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『エージェントスポーツフェスティバル! 』
真壁 久朗aa0032)&秋津 隼人aa0034)&木陰 黎夜aa0061)&オリヴィエ・オドランaa0068hero001)&紫 征四郎aa0076)&虎噛 千颯aa0123)&東海林聖aa0203)&小鉄aa0213)&佐倉 樹aa0340)&笹山平介aa0342)&大宮 朝霞aa0476)&今宮 真琴aa0573)&ゼノビア オルコットaa0626)&御代 つくしaa0657)&唐沢 九繰aa1379)&齶田 米衛門aa1482)&クレア・マクミランaa1631)&天都 娑己aa2459)&呉 琳aa3404)&鹿島 和馬aa3414

●エージェント思いそれぞれ
「ヨネと一緒は判ったが、他に見知った顔、誰だろうな」
「同じチームと言っても、結構な人数ッスからね」
 真壁 久朗(aa0032)と齶田 米衛門(aa1482)がゼッケンを手に周囲を見回していると、東海林聖(aa0203)が向こうの方からやってきた。
「2人もこのチームとはな! まさかの桃って言うかピンクチーム」
「抽選とは言え、変な気分だ」
 聖がゼッケンの色を示して苦笑すると、久朗も全くだと頷いた。
「あ。今宮さんッス」
「何で物陰にいんだろ」
 米衛門が今宮 真琴(aa0573)に気づくが、彼女は物陰におり、気づいた聖も首を傾げる。
「こっちッスよー!」
 米衛門が手招きすると真琴がやってきた。
「このチームは比較的10代後半から20代半ばの男性が多いんですよ」
「? なら、優勝いけるかもしれねッスね!」
 眼鏡輝かせる真琴へ解ってない米衛門が明るく笑ってサムズアップ。ぴゅあ。
 が、聖は何となく気づいて何とも言えない顔をし、説明されれば解るが察するのが難しい久朗は聖に空気の変化を不思議に思った。

 エージェントスポーツフェスティバル。
 H.O.P.E.協力企業主催のチャリティーイベントだ。
 共鳴したエージェント達は5つのチーム(結構な人数が参加しているので5チームだそうだ)に分かれ、優勝を目指すのだとか。

「いつきちゃんと同じなら頑張る!」
 ポニーテールされた銀髪を靡かせて燃えているのは、御代 つくし(aa0657)。
 その隣、緑チームのゼッケンを手にする佐倉 樹(aa0340)は髪をハーフアップにして、つくし同様動き易い格好をしている。
「運動会って久し振り、かも……」
「なら、うんと楽しまないと!」
 つくしを見つけて声を掛けてきた木陰 黎夜(aa0061)がやってくると、つくしは笑顔を向けた。
「あ、秋津さんだ」
 樹が秋津 隼人(aa0034)の姿を見つけ、漏らす。
 彼のTシャツにでっかく、毛筆的な書体で『覚悟』と書いてあり、やる気凄そうだが、目立ってる。
 気づいた隼人がこちらへやってきた。
「かなり参加してますね」
「正々堂々勝負!」
「ですね!」
 隼人とつくしは盛り上がっている。
 樹的にはつくしが怪我をしなければいいなと思うので、そこは気をつけようと思いつつ、
(くろーが来たら遠慮なく)
 まるで久朗の前で納豆をかき回している時の様な笑みを浮かべた為、黎夜が(笑って、る?)と隣で驚いていたが、まぁ、大丈夫。

「喜んでますよ」
「光栄でござる」
 互いを見つけて言葉を交わすのは、唐沢 九繰(aa1379)と小鉄(aa0213)だ。
 九繰の内で彼女の英雄がNINJAと一緒のチームと幸運に喜んでいるらしく、会話も弾む。
「ヒーローがいる?」
 九繰が何か聞いたのかその方向に目を凝らすと、マントを風靡かせて歩いてくる大宮朝霞(aa0476)の姿が。
「小鉄さんも一緒……NINJAとウラワンダーが競演する日が来ようとは……」
 直後、「こういうのは形式が大事なの」と反論するように言った所を見ると、内部からツッコミが入ったらしい。
「夢の競演ですね……」
 九繰がほわんとしている所に、共鳴後主導権を自分としているオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)が青の同じゼッケンを持って通りすがる。
「あっ、同じです!」
「ちゃんと考えられる人が一緒!」
「頭脳よろしく頼むでござる」
 朝霞が迷わず声を掛け、九繰と小鉄が畳み掛ける。
「あ、ああ……」
 そう答えるのがやっとだったオリヴィエ、この時ばかりは観覧モードの能力者に替わりたかったらしいが、却下されたらしい。
 戸惑う彼の背後では、テンション良い3人が勝利を誓い合っている。

「こういうのは久し振りなのでワクワクしちゃいます♪」
「やるからには勝ちたいよなー」
 笑顔の笹山平介(aa0342)と会話を交わすのは、虎噛 千颯(aa0123)だ。
 ここに負けず嫌い半端ない紫 征四郎(aa0076)も体操服姿で気合十分、会話に加わる。
「今回はオリヴィエと別ですし、正々堂々と勝負し、勝つ個人目標はありますが、チームとしても優勝したいです」
「全力で楽しむのも大事だけど、やっぱり勝ってこそ! あ、ゼノビアちゃん、こっち!」
 征四郎に同意した千颯は、ゼノビア オルコット(aa0626)が黄チームのゼッケンを着けていることに気づいてチームの整列はこちらだと手招いた。
『沢山の人が参加してて、迷ってしまいました』
「俺ちゃんもびっくりだった! やるからには楽しんで勝つって話を今してて」
『勝負は全力。同意です』
 メモを見せるゼノビアはこういう時に手を抜いては失礼だと考えているらしく、半袖Tシャツ、ハーフパンツと動き易い格好だけでなく、うさぎさんのヘアゴムでポニーテールで髪を結い、全力勝負の姿勢を格好から見せている。
「皆さん頼もしいです♪」
「勝ちましょう!」
 平介に征四郎がしっかり頷くと、ちょうど開会式が始まった。

「挨拶してる人、着物着てる……!」
 天都 娑己(aa2459)が挨拶をする大会組織委員長を見て、感嘆の溜息。
 すると、鹿島 和馬(aa3414)が委員長を見、一言呟く。
「俺とそんな年齢変わらなさそうな……」
「綺麗……」
 娑己の目が、和服を着こなす美人に輝いている。
「俺は楚々と笑うより明るく笑ってくれた方が……」
「俺もお姫様より、元気いっぱいのほうがいいぞ!」
 呉 琳(aa3404)が明るく笑って加わってくる。
「ありがとう!」
 和馬に言われた意味を取り違えそうになったと動揺する娑己が立て直してお礼を言う。
 すると、クレア・マクミラン(aa1631)が視線を前に向けたままするりと言った。
「あれは姫君の目ではありません。……戦士の目です」
「そうなのか?」
 琳が物怖じせず尋ねると、クレアが答えを告げようと口を開く。
 その瞬間だった。
『皆様の交流が深まればと思っていましたが、赤チームは開始されているようですね。嬉しいです』
「……やりますね」
 クレアは何を感じたんだ。何を。
 後でパンフ見たら、この委員長、エージェント登録してたので戦士に間違いなかった。

 ともあれ、開会式は無事終わり、チーム毎のスタンドへ移動すれば、大会は本格的に始まる。

●作戦勝ち
「っし、やるからには勝つぜ!!」
 体育以外の得意科目がない疑惑をあっさり認めた聖は、玉入れも全力だ。
「今宮さんは上手いッスね」
「ボクはスナイパーだからね」
 米衛門が玉入れエースとなっている真琴に感嘆すると、真琴がにやりと笑う。
 と、久朗が周囲を見回し、気づく。
「……青がまだ何も入れてないな」

 青はオリヴィエの言葉により、小鉄、朝霞、九繰が散らばる玉を全て拾い集めている。
「結構あるでござるなぁ!」
「こういう作戦は思いつけませんでした!」
「征四郎さんに負ける気なさそう……」
 オリヴィエは勝ちに行く為に作戦を出していた。
 恐らく、個人的に征四郎に勝ちたいのだろうと何となく気づいた3人は微笑ましいいものを感じながらも玉をせっせと拾う。

 その征四郎は千颯、平介、ゼノビアと共に玉を投げ入れている。
「結構難しいですね」
「久々ってのもあるだろうし、リンカー仕様だしな」
 平介と千颯が会話を交わす中、コツを掴んだらしいゼノビアが順調に投げ入れている。
(籠と投げる手を直線……位置は真下のここ……)
「なるほど、入りやすいですね」
 征四郎は見様見真似でゼノビアを倣い始め、平介と千颯も便乗する形で投げ入れていく。

 それを見て、投げるの苦手なクレアが便乗した。
「凄い、入った!」
「情報収集も大事ですから」
 琳の歓声にクレアが応じていると、和馬と娑己も続いて、苦戦していた赤チームも漸く入りだす。
「ここから追い上げていくんだから!」
「馬だけに最後の直線勝負……!」
 けれど、青チーム以外は順調だ。

「青は、何をしているのでしょう?」
「そういうことか」
 隼人が少し気にしていると、樹が動かないオリヴィエを見て真意を察した。
「いつきちゃん、そういうことって?」
「一気に決めてくるってこと」
 樹がつくしに答えた瞬間、全ての玉を集め終わった3人がオリヴィエへ玉を渡している。
 オリヴィエは回収用の籠に設置されている袋を手に取ると玉を全部その中に入れ、決めていた位置まで歩いていくと、正確に投げた。
「あー!!」
 つくしと征四郎の悲鳴が重なった瞬間、袋がぽすっと中に入る。
「勝ちは、勝ちだ」
 征四郎を見ながらオリヴィエがそう言ってるのを見た黎夜は一言。
「今の運動会って凄いな。え、違う?」
 内部からの指摘を受けた黎夜、このフェスティバルの玉入れで禁止されていないことをチェックし、更に共鳴状態を生かしたオリヴィエの作戦勝ちであることを知った。

●誰に、何を
 順調にプログラムが進んでいき、次は借り物競争となった。
「全体競技じゃないなら、個人的な応援大丈夫だってさ」
「良かった! 違うチームでも友達は応援したいからな!」
「借り物競争、皆さん結構参加してますよね」
 和馬がパンフレットの注意事項を見ながら確認すると、琳がほっとした表情を見せ、それから入場してきたエージェント達を見て九繰が数えていく。
 個人的な応援もしていいなら、ということで、和馬がスタンドの一角に出入り自由の友人応援スペースを設け、一種応援団的に立ち回っているのだ。
「親しい同士の対決も見物ですけど、何が書いてあるかも見物ですよね」
「そんなに色々書いてあるものなのか?」
「会場内で見つけられそうなもの限定になりますけどね」
 記憶がない為に借り物競争が解らない琳が尋ねると、九繰は笑って教えてくれた。
 内部の英雄は女性が隣ということで動揺しまくっているらしいが、琳にその影響はなく、教えてくれた感謝に笑う。
「一応、俺も書いてあったら困りそうなものを幾つか準備したので、応援出来ればと思うんですが」
「……眼鏡とかは貸してくれそうだけど、カツラとかは厳しそうだもんな」
 和馬が隼人準備の内容を見て、重々しく頷く。
 やがて、彼らも見知った顔が続々と登場してきた。

「遠慮なんてしねーぜ!!」
「拙者も手加減無用でござる!!」
 聖と小鉄、のうk……体育会系の彼らの中に手を抜くなんて言葉はない。
 本気勝負。それでこそ楽しいというもの。
 火花散らせる彼らは当然身体能力に自信あり。
(それだけがこの勝負を決める訳ではない)
 実は、クレアも同じ走者。
 身体能力に関して言えば、元々に加え、軍隊出身者、厳しい訓練を耐え抜いただけあり、高いものを誇っている。
 そしてスタート!
 まず飛び出したのは小鉄、続いて聖だ。
「何と……! どなたか、どなたか今日が誕生日の人はいるでござるかー!」
 小鉄がスタンドに向かって走り、声を張り上げる。
「うわっ、昨日自分の英雄より沢山食べた人、何だこの無茶振り!」
 絶望した聖もスタンドに向かい、英雄が昨日何を食べたか声を張り上げ、これより食べる人を募集し出す。
 そしてクレアは──
「英雄の体重とほぼ同じ位の荷物」
 見回すと、障害物競走用の備品を発見した。
 備品の重さを聞いて集めていくと、結構な量になるので、袋を借りて持ち上げる。
「だ、大丈夫です?」
「ええ」
 係員の案ずる言葉に笑って、クレアはそのまま1位でゴールした。
 小鉄、聖は結局上手い方法を見つけられずに借りることが出来なくてタイムオーバーで失格。
「何で昨日はいつもより食べてたんだよ……!」
 聖の場合、運が悪かったとしか。

 九繰、琳、和馬にとって見知った次の組み合わせは、ゼノビアと黎夜だ。
「うち、借り物競争は生まれて初めて……」
 本当にドキドキしている様子の黎夜はこの競技に限らず臨む時は一生懸命、見ている時も親しい者へ個人的な声援を上げている。
 競技の邪魔にならないようメモはスタンドに置いてきているゼノビアはそうなのかと黎夜へ問うように見た。
「うちが最後に参加したのって小学校1年で、小学校1年だと借り物競争ってやらないから……」
 元々日本人ではないゼノビアは、詳しくないなりに話してくれる黎夜の話に興味津々で聞いていたら、出番が来た。
 勝っても負けても恨みっこなし、と2人スタート。
(うちは……リボン)
 黎夜はお題を見て、ゼノビアのヘアゴムは違うからと周囲を見回し、近くのスタンドで見ている女の子の手にあるクッキーのラッピングにリボンがあることに気づいた。
 あれなら、頼み易い。
 黎夜は身を翻し、交渉、身に着けているものでなかった分女の子もあっさり貸してくれた。
 一方、ゼノビアのお題は、缶コーヒーで、こちらもスタッフ席ですぐに発見し、借りることが出来た為、ゴール目指して走っている。
「負け、ない、です」
「うちだって!」
 最終的にゼノビアと黎夜が争い、同時ゴールとなった。
 決着がつかないのも、これはこれで楽しい。

「障害物はなし……障害物競走が別にあるから当然か」
「早く到着したとしても借り易いカードであるかは別問題ですね……」
「選択肢があるっていうだけだもの」
 樹、征四郎、朝霞はカードまでの距離を目測で確認中。
(ここで勝負はなりませんでしたが)
 負けず嫌い半端ない征四郎、決着をつけたいオリヴィエと今回は決着しなくとも1位狙いだ。
(コーナリング注意だろうか)
 久朗も黙ってコースを見る。
 彼自身勝ちにそこまで拘る方ではないが、隣の平らな胸の女とは個人的に1度全力で勝負をしなければならないという気はしているのだ。
 やがて、スタート!
「ちゃんこ、鍋?」
 身体能力の高さから最速でカード到着した朝霞、思わず変な声出た。
 聖霊紫帝闘士ウラワンダーの実力以外の要素ある借り物である。
「チョコレート」
「ホットドッグ」
 樹と征四郎が小さく呟いたのを朝霞は聞き、「これ書いたの誰よ」と漏らす。
 運動会と言えば私、私と言えば運動会、そう言い切れる程度に運動会を知り尽くした朝霞、ちゃんこ鍋があった運動会など聞いたこと……ん。
「あー!!」
 スタンドの上の周回通路の屋台にそれを見つけてでかい声を上げる。
 借りる為にスタンドに入るのは認められているので、華麗に跳躍してスタンド階段一直線。
 で、久朗は硬直していた。
「……『納豆巻』」
 まさかの天敵。
 そして、内から応援の声が星の煌きのように響く。
 そうだ、俺は絶壁と全力勝負している最中……!
 必死で探し、納豆巻を見つけた瞬間、歓声が起こる。
 征四郎が1位でゴールを決めていた。
「流石に見つける物の難易度に影響されるわね」
「ええ。ですが、徒競走でも負けませんから」
「その時こそ実力魅せるから」
 征四郎と朝霞、早くも別の勝負に火花を散らす。
 その後ろ、3位の樹は借りてきたチョコへ目を落としていた。
「このチョコ、新作……了解。帰りにね」
 柔らかいその表情の話し相手は言うまでもないが、納豆巻を手に6位(ビリ)の旗を持つ久朗を見た樹はとても同一人物には見えなかった。

 ……というのを、スタート地点から次の走者であるエージェントからも丸見えで。
 平介と米衛門は思わず顔を見合わせた。
「今日は全力で挑ませていただきますからね」
「ここで全力で行かにゃ廃るッスねぇ」
「私も負ける訳にはいかないですよ?」
 米衛門に明るく笑いかけながら、平介は沈黙を保つオリヴィエを見る。
 征四郎が1位だったのだ、オリヴィエは黙ってないだろう。
 負けず嫌いの征四郎に勝負を挑まれ受けて立っているのは、負けたいと思っていない、プライドが許さないからと推測しているからだ。
(……解ってるよ。これはチーム戦だし、こういう時に勝ちを譲るのは違う)
 平介は内部から窘められるまでもなく、心の中で呟く。
 そうしている内に出番が来てスタート!
 競うようにして隼人と米衛門、マッスル重体連合がカードへ到着した。
「カツラッスか」
 仮装競技がない限り、かなりハードルが高い。
 米衛門、まずは備品係へ走っていく。
 それを見ながら、平介は引き攣りそうになるのを堪え、困った笑みを浮かべた。
「どうしましょうね……」
 尚、隣にいるオリヴィエに至っては時間停止しかけている。
 ちらっと見えたお題は、『口説かれてくれた女の子』であり、外見は能力者ベースの青年であっても中身は10歳少年……というか、そちらに乏しい10歳であった。
「替われ」
 オリヴィエが内部と交渉しているが、眉間の皺が深くなった所を見ると却下された模様。
 平介も平介でどうしたものかと思っているお題は、『自分の漫才で笑ってくれた人』である。
 と、米衛門が応援スタンドへ走っていく。
「役に立つとは思いませんでした。……別チームですけどね」
「恩に着るッスよ!」
 隼人が用意していたカツラを受け取り、米衛門爆走。
 いいなぁ。
 2人がそう思っている間に、米衛門ゴール。
 両者、色んな意味で固まってタイムオーバーとなった。

「固まっちゃうお題もあるのかな。頑張らないと」
 つくしは気合十分に拳を固め、前を見据える。
「どういうお題だと固まっちゃうんだろう。ゴールした人はどういうのか判るけど、タイムオーバーで失格になると判らないから、もだもだする」
「仲間……!」
 娑己の呟きにつくしが自分もだと顔を輝かせる。
 とにかく、お互い頑張ろうと励まし合ってからスタートラインへ。
 カードゾーンでカードを見た瞬間、娑己が硬直した人達の後を追って固まった。
「?」
 つくしは自分のを見た後、娑己が真っ赤な理由が解らないが、先に終えてスタンドに戻っている樹の下へ走っていった。
「いつきちゃん! 一緒に走って!」
 ばっと見せたのは、『大好きな友達』というお題。
 それを見た樹は瞬き後、「喜んで」と笑ってつくしと一緒に走り出す。
 ちょうどその頃、随分恥ずかしがっていた娑己がスタンドへ走っていった。
 目指す先に和馬がいる。
「真っ赤だね。大丈夫かな」
「ゴール後爆ぜろコールになると思うけど」
 つくしは樹の言葉で娑己のお題にやっと思い至り、割と本気で驚いた表情で彼らを見る。
「お題……え」
 ゴール後読み上げられたお題に和馬が固まり、真っ赤になって娑己が俯く中、盛大な爆ぜろコールがご褒美とばかりに上がった。

 ラストレースには、千颯と真琴が顔を合わせていた。
 隙あらば狙っていく系の2人だが、千颯はパージ、真琴は妄想と両者が狙うものには大きな違いがある。
「やるからには勝つぜ、俺ちゃん」
 スタンド一般人席には妻子もおり、支援効果バッチリの千颯。
 しかし、真琴も支援効果では負けてない。
 だって、恋人と共鳴してるし。
「ボクも負ける訳にはいかないからね」
 両者火花散る中スタートすると、カードを見た両者がにやりと笑った。
「意外性か王道か……」
 漏れた呟きからしてお察しの展開である。
 眼鏡の奥の輝き、正に一線級スナイパー、熟練の狩人(何を狩るかはお察し)の目。
 やがて、久朗と米衛門へ歩いていく。
「来てください……!」
 同じチームということもあり、久朗と米衛門は応じて走る。
 そして、『お似合いの2人』というお題で、
「考察を重ねた結果、齶田さんが多くて。でも、ここは初心に帰ってこそ」
「? 初心は大事ッスね」
 隼人や小鉄の名前が挙げられているのもよく解ってない米衛門が久朗に顔を向けていると、流石に理解した久朗が膝から崩れ落ちていた。
 多分このお題、そういう意味のお題じゃない。
 でも、彼女は魔琴なんで、そういう意味で連れて来てる。
 それはさておき、千颯が妻子を連れてゴールにやってきた。
「『ありのままを曝け出せる人』……が、これだけじゃ俺ちゃんありのままを曝け出せないんだぜ! ホワイトタイガーパワーパージアップ!」
 あっと思う時には遅い。
 隙あらばパージを狙っていく千颯、鮮やかなパージをかまし、自分の名前組み入れた脱衣するなという内部からのクレーム以上に紗代夫人がスッゴク怒って服を着せていた(一応ゴール判定だが加点はマイナスされたらしい)

 そうして借り物競争は終わり。
 大玉転がしや二人三脚も経て、お昼の時間となった!

●和やかな休戦時間
 お昼の時間となり、交流関係が広い千颯の呼びかけで20人の参加者が昼食を共にすることとなった。
 一時的に共鳴解除となり、賑やかな昼食の場となる。
「ちゃんこ鍋! 美味しそうだから屋台で買ってきたわ」
『どういうお料理なんですか?』
「まず、ちゃんこから語らないとダメよね」
 ゼノビアがメモを見せると、朝霞がちゃんこ鍋について話し出す。
 日本人ではない上鍋を囲む習慣がないゼノビアは鍋料理に興味津々だ。
「すき焼きもおいしいですよ」
『すき焼きは、知ってます。詳しくない、ですが、2種類あるとか』
「そうなんですよ。私が知ってるのは関東風なんですが……」
 征四郎がゼノビアへ話しかけると、ゼノビアはすき焼きは知っているとメモを見せる。
 それを見て九繰が反応し、すき焼きについて話し出す。
「結構そういうの、あるよな。お雑煮とかもそうだし」
『詳しく聞きたいです』
 黎夜が何となしに漏らし、ゼノビアが聞きたいと書き記す。
 家庭毎にというのはどの国でもある話だが、ゼノビアには調味料だけでなく時として料理方法も西と東で違うというものが興味深いらしい。
「そういう意味じゃ、うちの玉子焼きはうちの家庭の味?」
「意識しないから、家庭の味なのかもしれないですね」
 九繰の言葉になるほどと黎夜も納得する。
 というのを、樹は割と聞き流し気味に聞いていた。
 馴染みがなく、よく解らない為会話に入りようがなかったのだ。
(そういう意味じゃ、納得は出来ても1番理解出来ない人)
 樹は、千颯をちらりと見た。
 彼女の世界にはない存在が、そこにはある。

「紗代ちゃん特製豪華お弁当!」
「私も多めに作って来たんですよ♪」
 怒られて服は着た千颯が愛妻弁当を取り出すと、皆に飲み物を振舞った平介もお手製のお弁当を広げる。
「ガチで動きまくったから腹減ってるしよ、お言葉に甘えるぜ!」
 聖は平介の好意をありがたく受け、鶏のから揚げに手を伸ばす。
 早く食べないと食いっぱぐれる──その危機感を持つ程度に空腹を覚えている。
「ペース速いな」
 久朗は目の前で消えていくスピードに驚きつつ、持ってきたお弁当を食べる。
「お、ローストチキン。オレちゃんのから揚げとトレードしない?」
「ああ、構わない」
「あ、美味しそうだな」
「良ければ1つ食べていい」
「マジ?」
 久朗のお弁当の中身に気づいた千颯がトレードを持ちかけ、久朗が応じていると、聖も興味持ったので、1つ位ならとお裾分け。
(新鮮だ)
 お弁当のおかずトレードも自分の知らない味付けの料理も馴染みがなく、久朗はトレードのおかずを口に運んだ。

 沢山食べる者もいれば、少食の者もいる。
 オリヴィエは少食の代表格だろう。
「具合悪いのか?」
「いや」
 心配そうな琳に声を掛けられ、オリヴィエは緩く首を振った。
「実はピクニックの時もそんなに食べてなかった」
「そうだったのか?」
「これでも前よりは食べている」
 オリヴィエが正直に答えると、琳は無理に食べさせようとせず、その代わり自分が食べた平介のお弁当で特に美味しいものについて話し始めた。
「中は羊肉のミンチなのですか……」
「午後もありますから、しっかり食べておこうと思いまして」
 隼人に答えながら、クレアはスコッチパイの最後の一口を口に放り込む。
 フィッシュ&チップスも既に食べ終えており、本人なりの戦闘準備完了と言った所か。
「揚げチョコレートバーは必要な補給から外れているので持って来ませんでしたが……」
「今、何て……!」
 真琴が驚愕に震えている。
「チョコレートバーの揚げ物があるなんて……!」
「チョコレートバーが揚がること自体オイは驚きッスけどね」
「アイスの天ぷらがこの国にはあると聞きましたが」
「拙者初耳でござる!」
 驚愕する真琴を他所に米衛門が率直な感想を漏らすと、クレアはアイスが揚がるのだからと返すが、小鉄が驚愕の事実とばかりに会話に加わる。
 ちなみに、小鉄は例によって覆面はそのままだ。
「アイスの天ぷらはありますよ? レシピサイト見ればありますし。天ぷらでなくても揚げアイスの屋台ってありますしね」
「それ、文化祭でやってみたいな」
「流石に高校の文化祭では禁止かと」
「えー……でもそっか」
 隼人の言葉を聞いた娑己は顔を輝かせるが、隼人にそう言われ、ちょっと残念そう。
「なら、今度屋台見つけたら食べてみないと!」
 明るく隼人と言葉を交わす娑己の隣で和馬は借り物競争で連れ出されたことを思い出して、落ち着けと心の中で繰り返す。
「春だねぇ」
 唐突に茶を飲むつくしから話を振られ、和馬はお茶を噴きそうになった。
「でも、たまには、また一緒に遊んで欲しいな。枕投げ、上達したんだから」
「友達に変更ないって」
 つくしが枕を投げる素振りをしたので、和馬がそう言って笑った。

 楽しい昼食も終われば。
 互いに全力を尽くそうと言葉を交わし、一旦チーム毎にそれぞれのスタンドへと戻っていく。

●午後の戦いの始まり
 昼食後、応援合戦が始まった。
「こういう時こそ私の出番よ!」
 ビシッと立つのは、朝霞。
 運動会に応援合戦は当然のようにあるもの、と気合十分。
 ヒーローは鼓舞も忘れてはならない。
「私も負けなーい!」
 学ラン羽織った娑己がスタンドの最前列に立って三三七拍子を始めると、主に男性陣から熱い声が上がる。
「皆盛り上がってるな! かずま?」
 よく解っていない琳は和馬を見るが、和馬は牡鹿的アドバイスが頭に響いているらしく、合戦中ずっと会議してた。

 やがて、障害物競走が始まる。

 聖は、真琴を半眼で見た。
「収穫があって何よりだな」
 でもオレは収穫しなくていい。
 そんな思いは、障害物競走が原因だ。
 真琴は応援席ベストポジションキープ、目くるめく掛け算の妄想の翼を広げ、そして、シャッターチャンスを逃さない為スマホスタンバイしていた。
「網に引っかからないな」
 同じように競技に参加しない久朗、今回はゆっくり見学。
 現在は樹がレース中、網に引っかからないのは何を意味するのかは言うまでもない。
「戦闘向きの身体と言えるでしょう」
 久朗に真面目な声で応じたのは、クレアだ。
「揺れて邪魔になることもなく、動き回るのに適している。私は羨ましい」
「そういうメリットもあるのか」
「何事もマイナスばかりではありません。今宮さんも磨けば優秀な斥候になりえるでしょう」
「今宮のはともかく、佐倉のは本人の前で言わない方がいいぞ」
 聖は、多分言うんだろうなと思いながらも、一応言っておく。
 この後、小鉄が登場して覆面外れないのにアンパンをしっかり確保してざわつく会場に、「初心者の人はそうだよね」とつくしが妙に納得したり、琳が小回りを利かせて頑張った結果見事勝ってたが、最後の最後で千颯が網に掛かった口実にパージしやがった。
「ブレてねぇwwwww」
「ボクがブレなかった日なんてあったの?」
 和馬が真琴の激写(奥様の前では自重したそうだ)に大笑いしていると、応援席に戻ってきた九繰が真琴の所へやってきた。
「小鉄さんの忍術写真が欲しいそうなんです」
 あれ(覆面のままアンパン確保)忍術なのか。
 皆そう思ったが、口に出したら負けのような気がしたので、黙ってた。

●戦いの狼煙
 スポーツフェスティバルは徐々に佳境へと入っていく。
 そのひとつとも言えるのが、騎馬戦だ。
「今宮さん大丈夫ッスかね」
「隙だらけだよなぁ」
 聖と会話する米衛門は背丈や体重を考慮され、自分達とは組まず面識のないエージェントの騎馬に乗る真琴を見た。
 でも、真琴は面識云々よりどう考えても違う方面に眼鏡が輝いている。
「今宮の好みと合致したんだろう」
 久朗は背丈もあって自分が絶対に上へ行かないことに凄い感謝していた。
 だって、今月は6月だからという大変理不尽な理由で、鉢巻ではなく、男女問わず花嫁のベールを奪う騎馬戦で、馬上の聖はベール被ってたから。

「ある程度数が減るまで共倒れを狙った方がいいだろう」
「作戦がバレないよう、こっちは派手に動くわね」
「崩されないようしっかり頑張りますから」
 馬上のオリヴィエに笑うのは、他のエージェントを乗せる朝霞だ。
 本当は見知った顔が良かったのだが、背丈などの調整も考えると、完全に希望通りとはいかなかったらしく、九繰が先頭の馬以外は馴染みない顔ぶれだ。それでも、「臨機応変対応可能バトルメディックアピールにはちょうどいいわね」と笑って、輪の中へ入っていく。
「拙者も正々堂々と」
「忍べ」
 うずうずしている小鉄にオリヴィエが短く言うと、「拙者性に合わないでござる」と忍者にあるまじき言動をぶっこいた。
 それを見ていたのは、やはり彼らを見知った面々である。
「オリヴィエのことです。騎馬の数が減ってから臨むつもりでしょう」
 なら、早期に決着を決めるべく、まずは数を減らすべき。
 内部からの助言を伝えた征四郎へ、馬上のゼノビアはこくりと頷いた。
 朝霞は派手に動いているが無駄はなく、他の騎馬と戦っての消耗を見越した方がいいだろうが、男同士のベールの奪い合いを見て、何やら眼鏡を光らせる真琴は隙が大きい。
「俺ちゃん達が押さえるんだぜ!」
「負けないので、負けないでくださいね♪」
 ゼノビアの視線の動きで真琴狙いに気づいた聖が久朗と米衛門へゼノビア狙いをと言うが、そこには千颯と平介の騎馬が立ちはだかる。
 彼らは体格から騎馬側であり、久朗と米衛門に見劣りはしない。
(まずは、減らさないと……!)
 戦において数の有利不利は絶対。
 そうした教えを守るかのように真琴の背後からベールを奪うゼノビア。
 内部より褒められるゼノビアは顔を輝かせるが、真琴は逆にお説教をされたらしく、「ここは戦場じゃないもん」と拗ねながら騎馬を降りていた。
 が、それに顔を綻ばせている場合ではない。
「……!」
 ゼノビアが咄嗟に身体を逸らしたその直後の空間を黎夜の手が切っていた。
 一瞬の隙を狙った黎夜がそこにいる。
「俺達で介入させないようにします。頑張ってください」
「……ありがとう」
 別のエージェントを乗せる隼人が黎夜を見上げると、黎夜は感謝の言葉を口に乗せ、ゼノビアへ向き直る。
 隼人も覚悟Tシャツ着ているだけあり、騎馬戦も強い当たりには備えているが、馬側に女性エージェントがいない訳ではない点より、中々やり難い状況だった。
 この為、組んでいるエージェントに味方が囲まれないフォローをする作戦を提案し、特に軽い黎夜のフォローに徹する形を取っている(ただし、内部から積極性がないと不満を漏らされたのは言うまでもない)
(どちらが介入するかにもよって備えないと)
 久朗と米衛門、千颯と平介……久朗と米衛門の馬上が聖であることを考えれば──
「っし! アタッカーの本領発揮だぜ!」
 やっぱり、聖が強かった。
 黎夜の援護の為、聖を阻止すべく隼人も動こうとした、その時だ。
「わ、ホントに取れた!」
「お見事です」
 琳がゼノビア、黎夜のベールを取っていた。
 クレアが先頭の騎馬として司令塔になっており、まさに漁夫の利のごとく側面から強襲、両者のベールを奪い取ったのである。
「不覚です……」
 心底悔しそうな征四郎がゼノビアが降り易いように膝を折る中、クレアは離脱すると琳へ伝えている。
「目的達成後は固執しないのも戦略として大事です」
「頭いいなー!」
 天空塔で戦域こそ違ったが共に力を尽くした間柄、クレアが琳を上手く操縦して勝ちに行っているようだ。
「俺達も立て直すぞ。脱落者は声援で援護している」
「ッスね。数は減っても油断は禁物ッス」
 周囲をしっかり見ているからこそ見落とさない久朗の言葉に米衛門も他のエージェントも応じると一旦後退。
 聖もその間に呼吸整え、誰が1番いい動きをするエージェントか見定めに掛かる。
「大宮と唐沢は当たり負けしないな。重心もしっかりしてる。安定してる分崩れての脱落はなさそうだよな。小鉄とオリヴィエん所もそうだろうが」
 聖は青チームが1番脅威という分析をしている。
 見知った顔が全ていなくなったのは黄チームだが、ゼノビアがメモで征四郎、千颯、平介に何かを伝えると、彼らが声援でゼノビアが気づいた点を伝えてチームの立て直しを図っている状態だ。
「狙われてますよ!」
「ありがとー!!」
 その後、結局他のエージェントによってベールが取られた為、自身の騎馬の役目を終えた隼人がつくしを狙う動きに気づいて声を張り上げている。
(ふーん)
 樹はつくしを狙っていたのが娑己であり、その騎馬の1人が和馬であることに気づく。
 体格的にそこまで良くない為、体格いいエージェントが当たってきたらあっさり引き下がろうと思ったが、上に乗せているのがつくしであり、つくしがとっても楽しそうであるなら、この限りではない。
「負けないよー!」
「そういう訳で悪いな」
「馬だけに乗せる……」
 つくしに対抗する娑己が元気良く構え、先頭の和馬も降参なら今の内と樹を見る。
 が、樹はぽそりと呟き、そして、目はそのまま、口だけ三日月を描く。
 それを見た和馬ら騎馬勢は数歩、後ろに下がった。
「えっ」
 見てなかった娑己がキョトンとなったが、樹の笑みを見てしまった和馬ら騎馬勢は、ヤバイもん感じて、「一旦体勢を立て直すぞ。囲まれてる!」ともっともらしい理由つけてバックレた。
「生存本能はあり、か……」
「樹ちゃん、守ってくれてありがとう! この調子でがんばろ!」
 つくしは気づいたらしくそう笑うと、半身共々割と容赦ない評価をしていた樹はさっきの笑みとは違う表情でつくしを見る。
「怪我しないように注意してね」
「さっきからそれは」
 どうやら内部からのご指導も中々のものらしく、つくしは樹の忠告に苦笑を浮かべた。

 徐々に、徐々に騎馬の数が減っていく。

「流石にそろそろ厳しくなってきたようですね」
 九繰はオリヴィエと小鉄も出ざるを得ない状況に気づき、小さく呟く。
「青は比較的残ってるけど、曲者が残ってるわよね」
「狙うなら、誰が上かも重要ですよね」
 となると、聖との一騎打ちはしない方がいい。
 琳も軽量級なので与し易いが、持久力もあるクレアに疲れがまだ見えず、突き崩しが厳しい。
 となれば──
「あっ、天都さん達が来ました!」
「そう、勝負をしに来たのね……」
 九繰が声を上げると、朝霞は青の残り数的にも引っ掻き回していた状況的にも自分達狙いは打倒と笑う。
「今回は負けない……!」
 そういえばさっきつくしとの対決放棄してたが、何かあったのだろうか。
 素朴な疑問を抱いたが、一騎打ち開始──する直前、九繰の視界の端で聖がオリヴィエ狙いで向かっているのが映った。
 一瞬意識が流れたのを和馬が見逃さず、一気に間合いを詰めてくる。
「転進ー!!」
 朝霞が咄嗟に声を上げて、後退したその背後からつくしが鮮やかにベールを奪ってきた。
「あっ!」
「やったー!!」
 つくしが嬉しそうに笑うのを見ていた樹が朝霞と九繰へ会釈する。
「油断してくださるのを待ってました」
 ダークヒーロー。
 朝霞の脳裏にその単語が過ぎったのは言うまでもない。
 が、直後につくしは琳と対戦となる。
 色々動じないクレア相手では分が悪く、つくしと琳が白熱している間に後方から娑己が迫っていて、つくしのベールを鮮やかに奪った。
「決着は持ち越し……」
「いつきちゃん?」
「何でもない。勝負は最後まで楽しまないとね」
 そう言う樹の顔は俗に言う悪人顔だったが、つくしは「うん!」と明るく笑っている。強い。

 彼女達の決着がつく頃、こちらも決着がついていた。
「流石真壁殿、齶田殿でござる。それは、拙者も解ってるでござるよ……」
 先頭騎馬の小鉄がこちらを理解して動く久朗と米衛門の手並みを褒めつつ、後半は内部からのアドバイスへの反論の模様。
「く……」
「こちとら騎馬戦慣れしてんだよッ!」
 オリヴィエも流石に聖の猛攻を捌き難くなっており、苦戦を余儀なくされている。
 最終的にオリヴィエの頭からベールが落ち、脱落。
 意気揚々と残る騎馬へ向かう聖を見送った。
「あちらは呆れていそうな気もするが、どうだったか」
 オリヴィエは直後の内部からの返答に「そうか」とだけ言った。

 さて、オリヴィエがきっと内部は呆れていると見立てた通り、実際呆れられているが気にしちゃいない聖はその後も娑己のベールを鮮やかに落とすと、琳とクレアもいる騎馬へ向かい、そして──
「ひじり強いな!」
「一騎打ちなら負けねぇぜッ!」
 鮮やかな手並みで琳からベールを奪った聖はその琳から素直に賞賛され、にやりと笑った。

 騎馬戦で負傷している者もいたが、参加エージェントの中にはバトルメディックも多く、彼らのケアレイ、ケアレインで傷は癒えていく。
「大した負傷でも……解った、ドクター。すまない、ケアレイはまだ残っているか?」
「ああ」
 自身の負傷は後回しにしていた様子のクレアに声を掛けられ、久朗はケアレイで彼女の擦り傷を癒した。

 やがて、舞台は最終種目のリレーへ。

●最後の戦い
 スポーツフェスティバル最後を飾るのはリレーだ。
「走者……そう。とうとう来た……」
 エントリーシートを見た樹が肩を揺らして笑う。
 彼女は第3走者──久朗と同じだ。
 つくしから受け取ったら、ガチ本気でいかねば。
 本日交戦(?)に恵まれた時は全力で向かったが、これはその集大成。
 その久朗はちょっと寒気を覚えたような気がしたが、別方向からの声に気を取られる。
「オリヴィエ、全力で勝負ですよ……」
 本日共鳴しての参加の為凛々しい青年の征四郎、男性らしい振る舞いと女性への気遣い、そして正々堂々と戦う様は一般人観客席から黄色い声援も飛んでいたが、この時ばかりは違う気がする。
「……負ける気はない。ついでに、今日の夕飯で労う為に天秤計量させる気もない」
「後半は同意しますが、私も負けません」
 両名の内部からのコメントがどのようなものであったかは、主に征四郎側の内部クレームの多さより伏せておく。

 最初に走る琳、小鉄、ゼノビア、黎夜、真琴が抽選で決められたコースのスタートラインへ立つ。
(本当にこてつ来た……)
 クレアは小鉄か朝霞のどちらかが最初に来ると予想していた。
 理由は両者の足が速い為、最初と最後に組み入れることで勝利を磐石なものにするということ。
 琳の足が遅いという意味ではなく、純粋に足が抜きん出て速い者と無理に合わせて本来を見失うより、自身を見失わず走った方がいいとアドバイスは受けているので、琳は意識を次の走者たるクレアへ向けていく。
 琳はそうして意識を集中させていったが、逆に真琴は眼鏡輝かせている。
「ボクが最初に走るのは、最後の盛り上がりこそが大事だから」
 薄い本を厚くするのが自分の仕事。
 尚、入場時にゼノビア相手に語り、本が好きなゼノビアは薄い本の正体を知らずに興味を示したが、入場時間になったので聞きそびれている。
(後で聞かないと……)
 嫌な予感がすると言われたけど、本だから。
 その本が落とし穴だけど。
「……リレーも、やんなかったから……」
 一生懸命やるつもりの黎夜は第2走者のつくしへ渡すイメージを描き、バトンを落とさないように気を引き締める。

 最後の戦いを告げるピストルが鳴り響き、全員スタート!

 やはりと言うか、NINJA、速い!
 本人の元々の素養もあるだろうが、この速さは共鳴したエージェントだからだろう。
 が、全員小鉄の足の速さは認識しており、自分のペースを乱すことが命取りと小鉄以外の走者を意識した走りとなる。
(とにかく、転ばない!)
 琳はコーナーを回る際、膨らんでしまい、出遅れる。
 逆に真琴は膨らまないよう腐っていても落ち着いた走りで順位を安定させていく。
(きちんと任務を果たしてこそ、文も冴えるというもの)
 が、日本の運動会を知らないゼノビアも落ち着いた走りを見えている。
 この辺りはゼノビア自身の、というよりは、共鳴している彼女の英雄からの意見だろう。
(足幅に注意……大き目じゃなくて小刻み、です)
 ゼノビアは自身に言い聞かせるように走り、小鉄のような疾風のような走りでなくとも転んだりして足を引っ張らないよう慎重に走る。
(皆速い……でも、うちも絶対にバトンは繋ぐ)
 琳と競い合うように走る黎夜、小鉄の走りに惑わされることなく、つくしが手を振るそこまで一生懸命走る。

「頼むでござるよ!」
「任せてくださいっ!」
 小鉄の独走を待っていた九繰は現役高校生だけありバトンの受け渡しに戸惑うこともなく受け取り、走っていく。
 続いて真琴、ゼノビアが直線に入ると、米衛門と平介がバトンゾーンへ入る。
「笹山さんが相手ッスか……負けてられねッスねぇ?」
 笑う米衛門の左目は金に輝き、紅蓮の髪は腰の辺りまで伸びている。
 なるほど、双方やる気十分ということ、米衛門だけがこの勝負を楽しんでいる訳ではないということか。
「私も負けませんよ?」
 ふふ、と笑う平介は米衛門とほぼ同時にバトンを受け取る為に地を蹴った。
「ハイ! 頼んだよ!」
「任せるッスよ!」
 真琴が声を上げて差し出すバトンを米衛門が受け取り、速度を上げていく。
 ゼノビアは自分が上手く声を上げられなくてどうしようと思ったが、平介はそれを理解しているかのように半身をこちらに向け、速度よりも確実性重視で受け取ろうとしている。
「ありがとうございます。ちょっと頑張ってきますね♪」
 ほっとしたゼノビアに笑い、平介が米衛門の追撃に掛かる。
 その後ろから、琳と黎夜が直線に入ってきていた。
「勝負はまだ決まっていません」
「当然! 私達も負けないから!」
「御代さんも走るのに影響はなさそうですから、手心は不要ですね」
 つくしはよく解らなかったが、クレアが真面目な顔で言ったから、きっと勝負のことだろうと思い、「勝負に手心なんてしちゃダメ!」ときりっとした笑顔。
「後は転ばないでください。お先に」
 危なっかしいという意識の一言と共にクレアは転びそうになりながらもバトンを差し出す琳から受け取り、走り出す。
「速っ!」
 つくしは思わず声を漏らすが、黎夜の頑張りを無駄にはしない。
「任せて」
 全力で追いついてみせる。

 トップは九繰に変更はない。
 が、米衛門と平介が競うが故に想定よりも速い為、九繰も一層速度を上げる。
「勢いとノリは私も売りですからねー!!」
 九繰、爆走して、無駄なくバトンを受け取るオリヴィエへ。
(やっぱり身体を動かすと気持ちいいですね)
 九繰は爽快感に満足すると、オリヴィエへ米衛門と平介が何秒差で後ろを走っているか声を張り上げた。

「久朗、追い上げ」
「任せろ」
 米衛門の言葉に被せるように言った久朗がバトンを受け取り、オリヴィエの追撃に掛かる。
 ほんの数秒差で受け取った征四郎が久朗の前に出た。
「オリヴィエ、勝負!」
(なるほど)
 久朗は、征四郎の対戦相手の背中を見た。
 勝つのにそこまで拘りがある訳ではないが。
「ヨネが前のめりで来たのに順位を落とすなどしたくないし──俺もそこそこ負けず嫌いのようだ。特に、追いついてきたまな板女に対しては」
 その言葉を聞いた樹は、笑った。
 笑みを見た 娑己はその笑みを間近で見て身が引きそうになったが、バトンを差し出してくるクレアの目がキラッではなく、ギラッとしていたので、こちらはこちらで怖い。
「娑己!」
 娑己はその声にはっとなった。
「待ってるから!」
 そうだ、アンカーは……!
 そのことに気づいた娑己、自分を励ましてくれる内の英雄に明るく力強く笑うと、追いかけ始める。
 ちょうど、征四郎がオリヴィエに追いついたが、久朗もカーブを安定して走り詰めており、それ以上に鬼気迫る樹が驚異的に迫って、久朗へガチ勝負を仕掛けていた為に逆に4人全体の速度が落ちたという幸運もあり、娑己はその距離を縮めていく。
「接戦ですね」
「負けませんよ?」
 平介へ九繰が笑う中、オリヴィエと征四郎が続けざまにバトンを繋ぎ、久朗、樹、娑己の順にアンカーへバトンを繋いでいった。

 リレーの花形、アンカーは──
「ウラワンダー☆ダーッシュ!」
 朝霞がマント靡かせ、トップを疾走。
 とは言え、マントを着けていると、若干走り難さを感じる。
(ヒーローとしてこれを外す訳には……)
 大事。
 マントをつけているのは、魔法少女が魔法の呪文を唱えながら変身するのと同じ位大事。
 しかし、アンカーの面子は振り切れる程甘くない。
「俺ちゃん、足には自信あんだぜ?」
 まぁ、完全開放<フルオープンパージ>しても完全拘束<タイホ>されてないしね。
 千颯が真剣そのものの顔で距離を詰めてきているが、朝霞はその後方もだいぶ詰めてきていることに気づいた。
「ガチで勝負して、ガチで楽しんで、そしてオレ達が勝つッ!!」
「俺も3人の頑張りを無駄にすることは出来ませんので、覚悟してますよ!」
 聖と隼人も朝霞と距離を詰めている。
 そして、その更に後方からは和馬が鬼気迫る勢いだ。
「和馬さーん! 頑張ってー!!」
 娑己にいい格好見せたいと思っていた所に、その娑己が勇気を振り絞って大きな声で応援すれば、その馬力、最大限に発揮されるというもの。
 リア充パワー、恐るべしといった所だが、千颯は妻子からの応援でブーストしまくっており、朝霞としてはマントと勝負の間で揺れ動く。
(マントは、ヒーローとして……あ、でも待って)
 朝霞はそういえば、かっこよくマントを脱いで本気を出すヒーローがいることを思い出した。
 しかも、マントが実は重くて本来の動きが出来ないというのがかっこよかった(ウラワンダーのマントは普通のマントだが)
「魅せてあげる、これがウラワンダーの全て!」
 かっこよくマントを脱ぎ捨てた朝霞、本気モードを倍加!
「なら、俺ちゃんも全てを」
「脱いでる間に先行かせてもらうぜッ!!」
「俺ちゃんのパージパワー舐めるなぁッ!!」
「お先に失礼します」
 千颯と聖がぎゃんぎゃん言い合っている間に、外側から隼人が強引に抜いていく。
 抜く時も丁寧に挨拶しているのは、昼食時に皆へ挨拶をした時と同じ、彼の仲間思いの個性から来るものだが、この場合の丁寧さは逆効果である。
「俺は今日は重い傷の予定はありませんから」
 重い傷の予定って何だよ。
 そんなツッコミが出る前に和馬が追いついてきた。
「流石リア充パワー……空気が輝いてる……」
 それを言うと、千颯もハイスコアで輝いているのにパージ力という単語ひとつで初々しさが飛ぶ世の中の不思議。
 けれど、最後に勝つのがヒーローと朝霞は速度上げ。
「自宅以外は弱いと思うなあああああ」
 和馬を家から叩き出したかーちゃんのコメント、誰か取りに行って。

 最後の直線勝負まで持ち越された結果──
 息子からの応援を耳ざとく聞きつけた千颯がリンクバーストでもするのかという勢いで逆転勝利し、食らいついたが、最終的に千颯との差、背丈で朝霞が2位でゴール。
 安定した走りで明るく笑う隼人は3位の旗を手に嬉しそうで、和馬と聖が同着という判定となった。
 リレーの加点結果も合わせ、最終得点集計された結果、玉入れなど着々と点数を稼いだ青チームが優勝となり、皆から拍手を受ける。

 頑張って戦ったからこそ、貶めたりせず、互いの健闘を称える。
 皆そうした心を持って戦ったからこそ、チャリティーイベントとしても成功し、スポーツフェスティバルは無事に終わった。

●約束の帰り道
「運動会はやっぱり楽しかったわねっ」
「身体を動かすと、すっきりしますし、すっきりしました!」
「ボクとしては、色々な提供(意味深)もいただけて、実りが多かった……」
 朝霞、九繰、真琴が年も近い女子トークを楽しんでいる。
 とは言え、『一般的』という枠に捕らわれない彼女達の女子トークは中々個性的なものだが。
「頭脳労働をすることもなく、楽しめたでござるよ」
「オイは皆が楽しそうなのが楽しかったッスよ」
 作戦をオリヴィエに丸々投げた小鉄が満足げに振り返ると、誘われたから来てみたレベルであった米衛門は競技より競技を楽しんでいた友人の表情を振り返っていた。
 米衛門のように楽しむ者もいれば、勝負の行方を楽しんでいる者もいる。 
「ソウゴウすると、オリヴィエの勝ちで悔しいことは悔しいのですが……」
 皆で競い合えて楽しかった。
 征四郎がぽつりと零した。
 彼女は敗北などあってはならない、負けなどに意味はないと教えられてきたが、今日は勝っても負けても楽しかった。
「うちも勝っても負けても楽しかった。皆一生懸命だったからかもしれねーけど」
「負けんの悔しいってのはオレも同じだけど、何が勝ちで何が負けかは簡単に決められるもんじゃねぇだろ」
 不思議そうな征四郎へ黎夜がそう言うと、聖が頭の後ろで手を組み、事も無げにそう言った。
 が、征四郎にとってそれは意外な言葉過ぎて、思わず聖の顔を見上げる。
「そうなのです?」
「今日は、楽しんだら勝ち。それでいいじゃん。オレはオレが楽しければそれでいいし」
「うちも決めつけられるよりずっといい」
「それなら、征四郎が勝ったということなのです」
「……負けた覚えはない」
 ぼそっとオリヴィエが呟き、征四郎の前を歩いていく。
 それに反論するように征四郎が、「オリヴィエよりたのしんだのですよ!」と後を追っていった。
「楽しんだ勝負なら俺も負ける気ないけどな!」
「困りましたね、ライバルが多くて私が困っちゃいます♪」
 平介が琳へ笑いかけると、琳も「なら、皆勝ちか」と楽しく笑う。
「皆勝ちっていう考えは好きですね。本当の意味での勝ちは人それぞれですし」
「そこまで、考えた訳じゃねーけど」
『でも、素敵な考えです。私も、その考え、好きです』
 隼人の笑みに聖が頭をかいていると、ゼノビアがメモを聖に見せて、自分も同じと示し、ならいいかと何が楽しかったか思い思いに話して、輪は一層賑やかになっていく。
「折角だし、打ち上げしちゃわない?」
 千颯がそういう提案をしたのは当然の流れと言えよう。

「そういえば、虎噛さんは?」
「先に帰った奥さんに電話している」
 樹が一団の中に千颯がいないことに気づくが、久朗は少し離れた場所に千颯がいると指し示す。
 夕飯は食べて帰る旨を連絡しているようだが、電話向こうの妻への想いを隠そうともしない千颯のことは、やっぱり樹の理解の範疇外だ。
「どうかしたか?」
「それは虎噛さんの担当って所なんだろうね。担当違い」
 久朗が樹にどうかしたのかと問うが、樹は独り言を漏らしただけだ。
 その代わり、久朗へ笑顔を向けてくる。
「ところで、随分面白い話を聞いたんだけど」
「? クレアが平たい胸が寧ろ羨ましいと言っていた話のことか?」
「ええ。揺れてらっしゃらなくて。あなたに限った話ではないですが……」
 会話に加わったクレアが久朗の言葉に余計な補足加えやがった上、黎夜とつくしへの言及も行った。
「やっぱりバストアップ体操をしないと、あの許しちゃいけない比喩を許しちゃう」
 つくしが微妙な使命感を燃やして握り拳を固め、黎夜はやっぱりないかと自分の胸を思わず見た。
「どうして俺の足を踏むんだ」
「くろーが悪い」
 樹は理不尽極まりないことを言い、踏んだ久朗の足をグリグリとした。
 クレアはクソ真面目に尚も続ける。
「揺れない方が戦場ではいいです」
 勿論、逆 効 果 ☆

 更にその後ろを和馬と娑己が歩いている。
「今日は楽しかったね! 和馬さん、リレーで凄く追い上げてビックリした」
「娑己が応援してくれてんのに負けっぱなしは出来ないって」
 和馬は我がごとのように喜ぶ娑己に照れくさそうに笑って言うが、それ以上に借り物競争の一軒が気になってしまっている。
(これ、聞くべきなのか? 聞くべき流れ!?)
 ゲームなら選択肢表示が出るのだが、生憎現実にそのような機能はない。
 が、娑己も内心では借り物競争を意識していて。
(今の、へ、変じゃなかったよね。聞かれたら、どうしよう……)
 あの時だって躊躇ったが、最終的に英雄の一押しあって勇気を出したものの、全てが終わればやっぱり恥ずかしい。
「かずま! さき! 夕飯どこで食べるんだ? 希望出さないと、勝手に決めるぞ!」
 琳がムードクラッシュの一言を遠くから放つ。
 救われた思いの和馬と娑己は顔を見合わせ、笑った。
「俺達も希望出しに行こうぜ」
「皆で楽しめる所で食べたいよね!」
 そうして輪に飛び込んで行き、楽しい時間をまた約束する。

 約束と約束が繋がるから、未来は続いていく。
 また、楽しもうね。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【真壁 久朗(aa0032)/男/24/導の鴉】
【秋津 隼人(aa0034)/男/19/重体求道者】
【木陰 黎夜(aa0061)/?/13/可能性∞】
【オリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)/男/10/ヒトになりゆく少年】
【紫 征四郎(aa0076)/女/7/紫銀の騎士】
【虎噛 千颯(aa0123)/男/23/いいから脱ごうぜ】
【東海林聖(aa0203)/男/16/光焔の剣士】
【小鉄(aa0213)/男/24/疾風迅雷の忍】
【佐倉 樹(aa0340)/女/19/無揺姉妹・姉】
【笹山平介(aa0342)/男/24/表情筋、笑顔固定で出張中】
【大宮朝霞(aa0476)/女/20/ヒーローの流儀】
【今宮 真琴(aa0573)/女/15/魔琴】
【ゼノビア オルコット(aa0626)/女/16/響音の百折不撓】
【御代 つくし(aa0657)/女/16/無揺姉妹・妹】
【唐沢 九繰(aa1379)/女/18/猪突の戦姫】
【齶田 米衛門(aa1482)/男/21/導へ集う農家の鴉】
【クレア・マクミラン(aa1631)/女/27/スコットランド産無自覚クラッシャー】
【天都 娑己(aa2459)/女/16/あなたとなら】
【呉 琳(aa3404)/男/16/産地不明天然クラッシャー】
【鹿島 和馬(aa3414)/男/22/お前となら】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
真名木です。
ご指名ありがとうございます。
今回は共鳴前提の運動会系ということ、思い切ったアドリブもOKとのことでしたので、お言葉に甘えさせていただきました。
競い合うだけではなく、交流もと思って執筆しましたので、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
白銀のパーティノベル -
真名木風由 クリエイターズルームへ
リンクブレイブ
2016年07月27日

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