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『 遭難!? そうなんです!!(Side:A) 』
柏木 千春ka3061)&マリエルka0116)&シルヴィア=ライゼンシュタインka0338)&岩井崎 メルka0520)&クレール・ディンセルフka0586)&ラシュディア・シュタインバーグka1779
 

 某月某日。
 見上げたクリムゾンウェストの空は、見知らぬ空であった。
 それはまるで、リアルブルーからこちらの世界に流れ着いて来た者が初めて目にした大空のような。
 青く澄み渡り、風も無く、無駄なものもなく、そして雄大であった。
 目の前には真っ白な砂浜に打ち寄せる、美しい波打ち際。
 その先に広がる大海原はどこまでも遥かに通じ、この世界の広大さを物語っていた事だろう。
 燦々と降り注ぐ太陽は、記憶に残る暗雲が嘘であったかのように世界を照らし、波間に照り返す輝きが、散りばめた宝石のように美しかった。
 なんと素晴らしい光景、景色に心も奪われるというものだ。
 ――普通であれば。
「遭難ですか……」
 マリエル(ka0116)の言葉は至極的確に、彼女達の状況を表していた。
 事はそう……果たして何日前の事なのだろう。
 ことこの状況となってはそれすらも定かでは無い。
 いつも談話室に集まるメンバーで海に遊びに出かけていた彼らは、船で最近人気だという観光ビーチへと向かっていたその道中であった。
 突然の嵐に見舞われ、あえなく荒れ狂う海に身を投げ出される。
 そこから記憶を無くして、ふと気がつけば、今のこの状況である。
 とは言っても、彼女らはハンター。
 くぐった死線もあれば、世界を股にかけた大遭難を経験した者だって居る。
 荷物も何も無く途方にこそ暮れる状況であったものの、比較的落ち着いた様子であるのは流石と言うべきか。
 とりわけ2度目の漂流体験であるリアルブルー人の適応能力を侮ってはいけない。
「あちらの皆さんで、食べ物と飲み物を探しに行って下さるようです。流石に十数人連れ立って行く必要はないでしょうし……俺らはどうしましょう?」
 食材を探しに行って来ると言う恋人からの話を聞いたラシュディア・シュタインバーグ(ka1779)は手短にそう説明すると、メル・アイザックス(ka0520)は周囲の流木をノックするように叩きながら、彼に言葉を返した。
「ディア君は一緒に行かなくっていいのかい?」
「あはは……それが、言われてしまいましたよ。『こう言う時は適材適所だ』って」
 メルの言葉に苦笑を返すラシュディア。
 もっとも、普通であればその役割りは男女逆のようにも思えるが……そこはそっとしておこう。
「そう言うメルさんは良いんですか? 彼氏さん、あちらに行かれるようですけれど」
「それこそ『適材適所』と言い返しておこうかな。今、私がすべき事をね」
「そう言うこと! 食材探して着てくれる皆のめに、張り切ってご飯を食べられる準備をしよう!」
 腕まくりして気合を入れるクレール(ka0586)に、同じく気合を入れてメルは頷き返す。
 食べ物があっても道具が無ければ、火が無ければ、何もできない。
 もちろん生という選択肢もあるが、それは鍛冶屋が許さない。
 知恵と腕と資材があるなら、作り出すのが技術屋の仕事。
 ガテン系ハンター、ここに集う。
「とりあえず、手ごろな石と流木を拾ってこよう! 材料が無ければ、何も始まらないからね」
「そう言うことなら、俺も手伝いますよ。唯一の男手、それくらいの見栄は張らせて下さい」 本来の彼の『適材』は食材が来てからこそ発揮されるべきなのだが、今はまだその時ではない。
 そうであるならば、男としてやれる事をやるのみである。
 
 海岸には、嵐の影響か色々なものが流れ着いていた。
 その大半は流木などであったが、中には自分たちの船のものだろうか、いわゆる日用品のようなものもちらほら。
「あっ、これ、飲み水汲んでおくのに丁度良さそうじゃない?」
 砂に埋もれた小さな樽を見つけ、柏木 千春(ka3061)は嬉しそうにそれを掘り起こす。
 ザァと音を立てて中に入っていた砂が零れ落ちると、穴の空いていない丈夫な樽の姿が浮かび上がった。
「樽は何があっても頑丈だ、と言う話は本当なのですね」
「丈夫だからね。船が事故に逢った時、咄嗟に樽の中に避難してたら無事だった、なんて話もあるくらいだよ……って、あっ」
 そう口にして、千春ははっと口を噤む。
 それもそのはず、つい今しがたまさしく自分達が経験したこと……流石にちょっと無責任だったと、ぶるぶると頭を振った。
「ごめんね、そんなつもりじゃなかったんだけど」
「いえ、心配しないで下さい。確かに、この境遇にびっくりはしていますけれど……」
 一呼吸置いて、海岸で作業を進める仲間達に目をやるマリエル。
「みなさん、逞しいですね。私一人慌てるのが馬鹿馬鹿しくなってしまいました」
 マリエルは、ニッコリと笑って見せた。
「もう〜、マリエルちゃんかわいい!」
 思わず、その華奢な身体を抱きしめる千春。
 マリエルはその抱擁を、どこか恥ずかしげながらも嬉しそうに受け入れていた。
 一方、開けたビーチではガテン系ハンター達がせっせと当面の拠点と、その家財の準備に取り掛かっていた。
 流木を重ねた簡易的なテント(ちゃんと男子用女子用両方作ってあるのは、とあるハンターの存在があるから……というわけでは無いとの主張である)に、岩場の石を組み上げた簡易的なカマド。
 そして――
「シルヴィアさん、それは何を……?」
 砂浜に腰を下ろしてせっせと何かを作っているシルヴィア=ライゼンシュタイン(ka0338)に対して、ラシュディアはその手元を覗き込んでいた。
 彼女の前に広がっていたのは数多の木の枝。
 そのうちの1本に細い蔦を伝わせ、ピンと張り詰める。
「武器も何も流されてしまいましたから、こう言うのがあると便利かと思いまして」
 言いながら慣れた手つきで構えて見せた、手作りの弓。
 よく見れば他の木の枝も、先を細く尖らせて海鳥の羽で拵えた手製の矢であった。
「へぇ、器用なものですね」
「軍人時代に学びましたから。タンパク源の確保は重要ですしね」
 矢は番えず、空を飛ぶ海鳥に弓を引いて形だけ撃ち放つ。
 風を切る鋭い音と共に、一瞬の張り詰めた空気が辺りを包み込んだ。
「これで、暫く狩りには――」
 不意に、シルヴィアの言葉が不自然に途切れる。
 だらりと弓を手にした左手が力なく肩から垂れ下がっていた。
「どうかしましたか?」
「いえ……それが、少々厄介な事に」
「?」
 シルヴィアはその場から微動だにせず、ただポツリと己の身に起こったことをラシュディアへと告げたのである。
 それから暫くして――ラシュディアの手を借りてテントに腰を下ろした彼女の姿が、そこにはあった。
「すみません……こんな時に」
 申し訳無さそうに頭を下げるシルヴィアに、ラシュディアははにかんで首を横に振った。
「仕方ないですよ。たまにはそう言うこともあります」
 彼女の身に起こったこと……端的に言えば、手足の限界であった。
 彼女の体の半分を支える義足と義手、その稼動エネルギーが尽きたのだ。
 そりゃ、何日経ったかも分からないようなこの状況で、残存エネルギーの管理なんて不可能に近い。
 半身を失ってしまった彼女は腕も脚も片方ずつしか自由に扱えず、歩く事もままならない状態になってしまっていた。
「せっかくのバカンスですから、たまにはゆっくり休めって言う天のお告げかもしれませんよ」
 まぁ……バカンスと言っていいのかは語弊がありますが、とラシュディアは補う。
 シルヴィアはそれでもどこか居心地悪そうにうなだれていたものの、やがて彼の言葉を肯定するように小さく頷いてみせたのであった。
 その頃、ガテン系筆頭のクレールとメルの2人組は、生活に欠かせないものの準備に奔走中。
 石を磨いてナイフを作ろうとするも、流石に時間が掛かり過ぎると判断したのか打ち砕いて所謂「打製石器」の作成に転換。
 細くて何にも使う事ができなさそうな流木は細かく分割して、調理や夜のための薪として利用することにした。
「――よしっ、点いたっ!」
 ホッとした様子で、額に溜まった汗を拭うクレール。
 その目の前では、石カマドの中で煌々と燃える、まだ小さいながらも炎が燃え盛っていた。
「これで料理もできるね。あとは食材の到着を待つだけかな」
 火の前に座り込んだ彼女につられて、メルもその隣に腰を下ろす。
 こうして火を前にして綺麗な海を眺めていると、ちょっとしたキャンプのようで。
 優しく暖かいその輝きに、ほっと一息。
「ただいま〜」
 そんな彼女達の元に、浜辺の散策に出ていた千春達が戻って来た。
 両手にはいっぱいの流木の薪と、何かしら使えそうなガラクタたち。
 それと――
「見て見て。マリエルちゃんが凄いの見つけたんだよ!」
 そう、興奮した様子で後ろから付いて来るマリエルをとんと押し出す。
 その手に抱えていたものを見て、クレールとメルはその目を見開いた。
「ウソでしょ……!?」
「いえ、それが……」
 マリエルが見つけて来たと言うそれは――水着だった。
 バカンスに皆が用意していたそれは、嵐と共に失われてしまったと思われていたそれが、この島に漂着していたのだと言う。
 波間にぷかぷかと熱帯魚の如く漂っていたそれらを発見し、ここまで持って来たのだ。
「なんと言うか……奇跡を通り越して作為を感じるよね」
 綺麗に全員分揃っている水着を前に、流石にコメントに困るメル。
「でも、これでみんなで海で遊べるね!」
 そうあっけらかんとして答えた千春の言葉に、そんな疑問は些細な事であるような気がしていたのであった。
 

 それから暫くして、密林の探索班が食材を元に即席の大調理大会が始まっていた。
 探索班はそのまま、起きた火を分けてもらって海水から飲み水作りに励んでいる。
「しかし、流石と言うかなんと言うか……すごいですね、これ」
 目の前に広がったのは色とりどりの木の実や、キノコ、様々な山菜。
 海の幸はいろんな種類の貝に……よく分からないナマコ的な何か。
 そして、それ以上にラシュディアの目を引いたのが巨大なイノシシ。
「これ、食料調達班が獲って来たの? いやはや、たまげたもんだよ」
 流石に呆れたように、メルも大きく息をつく。
 しかし、これだけの大物だ。料理人の腕も鳴る。
「これだけの肉があれば、何でも作れますね。素焼きにシチューに鍋だって……」
「でも、味付けするものがほとんどありませんよ」
「あ……」
 マリエルの言葉で、重大な事実発覚。
 漂流なのだ、当然調味料の類もロクに無い。
 シチューを作るための牛乳も、ソースを作るトマトだってありはしない。
 当然、香辛料も。
 かろうじて、空いた時間で海水から作った塩がある程度だった。
「……とりあえず、焼こう! それで万事解決だよ!」
 気を取り直して口にしたクレールの言葉で、調理班は一斉に動き出すのであった。
 とりあえずイノシシはその皮を剥いで(なお、何かに使えるかもしれないと海岸で天日乾燥させている)、脂肪から油分を確保。
 そのうえで、綺麗に赤味の形を整えて行く。
「せっかくですし、丸焼きにしません? 実はちょっと、憧れてたんだよね〜」
 そう目を輝かせて口にした千春の発言で、肉は丸焼きに決定。
「生のままじゃどっちにしろ保存が利かないしねぇ。干し肉にできるほど乾燥した気候でも無いし」
 余ったら火が通った状態で切り分けておけばいいと、メルも賛同していた。
「汁物も欲しいよね。貝がいっぱいあるし、潮汁とかどうかな?」
「ですが、鍋が……」
 汁物を提案したクレールであったが、そんな彼女にラシュディアが重大な事実を告げる。
 調味料もそうだが、そもそも鍋が無い。
 これでは汁モノはおろか、直火以外で焼く事すらままならないのである。
「それなら、海岸にあったよ! 穴の空いてない鉄鍋!」
「ちーちゃん、でかした!」
 集めたガラクタの中から胸を張って取り出した鉄の鍋。
 クレールはほぼ条件反射的にサムズアップで答えた。
「うん、奇跡という事にしよう。全ては奇跡さー。日ごろの行いが良いからかなー」
 メルにはもはやツッコむ気力も無く、遠い視線で吐いた言葉は潮風に乗って流されてゆく。
 鍋に入れた蒸留水に、柱を切った貝や山菜をぶちこんで、潮を振って味を調える。
「そして、これで一気に……」
 クレールが炎の中で真っ黒に熱した丸い石を鍋へとぶち込むと、汁は一気に沸騰し、ぼこぼこと音を立てて具材を煮立てて行く。
「出汁代わりにキノコでも入れましょうか」
「それなら、キノコの処理くらい私にさせてください。流石にお荷物になりっぱなしじゃ、幾ら私でも心臓に悪いです」
 そう申し出たシルヴィアは、現在片手しか使うことの出来ない状態。
 それでも、傘をひらいて柄を取る事くらいはできるだろう。
 何かやっていなければ、彼女の気分は落ち着かなかった。
「じゃあ、お願いします。手が空いたら、薪の流木を折るのも手伝って貰って良いですか?」
 あえてそう仕事を回してあげるラシュディアに、シルヴィアは無言で頷いてみせた。
「ところで……コレ、何でしょう?」
 食材の下ごしらえも進んだ頃。
 慣れた手つきで食材の切り出しを行っていたマリエルが、次に手を掛けようとしていたのは……その、ナマコっぽい何か。
「っていうかこれ、食べれるの?」
 その、青くてぬめぬめして、ぶよぶよしてぷりぷりした謎の物体を前に、メルは思いっきり顔を顰める。
 ためしにつんとつついてみると、ビクンと波打つように反応してそれがまた気持ち悪い。
「もー、誰? こんなの獲って来たの! 後でお説教してあげなきゃ!」
 ぷんすか起こる千春であるが、ちなみに海産物を確保しに出ていた者は調達班の中では1人しか居ない。
「ど、どうする? なんかまだ生きてるっぽいし、海に帰してくる?」
「え、どうしてですか? もったいない」
 クレールの提案空しく、次の瞬間にはラシュディアが謎の生物(しかもそのまま)を潮汁の鍋にぶち込んでいた。
 
「ちょっ……それホントに大丈夫!?」
「問題ありませんって。突き詰めれば万物すべて栄養となるのですから、腹に入れば皆同じです」
 目を白黒させたメルに、とてもいい笑顔で頷き返すラシュディア。
 彼女は知っているのか知らぬのか、何を隠そう、生きるために雑草に虫に……あらゆるゲテモノを食べて過ごした時期のある男である。
 煮立った汁に入った謎生物は断末魔のように悶え苦しむが、やがてそれが収まると、ぷかりとスープの上に浮いて完全に汁の具材として同化していた。
「……うん、美味しい。これは、不思議な出汁が取れましたね」
 汁を一口、満面の笑みで頷いたラシュディアに、周りの女子達も恐る恐る謎生物の出汁が出たスープを口にした。
「悔しいけど……美味しい!」
 思わず震える女性陣であったが、どこか納得の行かないもやもやが胸の中に残ったのは言うまでも無い。
 ちなみに、汁の中に残った固形物そのものは責任を持ってラシュディア(と、その他の男子共)に食べさせる事にした。
 

 食後。
 ビーチでお腹も満たされたとあれば、やる事は1つである。
「あっそぶぞー!」
 漂着した水着に着替えたハンター達は、一目散に波打ち際へとダイブしていた。
「ひゃー、気持ち良いね!」
 散々大工やら火の番やらをしていて汗もびっしょりだったクレールは、一気に頭の先までもぐりこむと、水しぶきを上げながら水面へと顔を出した。
 掬った海水で顔や腕の煤も落として、綺麗サッパリ。
「いやぁ、なんかもう、遭難とかどうでも良くなってくるね」
 流木を浮き輪代わりにぷかぷかと波に漂うメルも、ふぅと大きなため息を1つ。
 波のある海は泳ぐ場所じゃない。
 こうして漂っているのが、一番気持ちが良いものだ。
「ラシュディアさん、本当にいいんですか!? お片づけ任せちゃってー!」
 大きく手を振りながら、千春が浜辺で調理道具の片付けに励むラシュディアへと大きく手を振ってみせる。
「いいですよー! 皆さん楽しんで来てください!」
 お返しに手を振って、そう声を張り上げるラシュディア。
 その返事を聞いて、もう一度だけ手を振ると、千春もマリエルと共に海へと飛び込む。
「鍋、貸してくれませんか? そこの岩場で洗ってきます」
 そんな彼の背中に背後から近寄るのは、動かなくなった義足でひよこが歩くかのようによたよたと歩くシルヴィアであった。
「良いんですよ。それよりも、シルヴィアさんもどうぞ海へ……ああ、その状態じゃ大変ですか。ちょっとだけ待ってくださいね、波打ち際までお手伝いしますから」
「いえ、良いんです。そもそも機械の義足。海水は良くないので」
 そう言って、ひったくるように鍋を掴んで歩み出す。
 その背中を視線で追って、ラシュディアは声を上げた。
「すみません、手伝って貰って!」
「良いんです、いろいろ面倒見てくださったお礼ですから!」
 そういい残し、シルヴィアは岩場の影へと消えていった。
 それを見届けると、ラシュディアは再び自分の仕事に戻ろうとして――一瞬ドキリと、その心臓が高鳴った。
 何だろう、感じるのは……殺気の視線?
 放浪時代の野生の感が、何かがヤバイと告げている。
 恐る恐る、その視線の方角へと顔を向けると……そこには海岸ではしゃぐハンターたちの中に混じって、こちらをまじまじと見ている一人の女性の姿があった。
 その姿を確認して、もう一度ドキリと胸を高鳴らせると、慌てて視線を落として作業へと戻る。
「流石に……こちらの班に男一人だけの状態だったのは、視線がががが――」
 後で穴埋めに散歩にでも誘おう。
 それだけを心に決めて、彼は視線の元から逃れるようにして、自らの仕事に没頭していた。「ねぇ、あっちでビーチボール見つけたって!」
 海の上、不意に声を張り上げたのは千春であった。
 彼女の声に釣られて海岸線の仲間達に目を遣ると、確かに丸いボールを膨らませてぽんぽんと弾きあっている姿が見えた。
「流石に観念したよ。こうなったら、とことん遊ぶだけだね!」
 苦笑して陸を目指すメルに、クレールもまた続いてゆく。
「難しい事考えたって仕方が無いものね。その方が私達らしいといえば、らしいと思うよ」
「そうそう、今は今で楽しまなきゃ損だよ! ね、マリエルちゃん!」
 不意に眩しい笑顔で振り向いた千春に、マリエルは一瞬虚を突かれたように目を丸くするも、すぐにやんわりと笑みを浮かべて頷いた。
「はい。いっぱい、楽しい事をやっていきたいです……皆で」
 それを口にしたときの彼女の表情は、太陽の輝きにも負けないくらい、眩しく、素敵なものであったという。

 それから、彼らの元にオフィスの救助船が到着するまでそう長い日取りは必要としなかった。
 救助した際、何故か充実してやり切った様子のハンター達の姿が、船の乗組員達の中では強く印象づいているとの事だった。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka3061 / 柏木 千春 / 女性 / 14歳 / 聖導士】
【ka0116 / マリエル / 女性 / 16歳 / 聖導士】
【ka0338 / シルヴィア=ライゼンシュタイン / 女性 / 12歳 / 猟撃士】
【ka0520 / メル・アイザックス / 女性 / 17歳 / 機導師】
【ka0586 / クレール / 女性 / 19歳 / 機導師】
【ka1779 / ラシュディア・シュタインバーグ / 男性 / 19歳 / 魔術師】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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のどかです、この度はご注文本当にありがとうございました。
そして、体調不良により納品が遅くなってしまい大変もうしわけございませんでしたっ。
その分、可能な限りのクオリティ向上には努めましたので、お楽しみいただけましたら幸いです。

基本的にはそれぞれで読んでいただいて問題ございませんが、せっかく連名で発注いただいておりますので、2つで1つの作品になるような形で構成をさせていただいております。
「Side:B」を出発点に「Side:A」とそれぞれ1シーン(●の区切り)ずつ交互に読んで頂くと、良い感じに時間の流れに沿ってお楽しみいただけるようになっている……ハズです!
きっと!

長くなりましたが、改めましてこの度はご注文ありがとうございました。
是非機会がございましたら、またのご縁をお待ちしております。
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2015年09月15日

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