▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『桜花乱舞 』
サクラ・エルフリードka2598


 とある日の夕暮れ。依頼を終えたサクラ・エルフリードが無事報酬を受け取り、ハンターズソサエティの扉を開け、外に出ると……
 格好から見れば(大きく開いた胸元以外は)清楚な聖職者然とした茶髪に碧眼の美女がにっこりとした笑顔でお出迎え。
「シレークスさん」
 サクラが名を呼ぶと聖職者らしき女性――シレークスがにこにこした笑顔のままとことこ近づいてきた。
「何かご用ですか?」
「もちろんでやがります。そうでなければこんなところに突っ立ってやがりませんよ」
 サクラが問いかけるとシレークスは嬉々とした様子で答えた。
「それで、その用事というのは」
「これから一緒に飲みに行きやがりましょう! その手に持っている袋……お金がたんまり入っている様子でやがりますね。依頼は大成功と見やがりました」
 シレークスは満面の笑み。……サクラは嫌な予感を覚える。彼女がこんなににこにこしているときは何かあるときであるゆえ……。
「その通り。大成功でしたけど……おごりませんよ? 飲みに行くのはまあ……構いませんが。お酒は強くないですけれど付き合い程度なら……。ちょうど夕食を摂りたいと思っていたところですし」
「のんのん。おごるだなんてそんな。わたくしがサクラにたかるように見えやがりますか?」
「見えます」
「Oh! 神よ……サクラはなんと無慈悲なのでしょう。友に信じてもらえないなんて……わたくしはとても悲しいのでやがります」
 シレークスは道端でへたり込み、瞳に涙を浮かべて合掌し、大げさに天を仰いだ。……説明を忘れていたが二人は知り合い同士である。
「立ってください人が見ています」
 こちらに向かって好奇の視線を向けてくる通りがかりの人々……。それに耐えられずサクラはシレークスの両脇を抱えて強制的に立たせた。
 その際にシレークスの豊満な柔らかいものが手に触れ……サクラは少しむっとする。
「……だってあなた……毎日お酒飲み放題じゃないですか。本当にお金あるんですか……?」
 心に浮かんだ小さな嫉妬心を、ぶんぶんと首を振って払いつつ、サクラはシレークスに疑惑の目を向ける……。
「それなら心配ご無用でやがります!」
 シレークスは女性らしい豊かな胸を張る。たゆんと揺れた。……そのしぐさにサクラはまた少しイラッと。
「某お方からいただいた埴輪型貯金箱を粉砕して中身を持ってきたので大丈夫でやがります。これで一晩は飲み明かせるはずでやがります!」
「……粉砕する必要があったんですかね。……ともあれ、それならお金の心配はなさそうです。……というか、やはり飲み明かすつもりですか……」
「よぉし、そうと決まればついてきやがれです」
 そうしてシレークスはサクラの手を引き、行きつけの酒場へと向かった。


 シレークス行きつけの酒場――。
 二人が店内に入ると、やや露出の多い制服を着た可愛らしいウェイトレスに笑顔でテーブルへ案内された。
 二人は席に着き、サクラは肉と野菜のバランスのよい料理とワインを、シレークスは「酒が飲めるぞー!」的な感じで嬉しそうにエールをウェイトレスへ注文。
 可愛いウェイトレスは「少々お待ちくださいませ」と言い、奥へ下がっていった。
 ――まずはお酒がすぐに運ばれてきた。
「依頼、お疲れ様でやがりました! それと大成功おめでとうでやがります!」
「ありがとうございます」
 シレークスはテンション高めに杯を付き出し、サクラがそれに応じ、二人は乾杯。
「ごきゅごきゅごきゅ……ぷはー! この瞬間がたまらねーでやがります! もう一杯!」
 ……すぐさま飲み干してエールのおかわりを注文するシレークスと、
(よくそんなに飲めるものですね……)
 続いて運ばれてきた料理を口にしつつ、シレークスの飲みっぷりに呆れながらワインをちびちびと煽るサクラ。

「…………」
 サクラは食事をしながら酒場の店内を見回す。……この喧噪。独特の雰囲気。自分は基本的に静寂を好むほうだが……賑やかなのも……嫌いではない。
 少し口元を緩めつつ、ナイフで良く焼けた肉を切り、フォークで口に運ぶ。対面ではシレークスが豪快にがんがん飲んでいた。間もなく十杯目にいきそう。
「何をちびちび飲んでやがりますか! せっかく飲みに来たんでやがりますからもっとどんどんお酒を注文しないと損でやがりますよ!」
「私は自分のペースで飲みます。付き合い程度、と言ったでしょう」
 酒が入り気分が良くなったのか少しテンション高めに勧めてくるシレークスだったがサクラは軽くかわした。
「……まったく、つれないでやがりますね」
 シレークスはちょっぴりむくれつつ、十杯目を飲み干して十一杯目を注文。
(今日も無事に依頼を終えてこうして食事が出来る……神のご加護に感謝を)
 サクラはひたすらに飲み続けるシレークスをスルーしつつ、目を閉じて無事に依頼から帰って来られたことを神に感謝した。

 ***

 サクラが食事を終えたころには、シレークスはエール二十杯目を突破。流石に少し頬は赤くなっているもののまだまだいけそうだ。
 対してサクラはワイン二杯でもうご馳走様でした、といった感じである。ちょっとだけ身体が火照り、ふわふわとし、気分が良く……これくらいがちょうどいい。
「では割り勘で。あとはおひとりで楽しんでください」
 サクラが立ち上がろうとすると、その腕をシレークスががしっと掴んで押しとどめた。
「待つでやがります。夜はまだこれからでやがりますよ。それに――」
 シレークスはニヤリと笑い、言い含む。こちらの気を引いているのだろうか。サクラは首をかしげた。
「なんです?」
「この酒場には『とっておきの美酒』があるでやがりますよ。わたくしは……少々お高いので遠慮するでやがりますが、報酬が入ったばかりのサクラなら問題ないと思うでやがります」
「とっておきの美酒……そんなに美味しいんですか?」
「ええ、それはもう。せっかくここに来たからには飲んで帰らないと大損でやがりますよ。いつもあるわけではないでやがりますし」
「美味しいお酒……では……少しもらいましょうか……」
「そうこなくっちゃでやがります!」
 と言ってシレークスはウェイトレスを呼び、「例のアレはあるでやがりますか?」「はい、今日入ったばかりです。お客様は運がいいですね♪」などと会話。
「それじゃあこっちの人に一杯」
「かしこまりました♪」
 ウェイトレスは嬉しそうにスキップしながら下がっていく。シレークスが言ったようにけっこうな値段のお酒なのだろう。サクラは若干の不安を覚えた。お財布的な意味で。
 そして間もなく『とっておきの美酒』が運ばれてきた。それは清水のように透き通り――芳醇な香りを漂わせていた。これは確かに美味しそうである。
「どうでやがりますか? 美味しそうでしょう?」
「ええ、すごく良い……独特の香りがしますね……」
 思わず見とれていたサクラがシレークスの問いに答える。
「ささ、ぐいっといくでやがりますよ」
 サクラは言われるままに美酒とやらを口にする――と。
「美味しい!」
 サクラには珍しく大きな声が出た。
「でしょう〜」
 にんまりとした笑みを浮かべるシレークス。
「それに……飲みやすいですね、このお酒……。私でもすぐに飲み干せそうです」
 サクラはこくこくと小さく喉を鳴らしながら――言葉通り一気に飲み干してしまった。
「アッ。そういえば確かその酒は……あー」
 何かを思い出した様子のシレークス。そう……このお酒は……この店で一番美味しいのと同時に……一番強いお酒でもあったのだ。
 だが時すでに遅し。それを一気に飲み干してしまったサクラは――
「けぷっ」
 顔真っ赤。速攻で酔いが回っていた。


「むぅ……暑くなってきましたね」
「暑けりゃ脱げばいいでやがりますよ」
 顔真っ赤なサクラに対しシレークスがテキトーに言う。
「暑くなったら脱ぐ……確かにそうすれば涼しくなりますね……」
 サクラは言われた通り、装備したままだった第一装甲、白銀の全身鎧をパージ。
「身体が熱い……まだ涼しくなりませんね……」
「だったらもっと脱げばいいでやがりますよ。暑けりゃ脱ぐに限りやがります」
 もうこうなれば酒場が盛り上がればいいや的な考えでシレークスは煽った。……後に、この発言が彼女をとんでもないことへ……。
「ええ、そうしますね……」
 サクラ、今度は鎧の下に着るインナーをパージ。ブラとショーツの下着姿に。
 ほんのりと赤らんだ白くきめ細やかな肌が露わになる。――その瞬間、酒場が湧いた。
「まだ……熱い……もっと……脱ぐ……」
 今度はブラに手をかけるサクラ。慎ましい膨らみを包み込む布が……剥ぎ取られ……なかった。
「ストーップ! ちょっと待つでやがります。それ以上いけない」
 流石にシレークスが止めに入った。自分のせいで酔って上半身丸出しになったことを酔いがさめたサクラが知ればいくら穏やかな彼女でも激怒するだろう。
「座って水でも飲むでやがります。……ウェイトレスさーん!」
「……」
 だがしかし。とろんとした目つきのサクラ(下着姿)は次にこう言い放った。
「シレークスさんも暑いでしょう? 脱いでください」
「えっ」
「これだけお酒を飲んだのに暑くないはずがありません。脱いでください」
「いや、わたくしは全然大丈夫……」
「脱いでください……」
 サクラの目が座っている……! コワイ! だが脱ぐわけにはいかぬ。
「……そ、それじゃあわたくしはこれで」
 逃げ帰ろうとするシレークスだったが、それを許す酔いどれサクラではなかった。
「分かりました。それでは私が手伝います」
 言うと同時にサクラはシレークスの大きく開いた胸元の両脇に手を突っ込んで肩の部分から一気にヘソの辺りまでひん剥いた!
「きゃあああ!?」
 これにはシレークスも悲鳴。
「さあ脱ぎましょう。もっと脱ぎましょう」
 酔いどれサクラは抵抗するシレークスを力づくで押さえつけ、ぽんぽーんと衣服を剥ぐ、頭巾も取る。
 ――あっという間にあられもない姿になるシレークス。酔いどれサクラの力は尋常ではなかった。
 下着だけはなんとか死守したがそれ以外はすっぽんぽん。生まれたままの姿である。
 シレークスの女性らしい丸みを帯びた豊満な肢体が露わになり、酒場が熱気に包まれた。
 現在はサクラに、床に押し倒されている状態である。
「もう……やめ……」
 涙目のシレークス。サクラは…………ぶは〜〜〜と酒臭い息を吐いた後に、
「ふへへ……」
 彼女に似つかわしくない下品な笑みを浮かべた。酔いが最高潮に達したらしい。
「くそでかい胸しやがってよぉ。私なんかひんぬうで悩んでいるってのによぉ」
 鷲掴み。またも上がる悲鳴。
「いい感触じゃねぇか。こっちの味はどうだ……?」
 首筋をぺろぺろ。
「――ッ!!」
 声にならない声。このままヤられてしまうのかと思うシレークスだったがそこで声が掛かった。
「お客さん方、そこから先は上の宿屋でやんな。二人部屋が空いてるから」
 ニッと笑みを浮かべる酒場の女将。
「盛り上げてくれた礼だ。お代は少し負けとくよ」
「……だってよ、シレークス。今夜は寝かさないぜぇ……」
「ひ、ひぃ〜〜!!」
 ……その後、一晩中酒場の天井がギシギシいっていたそうな……。


 翌朝。チュンチュンと、小鳥の声が響く。
 サクラが目を覚ますと……そこは大きなベッドの上だった。
「……っ」
 ずきんとした痛み。……二日酔いだ。
「一体なにが……」
 記憶を漁ってみる。シレークスに言われ……高いお酒を頼み……その後――
「――っ!!」
 酔って鎧や服を脱ぎ、下着姿になってしまったことを思い出したサクラはぼっと顔を赤く染める。
 そのとき。もぞもぞと隣で毛布に包まった何かが動いた。いや、誰か、というべきだろう。
 ……そっと、覗き込んでみる。隣で寝ていたのは――顔中キスマークだらけのシレークスだった。
 そして彼女は何も着けていない様子。そういえば自分も下着姿のままだ。
 涙目のシレークスは顔を真っ赤にし、サクラの瞳をしっかりと見つめてこう言った。
「責任……取りやがれです……」

END
■イベントシチュエーションノベル■ -
とりる クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2015年06月26日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.