっております、STANZAです。
 この度はご依頼ありがとうございました。

 夏の名残、お楽しみ頂けると幸いです……!
アクアPCパーティノベル -
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エリュシオン
2014年10月07日

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