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『穏やかな青の陽気な日 』
矢野 古代jb1679)&青空・アルベールja0732)&亀山 淳紅ja2261)&小野友真ja6901

 道に散らばる秋の終わりを足の裏と音で楽しんでいた青空・アルベール――が、いきなり片足を浮かせ、前のめりに立ち止まった。「鼻緒が切れた……わけでもない?」
 不意に下駄の重みが消えたので、浮かせたまま止めていた右足を下ろし、しゃがむ。右の下駄を見ると、鼻緒は切れかかっているが、寸前のところで切れきれずに残っている。
 下駄を履いていれば鼻緒が切れることはごくたまにあるが、このギリギリ生きている状態はさすがに珍しい。交換しなければダメな事にかわりないが、青空は嬉しさが溢れている笑みを浮かべていた。
「縁起が悪いの一歩手前なら、縁起がいいのだ!」
「青ちゃーん! 誕生日おめっとー!!」
 しゃがんでいる青空の背中に、誰かが盛大に飛びついて来て前へ倒れそうになったが、右ひざの上に胸を乗せてなんとかその勢いと重量を支えると、首だけを捻る。
「ゆーまくん、ありがとう! それと、危ないな?」
「めっちゃそーりーな」
 背中から離れた小野 友真が両手を合わせ小首を傾げ、可愛げを見せると、鼻緒を直し立ち上がった青空も負けじと、友真の合わせた手を両手で包み小首を傾げ返した。
「わかればよし!」
 2人してにへっと笑みを浮かべたところで、落ち葉を踏む乾いた音が近づいてくる。
「2人してなにしてん」
 傍から見ていると何をしているのかわからない2人に、微苦笑を浮かべる亀山 淳紅。
「淳紅。奇遇ー!」
「せやんな。ちょうど友真君と青空君のハナシしとったから、よけいや」
「私の話?」
 淳紅と友真が、意味ありげな笑みで大きく頷く。
「最近ハタチになる人ん話で、俺が青ちゃんの名前挙げたら、淳ちゃんも青ちゃんのこと知っとるって聞いてな。そんで――」
「青空君誕生日おめでとうさぁ飲みに行くで! いえーい!」
 散々繰り返してきたのか、淳紅と友真は互いが何を言うまでもなく手を掲げ、痛そうな音がするほどのハイタッチ。そして2人のいきなりぶりについていってなかった青空がキョトンとしていると、2人の目がきらりと光り、低い位置にある青空の手をめがけ、地面にでも叩きつけるかのような勢いで振り下ろす。
 が、青空の手はすいと横に動いて、目標がいなくなった手は空回りして勢いに振り回される2人であった。
「飲みにって、ご飯のお誘いー?」
 空ぶりなんてなかった事するつもりで靴紐を結び直していた友真だったが、立ち上がっては首を傾げる青空の前で「ちっちっち」と人差し指を横に振り、キリッと得意満面の顔を作る。
「20歳やで、20歳。イコール、お酒の飲める歳やで。青ちゃん、まだ飲んでないんちゃう?」
「うん、まだだよ」
「俺はもう飲んだで! あいあむ先輩!」
 鼻息荒く胸を突きだす友真だが、その額に青空の人差し指が突き刺さった。
「先輩顔してるけど、2か月しかかわんねぇな? めっちゃ同学年だな? もしかしたら来年、私が先輩になるかもしれないよね?」
「不吉なこと言わんといて!!」
 顔を覆って恐怖しているあたり、友真自身もありうると思っているのがありありと見て取れる。
「まーそんでな、今から居酒屋にどうやろ? 友真君と割り勘で奢ったるから、安心するんや!」
「え……?」
「ゆーまくんが聞いてないって顔してるけど、行く! 誘ってくれてありがとうだよ、淳紅。
 それで、どんなお店に行く? お酒、まだ飲んだことはないけど炭酸は苦手だし、甘いのとかがいいな。食べるモノも焼き鳥とかハンバーグ、あると嬉しい!」
 青空の希望を聞いた淳紅は先ほど見せた友真と似たような顔をすると、「タイム」と手でサインを出してから友真と肩を並べひそひそと話し合っていた。
 少し冷たい秋風に乗って青空の耳に聞こえてくるのは「チェーン店以外、よう知らん」「俺もや」と、頼りになる先輩達のお言葉ばかりである。
 上を見上げ、すっかりと赤やんできた空には気の早い月が見え始めている。
「あ、一番星」
 青空が空を指さしても、それどころではない先輩s’は顔も動かさないし、淳紅は何やらスマホをぽちぽちと打っている。
 それからもしばらくお話し合いが続いていたそんな折に、あまり人の来ない公園の入り口に誰かの気配がして青空の顔がそちらを向くと、コート姿が映えていて見覚えのある顔の人が目を細め、先輩s’を眺めながら顎の無精髭を撫でていた。
「亀山君、小野君。来たよ」
 公園の入り口から飛んできた声に、頼りになる先輩達は希望の星を見つけたと言わんばかりに目を輝かせる。
「矢野さん!」「古代さん!」
 フルネームが矢野 古代だとわかると、青空が「そうだ、古代だ」と手を打って、そのまま手を元気よく天に向かって突きあげた。
「久しぶりー、何してた?」
「依頼で会ったっきりだが、そんなに久しぶりだったかねえ。おっさんは記憶も定かじゃないよ。
 今日はレポート提出を済ませてきたところでね。帰ろうかと思ったところに亀山君からのお呼び出しがかかったというわけだ」
 レポートという言葉を聞いた友真がはたと思い出して、何も持っていない自分の両手に目を落とす。
 そして不思議そうに首を傾けた。
「俺もレポート、出すつもりだったな? 今日、出しに行くつもりやったけど、どこいったんや」
「自分と会った時、すでに手ぶらだったで?」
 ……静かな時が訪れ、カラスが笑うようにアホウと鳴く。
 だがそんな程度でへこたれるはずもなく、「淳ちゃんいえーい!」と淳紅と手を叩きあい、己とその場を盛り立てる友真であった。
 苦笑いしかできない古代は、その話題に触れないのが優しさかと友真から視線を外して淳紅に合わせる。
「相談っていうのはまた、店を教えてほしいとか、そんなところか」
「その節は毎度お世話になってます――それはそうと、飲みに行きましょう」
 いい笑顔でサムズアップする淳紅に、これまでの醜態を見てきた古代の目は胡散臭げなものを見る目に変わっていった。
 その目が何を意味するのか気づけた淳紅はパタパタと手を振って、「もう大丈夫です」とまるっきり信用も保証もない言葉を述べるのだった。
 肩をすくめる古代は携帯を取り出し「娘に電話をさせてもらうよ」と、電話をかけたがすぐに切られ、浮かない顔をする。
「どうした、古代ー」
「いや……鍵もチェーンもかけて、外に毛布置いておくから安心して飲みに行けばと、切られてね……」
「厳しいねんな。おっしゃ、なら俺が説得してみる」
 友真が自分のスマホを取り出し、古代の娘へ直接電話をかけ――ものの数秒で撃墜された。
「ゴメンな、古代さん。俺と身を寄せ合って寝ろって、毛布も取り上げられたわ」
「次は自分がかける流れやな!」
 事態が少しずつ悪くなっていく未来しか見えていない古代が止めようと手を伸ばすも、淳紅はするりと手をかいくぐって意気揚々と電話をかける。そして結果はやはり、数秒の会話のみで終了。
 淳紅が申し訳なさそうな目を、古代へ向けた。
「床に水まいといてあげるから、水が飲みたくなったら床でも舐めなさいって……」
「毛布も奪われ、水までまかれるのか……絶対本気でやるぞ、うちの娘は」
 そこまで確定された未来が見えているのに、ホテルでもとろうとかそんな考えは全くよぎらないあたり、古代の娘愛を感じるものである。
 なぜだかよくわからないが暗く沈む3人を見ているうちに、どうにかしてあげようという使命感が生まれた青空が、古代が死んだ魚の目で見つめていた手の中の携帯を、上からするりと引き抜いた。
「私が説得してみるのだ!」
 もはや止める気力も削られてしまったのか、古代は履歴から自分の娘へ電話をかける青空を虚ろな眼差しで見守るしかなかった。
「あ、もしもし。青空・アルベールだよ! 実は今日――」
 これまでものの数秒で切られていたが、青空はその記録を打ち破り、しばらく話しこんで「了解だよ」と笑顔のままに通話を終了するのであった。
 携帯を古代に向けて差し出す、青空。
「身体を壊してほしくないから、父さんにあまり飲ませすぎない様にって言われたよ。心配して優しい言葉をかけてくれる、いい娘さんだよね!」
「いい子なのは確かだが、その優しい言葉をどうして俺の時に聞けなかったのだろうな……」
「ツノってやつや」
「ツンの間違いやな?」
 すかさず突っ込む淳紅へ「そうそれ」と笑う友真に釣られ、淳紅も青空も笑う。古代も苦笑いから微笑へと変化し、大きく手を叩いて3人の注目を集めた。
「さあ、寒くなる前に行こうか」




 ちょいちょいと、道すがら何かを探してうろうろしている友真を連れ戻すのに淳紅がくっついて歩くため、もともと知らない仲でもなかったし、友達の友達は友達という俺ルールを発動させた古代が主に、青空と親しげに喋りながら歩いていた。
 まだ古代の中ではどこに行くか決まってはいなかったが、青空と話しているうちに、青空の好みが見えてきたのか、自信を持って歩を進める。
 そして辿り着いた先が、串カツを提供するお店だった。
「あ、ここ昼に来たことある――けど、居酒屋ちゃうんちゃう?」
「昼だとそうだろうね。ここは夜メニューがあって、夜は居酒屋みたいなものなんだ」
「そんな店もあるんやなぁ」
 淳紅と友真が感心して頷く。
「ここなら私も入りやすい感じがする!」
「だろうね。きっと好みの物もあると思うよ」
 古代が暖簾をくぐり、青空達3人がそれに続くと、串カツのお店だけあって油の匂いと子気味よくカラカラと脂の中で食材の笑う匂いが充満していた。
 少し夕飯だとしても早い時間ではあるが、鼻と耳で感じる美味さに腹も応え、寄こせ寄こせと訴えてくる。
 4人がテーブルに座れば、歓迎してくれるようにその中央で油の熱気が4人を包み込んでくれた。
「揚げ物ならやはり俺はビールだな。青空君は炭酸が苦手で甘いのがいいって言うから、カシスオレンジでいいかい?」
「よくわからないから、お任せ! いろいろ詳しいのすごいな、古代は! 大人だなー!」
 古代へおおいに懐く青空がちらりと、正面に座る大人風先輩s’に目を向けるが、淳紅も友真も何を頼むかメニューとにらめっこばかりしていて気づいていない。
「甘いのもいいけど、自分もビールにしよかなー。最近、だいぶビールの美味さがわかってきててん」
「淳ちゃん、大人の階段を一段ずつあがっとるなぁ。あ、俺これにする。コーラベースのカクテルやって」
「コーラから卒業できんなんて、まだまだ友真君はお子ちゃまやな。青空君もビールの味を覚えたらええでー」
 ビールが飲めるようになってきただけで得意げに胸を反らす淳紅へ、意外と友真も青空も尊敬の眼差しを送っている。先輩風がもう大突風ではあるが、それを見ていた古代は目を泳がせていた。
(飲めるなら何を飲んでも自由だけど――ま、俺もそんな時代があったか)
 古代の目には『頭に殻を乗せたヒヨコ達へ自慢げに語るヒヨコ』にしか見えないが、遥か昔同じヒヨコだった自分を思い返すと横槍を入れる気にもならなかった。
 飲み物を注文し、そのついでに、昼と違い食べ放題式ではなく串に刺すモノも注文する方式なので、古代が適当に青空の好みに合わせたものをまとめて注文する。
 串カツだけあって、飲み物と同時に全てが届き、テーブルの上には串の山ができあがり、その光景に青空は「わー」と目を輝かせるばかりであった。
「ソーセージ、ハンバーグにウインナーまである!」
「エビフライって訳じゃないけど、エビも頼んであるからね。どんどん揚げていこう――さて、音頭はどっちが取るんだい?」
 古代に話を振られ、立ち上がったのはチェリーブランデーの香り漂うコーラを手にした友真だった。
「そんじゃ、俺が――青ちゃんも成人おめー! いえーい!」
 カクテルを天に捧げる友真に合わせ、3人もそれぞれの飲み物を掲げてグラスに口をつける。青空だけは恐る恐る口をつけるが、一口舐めるように飲むと、パッと表情を輝かせた。
「あ、甘くて美味しい」
 それからそれが礼儀とでも言わんばかりにどんどん流し込む3人を見習って、青空も喉を鳴らして少しばかり一気に飲み始める。
 それでも半分くらいでグラスから口を離すと、ジョッキだが同じように半分くらいまで飲んだ古代と淳紅もグラスから口を離すのだが、友真だけはグラスが逆さになるまで一気に駆け抜けていく。
 空のグラスがテーブルに置かれ、ゲフゥと漏らした友真がきりっと表情を締めて青空へ顔を向けた。
「ようこそ、大人の世界へ……淳ちゃんと共に待っておったぞう」
「私もだけど、ゆーま君も淳紅も、あんま大人には見えないよね」
「背か!? 背の話なんか!?」
 言われてもいない事を口に出す淳紅へ「違うよー」と青空は笑う。
「まーそういわれてもしゃーない――が、今日は大人の先輩と言えばこちら! 古代さーん。色々と教えてくれるで。
 今日はブレーコーやんな?」
「ほどほどにね。早い時間から来てる分、長く居れるから、ゆっくり飲みなよ」
 釘を突き立てる古代の前で、すでに一気飲みをしたヌカは何食わぬ顔で次のカクテルを注文する。
 ヌカに向けていたジト目を外し、これまで色々な目にあった淳紅へ向けるのだが、今回、こちらは大人しく飲んでいる事に安堵していた。
(後輩の前で醜態をさらしたくないからなのか、少しは成長したのか……あとは青空君だが、きっとことっちは大丈夫に違いない。というか、そうであってほしいものだ)
 揚げられたほくほくのハンバーグを、丁寧に一つ一つ噛みしめる青空の幸せな表情。見ている古代ですら幸せになってしまいそうなほどである。
 しかし、どうなるかわからないのが酒の魔力だと知っている古代は、たとえ青空が醜態をさらしても誰にも言うまいと固く誓うのであった。
 横で友真が空のグラスを量産するのを横目で見ていた淳紅も、青空の満足げな顔に視線を移し、今まさに空になったグラスを青空がテーブルに置いてから声をかけた。
「どうや、青空君。お酒の味は」
「あ、これ美味しかったのだ! もう一杯飲んでもいいかな!」
「どんどん頼んでいいで。友真君が青空君の分は任せろバリバリ言うてるから。な、友真君! いえーい!」
 さらっとワリカンの比率を増やしていく淳紅だが、すでにアルコールが脳に回って、さっきから笑いの止まらない友真はハイタッチしても気づけないでいた。
 ガンガン揚げてドンドン食って、ゴンゴン飲んでをしているうちに、ひっそりと飲むペースも次第に上がっていいった。わかりやすいのが、ビールをジョッキではなくピッチャーで頼むようになったビール組の淳紅と古代である。
 互いに酌をする中、友真が「お客さん、手が止まってますよー」と割り込んでピッチャーから古代のジョッキグラスにビールを注ぎ込む。
 その目が『潰したい』と物語っているが、すでにテーブルに顎を乗せて喋っている友真の顔には、限界の文字が見え隠れしていた。
 顎を動かし顔の角度を変え、青空のグラスが空になっているのに気付いた友真が「頼まんの?」と聞くも、青空は小さく首を横に振る。心なしか、顔も青く見える。
「ごめ、もう飲めない……」
「そかー……あかんなー、むっちゃ眠い……飲んどる量はたいしてかわらへんのになー」
「度数が違うよ、度数が」
「角度が関係あるんか。さすがみんなのお父さんは色々知ってるなー」
 さらに角度を変え頬をテーブルにくっつけ、そうじゃないと訂正される前に放った友真の何気ない言葉。
 その言葉は、アルコールがじんわりと回っている青空の目から一粒の涙を落とさせた。本人としても意識できなかったほど、不意の涙だった。
「うぉぉぉぉぉん!!」
 一粒の涙を見ただけで友真は立ち上がり、天を仰ぎながらつられて大泣きし、何事かと古代や淳紅の視線だけでなく、周囲の視線も集めるのだが、全く気にせず泣き続けた――かと思えばカラッと晴れて、ストンと椅子に腰を下ろす。
「淳ちゃーん、肩借りますねスヤァ……」
 そう言って目を閉じ淳紅の肩に頭を乗せた瞬間、友真は全く動かなくなってしまった。口数が減っていた青空の瞼も、だいぶ重そうである。
 こうなってくるとお開きが近いなと、少しは経験を重ねた分だけ、淳紅ですらも容易に想像がつく。
「すいません、お愛想――」
「おっと、亀山君。厳密に言えば『お愛想』はお店の人がお客に言う言葉だから、ここは『お会計』でいいんだよ」
 そう言うと古代は万札を二枚、テーブルに並べる。
「端数分よろしく」
「ごちになります、矢野さん」
 友真が肩にいるため、頭を倒すだけの礼を述べながら、財布を見つけるために友真の懐をまさぐる淳紅であった――




「今日はありがとう。ごちそうさまなのだよ、3人とも! 楽しかったし、嬉しかった!」
 夜の公園でベンチに座り、普段より割増しの笑顔で頭を下げる青空に、友真を背負って立ったままの古代が「こっちもさ」と笑う。
 青空の横に座って小銭を弄んでいた淳紅の目が、自販機で止まった。
「夜風で少し酔いも醒めたなぁ。そこの自販機でもうちょいなんか飲もか」
「俺コーラ……!」
 一瞬だけ目覚めた友真が希望だけを告げ、再び夢の世界へ戻っていく。
 薄く笑う淳紅は希望通りコーラを買って何度も全力で振り切ってから、友真のポケットに捻じりこむと、缶ビール2本と梅酒を買って、梅酒を青空に渡して横に座り直した。
「甘いかどうかはあれやけど、ビールよりは飲みやすいと思うで」
「ありがとうだよ、淳紅」
(今回は亀山君も大人しかったし、やはり青空君も大人しめだったから助かるね――小野君が止まらなかったのは、まあ経験だ)
 うんうんと、淳紅の成長がちょっとだけ嬉しい古代。
 缶を開ける音が同時に響き、3人とも一斉に口をつけ、そして今回も、青空が一番先に口を離す。
「これも、美味しいような気がするかもしれない」
「酔ってるから味がようわからんかもしれないけど、今後ちゃんと飲んでみるとええで」
 頷きながらも青空は梅酒の缶を両手で包み込み、脳の痺れるような感覚にふわふわとした心地好さを覚え、その感覚を楽しむために青空はそっと目を閉じた。
(20歳になっただけでこんなに楽しいことが起るなら、きっとこの先も楽しいことがあるよね)
 そう思えるほど、今日は楽しかった。
 だから自然ともう一度、青空の口からその言葉が漏れた。
「ありがとう」
 そうして、青空は微睡みの中に沈んでいくのであった――




━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【jb1679 / 矢野 古代     / 男 / 39 / 温かい布団で眠れました】
【ja0732 / 青空・アルベール / 男 / 20 / はぢめての二日酔い】
【ja2261 / 亀山 淳紅     / 男 / 20 / 成長してみせました】
【ja6901 / 小野 友真     / 男 / 20 / このあとむっちゃ徹夜した】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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毎度になりつつあります、楠原です。このたびのご発注もありがとうございました。今回はどうしていこうかと色々と考えましたが、こんな形に収めてみました。飲み会の部分以外にも何かドラマがありそうですが、いかがだったでしょうか。
またのご発注、お待ちしております
ゴーストタウンのノベル -
楠原 日野 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2015年11月24日

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