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『何処かの小娘に情報を伝達した後の話。 』
黒・冥月2778)&鬼・湖藍灰(NPC0479)

 ひとまず、差し当たっての問題は。

 無事ここから退散するに当たりどうするか、と言う事になる。…白王社、月刊アトラス編集部――にある応接室。ここに依頼主の小娘を連れ込んで、「今の私の目的」こと先日この小娘に依頼された――と言うか依頼させた件の「情報」を伝達する事は叶ったのだが――この部屋に入って来た時の状況からして、扉の外ではアトラス編集部の有象無象が――突撃取材でもする為に、依頼人の小娘の身柄が応接室から出て来るのを手ぐすね引いて待ち構えている気がしてならない。

 用件を済ませた黒冥月としては、取り敢えずそちらに意識が向く。

 今現在の依頼主の小娘の状態では、そんな外野の事にまで気が回っているかどうかは不明、か。そう認めた時点で少し考えて――ちょっとした対策として、影を用いて空間を繋いでみた。…要するに、影で簡易的な通路を作成する。いきなりそんな行動を起こした私に依頼人の小娘は訝しげな顔をし、少々警戒していたようだったが――ここを通って行け、外の脇道に通じている。と言ったら軽く目を瞠られた。
 私はそれ程意外な事を言っただろうか。…言った気もするな。私にしては意外な行動と思われるかもしれない。仕事内容と直接関わらない部分で――利害が生じない部分でこんな温情めいた事をするなんて。私自身でも少々意外かもしれない。依頼人の小娘の方にしてみれば、何か裏があるかと疑うのもわかる。…だが。
 …安心しろ。別に罠に嵌める気は無い。理由は…ただの気まぐれだ。今のお前のそんな顔を見たら外の記者連中がどう動くか。…想像は付くからな。晒し者にするのは忍びない…ただそれだけの話だ。

 …少し感情移入が過ぎるか? まぁ、自覚はある。と言うか、話していて今自覚したとでも言うべきか。…奴を救えなかった事、案外私にも響いているらしい。お前にしてみれば実際に手を下しておきながら何を、と思うかもしれないが。自分でもそう思う。…自問するたび、どうにも苦い笑いが浮かびそうになる。

 多少躊躇いはしたが、私の申し出通り依頼人の小娘は最後には素直に影の通路を使用する。…その時どんな様子でどんな顔をしていたかなどは誰にも語る気は無い。ともかく、彼女のその様を見送って――実際に影の通路から外の脇道に出たとまで確認出来た時点で、私は、さて、と次の事を考えた。

 言葉では依頼はされていない。だが逆に、態度の方ではされてしまったようなもの――どちらにしても放っておく気にはなれない。ならば次に私に出来そうな事は、扉の向こうに居たあの男――あの依頼人の小娘も躊躇う男との交渉か。まぁ、当たって駄目そうなら他の手段を考えればいい。

 どうせ、この依頼自体が駄目元なのだから。



 そう開き直りつつ、私は用の済んだ応接室を後にしようと扉を開ける。…扉の外には予想通りにアトラスの記者共が群がっていた。扉を開けた私の姿を認めるなり、開かれた扉のその隙間に雪崩れ込むようにして私の背後を――室内を確認。当然、誰も居ない。…依頼人の小娘が無事通過した事を確認した時点で影の通路は消してある。記者共は同席していた筈の私の方にも中に居たもう一人は何処かと食い付くが、律儀に答える義理は無い。それより今は、用がある。
 応接室から一歩出た時点で、当の用がある相手の所在を探す。…先程その男が居たのは、アトラス編集部室の隅に自然発生的に出来たと思しき簡易的な休憩スペース。まずそこに視線が向く――と、まだ普通に居た。ライターらしい奴の方もまだ居て、二人で時折話もしている――話と言っても、何やら気安い雑談に近い様子で、仕事の打ち合わせ等とは根本的に違う風。その姿が確認出来た時点で、私はそちらに歩を進める――まだしつこく食い下がって来る記者共は放置。少々鬱陶しいが、まだ私の行動の明確な邪魔にまではなっていないので特に対処はしない。
 程無く、当の相手――鬼・湖藍灰だったか――の前にまで辿り着く。と――ソファに座ったままで、何やらきょとんと見上げられた。相手に私が認識されたと見た時点で、口を開く。

「仕事を頼みたい。場所を変えて話をしよう」

 開口一番、そう切り出す事をする。…依頼人の小娘が躊躇う程の相手だ。腹芸は考えず素直に真っ向からこちらの事情を伝えた方が良いだろう――そう思ったら。

「仕事?」
「そうだ」
「特に何も受け付けてないけど」

 …然り。
 まぁ確かに、そんな生業だと公言している者でも無ければいきなりそんな事を言われてもまず乗らないか。思い、話を噛み砕いて伝える事を考える。

「…なら、相談があるとでも言い直そうか。相談を受けて頂けるのなら、見返りの用意はある…つまり仕事としての取引が出来ればと思ってな」

 …どちらにしても目的は同じ。この湖藍灰との交渉を行う事――そもそも交渉にまで話が持ち込めなければ何も進まない。そこまで行かなければ、今この男に声を掛けた意味が何も無くなる。
 言い直した私の科白を聞くと、湖藍灰は何やら不思議そうに――それでいて何処となく思案げにゆっくりと首を傾げて来る。…それだけの仕草でも何だかやたらと軽薄に見える。
 あくまでぱっと見ではそうであるのだが。

「? ふーん? …あ、そうだ。んじゃ取り敢えず表の喫茶店でメロンクリームソーダ奢って貰える?」
「構わないが…メロンクリームソーダ?」
「いや、あの見るからに身体に悪そうな奴、久し振りに飲みたいなーってふと思い付いたから。それに場所変えた方が良いんでしょ?」

 何だかよくわからないけど。そういう話ならちょうど良いから飲みたいなーって。湖藍灰はあっさりそう言ってのけると、よいしょとばかりにソファからすぐに立ち上がる。それまでしていた雑談の方はあっさりと切り上げ、同席していたライターの方にも断りを入れたかと思うと――私より先に軽い足取りでアトラス編集部室から出て行こうとする。

 と、なると。

 どうやらこのメロンクリームソーダとやらで、この男を交渉のテーブルに着かせる事は出来た…と言う事になるらしい。
 …この程度の反応が普通に返って来るとなると。やっぱり今の時点では当初の印象通り、この湖藍灰と言うのは無駄に気さくな…それでいて虚無の境界とも関わりがあるらしいと言うどうにも妙な男にしか思えないのだが。

 さて、どうなるか。ひとまず私の――私たちの後を尾行してくる気満々の記者共には、後を尾けるなよ、とのわかりやすい一言と合わせて、素人でも感じる程度の殺気を放ち一応脅しておく。とは言え相手がアトラスの記者である時点で充分な効果があるかどうかは不明。ついでに、いつの間にかこちらを振り返っていた湖藍灰からは、わお、とか何やらおどけたような軽い感嘆が上がってもいる――今の私の威嚇に近い殺気を認めてだろう。…が、それ以上には特に響いた反応は無い。
 …幾ら直接ぶつけられたものでは無いにしろ、今の私の殺気を認めてこれでは、正直、態度が軽過ぎる。この男、この程度の殺気には慣れている…と言う事なのかもしれない。
 やはり一筋縄では行きそうに無いか。



 白王社ビルに程近い喫茶店。

 湖藍灰御所望のメロンクリームソーダは、どぎつい緑も鮮やかな炭酸飲料の上にバニラアイスが浮かべられた古典的な代物だった。見ただけである意味閉口する。…自分にはどうも縁が無い類の飲み物なので。ついでに言うなら、対面席で無邪気かつやけに嬉しそうにそのメロンクリームソーダを飲んでいる…と言うか食べている色々何とも言い難い成人男性の姿と言うのは…正直、どうにも声を掛け辛い。…この状況。例えば対面に掛けているこれが己の想い人であり、逢瀬の最中の出来事ででもあるのならいざ知らず。…いや、想像し掛けただけで何だか冒涜の気がして、脳内で具体的な像を結ぶ前に慌ててその思考を振り払った。
 何にしろ、いつまでもそんな湖藍灰を前に黙ったままで居ると言うのもどうかと自覚はある。私は密かに影を使って記者共の追跡が無いかを探り確かめながらも、改めて話を切り出す事をした。

「…で。本題の話なんだが」
「ん? ああ、何か相談あるって話だっけ」
「…。…その為に呼んだんだが」
 大した面識も無い人物をただメロンクリームソーダを奢る為だけに喫茶店に呼ぶ訳が無かろう。思わずそう突っ込んだら、そりゃそうだよねぇ。と湖藍灰からは呑気な同意が返って来た。そしてそれ以上は特に何も言わず、また目の前のグラスの中身に興味が戻っている。
 なら、この男はこの状況でも耳の方は確りこちらを向いていると判断する。…話を促しはしないが、無視もしないと言う事だろう。

 改めて本題に入る。
「特異な能力をお持ちだと伺った。…こういう事は出来るだろうか」
「?」
「何と言うかな。かなり特殊で強大…らしい魂を呼び寄せ、何の柵も無い肉体を用意し定着させる事をしたい」
 そもそも、これで上手く説明出来ているかもいまいち自信が無いのだが。私なりに話を纏めると、だいたいそんなような事をしたくてな。その為に湖藍灰の助力を乞いたい。
「んー…さっきアトラスで応接室借りてた件と関係ある?」
「そこはな。『彼女』の名誉の為に話すのは控えたい」
 まぁ、こんな答え方では微妙に匂わせているも同然の気がするが。今回の件では、そんな悪戯心…に近いものも私の中にあるのかもしれない。
 湖藍灰は特に追究はして来なかった。…ただ、軽く首を傾げただけ。
「そお? んじゃあその『魂』って…あ、ひょっとして元霊鬼兵?」
「…霊鬼兵ならそういう事はよくあると言う事か?」
 かなり特殊で強大な…この世の者ではなかなか扱えぬ程の魂、になる事は。
「…どうかなぁ。俺は聞いた事無いけど。ただ、そのコが――その『魂』が元霊鬼兵だって言うなら――もし『彼』だったならそのくらいの魂になってる事も有り得るかなーって心当たりが無い事も無いから。…ほら、随分御執心だったみたいだし?」
 湖藍灰はそう言うと、私を意味ありげにちらと見る。御執心。それは――私の依頼人の小娘が、と言う事か。そこまで承知と来るのなら、今私が話した内容だけで、何をどうしたいのかこの男は薄々察していると言う事にもなるだろう。
 が。
「…信用上、個人名は伏せて話をしたい」
「…それもう伏せてなくない?」
 そんな気はしないでも無いが、肯定はしない。…敢えて答える事をせず、話を続ける。
「私はオカルトは専門外でな。知識だけでも借りられれば有難い」
 勿論、全部やってくれたら楽だが。…心の中だけでそう続けてはおく。
「知識だけ借りて何とかなる当てあんの?」
「当ては無ければ作る」
 アトラスやら草間興信所やらで伝手も探せるだろうし、そもそもあの『担当医』に知らせれば何か「新しい治療法」を見付ける可能性だってある。
「可能、との答えが頂けるなら貴方に全て頼みたいとも思っているが。その為に必要な物があるなら集めよう…大きな犯罪でない範囲でだが」
 IO2に目を付けられたら元も子も無い。
「…」
「報酬は払える範囲で出そう」
 当然、そのメロンクリームソーダだけでなく。…昔の暗殺業の報酬が腐る程ある。
「交換条件に何か仕事を命じてくれてもいい」
「お仕事?」
「…今はフリーの用心棒や探偵のアルバイトを生業にしている。…他にも裏の世界にならそれなりに通暁しているが。主にオカルト方面では無い方向の、だがな」
 後は、影を自在に操る能力を持ってはいる。
「…。…それ、言っちゃっていい話?」
「構わない。…言える事は言うさ。私の事ならば隠す事は何も無い。私に出来る事で、湖藍灰にとって仕事を受けるに足る、何かしらの有用だと思える要素があれば願ったりなのだが」
「んー…悪いけど、その辺は結構間に合ってるんだよね。強いて言うなら今食べてるこれみたいなのが時々気が向いた時に欲しくなるくらいで」
 メロンクリームソーダ。
「そうか。…そんな事で良いのか?」
「いや、受けるとは一言も言ってないけど」
 その仕事とやら。
「『彼女』に恩を売っておくのは悪い事では無いと思うが」
「まぁそれも否定しないけど」
「話せない事が多くて悪いが…どうしても難しいか?」
「いや、受けるとは言ってないけど断るとも言ってない」

 …然り。

「まだ保留と言う事か」
「…って言うか、手っ取り早い可能性が思い付かないでも無いけど、今の話聞く限りだとちょっとどーかなぁって気がして」
「! …あるのか」
 出来る方法が。
「あるって言うか…「霊鬼兵だった頃の素体」の「血縁者」に協力頼んでみたら? って至極単純な事になるんだけどね。元霊鬼兵なら、構成要素の中で一番影響強かった『部品』が結局一番馴染みが良い事になると思うし」

 乱暴な事言っちゃうと、素体の血縁の人から遺伝子ちょっと分けて貰って培養して複製人間でも作ったなら、普通に一番可能性高いと思うよ。
 でも当然それだと何かしらの柵が出来る可能性はあるし、用意出来たとしてもそれで確実に可能とも言い切れない。そもそも複製人間の時点でもう「別の人間一人生まれました」って事にもなるしね。処置して元から魂無しの複製人間作るとかも、今時その筋の専門知識があるならやろうと思えば出来るだろうけど…でもそれ多分『彼』なら嫌がるだろうなぁって。ほら、自分の為に確実に一人犠牲にする事になる、と見做すだろうからね。
 …そうだなぁ…例えば素体の血縁者本人同意の上で人形――特に犠牲を払うような素材から作ってない奴ね――に素体の血縁の遺伝子使って性質やら能力の移植でもしてどうこう…とかの手段を使うなら『彼』も素直に試してみる気になるかもしれないけど。

「て言うかさ。…『魂』本人に聞いてみたら?」
「それが出来たら苦労はしない」
「でもさっきアトラス居たっぽいじゃん」
「………………何?」

 居たのか。

「…お前、わかるのか?」
「んー、何となく?」
「なら、その『魂』との意志の疎通を可能にする手段、の方には心当たりは無いか?」
 と言うか、お前はその『魂』との意志の疎通が可能なのか?
「…まぁ、出来なくも無いけど。魂とか霊とか精とか神とか悪魔とか、普通じゃ目に見えないけど「いる」ものとの意志の疎通って、結局どれだけ強かろうがチューニングの問題になるから…でも」
「でも?」
「やりたくない」
「理由は?」
「…こっちは心当たりがかなり限定されるから。…元霊鬼兵って事なら、多分、該当の魂に対応出来る交霊術って言うかその手の儀式はそもそも存在してない。何て言うか、魂の質とか魂当人が元居たコミュニティの宗教観とかその辺の関係で色々儀式の――チューニングの遣り方あったりするんだけど、元霊鬼兵じゃ、そういう既存のかっちりした儀式はまず合わないんだよね。…となると、方法としては誰か巫覡の性質が強い身体を霊媒として一時的に借りる力技しかない。…要するに単純に有名どころで本物のイタコとか、虚無で言うならポゼッショナーとかそっち系の方法使えば出来るよ。…素質ある巫覡の身体を一時的に霊媒に借りて、憑坐として憑依させて会話させて貰うって形でね」
「それは難しいと聞いたが」
「だから心当たりが限定されるって言ってんの。「憑坐を選びさえすれば」普通に話せるよ。…可能か不可能かだけで言うならね。性能の高い憑坐使えば出来るのは確実。でもどのくらい性能が高くなきゃ駄目かって言うと、かなりのレベルの憑坐が必要になるからそっちを探す方がむしろ困難になる。だから黒いおねーさんも難しいって聞いてるんだと思う」
 難しい=出来ないって訳じゃない。
「なら、可能なレベルの憑坐の心当たりがあると言う訳か」
 湖藍灰には。
「…『使った』らその時点でその『憑坐』の方がそれこそその筋の組織から一気に目を付けられる」
 だから、やりたくない。
「先程『魂』本人に聞けと言わなかったか?」
「ただの言葉のあや。…知識だけでも有難いって言ってたよね?」
「まぁそうだな。だがそこまで聞かされてしまうと、その「心当たり」とやらが誰なのかを伺いたくなる」
 貴方の言う「心当たり」本人に直接交渉する事も考えたい。
「無理」
「何故だ」
「全く自覚が無いし、無意識下でそう扱われるのを避けてもいるから、話振っても「何言ってんだこいつ」って思われるのがオチ。そもそも交渉にまで話が持ってけないと思うよ」
「…? いったい誰なんだ」
 そいつは。…つまりは能力を使っただけでその筋の組織から目を付けられる可能性があるとなると――普段はその能力を使っていない、即ち、自身に霊を憑依させる事を専門としている者では無いのだろうとだけは受け取れる。が…同時に、湖藍灰の言い方では随分と具体的な心当たりがあるように聞こえる。
 …いったい誰なんだ。直接口に出して訊いてはみたが、ここは答えは返って来ない可能性もあると思っておく――が。

「うちの子」

 答えは来た。
 ならば。

「…虚無の者か」
「じゃなくて」
「?」

 即座に否定され、暫し黙考。
 この男に「うちの子」などと言われながら、虚無では無い…となると?
 思わず考え込んでしまったところで、何故か、ああ、とばかりに湖藍灰が何かに気付いたようにぽむと手を合わせていた。…テーブルに置かれたグラスの中のメロンクリームソーダはそろそろ飲み終わっている。

「取引の条件幾つか思い付いた。…まずは、うちの子自身が今回の件のお手伝いにOK出す事が第一。あと、うちの子の霊媒体質の件は外野には絶対に秘密にする事。あと「俺から聞いた」って事はうちの子との交渉の材料にしない事。可能なら俺から聞いたって事は完全に秘密にしてほしい。これらの条件クリア出来たなら、霊媒使ってその『魂』と意思の疎通をするお膳立ては俺の方でやってあげるよ」

 てな訳で、交渉するならアトラスにお戻り下さいな? …あいつ、まだ当分編集部に詰めてるげな事言ってたからさ。

「…」

 それは、つまり。
 心当たりの霊媒と言うのは。

「…お前と話していたあのライターが、と言う事か?」
「正解。…ああそうだ、ちなみに言っとくと、素体の血縁の方を当たるならその時点で犯罪とか関係無くある意味IO2巻き込む事にもなっちゃうと思うから、覚悟してね」
「…何?」
「俺の知る限り、『彼』の素体の血縁て二人共IO2と縁が深いから」
 それでも良ければ…何処かの探偵さんとかは結構詳しく知ってる気がするから、聞いてみたら?

 湖藍灰はそんな事まであっさり言って来る。
 今の時点では、拍子抜けする程順調に交渉が進められた気がするが、提案された件はまたどれも厄介そうな話でもある。大雑把に分けてライターの方と素体の血縁の方、今回は打てる手が複数あるが…。

 さて、どう動いてみようか。

【何処かの小娘に情報を伝達した後の話。複数手段の提案あり】
PCシチュエーションノベル(シングル) -
深海残月 クリエイターズルームへ
東京怪談
2015年02月18日

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