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『それぞれの日常 』
明王院 千覚(ib0351)

 天儀の中央部分に位置する石鏡の国。
 精霊が還る場所と言われるそこは、中央の巨大な三位湖の恵みによって支えられた、天儀において最も豊かで、そして長い間、双子の兄妹王が手を取り合って治めて来た国家である。
 アヤカシの被害も辺境においては深刻であったが、護大が去ってそれも減り……数年前に、妹王である香香背が退位し、元開拓者で天儀でも有数の三味線弾きと結婚。
 石鏡王は布刀玉の独王となったが、正室の千覚が公私共に夫を支え、引継ぎも完璧と言える程に済ませていたため香香背の退位後も大きな混乱もなく、国内は穏やかな状態が続いている。
 そして布刀玉とその正室の子――双子である長男と長女は、石鏡の国を治める者として絶対条件である資質、巫女としての才能を見せ、次代の王として期待を集めており……石鏡国は未だかつてなかった程に、穏やかで平和な時代を築いていた。


「ジルベリアの雪も素敵だったけど、泰国も素敵ね。食べるものが美味しいし、気候も穏やかだし」
「アル・カマルはどうじゃった?」
「うん、公衆浴場が面白かったわ! お風呂場で商談するなんて変わってるわよね」
 くすくすと笑う香香背に、目を細める烏水。
 ――香香背が石鏡国王であった頃から傍にいて、彼女を公私共に支えてきた。
 彼女が退位してすぐに祝言を済ませ、正式な夫婦になってからはずっと世界中を回り、烏水の弾き語りと香香背の舞で以って公演をして歩いている。
 阿吽の呼吸とも言える2人の歌と舞は見事というより他になく、どこの国に行っても歓迎された。
 出会う人々は皆優しく、親切で――。
 公演を見た者達の笑顔や輝く瞳を思い出し、烏水はにんまりしながら、手元のお茶に目を落とす。
「……さて、次はどこへ行こうかのぅ。香香背、どこぞ行きたい場所はあるかの?」
「そのことなんだけど、烏水」
「なんじゃ?」
「家を探さない?」
「ん? 別荘が欲しいのか? そうじゃな、泰国であればそういった場所も……」
「違うわよ。旅をやめて、腰を落ち着けないか、って言ってるの」
 妻の静かな声に、湯のみから顔を上げた烏水。目を丸くして香香背を見る。
「……旅をしたかったのであろ? どういう風の吹き回しじゃ?」
「それはそうなんだけど。あのね……。子供がほしいなって……」
「……こども?」
「そう。子供生まれたら旅してる訳にいかないじゃない?」
 香香背の口から出た言葉を噛み締めるように繰り返した烏水。
 暫くして、ようやく意味を理解したのか思い切り飛びずさる。
「何よ。夫婦なんだから子供いたっておかしくないでしょ」
「……いや、驚いたのはそこじゃなくてじゃな。わしも丁度その話をしようと思っておったんじゃ」
「……へっ? どういうこと?」
 続いた夫の言葉に、小首を傾げ……その動きに合わせて、香香背の黒い髪が揺れる。
 落としかけた湯飲みを両手で包み、烏水はしみじみと呟く。
「……天儀各地を旅し、弟子入りを請う者も増えた。そろそろ、弟子をとって次代に繋げて行っても良い頃かと思うてな」
「そういえば、烏水モテてたわよねえ」
「ああいうのはモテているとは言わぬぞい」
 ころころと笑う香香背にジト目を向ける烏水。
 公演が終わった後、弟子にしてくれと楽屋に押しかけて来る者達を、香香背は沢山見てきた。
 希望者は老若男女問わずだったところを見ても、彼の歌は様々な人の心を掴んでいたのだろう。
 弟子を取る予定も、道場を開く予定もない……と烏水が必死で断るも、『弟子を取る日が来たら教えてくれ』と連絡先を押し付けられ……。
 そうして集まった弟子志願者の名簿も大分厚くなっていたし、誰からも愛される夫を、香香背も誇らしく思っていたけれど。
 ――烏水はあたしのなんだからね! と自己主張してしまいたくなるのはどうしたものだろう。
「何より香香背がな。甥や姪の話をする顔を見て……わしも子が欲しくなった」
「……え? あたし?!」
「うむ。おぬしは甥や姪の話をする時、とても幸せそうな顔をする。気付いておらなんだか?」
「そ、そりゃあ。あの子達素直で可愛いし……。お義姉様にそっくりで器量もいいし! でも、良かった。烏水もそう思ってくれてたんだ。あたしは烏水より年上でそんなに若い訳じゃないし、子供生むなら早いほうがいいなって思ってたから……」
「そんなことないぞい。香香背は若いし美しい」
「今はそういう話をしてるんじゃないでしょ! もう! ……でも。ありがと」
 さらっと続けた烏水にアワアワと慌てる香香背。
 頬を染めて恥ずかしがる彼女が愛らしくて、烏水は笑いを抑えながらお茶を啜る。
「……腰を落ち着ける場所は、どこにするの?」
「……出来れば、石鏡が良いと思うておる。石鏡であれば、義兄上達の事業の手伝いもできるゆえな。香香背の希望はあるか?」
「あたしは烏水が一緒ならどこでもいいわ」
 そこまで言って、言葉を区切る香香背。少し迷ってから、口を開く。
「あの……烏水はもっと旅を続けたかったんじゃないの?」
 烏水の夢は、儀という儀を巡り、この世界の詩を作り上げること。
 それに香香背自身も憧れて、連れて行って欲しいと願ったけれど。
 子供を欲するということは、その足枷になるのではないかと……夫が同じ願いを持っていたことに正直驚いたけれど、それは自分を気遣っているが故ではないのか――?
 躊躇いがちに瞳を揺らす香香背の手に、烏水は己の手を重ねる。
「わしはもう、幾度となく儀を巡った。曲を作るにはもう十分じゃよ」
「だったらどうして、こんなにあちこち巡ってるの……?」
「香香背にな、『世界』を見せてやりたかったんじゃ」
 幼い頃から、国王として執務をこなしていた香香背。
 国内ですら自由に行けなかっただろうに、国外ともなれば尚のことで――。
 だからこそ、王位を捨てて自由となった香香背に、広い世界を見せてやりたかった。
 国内外を問わず様々な地に足を運び、実際に目にしたり経験したり出来るように。
 石鏡から離れた場所を巡れるように……。
「見るもの全てに目を輝かせて喜ぶおぬしを通じて、わし自身も、一人では気付かなかった新たな『世界』見たように思う。曲に深みが出そうじゃ。感謝しておるぞい」
「……何よ。何よそれ……! ばっかじゃないの……!!」
 ぽかぽかと烏水の胸を叩く香香背。
 夫を気遣うつもりが、ずっと彼の掌の上で転がされていたのだ。
 ううう。カッコいいじゃないの。惚れ直すじゃないの。ばか。ばかばかー。
「……口から漏れておるぞ、香香背」
「うるさいわよ。ばか烏水ー!」
「おや。奥さんに嫌われてしまったかいの」
「はぁ!? 大好きに決まってるでしょ! ばかー!」
「そうかそうか。わしもじゃよ」
 耳まで真っ赤になって、己の胸に顔を埋める香香背を抱きかかえて、烏水は妻の背をよしよしとあやすように撫でる。
「……では戻ろうか、石鏡に。ついてきてくれるか?」
「……はい。旦那様」
「して、石鏡のどこに住まうか……」
「王都以外がいいわ。辺境の……支援が行き渡ってない場所の中継地点になるところがいい」
「うむ。さすが香香背、よき考えじゃな。そのように義兄上達にもお伝えするとしようか」
 夫の背に腕を回して、こくりと頷く香香背。
 ――こうして、寄り添っていると心が満たされて、何とも言えない幸せを感じて……。
 高い空に、夕刻を告げる小夜啼鳥の声が高らかに響き渡る。


 迎えに来た実父と共に国立孤児院に向かう道すがら、春を告げる雲雀の声が聞こえて、空を見上げた千覚。
 高い空に舞う鳥の姿が見えて、もうそんな季節なのかと……そろそろ花見の宴席の手配をしなくてはと考えて顔を綻ばせる。
 ――千覚に歩調を合わせ、ゆっくりと隣を歩く長身の男性は、彼女の夫である石鏡王布刀玉である。
 朝廷の祭祀を一手に執り行う神官組織の長である彼は、国内の人材を育てる事業を大々的に進めたことで、結果的に国内の治安を更に良くし、周辺諸国とも有効な関係を築くに至り、いつしか『石鏡の賢王』と呼ばれるようになっていた。
 勿論、彼がそう呼ばれるようになったのも、正室である千覚と、彼女の生家であり、浄炎が家長を務める明王院家の尽力があってこそだったのだが。
 空の青を目に映していた千覚は、突如聞こえてきた子供達の声にふと目線を戻す。
「母上ー! 玉依が僕のことバカって言ったー!」
「違うもん! 樋速が先に悪口言ったんだもん!!」
「あらあら。どうしたの? 喧嘩の原因は何かしら?」
 先に歩いていた長男と長女におっとりと声をかける千覚。
 この瓜二つの顔立ちをした子供達は石鏡王布刀玉とその正室の長子だ。
 双子である樋速と玉依は両親と同じ射干玉色の髪と瞳を持ち、香香背曰く、母親譲りの優しい、将来有望な顔立ちをしている。
 普段から両親の仕事を率先して手伝い、今日の国営孤児院への訪問も自ら同行を申し出た程で――。
 環境のせいか、心配になるほど大人びている子達が年相応の子供らしさを取り戻す時は、家族だけの時と、大好きな祖父母が一緒にいる時。
 ――孫に片方ずつ腕を掴まれ、引っ張られる格好となっている浄炎は微かに困ったような顔をしていた。
「お祖父様は玉依より僕が好きなんだもん」
「違うもん! 樋速より私が好きなんだもん!」
「ねえ、2人とも。お祖父様はあなた達がどちらも同じくらい好きなんじゃないかしら」
「「同じじゃやだ!!!」」
「2人とも、お祖父様が大好きなのは分かりますけど……あまり困らせてはいけないよ?」
 眉根を寄せて頬に手を当てた母に猛然と言い返した子供達。
 まあまあ、と宥める布刀玉。浄炎は深々とため息をつく。
「……樋速、玉依。何度も言うが、お前達はどちらも俺にとって大事な孫だぞ……?」
「大事ってどれくらいー?」
「そうだな、目に入れても痛くない程には……」
「本当に? じゃあ抱っこして!」
「もう抱っこをせがむような年ではなかろうて」
 見下ろした孫達のキラキラとした瞳。期待に満ちた目で見つめられると……その。何というか、勝てない……。
「……孤児院に着いたら、ちゃんと小さな子達の世話をするんだぞ? お前達は手本だからな?」
「「はーーい!!」」
 子供達の元気な声に頷く浄炎。逞しい腕で、軽々と子供達と抱き上げ……歓声をあげながら抱きついてくる孫達の温かさに、何とも言えない気持ちになる。
 ――浄炎自身、実子と養子含め沢山の子を育て上げて来たが、孫というものがこんなに愛らしいものだとは知らなかった。
 勿論、子供達とて可愛いと思っていたし、彼なりの愛情を示してきたけれど。
 孫は別格だというのは本当だったらしい……。
 孫が生まれて何年も経つというのに、正直、自分の気持ちに戸惑ってどう扱っていいか分からない時もある。
 なるべく甘やかさないように、実子や養子達と同じように厳しく接しようと思ってはいるのだが、どうにも上手く行かない。
「全くもう。樋速も玉依もすっかりに甘えてしまって……。お義父上、本当にすみません」
「いや、構わぬよ。こうして抱きかかえられるのも今のうちだけゆえな」
 頭を下げる布刀玉に、目を細める浄炎。
 年を重ねて増えた目尻の皺。父の優しさが滲み出ているそれに、千覚も微笑んで……。
 布刀玉はそんな妻に、そっと耳打ちする。
「……お義父上は本当に子供の相手がお上手ですよね。千覚さんを育てられた時もさぞ優しかったんでしょうね」
「うーん。そうですね。優しさの種類が違うというか……私達には厳しかったんですよ?」
「えっ。ええ!?」
 目を丸くする布刀玉に、くすくすと笑う千覚。
 いかにも人が良さそうな、穏やかな今の浄炎を見たら、夫が驚くのも無理はないのかもしれない。
 ――千覚には、実、義理含め多くの姉妹、兄弟がいるが、浄炎は子供に対して平等に厳しく、寡黙であまり笑うこともなく……『厳父』という言葉がぴったりの人だった。
 己自身が開拓者である為か、子供達にも『力無き人達を守る最強の牙とならん』という教育を徹底した。
 千覚自身、その教えが身についていたからこそ、こうして石鏡王である布刀玉の元に嫁いでも抵抗を感じることなく執務に従事できたし、明王院家の者達も同様で……浄炎の教えは正しかったのだと、身をもって感じている。
 ……でも。孫が生まれて、父は少し変わった。
 本人に言うときっと微妙な顔をするであろうから言わないが、良い方向に変わったと、そう思う。
 布刀玉と浄炎が真剣な表情で話しているのを見て、千覚の微笑みが深くなる。
「……では、件のアヤカシの被害があった村の復興は順調に進んでいるのですね」
「うむ。恙無く。村に常駐の職員を置くよう手配したゆえ、問題にも迅速に対応できよう」
「その常駐している職員というのはどなたです?」
「国営孤児院出身の者だ。自ら志願してな。巫女で医療の心得もあるゆえ、村人達の診療にも当たっておるようだ」
「そうですか……」
 浄炎の報告に、ほっと安堵のため息をつく布刀玉。
 ――彼が石鏡国の繁栄に繋がる政策として打ち出したのは、支援事業だった。
 資源も多く、治安の良い石鏡の次の売りにすべきは『民』なのだと。
 その事業の第一歩として始まったのが、国立の孤児院だった。
 石鏡国内のみならず、儀を問わず行き場のない子供達を受け入れ、質の高い教育を施す。
 卒院した子供達には、仕官や就職の斡旋をし、国内外に専門知識を持った人員を提供する――。
 元々結果が出るのに長くかかる事業ではあった。
 ここまで来るのに様々な問題もあった。
 どうにかこうにか乗り越えて……こうして、卒院した者達が活躍していると聞くと、己の判断は間違っていなかったのだと思えて――。
「千覚さん、お義父上。ありがとうございます。貴方達がいなければ、ここまで来られなかったでしょう」
「あら。私は自分のやりたいことをやりたいようにやってきただけですよ? ねえ、父様?」
「うむ。……王よ、安心するにはまだ早いぞ。支援を求める者がいる限りは、我々が手を休めてはいかぬ」
「……はい。あくまでも自立を促すように支援するんですよね? お義父上」
「甘やかし過ぎず、でも目は離さぬさないように……子供の教育と同じですよね」
「その通りだ」
 若い夫婦の言葉に頷く浄炎。
 この2人は、今までも良くやってきた。
 この先もきっと、支え合いこの国をより良くして行くだろう――。
 そんなことを考えていた彼は、孫達の不満げな声で我に返る。
「お祖父様、また難しい話してるー」
「ねえねえ、お祖父様! お祖母様と出会った時のお話して!!」
「む……? もうその話は幾度となくしておろうが」
「何度でも聞きたいの!」
「お祖父様、お願い!」
 浄炎の首にぎゅーっとしがみつく双子。
 孤児院に着けば、浄炎は『祖父』ではなく『先生』に。双子は『孫』ではなく、『孤児達の兄姉』という立場に変わる。
 こうして祖父として可愛がってやれるのも、今のうちだけか……。
「そうさな……。あれはまだ俺が駆け出しの開拓者だった頃で……」
 ぽつりぽつりと語り出す浄炎を、目をキラキラと輝かせて見つめる樋速と玉依。
 頬の傷もカッコいいし、祖父は2人の英雄なのだ。
「樋速も玉依も、父様や香香背様の前だと子供らしいですね」
「そうだね……と、そうだ。香香背で思い出した」
「どうかなさいました?」
「うん。戻ったら千覚さんにも見せようと思ってたんですけど、烏水くんから手紙が来てね。こちらに帰ってくるそうですよ」
「あら……。お願いしていた興行の件でしょうか」
 石鏡国王夫妻は、義妹夫妻に孤児院の教師や、行楽の為の興行、復興に努める人々の慰安など様々な支援事業をお願いしている。
 それゆえ、旅の途中でも時々石鏡に戻って来ることがあったので、今回もそれかと思ったのだが……。
 小首を傾げる千覚に、布刀玉は笑顔で首を横に振る。
「ううん、そうじゃなくてね。石鏡に定住したいそうですよ」
「まあ……! 素敵……。子供達も喜びますね。烏水さんと香香背様が大好きだから……」
 手をぽん、と叩いて口角を上げる千覚。その表情が少女のようで、布刀玉の心臓がとくりと跳ねる。
 そんな夫の様子に気付く様子もなく、彼女は考えを巡らせる。
「……そういえば、どこに住まいを構えられるのかしら」
「…………」
「布刀玉様? どうかなさいました?」
「あ。いや。何でもないですよ。ええと。定住先は悩んでいるそうでね。大体の希望はあるそうなんですが、相談に乗って欲しいと書いてありましたよ。千覚さんの意見も良かったら聞かせて貰えますか?」
「勿論です。……本格的に住居が決まるまで仮住まいを用意して差し上げた方がいいですよね」
「そうですね。家を新築するかどうかも、本人達の意思を聞いてからにしましょうか。あの2人のことだから、あまり派手なことをするのは好まないかもしれませんし」
「はい。でも、良かったです。いつかは定住されるのだろうとは思ってましたけど、他の儀にするのかと思ってましたから……」
「そうですね……。石鏡を選んでくれたことは、とても嬉しいですね」
 烏水は香香背に『世界』を見せたいと、ずっと心を砕いていた。
 だから、定住するのだとしても遠い地になるものとばかり思っていたから――。
 千覚と布刀玉はにっこりと微笑みあう。
「それにしても急に定住だなんて、どうしたんでしょうね」
「んー。何かあったんですかね。……もしかして子宝、とか」
 布刀玉の一言にハッとした千覚。次の瞬間、頬を染めて目をキラキラと輝かせる。
「お祝い! 布刀玉様、お祝い用意しましょう!」
「千覚さん、まだ子宝って決まった訳じゃないですよ?」
「お引越し祝いだって必要じゃないですか!」
「うん。それもそうですねえ……」
 義妹夫妻の話で盛り上がる千覚と布刀玉。自然と寄り添い、手を繋ぐ。
 この先も、両親や兄妹、子供達……そして全ての民が幸せであって欲しいと願う。
「……さあ。そろそろ孤児院だ。お前達、言われたことは守れるな?」
「はい。お祖父様!」
 そして、孫達をそっと下ろし、2人を順番に見つめる浄炎。
 強く頷く樋速と玉依の頭を、順番に撫でる。
「浄炎先生ー!」
「布刀玉とーさま! 千覚かーさまーー!!」
 見えてきた孤児院。門のところで手を振る子供達に、布刀玉と千覚は手を振り返した。


「香香背。義兄上と義姉上から手紙がきたぞい」
「思ったより早かったわね。何ですって?」
「……仮住まいは手配済み、とのことじゃ。気が早いの……。あと、子供はいつかって書いてあるの」
「……!? 烏水、子供のこと手紙に書いたの!?」
「そんなこと書いとらんわ! わざわざ宣言するものでもなかろ!!」
「それもそうよねえ……」
「何故バレたんじゃろ……」
「双子だから通じ合ってるってことなのかしらね……」
 布刀玉夫妻から届いた手紙を手に、顔を見合わせる烏水と香香背。
 2人が石鏡に向けて出発したのは、それからまもなくのことだった。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ib0351/明王院 千覚/女/17/石鏡の慈母
ib0347/明王院 浄炎/男/45/新たな想いを知った祖父
ib9423/音羽屋 烏水/男/16/天儀一の三味線弾き
iz0019/布刀玉/男/17/石鏡国王(NPC)
iz0020/香香背/女/17/石鏡国王(NPC)

樋速(ひはや)/石鏡王長男(NPC)
玉依(たまより)/石鏡王長女(NPC)

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
お世話になっております。猫又です。

納品まで大変お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。
石鏡の国と、それを支える親族、兄妹の織り成すお話、いかがでしたでしょうか。
今後はアヤカシも減っていき、石鏡は未だかつてない平和な時代へと突入することになるかと思います。
好き勝手色々書いてしまいましたが、話し方、内容等気になる点がございましたらお気軽にリテイクをお申し付け下さい。

ご依頼戴きありがとうございました。
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舵天照 -DTS-
2016年04月19日

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