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『―― 雨の日の、そんなふたりの過ごし方 ―― 』
如月 統真ja7484)&エフェルメルツ・メーベルナッハja7941

 梅雨時期の天気予報ほど、あてにならないものはない。
「はぁ、今日は晴れのはずだったんだけどね……」
 如月 統真(ja7484)はため息混じりに呟く。
 今日は晴れの予定だったのに、梅雨のせいで帰宅前に土砂降りの雨に見舞われてしまった。
 そのおかげで、如月と彼が愛する大切な女性……エフェルメルツ・メーベルナッハ(ja7941)は全身びしょ濡れになりながら、ふたりの部屋に帰宅することになった。
「お互いにびしょ濡れだね、大丈夫……?」
 雨に濡れて、いつもより色っぽさが増しているエフェルメルツにドキドキしながら問いかける。
 ポタ、ポタ、と滴り落ちる雫に如月の理性はぐらぐらと揺れているけど、それを彼女に悟られぬよう、冷静な表情を顔に貼りつけている。
「……うん、服も……頭も、身体もびしょびしょなの……」
 しょんぼりとした表情を見せながら、エフェルメルツが答える。
(堪えろ、堪えるんだ、僕……! 色っぽいエフィちゃんをもっと見ていたいけど風邪を引くし)
 エフェルメルツを心配する気持ちと、もっと色っぽい姿を見ていたいむっつり具合が、如月の心の中でせめぎ合う。
「くしゅんっ……」
「あっ! とりあえずお風呂に入ろう! エフィちゃんが風邪引くといけないし、ね?」
 エフェルメルツのくしゃみを聞いて、如月は少し焦ったようにお風呂に入るように促す。
 けれど……。
「……ん」
 エフェルメルツは、如月にギュッと抱きつき、彼の胸に顔を押しつけていた。
 ちなみに抱きついているせいもあり、ぽよんと柔らかな胸も当たっていて、如月は真っ赤な顔であわあわしている。
 もちろん、エフェルメルツは如月が照れるのが分かっていて押し付けていたりするのだけど。
「如何したのかな、エフィちゃん。早くシャワーを……」
「統真も、一緒に入るの……ふたりで、洗いっこ、するの……♪」
「え、えええっ!?」
 可愛い笑顔と共に言われた言葉に、如月は自分で想像していたよりも大きな声を出してしまう。
(あ、洗いっこ……!? つまり、アレがソレで、コレもんの……!?)
 思春期の少年は『洗いっこ』という言葉で、果てしない無限の想像を繰り広げている。
 それはもう、放送禁止に指定されてしまいそうなほど。
「……ダメなの?」
「えっ、いや、ダメじゃないけど……でも、一緒にお風呂って……」
「えへへ、ダメじゃないなら……うれしいの、統真と一緒のお風呂……楽しみ、なの♪」
 まさに天使の笑顔。
 この笑顔を向けられて『恥ずかしいから一緒に入れないよ』と言える男性はいないだろう。
(据え膳くわぬは男の恥……! いや、ちょっと意味が違うけど!)
 如月は強く拳を握りしめ、恥ずかしがりながらもエフェルメルツと一緒にお風呂に入れることを少し――……いや、かなり喜んでいた。

 ※※※

 それから10分後、ふたりは同じ浴槽の中に浸かっている。
 もちろんそれぞれ水着を着用して、ということだけど如月は視線のやり場に困ってしまう。
「エフィちゃん、ごめんね」
「……どうして、統真が謝るの……?」
 かくり、と首を傾げながらエフェルメルツが如月に聞き返す。
「だって、僕が傘を持って出ていれば……」
「……天気予報、晴れだって言ってたの……統真のせいじゃ、ないの」
 それに、エフェルメルツは言葉を付け足して、くるりと如月の方に向き直る。
「雨が降って、びしょ濡れになったから……こうして、ふたりでお風呂に入れたの……」
 だから嬉しい、と頬を赤らめながらエフェルメルツは言葉を返す。
「ぼ、僕も……嬉しいよ、エフィちゃん」
 如月は更に顔を真っ赤に染めながら、小さな声で答える。
「……統真、エフィのこと……好き?」
 当たり前のことを聞かれて、如月は何度も勢いよく首を縦に振る。
「僕がエフィちゃんを好きなのは当たり前だよ。息をするのが当たり前のように、僕がエフィちゃんを好きなのも当たり前のことなんだよ」
 力説する如月に、エフェルメルツはクスッと笑う。
「……エフィも、統真のことが好き……大好き……」
 エフェルメルツの頬が赤いのは、浴室内の気温が高いせいか、それとも……お互いが、お互いを想いあう気持ちが高まって行ったせいなのか、ふたりには区別がつけられなくなっていた。
「えへへ、これから……洗いっこ、するの……♪」
「えっ! ほ、本当にするの!?」
 慌てふためく如月の姿が面白くて、愛しくて、エフェルメルツはにっこりと微笑み、頷く。
 そして、エフェルメルツの積極的なドキドキする悪戯に、如月は振り回されっぱなしだった。

 ※※※

「…統真、大丈夫……?」
 ぱたぱた、とウチワで仰ぎながらエフェルメルツが心配そうに問いかける。
「だ、大丈夫……エフィちゃんこそ、ウチワ……手が疲れちゃうよ」
 エフェルメルツの悪戯で、如月はのぼせてしまっていた。
 それを申し訳なく思っているからか、エフェルメルツはずっとパタパタとウチワで仰いでいる。
「……統真を、のぼせさせたのは……エフィだから……」
 しょんぼりとした表情を見せながら、エフェルメルツが呟く。
(……そういう表情も、いいなぁ)
 別な意味で、また熱があがってしまいそうだ、と如月は心の中で呟きながらエフェルメルツが仰いでくれる風邪を感じていた。


―― 登場人物 ――

ja7484/如月 統真/男性/外見年齢・11歳/ディバインナイト
ja7941/エフェルメルツ・メーベルナッハ/女性/外見年齢・12歳/インフィルトレイター

――――――――――

如月 統真様
エフェルメルツ・メーベルナッハ様

こんにちは、今回はご発注頂き、ありがとうございます。
イチャラブということでご発注を頂いていましたが、
内容の方はいかがだったでしょうか?
気に入って頂ける内容に仕上がっていましたら、幸いです。

それでは、また機会がありましたら宜しくお願いします。
今回は書かせて頂き、ありがとうございました!

2015/7/4
水の月ノベル -
水貴透子 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2015年07月06日

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