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『―― ふたりきりの夏は…… ―― 』
猫野・宮子ja0024)&ALjb4583

 夏に向けて茹だるような暑さが続く中、猫野・宮子(ja0024)とAL(jb4583)は海に行くための水着を二人で買いに来ていた。
「ふあー、あっつい……」
 白いシャツと半ズボンという姿の宮子は額に滲む汗を手で拭いながら、愚痴るように呟く。
「大丈夫ですか? 店の中に入れば少しは涼しいと思いますので、そこまで頑張りましょうね」
 宮子とは真逆でALは暑さを感じさせない態度のまま、にっこりと微笑む。
「ALくんは暑くないの? ボクとは違って、全然顔に出てないけど……」
 宮子が首を傾げながら問いかけると、ALはくすりと微笑みながら――……
「宮子様と一緒にいられることが嬉しくて、暑さなんて感じないんですよ……と言いたいところですが、僕も少しは暑いと感じていますよ」
 悪戯っぽい表情を見せながら、ALが答えると宮子は照れたように更に頬を赤らめた。

※※※

 そして、二人で水着売り場へ向かう。
 まずはALの水着から買うことにして、宮子は色んな水着を物色しながら考え込んでいた。
「あ、これALくんに似合いそう! ……うーん、でもこっちの方が似合うかも?」
 着る本人よりも宮子の方が真剣になっていて、その様子を見ながらALは優しく微笑む。
「ALくんはどれがいい?」
「僕は宮子様に選んでもらえるもので満足です」
 普通の男性なら、早めに済ませるため適当に言う人もいるのだろうが、ALは心から『宮子の選んだ水着』を望んでいる。
 それを宮子も分かっているから、何も言わず、再び水着選びに頭を悩ませた。
「……うん、これがいい! きっとALくんはこれが一番似合うよ!」
 宮子が選んだのはトランクスタイプの水着で、淡い水色。
「ふふ、ありがとうございます。これを着て二人で泳ぐの、楽しみですね」
 買ったばかりの水着を見ながら、ALは嬉しそうに笑う。
「次は宮子様の水着ですが、どのようなものを買うつもりですか?」
「うーん、特には決めてなかったんだよね。ALくん、ボクってどんな水着が似合うかな?」
 宮子の問いかけを受け、ALはしばらく考え込んだ後に――。
「宮子様でしたら、どんな水着でも似合うかと思いますよ」
「もう……そう思ってくれているのは嬉しいけど、もっとタメになるアドバイスしてよ」
 宮子は照れ隠しで視線を逸らしながら、目の前にあった水着を手に取る。
「うわ〜、さすがにこれは……」
 露出度の高い水着で、宮子は顔を赤らめながらそれを元に戻す。
「こちらの水着などいかがですか? オレンジのパレオが素敵ですよ」
「……本当だ、可愛い」
 色んな水着があって、正直宮子は目移りしていたけれど、ALが手に取った水着は宮子も一目で気に入っていた。
(せっかくALくんが選んでくれたんだし、ボクの水着はこれにしよう)
 こみ上げてくる嬉しさを堪えながら、宮子はレジへと向かい始めた。

※※※

「……雨、降りそう」
 水着を買い、店を出ると先ほどとは違い、どんよりとした雲が空を覆っている。
「ここで待っていても仕方ありませんし、少し急いで帰りましょうか」
 ALは宮子の手を繋ぎながら、少し早足で歩き始めたけれど……急いだ甲斐もなく、空からは大粒の雨が降り始めた。
「わわわっ、何これ! ここまで激しい雨ってなかなかないよね!?」
「宮子様! 幸いにもここは部室の近くですから、しばらく雨宿りをしましょう」
「う、うん……」
 ALに手を引かれ、宮子は部室へと向かう。

※※※

「……はぁ、すごい雨だった」
 全身びしょぬれで、ALは部室に置いてあったタオルで宮子の髪を拭き始める。
(……濡れた宮子様、すごく――)
 ぽた、ぽた、と水が滴る宮子を見て、ALはハッと我に返り、勢いよく首を振る。
(いけない、何考えているんだ、僕は……!)
「ALくん、どれくらいで雨が止むかな?」
 髪を拭いてもらいながら、宮子は窓を叩きつける雨を見て、小さく呟く。
「しばらくは無理でしょうね」
 ALが答えた時、宮子が可愛らしいくしゃみをした。
「うー、やっぱり寒いね……雨に打たれすぎたかな」
「僕の上着を貸してあげたいのですけど、それもびしょぬれですからね……」
 どうしたものか、とALが考え込んでいると、宮子が「そうだ!」と少し大きな声で言う。
「ALくん、さっき買った水着に着替えようよ。濡れた服を着ているよりはいいと思うよ?」
「お互いに水着に着替え……ですか」
 ALは頬を赤らめながら、その提案を受けるべきか否かを考え込む。
「このままだと風邪引いちゃうばかりだし、着替えよう? ボクはそっちで着替えるから」
 部室には衝立も何もないので、お互いに背中を向け合って着替えなければならない。
(……僕、我慢できるでしょうか)
 そんな不安を抱きながら、ALは苦笑して着替え始める。
 そして、着替え終わった後――……
「じゃーん、どう? 似合う?」
 水着姿になった宮子にALは言葉を失い、ジッと彼女を見つめていた。
「ちょ、ちょっと、何か言ってくれないと恥ずかしいんだけど……」
「……お綺麗です、宮子様。夏まで待てるか自信がなくなるくらいに……」
 そのままALは宮子を押し倒す形でキスを落とす。
「ALくん!?」
 突然キスをされ、宮子は驚くけれど怒ったりはせず、ALの背中に腕を回す。
「……す、すみません。思わず……」
 ALが離れようとしたけれど、宮子はそんな彼を強く抱きしめる。
「……ありがとう、ALくんもかっこいいよ」
 宮子の言葉がキッカケとなって、雨の音を聞きながら再びキスをする――……。
 この後、二人がどのように過ごしたのかは、本人達のみ――……


―― 登場人物 ――

ja0024/猫野・宮子/14歳/女性/高等部3年・鬼道忍軍

jb4583/AL/13歳/男性/高等部2年・ダアト

――――――――――

猫野・宮子様
AL様

こんにちは、今回もご発注頂きありがとうございました!
今回の内容はいかがだったでしょうか?
ご満足して頂けるものに仕上がっていますと幸いです。

また、機会がありましたら宜しくお願い致します。
それでは、今回も書かせて頂き、ありがとうございました!

2016/6/14
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2016年06月14日

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