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『おいでませ、ファンタジック☆パーティー 』
シェリー・カートライトka3502)&ロザーリア・アレッサンドリka0996)&イリス・キャロルka3503)&ウェンディ・フローレンスka3505)&ユーチャリス・フェアフィールドka3511)&クロエ・フェアフィールドka3512

 有名なデザイナーの元に届いた脅迫状。
 ギルドの要請を受け、6名の女性が盗難や嫌がらせの阻止をすべく任務に向かった。
 任務は簡単な物で、デザイナーに対する嫉妬から来るものであり、すぐに犯人が見つかった。
「今回はありがとう! もちろん報酬は支払うけど、それだけじゃ私の気が済まないし、良かったらこれからパーティーを行うから、私の新作ドレスでも着て参加して頂けないかな」
「……いいの?」
シェリー・カートライト(ka3502)は目を瞬かせながら、依頼人の男性を見つめる。部屋に置かれている数々のドレス、可愛いものから煌びやかなもの、また妖艶なドレス、興味を引くものが多くあった。
「みんなは、どうする……?」
「賛成、さんせーい! ここにあるドレス、どれも綺麗な物ばかりで気になってたんだよね!」
 勢いよく手を挙げて答えたのはロザーリア・アレッサンドリ(ka0996)だった。
「わたくしも、このドレスとか着てみたいと思っていましたの。ですから、依頼人様のお言葉はとても嬉しいですし、是非ともパーティーに参加させて頂きたいと思います」
 ウェンディ・フローレンス(ka3505)も頬に手を当てて、にっこりと微笑む。
「私もドレスを着る機会なんて、今までなかったので、ちょっと……かなり、興味あります」
 ユーチャリス・フェアフィールド(ka3511)も、頬を染め、少しはにかみながら呟く。
「私はどっちでもいいけど……でも、興味があるかないかで言えば、あるかな?」
 クロエ・フェアフィールド(ka3512)も、他の皆の意見に賛成のようだ。
「この妖精さんのドレスとか綺麗〜! あ、こっちのドレスもいいなぁ……!」
 イリス・キャロル(ka3503)は、ドレスを着る気満々らしく、色々なドレスに目移りしている。
「それでは、パーティーの準備などに時間が掛かりますし、この部屋にあるドレスでしたら、どれでも着て頂いて構いませんので、ごゆっくりお選びください。ドレスを選び終わったらメイク室に行って頂ければ、メイクをしてもらえるように手配しておきますので」
 依頼人はそれだけ言葉を残して、部屋を出て行った。
「それじゃ、それぞれ気に入ったドレスに着替える? 私は、もう目星はつけてあるけど……」
 シェリーの言葉に「えーっ、早いね! あたしなんて、どれにしようか悩み中だよぅ……」とイリスは困ったように眉を下げながら言葉を返している。
「イリスなら、何でも似合うと思うけど……気に入ったドレスを見つけて、その中から選べば?」
「うーん、そう思ったんだけど……どれもこれも素敵なドレスだから、迷っちゃって……」
「まぁ、ゆっくり探していいって言われているし焦らなくてもいいんじゃない?」
 シェリーは自分が選んだドレスを持って、更衣室に向かい始める。
「この靴、何で出来てるんだろう……? ガラスの靴っぽいんだけど、履いていて違和感も何もないし、凄く快適なんだけど……」
 ロザーリアは試しに履いてみたガラスの靴を見ながら、首を傾げる。
「ロザリーさんは、そのドレスに決めたんですの? えっと、シンデレラ……?」
 ウェンディはかくりと首を傾げながら、ロザーリアに問い掛ける。
「そうだよ。ガラスの靴まで再現されているし、ドレスもキラキラで綺麗でしょ? 最初から、このドレスは気になってたんだけど、手触りとかもいいし、何より目立つし、これにしようかな」
「ロザリーさんに、とても似合っていると思いますわ。わたくしは、こちらを選ぼうかと……」
 ウェンディがロザーリアに見せたドレスはオデット姫がモチーフになったものだった。白鳥のような羽根飾りがついていて、ウェンディにとても似合いそうなドレス。
「この部屋にあるドレスって、童話とかがモチーフになっているのかしら?」
 ユーチャリスが手に取っているドレスは人魚姫がモチーフになっているであろうマーメイドラインの淡い水色ドレス。人魚姫をイメージさせる真珠や珊瑚の装飾品がきらきらと特徴的だった。
「これを着た私っていうのが全然想像出来ないんだけど……」
 ドレスを着ることが初めてのユーチャリスは、どんな自分になるのか少しドキドキだった。
「ユーチャリスなら、凄く綺麗になると思うよ、その人魚姫のドレス、絶対似合うはずだから」
 少し不安そうにしているユーチャリスに、クロエが安心させるように優しい言葉を投げかける。
 そんなクロエが選んだドレスは親指姫をモチーフにしたもの。大輪の赤薔薇が咲くイメージとして作られているのか、少し――いや、かなり目立つデザインになっている。

※※※

 それぞれ、自分がどのドレスを着るか決めた6人は別々の更衣室に入り、ヘアメイクなどをプロにしてもらう事になった。
 その間にもパーティーの準備は着々と進んでおり、それぞれのドレスを着た姿を見るのは、パーティー会場で、ということになるらしい。
「軽い気持ちでお誘いしたんですが、誘って良かったかもしれませんね。彼女達を見ていると、新しいイメージも沸いてきますし……」
 6人の着替えた姿を先に見た依頼人は満足そうに微笑みながら呟いた。

※※※

「今回は突然のパーティーにもかかわらず、ご参加頂き、ありがとうございます。以前から届いていた脅迫状の件ですが、6名の女性が解決してくれて彼女達をねぎらうためのものです」
 パーティーに来てくれたお客さん達に挨拶をした後、パッと6人にスポットライトが当たる。
 その途端、お客さん達から「おおっ」という声が響く。
 シェリーはヴァンパイアをモチーフにしたドレスを着ており、黒薔薇をあしらった豪著なロングドレス、アクセントとして赤いカラーコンタクトを入れている。
 小さな牙をイメージしたマウスピースが余計に妖艶さを醸し出しており、男性達は少し頬を染める者もいた。
「凄く似合ってるよ、ふふっ、シェリーみたいなヴァンパイアだったら襲われてもいいかも!」
 シェリーの姿を見て、イリスは自分の事以上にはしゃいでいる。
 ちなみにイリスの着ているドレスは妖精をモチーフにしたもので、背中が大きく開いたドレス、羽根の装飾品を身に付けて、大胆に開いた胸元に可愛らしさよりもセクシーな雰囲気が強かった。
「妖精のドレスか、イリスに凄く似合ってるよ。可愛いし、色っぽい所もいいと思う。そういえば、リアルブルーの物語でイリスの着ているドレスに似た妖精の話があったな、悪戯妖精だけど」
「あたしは悪戯なんて、しないよ……多分」
 シェリーの言葉を聞き、イリスは自信なさ気に視線を逸らしながら答える。
「どうして『多分』なのよ。言い切らない辺りがちょっと怪しいね」
 くすくす、と微笑みながらシェリーが呟くと、イリスは「むぅ……」と頬を膨らませていた。
「ロザリーさんのシンデレラも、凄く綺麗です……! ファンとしては眼福ですわ」
 ロザーリアのシンデレラ風ドレスを見て、ウェンディはにこにこと満面の笑みで話しかけた。
「ウェンディも綺麗だよ。オデット姫って凄くぴったりだと思う。イリスの妖精や、シェリーのヴァンパイアとも違った雰囲気で、ウェンディにぴったりのドレスだと思う」
「ふふっ、ロザリーさんにそう言って頂けると嬉しいですわ。それにしても誰かと被ってしまうかもと少し心配していましたけど、見事に皆ばらばらのドレスを選んだんですのね」
 ウェンディが他の女性達のドレスを見ると、確かに被った雰囲気のドレスはいない。
「けど、こういう格好もいいものですわね、ふわふわしたドレスを着ていると心が弾みますわ」
「そうだね、あたし達はハンターだけど、女性なんだって事を思い出させられるよ」
「ふふっ、それは女性として忘れてはいけない事ではありません?」
 ウェンディの言葉に「それもそうだっけ」とおどけたようにロザーリアが言葉を返す。
「私は、もう少し温かい感じにすれば良かったかしら……」
「清楚な感じでいいと思うよ、真珠や珊瑚がスポットライトに煌めいて綺麗だし……うん、私はその人魚姫みたいなドレスはいいと思う」
「そ、そうかな? クロエがそういうんなら、これで良かったのかも……」
 クロエの言葉に、ユーチャリスははにかみながら答えた。
(けど、クロエのドレス姿……凄く、綺麗……ちょっと、羨ましいなぁ)
 ユーチャリスが心の中で呟いていると、依頼人がクロエに近づいてくる。
「そのドレスを着こなす女性がいるとは思わなかった、デザインした私が言うのもなんだけど、華々しすぎて着る人を選ぶドレスになってしまったからね、けど君にはぴったりだからかえって良かったのかもしれないな」
 デザイナーから褒められるクロエを見て(やっぱり、クロエって凄いなぁ……)とユーチャリスは心の中で呟いていた。

※※※

「今日はいかがでしたか?」
 パーティーが終わった後、依頼人が6名に話しかけてきた。
「とても楽しかったよ、ちょっと気恥ずかしかったけど……」
 クロエが頬を染めながら言葉を返す。
「私もあなた達のおかげで、良いデザインが浮かびました。試作品が完成した時、あなた達の都合さえ良ければですが、また遊びに来て頂けますか?」
「わたくし達でいいんですの? ……わたくしは嬉しいですけど……」
 ウェンディが少し驚いたように言葉を返すと「あなた達だからこそお願いしたいのですよ」と依頼人がにっこりと微笑みながら答える。
「また今回みたいなドレスが着られるなら来たい!」
 イリスは満面の笑みを浮かべながら、手を挙げて賛成の意を示す。
「そうだね、こういうドレスを着るのも楽しかったし、今度は別のドレスを着てみたいという気持ちはあるかも……」
 他にも気になるドレスがあったのか、ロザーリアも頷きながら言葉を返した。
「そうそう、今回はハロウィンということで童話などをモチーフにしたドレスが多かったのですが、肝心のハロウィンらしいことをしていませんでした」
 依頼人は思い出したように、6人にお菓子の箱を渡す。
「本来はトリックオアトリートと言われてからお菓子を出すのですが、まぁ、いいでしょう。帰り道に気をつけて下さいね」
 依頼人に見送られながら、6人はデザイナーの屋敷を後にする。
「こうしていると、何か夢から覚めた感じがするね」
 シェリーがポツリと呟く。
 さっきまでは本の中の住人のような格好ばかりだったけど、今はもう現実に戻り、いつも通りの服装になっている。
「ハロウィンが見せた夢、みたいな感じです」
「そうかも。またああいうことを経験出来るように、ハンター稼業を頑張らなくちゃね」
 それぞれの思いを吐露しながら、6人はギルドへの道を急いだのだった――……。


―― 登場人物 ――

ka3502/シェリー・カートライト/20歳/女性/人間(リアルブルー)機導師

ka0996/ロザーリア・アレッサンドリ/21歳/女性/エルフ 疾影士

ka3503/イリス・キャロル/16歳/女性/人間(クリムゾンウェスト)魔術師

ka3505/ウェンディ・フローレンス/17歳/女性/人間(クリムゾンウェスト)聖導士

ka3511/ユーチャリス・フェアフィールド/21歳/女性/エルフ 霊闘士

ka3512/クロエ・フェアフィールド/18歳/女性/人間(リアルブルー)闘狩人

―――――――――

こんにちは、水貴です。
今回は『HC仮装パーティーノベル』をご発注頂き、
ありがとうございました……!
沢山の可愛い女性を書けて、とても楽しかったです……!

内容の方はいかがだったでしょうか?
気に入っていただける内容に仕上がっている事を祈ります……!

それでは、今回は書かせて頂き、ありがとうございました!

2014/11/23
HC仮装パーティノベル -
水貴透子 クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2014年11月25日

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