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『♪運動会☆お色気3姉妹♪ 』
ネフィリア・レインフォードka0444

「わぁ♪ 人がいっぱーい!」
 ネフィリア・レインフォード(ka0444)は運動会に集まる人達を見て、楽しそうに叫ぶ。
「ネフィ? あんまりはしゃぐと人とぶつかっちゃうわよ?」
 フローレンス・レインフォード(ka0443)は苦笑しながら、はしゃぐ妹を宥めている。
「……人が、いっぱい……ブリス達も、運動会に参加して、いいの……?」
 かくり、と首を傾げながら可愛らしく問いかけているのはブリス・レインフォード(ka0445)で、ネフィリアとフローレンスにとって大事で可愛い末妹だ。
「大丈夫だよっ! 飛び入り参加も大丈夫って書いてあるし、早速着替えるのだ♪」
「わ、わ、ネフィ姉様……せ、背中、押さないで……っ」
「あらあら、ネフィったら楽しみで仕方なかったのね」
 ぐいぐい、と自分達の背中を押しながら更衣室に向かうネフィリアを見て、フローレンスは苦笑しながら、ブリスが転ばないように優しくその手を握り締める。

※※※

「……姉様、これ、ブリスには少し小さいよ……?」
 ブリスは気恥ずかしそうに、自分の着ている体操着とブルマを見つめる。
「そうかしら? 運動服っていうのは、少しキツめが当たり前なんじゃない?」
 フローレンスはッ首を傾げながら言葉を返す。彼女が着ているのはタンクトップとスパッツ。どれもぴったりと身体に密着するもので、彼女自身のスタイルの良さを引き立てている。
「ネフィ姉様は、そこまでぴったりじゃない気がするの……」
「あははっ、服装なんてどうでもいいのだ! さぁ、まずはパン食い競争にいってきまーす!」
 ぶんぶん、と勢いよく手を振りながら、ネフィリアはパン食い競争の列へと向かって行った。
「ネフィ姉様、大丈夫かな……?」
「どうかしら、あの子の場合は元気すぎるって所が問題なのかもしれないけど……」
 ネフィリアの背中を見送りながら、ブリスとフローレンスは苦笑気味に呟いていた。

※※※

「にゃははっ、いっちばーん!」
 口の周りを真っ白にしながら、ネフィリアが姉妹の元に戻ってくる。
 ネフィリアが参加した競技はパン食い競争なのだが、何故か2つのパンを食べて帰ってきた。
「ネフィ、パンは1人1つって書いてあったけど……大丈夫?」
「ふぇ? そうなの? あー、うん、だってこのパン美味しかったから!」
 彼女がパンを2つ食べた時、ドッと笑いが起こり、食べられなかった1人がオロオロとしているのを見ていたが、ほぼ何でもありのパン食い競争のため、お咎めは無しだった。
「ブリスちゃんとフロー姉は何に出るのー? 他にもいっぱい面白そうな競技があったよ?」
「私はかけっこに出るつもりよ、シンプルで分かりやすいでしょうし」
「ブリスは……借り物競争に、出るつもりだよ……」
 フローレンスとブリスの言葉を聞き「それじゃ、僕は二人の応援をするのだっ」と笑顔で言う。

※※※

「……っ!?」
 最初に行われたのは、フローレンスのかけっこだった。
 フローレンスの他にも数名の女性と一緒に走るという競技だったが、運動会を見に来ている者、参加している者の視線はすべてフローレンスに……いや、走るたびに揺れる彼女の胸に注目していた。刺激が強すぎて、鼻血を噴き出す男性も続出するが、もちろんフローレンスはそんな事になど気づくはずがない。
(何かしら? やけに見られているような気がするんだけど……?)
 首を傾げていると、1人の男性と視線が絡む。
「……っ!?」
 揺れる胸、小首を傾げられ、男性の理性と欲望がひしめき合い、結果相打ちになってしまい、バタンとその場に倒れた。
(あの人、熱中症にでもなったのかしら? やけに顔が赤かったし……)
 まさか倒れた原因が自分だとも思わず、フローレンスはゴール目指して走って行った。

 そして、続いてブリスの借り物競争。
 100m後に置いてある紙を1つだけ取って、その中に書いてある物を持ってゴールに向かうという簡単な種目なのだが、何故かブリスは紙を見たまま硬直している。
「ブリスちゃーん! 早くしないと他の人が行っちゃうのだー!」
 硬直する妹にネフィリアが言葉を投げかけるが、それでもブリスは動こうとしない。
(ど、どうしよう……?)
 ブリスは紙を見たまま、心の中でオロオロとしている。
 彼女が困るのも無理はない、何故なら紙に掛かれていた言葉が『大事な物を1つ持ってゴール』なのだから。
 ブリスにとって大事なのは姉達の存在。
 けど、ゴールをするためには、どちらか1つを選んで連れて行かなくてはいけない。
(ネフィ姉様も大好きだし、フロー姉様も大好き……ブ、ブリスはどうすればいいの……!?)
 ぐるぐると色々な考えがブリスの頭の中を巡り――……。
「……ブリス、もう、やめる……」
 どちらかを選ぶなんて出来ず、ブリスは瞳に涙をいっぱい溜めながら棄権を宣言して、大好きな姉達の元へと向かって行った。

※※※

「そう、そんな事が書いてあったのね……」
 フローレンスに抱きつきながら、ブリスはさっきの借り物競争について呟いていた。
「ブリスちゃんらしいけど、ほら、もうそんなに泣かないのだ! せっかく楽しい場所に来てるんだし!」
 ぐすぐす、と涙を零すブリスをフローレンスとネフィリアは必死に宥める。
 そんな風に優しい2人だからこそ、ブリスはどちらかを選べなかったのだろう。
「そうだ、最後に3人で一緒に出来る競技をするのだっ」
 ネフィリアの提案に「3人で? そんな競技があったかしら」とフローレンスも首を傾げる。
「3人4脚! まだ参加者募集してたから、僕が参加表明してくるのだ!」
「あっ、ネフィ姉様……っ!」
 ネフィリアはブリス達の返事を聞く前に参加者表明の場に行ってしまい、フローレンスは苦笑気味に「まったく、あの子ったら……」と呆れたように呟いた。
「……でも、ブリスも、姉様達と一緒に3人4脚したい……」
「そうね、それじゃ、ネフィが参加表明したらすぐ行けるように準備をしておきましょうか」
 ぽんぽん、とブリスの頭を撫でながら、フローレンスは優しく微笑んだのだった。

※※※

「よーし! フロー姉、ブリスちゃん! 3人で頑張って行くのだ! 早速合わせるよー♪」
「わわわっ……! ネフィ姉様、待って……! ブリス、ころんじゃう……みゃっ!」
 ネフィリアが少し早めに歩いたせいか、ブリスは足を合わせる事が出来ずにガクンとバランスを崩してしまう。
「ネフィ、急ぎ過ぎたら駄目って言おうとしたのに……ブリスに合わせなくちゃ……あっ……!」
 3人がバラバラに動いてしまったため、その場に転んでしまい、ネフィが逃れようと暴れたため、余計に絡まってしまっている。
「うー、中々抜けないのだ……ふぇ? な、なんか服が……ちょ、どうなってるのだー!」
 バタバタと暴れてしまったせいか、体操着がめくれてしまい、下着が見えてしまっている。
「わわわ、ネフィ姉様……っ! あんまり、動かないでぇぇ……! すーすーするよぅ……」
 もちろんブリスとフローレンスもめくれてしまっていて、別な意味で会場が凍りつく。
「ネフィ、ちょ、そんなに動いたら……! あ、あぁっ、もう、だめぇ……っ」
 どんどん服がずり上がってしまい、フローレンスの上半身もきわどい所まで見えている。
 そんな3人の様子を見て、恥ずかしさに目を逸らす者、これ幸いと言わんばかりにガン見する者、それぞれだったが、自分達が注目されている事など露ほども考えていないレインフォード3姉妹なのだった……。
 もちろん、その後、運動会の役員にお説教を受けたのだが、その役員の男性も「良いものを見せてもらった」と本音を零していたのだとか……。


―― 登場人物 ――

ka0444/ネフィリア・レインフォード/14歳/女性/霊闘士(ベルセルク)

ka0443/フローレンス・レインフォード/23歳/女性/聖導士(クルセイダー)

ka0445/ブリス・レインフォード/12歳/女性/魔術師(マギステル)

――――――――――

こんにちは、水貴透子です。
今回はイベントシチュエーションノベルをご発注頂き、
ありがとうございました……!
仲良し&楽しげな3姉妹をまた書かせて頂き、とても嬉しく思います。
内容の方はいかがだったでしょうか?
ご満足いただけるような内容に仕上がっていれば良いのですが……。

それでは、今回も書かせて頂きありがとうございました!

2014/11/18
■イベントシチュエーションノベル■ -
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ファナティックブラッド
2014年11月18日

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