▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『LIKEとLOVEの違いとは 』
金獅aa0086hero001

「なあ、好きって何だ?」
 金獅(aa0086hero001)は、目の前でいかにも甘そうなドリンクを飲む女性に尋ねる。
「どうしたの?金ちゃん。珍しく眉間にシワよってる。イケメンが台無し〜」
 グロスで艶めく唇をストローから離し、女性は金獅の眉間を指で撫でてくる。
「あ?」
 妙な所に手をやるなと自分でも眉間に指をやると、確かに深いしわが刻まれている。
「で、好きって何だよ?確かお前も彼氏いたろ?」
「私の話は良いよぉ。でも英雄も彼女とか作るの?」
「そうじゃねーの?普通に人間と付き合ってる連中もいるしな」
 黄色い声をあげ楽しそうに次々と質問してくる女性に分かる範囲で答えながら金獅は楽しそうな女性を見やり返答を諦めた。


 金獅という英雄は変化をもたらす事が好きだ。
 子供や女性は感情の変化がわかりやすいので見ていて楽しいと思う。
 雨が止み晴れるように涙が笑顔に変わる瞬間は気分がとてもいい。
 突き詰めて考えると相手に変化をもたらす事が好きと言うより、相手を喜ばせ一緒に笑いあうのが好きという側面が強いのかもしれない。


「でもさぁ。好きって難しいよね」
 一時間ほど質問攻めにした後、女性が溜息をつく様にそう言った。
「あ?どういうことだよ?」
「金ちゃんは、私のこと好き?」
「あったりめーだろ。じゃなきゃもう帰ってるわ」
「彼氏から奪いたい?」
「いや?俺はお前が笑ってりゃいい」
 諦めていた質問への答えがかえってきたはいいが金獅には全くと言っていい程意味が分からなかった。というより彼女が何を言っているのか分からない。考えれば考える程彼の眉間のしわは深くなっていく。
「そこだよねぇ。一緒にいたいとか、ずっと頭から離れないとかじゃないでしょ?」
 そんな相手を持ってる奴がいるのか?金獅は直感的にそう思ったがとりあえず話を最後まで聞くことにした。
「多分ね。金ちゃんが知りたい好きはLikeじゃなくてLoveだと思うんだよ。わかんないけど」
「ライク?ラブ?何だそりゃ?」
「……きっと私が何言っても金ちゃんは分かんないよ。誰かに教えてもらったら?」
 そう苦笑して彼女は金獅の頭をにポンと手を置くと去っていった。


 女性に言われた通り己の能力者に教えを請うてみたが、少女は辞書を広げ、内容を読むばかり。
 単語の意味を説明されてもピンとこないどころか、辞書特有の小難しい言い回しに眉間にしわが寄りすぎて痛いほどになっていた。
「つまりライクは好きでラブは愛してる。って事なんだな」
 頷き能力者は席を立つ。
「でもさー具体的には何が好きで何が愛してるなんだ?」
 問題はそこである。
 本、映画、歌世界中の色々なものが愛を謳う。
 しかしながら、『好意』と『恋』そして『愛』の違いがどうしても元・凶鳥には理解出来ない。
 寄りすぎて痛くなった眉間を一生懸命解しながら、ぐにゃりと机に突っ伏してる彼の頭に何かが触れる。
 能力者がチラシの様なものを頭の上に落としたのだ。
 そこには今度行われるジューンブライドの企画が書かれていた。
「おい、結婚式とか興味……」
 無言で能力者がもう一枚紙を落とす。
「お相手募集企画参加受付書?!おい!!俺の名前書いてあんぞ!」
 返事はない。
 が、去り際少しだけ彼女の口角が上がったのを金獅は見逃さなかった。
『仕方ないので次の試行方法を提示しました』
 そう溜息交じりに言う彼女の姿が頭の中にすぐに浮かぶ。
「あのクソガキ!バカにしやがって!!」
 反射的に立ち上がると、紙を床に叩きつけ煙草の火を踏み消す様に何度も踏みにじる。
 勿論、そんな事は全くの被害妄想。
 だが、皮肉にもこの参加書が彼にとって、嗜好的にも思考的にも最も適した方法であった事も、彼を激昂させる大きな要因である事はほぼ間違いなさそうだ。


 ひとしきり紙を踏み怒りが収まったのか、椅子に座り直し目を閉じる。
「……」
 ちらりと薄目を開け無残にも皺くちゃになった紙を見る。
 また閉じる。
 また開く。
「あーくそっ」
 何度かその動作を繰り返してから髪をかきむしり金獅は紙を拾い上げた。
「仕方ねーから出てやるよ。興味ねーけど、仕方ねーから」
 誰に言い訳をしているのか大きな声でそう言いながら紙のしわを伸ばしつつ金獅も部屋を後にする。
 その眉間にしわはなく、迷いが消えたようなどこかすっきりとした顔だった。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【aa0086hero001/金獅/男性/19歳(外見)/『特別』を持たぬ鳥】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

 はじめまして。金獅様。
 今回はご依頼ありがとうございました。

 ジューンブライド企画へ繋がるノベルとの事でしたがいかがだったでしょうか?金獅様の求める答えがイベントやそこで生まれた縁で見つかることを心からお祈り申し上げます。

 お気に召されましたら幸いですが、もしお気に召さない部分がありましたら何なりとお申し付けください。

 今回はご縁を頂き本当にありがとうございました。
 またお会いできる事を心からお待ちしております。
WTシングルノベル この商品を注文する
龍川 那月 クリエイターズルームへ
リンクブレイブ
2016年05月20日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.