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『〜実家だよ! だいがくいちねん、ふれいやにっき!〜 』
フレイヤja0715)&梅ヶ枝 寿ja2303



○side:よしk(訂正)フレイヤ


 はぁい! 久遠ヶ原の八百万(誇張)もとい三万千五百四十六人(六月調べ)の皆、元気かな!?
 久遠ヶ原と四国往復しすぎてちょっと実家の位置忘れそうな私は今、実家というマイホームにゴーホームしてる真っ最中です。フレイヤ(ja0715)です。
 いやーいつぐらいぶりかなーハハ「よしこちゃんもそろそろ卒業ねー」なんてナチュラルにこっちの臓腑を抉ってくれる電話攻撃にも耐えてたっていうのに、いやぁねー、ついに「一度実家に帰って来い」なんて呼び出しくらっちゃったわよ! 帰りたくねえええ!!
 なんでって?
 そりゃーあれですよ、久遠ヶ原好きすぎて永住したくて頑張ってた結果が――あ、ハイ嘘です。毎回試験でテクニカルに赤点ぶっちぎって留年し続けた事実が親バレした結果ですはい。
 いやー、どうしようかねコレ。
 なんかもう心臓ばっくんばっくんで指先震えちゃってるんですけどマジぱねェ。
 とりあえず壁(人間)というかサンドバック(人間)は用意したからそれもってきゃなんとかなんじゃね? っていうか単にぼっちで帰るの怖かっただけですが!!
 ああー……なんでこんなことになったのかなー……


○side:ことぶk(訂正)梅ヶ枝 寿


 えー……久遠ヶ原に残ってるダチ連中、元気だろーか。俺はちょっと今から死亡フラグ立てそうな感じです。梅ヶ枝 寿(ja2303)です。
 よしこ(※フレイヤの本名←)がおもむろに朝テルしてきて、俺寝起きなんですけどって、あハイすんませんなんでもねーす。よくわかんねーけどついてきゃいーの? ってェノリだったわけですけど、なんか今よしこと二人でよしこの実家行くことになってます。どういうことなの。
 好きな子の実家イベントとかやばくねこれ!?
 唐突すぎて現実味無いんだけどいきなりやばくね!?
 何、おれついに男としてハッピーなエンドマーク期待していいの!?
 いいんですかよしこさーん!? なんか青い顔で遠い目しちゃてますけどもしもーし!?
 ああー……俺ウッキウキしていいのかなー……?


☆(ゝω・)v☆


「で、これはどういうことなんだね」
 日本。埼玉。どっかそのへん。
 怜悧な眼差しにキラリと光るメタルフレームな眼鏡をかけた男の眼差しに、フレイヤと寿は震え上がって正座した。
 ごくごく普通の本間八畳の和室には、ご先祖様の仏壇と、掛け軸のかけられた床の間がある。飾られている壺が家を出る前と変わっているのだが、傍目に見ても謎な造形をして家人のセンスにちょっとかなり疑問を覚えた。……なんで手が生えてんのアレ?
(絶対あれ買ったのパパでしょ)
 パパン。ちょっとセンスがアレでソレ。
(うああああああしかし超やっべぇええええ言い訳何一つ思いつかないまんま来ちゃったよ来ちゃいましたよよしこピンチ!? 誰か助けてクオンザエモーン!)
 観音開きなぅな仏壇からご先祖様が見てそうな気配をひしひし感じつつ、フレイヤはそっと視線を上げた。
 娘の目から見てもそこそこハンサムな気がしないでもないパパの前には、一枚の学生証が。
 無論、ここで寿の学生証を出すわけにもいかず、ちゃんとしっかりフレイヤの物だ。名前こそ<そうるねーむ>だが間違いない。性別も写真も問題無い。だが同じ所に書かれたとある項目が問題だった。

 大学部一年。

 何度見ても、大学一年生。
 ちなみに、入学した時からずっと一年生である。
「入学式は、二千十一年の九月だったと思うのだがね」
 ええ。当日一日におりましたとも。学園に。

「今、何年、かね?」

 にせんじゅーごねんですね。
(親父さんこぇえええええ……!!)
 眼光するどいパパンの静かな声に、寿はそっと畳に視線を這わせた。俺なんでここにいるんだろ。俺かえっていーすかよしこさぁぁぁああん?

 ギロッ

 あハイすんませんなんでもねーす。
「私達はお前がどうしてもというから久遠ヶ原への入学を許可したんだ。危ないと分かっていながら……! それが、なんだ。大学一年生!? いつまでだ!? お前は学業をなんだと思っているんだ! あとそこの男子は誰だね!?」
 キタアアアアアアア多分絶対もう自分のドッキドキイベントじゃねーのわかってる状態でのその問いーっ!!
 寿は泣きたくなった。ほんとなんで俺ここにいるの。てゆかそわそわ浮かれてた一時間前までの俺滅べ。
 だがそこへ素早く救世主が現れた!
「あらあら。まぁまぁ。いいじゃないの孝三さん。若いうちはちょっとやんちゃなぐらいが大成するものよ」
 ママンという名の女神である。
「しかしだね、和子さん」
「孝三さんも若い頃はいっぱいやんちゃしたじゃありませんか。ね〜?」
「う……いや、ゴホンッ。まぁ、それは……」

(ママ、グッジョブ!!)

 フレイヤは密かに拳を握った。留年まずいまずいと報告できなかったが、パパを抑えられるママをこっちに引き込めれば勝利への道は開けたも同然!
 なぜならば!
「和子さんがそういうなら、まぁ……私としても考えなくもないわけだが」
 この二人、
「うふふ。だから孝三さんって大好きv」

 超が三つはつくバカップルなのである!

 ……我が親ながらリア充めェ……
「それに、ほら〜、この子とっても衣装に会いそうだと思わないかしら? ねぇ、孝三さん、ちょっとカメラ出してきて久しぶりに撮影会しましょうよ」
「なん…だと……それは、和子さん、久しぶりに着るのかね!?」
「?」
 二人の会話に寿が目でフレイヤに「(どゆこと?)」と訴えた。

 ―説明しよう!―

 ●フレイヤパパ、孝三は元カメコの現専業農家。知的クール系の顔とスタイリッシュ眼鏡で鬼畜MEGANEっぽい外見だが服は野良仕事用のつなぎだぜ!
  あとちょっとHENTAIです。なんで名前耕三じゃねーんすか?

 ●フレイヤママ、和子は元レイヤーの現専業主婦兼レイヤー向け衣装制作・ネット販売人。説明長いよちょっと経歴多いよでもあるあるだよわりとマジで。
  フレイヤの衣装だって縫っちゃえます。あれ、もしかして魔女っ娘衣装ってママン作?

 ―説明終り!―

「というわけよ」
「いや、脳内に転送されても困るんだ。あとなんで疑問形?」
 仕様です。
「ゴホンッ……まぁ、なんだ、和子さんがこう言うからには、お前のほうにも何かしらの事情があったんだろう」
 ママなんか説得っぽいの言ったっけ。あと事情ってなんだ。
「そこについてはまたいつか説明を受けるとしてとりあえずちょっとカメラ撮ってくる」
 マジすかパパン。
「じゃあ、着替えましょうか♪ あ、よしこちゃんもね?」
 そう言って、和子はポンと寿の肩に手を置いた。
「え?」
「は〜い」
 今回の魔女娘衣装は力作よ〜、太腿が絶対領域よ〜、と物凄まじく危険な単語を発するフレイヤママに寿は三秒経ってから慌てた。
「俺もっすか!?」

「まぁ。まさか、嫌、と?」

「あハイすんませんなんでもねーす」
 おふくろさんこぇえええ! と震え上がる寿に、フレイヤはそっと視線を逸らせた。
 ちなみにママ、怒ると怖い。たぶんパパより遥か上。
「じゃあこっちに来てね。ああ〜心がぴょんぴょんするわぁ〜♪」
 ママ若ぇなと思いつつ、寿は心の中で盛大に絶叫した。
(俺なんでここに来たの!?)

 恋愛ってな、惚れた方が負けなんだぜ、ボーイ?


★(ゝω・)v★


「あらあらまぁまぁ。素敵だわぁ、いいわぁ、お肌ぴちぴちね〜」

 タスケテ。

「こwとwぶwこwぱねぇwwwww」

 よしこあとでミテロ。

「視線こっち! 違う! 右足はもうちょっと内側に! よーしよしよし!!」

 パパちょっと鼻息荒いっす。

 死んだ魚の目になっている寿を中心に、フレイヤと和子がはいポーズ☆
 なんかもう留年問題もしかしてどうでもよくね? な気配満載。チラと見たカメコもといカメオッサンは、三人の魔女娘()レイヤーによるYUMEの競演に、パパいつもより張り切っちゃうぞ☆状態だ。
(よーし乗り切ったぁあああ!!)
 魂の慟哭あげてる寿の横でフレイヤはいっそ清々しいばかりのしめしめ顔。
 そんなフレイヤに和子はにっこり笑って言った。

「で、よしこちゃん。あとで通信簿、見せてね?」

 フレイヤの時が止まったのは、言うまでも無かった。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ja0715/フレイヤ/女/22/ よしこ 】
【ja2303/梅ヶ枝 寿/男/20/ ことぶこ 】
【???/田中 孝三/男/??/ パパ 】
【???/田中 和子/女/??/ ママ 】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
ご発注ありがとうございました。執筆担当の9318です。
ドキッ☆冷や汗だらけだよ!実家イベントGW編。少しでもお楽しみいただければ幸いです。

皆さまの未来にいつも幸せな笑いがありますように。

■WTアナザーストーリーノベル(特別編)■ -
九三 壱八 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2015年06月15日

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