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『―― 彼女たちの、そんな1日 ―― 』
シェリー・カートライト3871)&ロザーリア・アレッサンドリ(3827)

 平日の昼過ぎ。
 平日ということもあり、今日は普段よりもお客さんは少なかった。
 もとより閑静な住宅街の奥地にある小さな店なので、人が来ているのか来ていないのか、あまり分からないと言った方が正しいだろう。
 けれど、そんな雰囲気を気に入ってコアな常連客が足しげく通う、ちょっとした隠れ名店だ。
「フルーツサンドとコーヒーをお願いね」
 ロザーリア・アレッサンドリはシェリー・カートライトに注文をした後、本を読み始めた。
(……混雑時にアレをやられたらたまったものじゃないけど、まぁ、今日はいいわよね)
 本を読み始めたロザーリアを見つめ、シェリーは注文の品を用意し始める。
(そういえば、今はロザリー以外に人はいないのね……)
 お客さんがいないと店主も暇になり、シェリーは用意しながらロザーリア観察を始める。
「……はい、ごゆっくりどうぞ」
 注文されたフルーツサンドとコーヒーを、ロザーリアの前に置き、シェリーは再びカウンターへと戻り、グラスを拭き始める。
(アンバランスな身なりね……)
 ロザーリアはパリッと糊のきいたブラウスを着ているにもかかわらず、赤い薔薇のついた帽子の被り方は微妙にズレていたりする。
 しっかりしていそうで、ちょっと抜けているのは彼女自身の性格を現しているのかもしれない。
(身なりをちゃんとするなら、最後まで手を抜かずにやればいいのに。やっぱりロザリーはズボラなところがあるのね……)
 そんなことを考えながら、シェリーはロザーリアの読んでいる本に視線を向けた。
(あれ? この前まで、あんなジャンルの本は読んでなかったのに……何か心境の変化でもあったのかな……?)
 ぼんやりそんなことを考えていると、ふとロザーリアがシェリーの方を向く。
「あのさ、さっきから見てるけど……あたし、何かした?」
「ううん。そんなことはないわよ。気にしないで」
 グラス磨きを続けながら、シェリーは答えるのだが、見られている側のロザーリアからすれば『気にするな』という方が無理なものだ。
「そんなこと言われてもなぁ、チラチラ見られるのも嫌だけど……シェリー、ガン見だもん」
 読んでいた本を閉じ、ロザーリアは苦笑しながら呟く。
「もしかしてお客さんがいないから、話し相手でも欲しいとか?」
「別に。そんなことはないわよ。私はどちらかと言えば静かな方が好きだし」
「じゃあ、何で見てくるのよ。理由教えてもらわないとあたしだって納得できないってば」
 ロザーリアが拗ねたように呟き「仕方ないわね」とシェリーもため息をついて言葉を続ける。
「ただの人間観察よ。特に意味はないわ。これでいい?」
「……に、人間観察?」
 ロザーリアとしては、もっと何か重大なことでも言われると予想していたのだろう。まさに想定外の返答を聞き、あんぐりと口を丸く開けている。
「……シェリーって変わってるよね、いきなり人間観察だなんて……」
 呆れたような表情を見せながら、ロザーリアは再び本を読み始める。
(変わってるって、ロザリーも十分変わってると思うけど)
 反論されるのが分かっていたから、あえてシェリーは言葉にしなかった。
 そして、冷蔵庫からフルーツタルトを取り出し、ロザーリアの前に置く。
「……あたし、これ注文してないよ?」
「ええ、観察代代わりに受け取って。味は保証するわよ」
「味は疑ってないけど、これ、新メニュー?」
 ロザーリアは興味深そうにフルーツタルトを見つめながら言う。
「そうよ。気分を悪くさせたなら謝るけど、これでも食べて機嫌を直せば?」
 あくまで淡々とした口調だけど、それなりに付き合いもあるせいか、ロザーリアはシェリーの言いたいことが分かり、ふふ、と薄く微笑む。
「素直に『ごめんね』って言えばいいのに」
「私に素直さを求められても困るから」
 そう言って、シェリーは再びカウンターへと戻る。
「そういえば、何でそんな本を読んでるの? 今まで読んでなかったわよね」
 シェリーはカウンターから、ロザーリアの読んでいる本を指さして問いかける。
「いや。たまにはこんな本でも読んでみようかと思っただけだよ。今まで読んだことがないジャンルの本だけど、結構面白くて続きが気になって仕方ないんだ」
「ふぅん」
 シェリーは興味なさそうに呟くけど、ズボラな彼女がハマる本には少しだけ興味があった。
「シェリーも読む? あと少しだから夕方頃には読み終わるよ?」
「……そうね、暇だから借りようかな」
 そう答えるとロザーリアは嬉しそうに微笑み、再び本に視線を落とす。
(結局、今日はロザーリア以外にお客さんは来なさそうね。まぁ、たまにはこういうのんびりした日があってもいいかもしれないわね)
 頬杖をつきながら、シェリーはそんなことを考える。
 そして、それから2時間ほどが経った頃……。
「はい、これ読み終わったからシェリーに貸してあげる」
 そう言って、ロザーリアから渡された本は……。
「……何これ。不愛想な店主との付き合い方って」
 ライトノベルのような感じで、タイトルまでは見えず、初めて目にしたタイトルにシェリーは眉を顰める。
「それ、主人公の店主がシェリーみたいで面白いよ。参考にしたら?」
 ロザーリアは悪びれる様子もなく告げ、そのまま店を出ていく。
(……悪気がない分、余計にタチが悪い気がするのは気のせい?)
 シェリーはそんなことを考えながら、渡された本を読み始めるのだった。


―― 登場人物 ――

3871/シェリー・カートライト/女性/20歳(実年齢50歳)/異界職

3827/ロザーリア・アレッサンドリ/女性/21歳(実年齢2歳)/異界職

――――――――――

シェリー・カートライト様
ロザーリア・アレッサンドリ様

こんにちは、今回はご発注頂きありがとうございました!
今回はふたりの日常的な内容だったのですがいかがだったでしょうか?

気に入って頂ける内容に仕上がっていますと幸いです。

それでは、また機会がありましたら宜しくお願い致します。
今回は書かせて頂き、ありがとうございました!

2016/2/25
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2016年02月25日

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