▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『 これからも二人で 』
シルヴィア・エインズワースja4157)&天谷悠里ja0115

 密やかな結婚式は幕を閉じた。しかし、甘い夜はまだ終わらない。
「ごゆっくり」
 そう言い残し指を鳴らすと黒い少女は立ち去った。その声に一瞬視線が移り、次に視線を戻すと、確かにウェディングドレスだったはずの二人のドレスはお色直しとでも言うかのように全く違うドレスへと変わっていた。
 いつもの可愛らしいイメージを払拭する様に、胸元は開き少しだけ谷間が見えた真紅のドレスは大輪の赤薔薇の花弁の様に何枚も布が重なりその赤に深みを出していた。そのすその方へ視線を落としていた天谷悠里(ja0115)はシルヴィア・エインズワース(ja4157)の方にちらりと視線を向ける。その頬がほんのり朱に染まって見えるのはドレスのせいではなく、つい数秒前自分が口にした言葉を思い返して少し恥ずかしくなっているのだ。対照的に白い薔薇をモチーフにしたのか月の様に清楚で可憐なドレスを身に纏ったパートナーは視線に気が付いたのか、そっと微笑んで悠里の顔を覗き込む。
「どうしたの?」
「あっ、えっと、シルヴィアさ……」
 いつもの様に『さん』と続けそうになって慌てて口をつぐむ。
「パートナーに『さん』はいらないわ」
 先程の誓いのキスの直前シルヴィアがそう言ったのを忘れたわけではない。が、呼び捨ては距離が一気に近づいたようで少し、いやかなりドキドキする。
「ユウリ」
 頬を染めて二の句が継げない悠里の腰をそっと抱き寄せたシルヴィアが熱い頬に唇を落とす。ポンと音が出そうなくらい顔が真っ赤になる悠里。その表情を間近で見ながらシルヴィアがくすっと微笑んだ。
「そんなに可愛らしい反応を見せないで?そういうあなたの表情は私だけが見たいわ」
 歯の浮くような言葉だが、二人の誓いを承認し祝福したのがここに咲き誇る薔薇達であったことを考えれば、言いたいことはなんとなくわかる気がした。
「シ、シルヴィア。みんなにお礼を言わない?」
 首に手を回し軽く口付けてから悠里は微笑んだ。それは照れからか、慣れないせいか、少しだけぎこちなかったがシルヴィアにはそれすらも愛おしい。小さく頷き歩き出す二人の穏やかで温かな表情に小さく薔薇達が揺れだした。風もなくしかし徐々に大きくなる葉が触れあうは祝福の拍手の様にも聞こえる。

 時に止まり薔薇の花弁に触れ、睦言を語り、口づけを交わし、微笑みあいながらキャンドルサービスの様に、祝福してくれた参列者一人一人に感謝の挨拶をして回るように拍手に包まれたまま薔薇園の中を歩く二人の姫。
 そういえば、もう二年になるのね。
 ゆっくりと歩きながらシルヴィアは思い返す。初めてこの店に来たのは二月の空気の澄んだ月夜だった。『お姉ちゃん』でも『シルヴィアさん』でもなく『シルヴィア』と呼んでくれた時の事をまだ覚えている。あの時のペアリングは今も左の指に輝いている。
 そういえば二年になるんだね。
 同じ頃悠里も同じような事を考えていた。このお店に初めて来た時、着慣れないドレスと慣れないシチューションにどうしていいかわからない私の手をシルヴィアが取ってくれてエスコートしてくれたんだ。それまでこう、なんとなく付き合っている様ないない様な関係だった二人が想いを確認し正式に恋人になった日。
 互いに似たような思いを秘めながらガゼボに戻ってくる。視線は自然と絡み合い互いの瞳に互いの顔が写りこむ。
「シ、シルヴィア……あのね」
 口を開いたのは悠里が先だった。まだ少し恥ずかしい。でも、それ以上に伝えたい言葉があった。
「私、普通の子でシルヴィアみたいにカッコいいわけでもなんでもないけど、一つだけ誰にも負けない事があるの」
 シルヴィアは何も言わずそっと悠里の腰に腕を回すと次の言葉を待った。
「世界で一番シルヴィアの事がスキだよ」
 チューリップの中で見た真剣な横顔も、慣れないながらに耳を澄ませ懸命に踊るその姿も、夏の夜風に揺れるあどけない寝顔も、本物さながらにピコピコ動いたひれ耳の人魚姫姿も、ここで頬を染めながらもまっすぐ想いを言葉にしてくれる姿も。全てが愛おしく、愛らしい。
「私もユウリの事を愛する想いなら誰にも負けないわ」
 微笑みあい、どちらからともなくキスを交わす。チュッという最初の軽いキスの音を飲みこむように深く何度も唇を重ねる。悠里の腕は自然とシルヴィアの首に回され外国映画のワンシーンの様だ。
 目に映るもの、耳に聞こえるもの、触れるもの、その呼吸さえ全て自分のものにしたい。共有したい。そんな思いを込めるように互いを求め何度も何度も口づけを交わす。

 その様子を月と薔薇達だけが優しく見守っていた。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

【 ja4157/シルヴィア・エインズワース/女性/23/水色に愛を見る】

【 ja0115/天谷悠里/女性/18/群青に愛を語る】


 ゲストNPC/黒い少女


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

お久しぶりです。ご依頼ありがとうございました。
前回は誓いの結婚式でしたので、今回はその後の甘い一時を書かせていただきました。

お気に召されましたら幸いですが、もしお気に召さない部分がありましたら何なりとお申し付けください。

今回もご縁を頂き本当にありがとうございました。
またご縁があることを心よりお待ちしております。
WTツインノベル この商品を注文する
龍川 那月 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2016年03月28日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.