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『―― 二人の出会い ―― 』
ネフィリア・レインフォードka0444)&火茄神 渉ka5925

「ふう、今日は少し不作だな〜」
 ネフィリア・レインフォード(ka0444)はため息をつきながら、山の中を見渡す。
「……まあ、これくらいあれば食べるには困らないけどね」
 カゴの中の果物を見ながら、ネフィリアが呟いた時……。
「あんたもこの山で食材探ししてんのか?」
 ネフィリアと同じく食材探しをしていた火茄神 渉(ka5925)に話しかけられた。
「お、しかもエルフ? おおー! 初めて見たぜ!」
「うや? 僕も鬼の人は初めてなのだー! 頑張って今日のご飯を獲ってるんだよ♪」
「……へえ、お互いに同じくらいしか獲ってないんだな。よし! なら勝負だ!」
 火茄神はいきなりネフィリアに勝負を仕掛け、彼女は目をぱちぱちと瞬かせた。
「勝負? それなら僕だって負けないのだ♪」
 ぐっと拳を握りしめながらネフィリアが言葉を返し、火茄神と彼女の食材探し勝負が始まる。
「勝負って言っても何をするの?」
「う〜ん、じゃあまずは山林で大きい獣を取るってのはどうだ?」
「よし、僕はそれでもいいよ♪ さーて、獣探しだ〜!」
「あっ、ちょっと待てってば!」
 走り出したネフィリアに声を掛ける火茄神だったが、彼女には声が届いていないらしく、既に遠く彼方へと去ってしまっていた。
「やれやれ、オイラも獣探しに行くとするかねっ」
 大きく伸びをした後、火茄神もネフィリアとは逆方向に走り出したのだった。

※※※

「うー、負けたのだ」
 それから1時間後。お互いに獣を仕留めて、最初に出会った場所へと戻って来ていたのだが、僅かな差でネフィリアは火茄神に負けてしまった。
「やっぱり、オイラの方がすげーってことだな!」
「し、勝負が1回だけなんて言ってないからね! もう1回! 今度はどっちが多く山菜を取れるかで勝負なのだ!」
 びしっと指さしながら、ネフィリアが再戦を申し込み、火茄神もそれに了承して、第2回戦が開始されたのだが……。

※※※

「ふふん♪ 僕の価値なのだー♪ やっぱり僕が一番♪」
「ううー、お前すごいなー! オイラの負けだー……」
 先ほどとは違い、ネフィリアが勝ち、火茄神が負けるという結果に終わった。
「これで1勝1敗なのだ♪ 次で勝負を決めるのだ!」
「じゃあ、最後はあそこで魚獲り勝負でもしないか? 時間内でどれだけ魚を獲れるか勝負だ」
 火茄神の言葉を聞いた後、ネフィリアは突然服を脱ぎだした。
「うおっ、もう始めるのか!? くそー、オイラも負けないからな!」
 火茄神もそう言って、ネフィリアと同じように服を脱ぎ、川へと飛び込んだ。
「ふっふーん♪ 僕はもう3匹も捕まえちゃったよ! このまま僕の独走かもね〜!」
 ネフィリアはカゴの中に魚を入れながら、火茄神に言葉を投げかける。
「くそっ、オイラだって負けないんだからな!」
 初対面でいきなり勝負を始め、服まで脱ぎだす始末――……。
 恐らくネフィリアと火茄神の純真さゆえの行動なのだろうが、もう少しお互いの性別を分かって欲しい……と彼女達の知人が見ていれば口をそろえて言うに違いない。
 しかし、二人の最終決戦が始まってから数十分後――……。
 最初に動きを止めたのはネフィリアの方だった。
「んん? どうしたんだ〜? もしかして降参か〜?」
「…………お腹、空いたのだ」
 ぽつり、とネフィリアが零した言葉に火茄神もピタリと動きを止めた。
「そういえば、オイラも腹減ったな……」
「勝負はとりあえずお預けにして、まずはお昼ご飯にするのだ♪」
 ネフィリアの提案に火茄神も「賛成!」と手を挙げながら答え、二人は先ほどの勝負で獲った獣、山菜、そして魚を焼き始めて少し豪華な昼食を食べることになった。
「そういえば、まだお互いに自己紹介がまだだったのだ! 僕はネフィリア・レインフォード! ネフィって呼んでくれて構わないのだ!」
「オイラ、渉! 火茄神 渉ってんだ! よろしくな!」
 魚を食べながらお互いに握手を交わし、自分達が勝負をしていたことも既に二人の頭からは抜け落ちてしまっている。
「それにしてもお互いに沢山の食材を獲ったなー……これ、二人でも食べきれないぞ?」
 積み重なっている食材の山を見ながら、火茄神が苦笑気味に呟く。
「それなら街に戻って市場に売りに行こうよ。今日の晩御飯分を引いても、これじゃ食材をだめにしちゃいそうだし!」
 ネフィリアの提案に「お、それは名案だな!」と火茄神も頷いて了承する。
「それにしても、ネフィって体の割にはオオぐらいだよな。オイラより食ってんじゃねぇか?」
 そんなことを言う火茄神も結構食べているのだが、どうやらネフィリアはそれ以上らしい。
「美味しいから仕方ないのだ♪」
 しかし、その栄養は成長に使われていないらしく、それが彼女の悩みでもある。
「確かに美味しいけどさ……ま、いっか。なんだかネフィとは今日会った気がしないんだよな」
 お互いに似ている性格なのか、すぐに親友のように打ち解けてしまっている。
「さて、お腹もいっぱいになったし、これから街に戻るのだ♪」
 脱ぎ捨てていた服を着て、二人は食材の山を抱えて街へと向かう。
 これから先、長い付き合いになる二人の出会い話――……。
 どんな未来へ進んでいくのか、それは彼ら次第……。

―― 登場人物 ――

ka0444/ネフィリア・レインフォード/女性/14歳/エルフ・霊闘士(ベルセルク)
ka5925/火茄神 渉/男性/10歳/鬼/格闘士(マスターアームズ)

――――――――――

ネフィリア・レインフォード様
火茄神 渉様

こんにちは、今回執筆させて頂きました水貴透子です。
今回は二人の出会いということでしたが、いかがだったでしょうか?
少しでも面白いと思って頂けるものに仕上がっていましたら幸いです。
今回は書かせて頂き、ありがとうございました。
また機会がありましたら、宜しくお願い致します!

2016/9/20
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2016年09月21日

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