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『 いつかどこかの、日常的な日常 』
レティシア ブランシェaa0626hero001)&木霊・C・リュカaa0068)&ガルー・A・Aaa0076hero001)&Le..aa0203hero001)&コルト スティルツaa1741)&徒靱aa4277hero001



 それはどこにでもある、ゆるやかで穏やかなモラトリアム。



 明るい笑い声が、どこからともなく聞こえてきた。
 別の方角からかすかに届く掛け声は、部活に励む運動部員のものか。
 敷地の中にグラウンドや学舎が複雑に嵌めこまれた、よくある地方都市の大学の、ありふれた物音だ。
 そんな敷地の片隅に、古びたクラブハウスが固まっている一角があった。
 低い建物の中に、同じように区切られた教室大の部屋が連なっている。どの部屋も歴代の学生が積み上げた古い教科書やゴミと見紛う衣服などが、思い出と一緒にわだかまっていた。
 
 レティシア ブランシェのいるのもそれらと大差ない、お世辞にも綺麗だとは言えないが妙に居心地のいい一室だった。

 カタカタカタ。

 キーボードを叩く音がリズミカルに響く。
 レティシアは無言のままノートパソコンの画面を見据え、作業に没頭していた。
 向かい合わせに座り、同じように手を動かしているのは木霊・C・リュカ。
 ふたりのセッションのような物音は、唐突に乱れた。
 リュカがぱあっと両手を広げ、万歳の姿勢で満面の笑みを浮かべたのだ。
「はーい、お兄さんもう飽きたーv」
「るっせえ」

 ドコッ。

「……いった……!!」
 リュカが苦悶の表情を浮かべ、机の下に潜り込む。
 レティシアが間髪いれず、リュカの脛を蹴飛ばしたのだ。
「ひっどいなあもう。これでも充分間に合うペースだし、サボってはいないんだよ?」
 白磁のように色のない頬に微笑みを浮かべ、机に重ねた腕に顎を乗せた。
 すぐ傍には様々なコピー資料や、付箋がいくつも挟まった分厚い本が積み上がっている。本の背中を見れば、彼が法学部生であることはすぐにわかるだろう。
 元々身体が弱く、多くのハンディを抱えて生きてきたリュカだが、これからも生きていくために学ぶべきものは理解している。
 が、理解しているからといって、行動が伴うとは限らないわけで。
 実際、間に合うようには頑張っているが、どうせ間に合うと判断したために、かえって集中力は途切れがちだった。
 そこで元来の遊び好きな性格が、すぐに顔を覗かせる。

 レティシアは顔もあげずに低く呟いた。
「じゃあ、どこか邪魔にならないところに行ってくれ」
 リュカが高校を一年休学していなければ同級生だっただろうが、ぞんざいな言い方は別に上級生でも変わらない。
 一度手を止めたが、視線は手元の資料に移っただけ。
 レティシアは今、目の前の課題に集中したいのだ。
 単位認定に厳しいと評判の授業で、レポート提出の期限が迫っている。作成ペースは順調だが、できれば早く終わらせてしまいたい。
 ということで、この部屋にこもって頑張っているというわけだ。



 数分の間、リュカは机に突っ伏して大人しくしていた。
 だがそれも数分だけだった。
「レティシアちゃんの課題って、そんなに難しいレポートなんだ?」
「…………」
 答えはキーボードの音だけ。
「ちょっと休憩しようよ」
「…………」
 やはり返事はない。
「ねえってば」
 レティシアのこめかみに血管が浮き出た。
 と思ったその時。
 入口のドアを勢いよく開いて、ガルー・A・Aと徒靱が入って来た。
「お、リュカちゃんとレティちゃん、ふたりの世界だな」
 ガルーが笑いながらどかどかと部屋を横切り、窓際に置いてあった椅子を引っ張ってきて腰かける。
 徒靱はレティシアの後ろから、パソコンの画面を覗きこむ。
「なんや、レポートかいな。進捗どないなん?」
「……順調だった。ついさっきまで」
 レティシアが頬をひきつらせるが、徒靱は気にする様子もない。
「そら集中力が足りんのと違うか?」
 からからと笑いながら、勝手に資料の山から取り出した一冊をぱらぱらとめくる。
「これで資料足りんなら貸したろか。家ンあるで」
 なんだかんだで徒靱は要領がいい。
 課題も「他にやるべきことがあるからさっさと終わらせたい」と言って、資料もほとんど図書館で借りずに自分で買い求め、自宅で済ませているほどだ。
 で、余った時間をどうするかといえば……知り合いの進捗状況をチェックしては、ちょっかいをかけているのである。

 レティシアが手にしていたペンが、ボキッと折れた。
「資料は全部揃ってる。書く時間だけが足りないんだ」
「ほんと、レポートっていうのは実に大変だねぇ」
 ガルーの口調はどうみても他人事だ。
 それもそのはず、薬学部の6年生で、すでに就職先も決まっているとなれば、下級生の苦しみはまさに他人事。さしあたり、残り少ない学生生活を謳歌することしかやるべきことはないのである。
 とはいえ、元々は勉強も真面目にやる方なのだが、普段から彼は単なる遊び人にしか見えない。
 思いつくまま気の向くまま、可愛い女子学生に声をかけ、気に入った野郎を飲みに誘うというのが常である。

 リュカがさも面白そうに目を細め、さらに茶々を入れてくる。
「ガルーちゃん、超ヨユーだね。先輩なんだし、レティシアちゃんにレポートのコツを教えてあげてー。レポート終わんないと遊んでくれないんだよね」
 それを聞いたガルーが突然、表情を改めた。
「断る」
 即答だった。そして真面目な顔のままで続ける。
「俺様頭良いから教えるのって苦手なのよねぇ」
 うははははは。
 リュカ、徒靱、ガルーが一斉に笑いだす。
「ま、そんなことより大事な話。その辺で片付けて、今日は飲み行こうぜ、なぁ」
 ガルーは右手の人差指で、つんつんとレティシアの腕をつつく。
 そこでレティシアの中で何かがプツンと切れた。
「……ちょっとトイレ行って来る」
 レティシアはノートパソコンを閉じて、席を立った。



 レティシアは赤い髪をくしゃくしゃとかき回しながら、大股で廊下を歩いていた。
「ったく、俺だって遊びに行きたいに決まってるだろうが」
 もう今日は投げてしまおうか。
 そう思ったとき、前から歩いて来るLe..(ルゥ)とコルト スティルツに気がついた。
 コルトは今年入った新入生。物怖じしない性格であり、堂々たるお嬢様風の威厳を漂わせる、なかなかの大物である。
 ひらひらと手を振ってみせるルゥは、レティシアと同じ専攻で同学年だった。
「……レティ、いた」
「今から部室か? 徒靱もいるぞ」
 徒靱とルゥはいとこ同士である。
 ルゥはやや首を傾げ、レティシアを見た。
「……レティは、レポート終わった?」
 レティシアが眉の間に皺を寄せる。
「それがだな。邪魔が入って、まだ終わってないんだ」
「……そう。レポートが終わったらコピp…もとい、見せて貰おうと思ってたんだけどな」
「おい、なんか本音がもれてるぞ」
 そこでコルトが多少大げさに、溜息をついた。
「皆様はレポートが本当に大変そうですわねぇ……」
 ルゥが大きく頷いた。
「……そう、大変。でも徒靱は、面倒見がいいから……教えて貰う」
 レティシアは多少引っかかるものを感じたが、とりあえずふたりと一緒に部室に戻ることにした。
 少なくともこのふたりが連中の気を引いてくれる間は、自分は解放されるかもしれない……と淡い期待を抱いて。



 予想した通り、ルゥとコルトが姿を見せると、部室の空気は一変した。
「おー、なんやルゥも来たんか。コルトサンもまあコッチ座りいな」
 徒靱がいそいそと椅子を運んできて、机の傍に置いた。
「……なにか匂いますわ」
 コルトがハンカチで鼻を押さえる。遠慮などしない一年生だ。
「おっと、空気が籠ってるかな。窓を開けますね」
 ガルーはそれはそれは良い笑顔を浮かべ、そそくさと窓を開ける。
 その間に徒靱は、ごちゃごちゃに積み上がった諸々を、ざーっと机の上から払いのけ、適当な空き段ボール箱に放り込む。
 それを見て背後から忍び寄ったレティシアが、爪先で徒靱の踵を蹴り飛ばす。
「ちょっと待て。何を勝手に俺の資料まで勝手に片付けてんだ」
「うおっ!?」
 油断も隙もないとはこのことか。
 レティシアは自分の資料を抱えて席に戻ると、ノートパソコンの蓋を開けた。
 省電モードで真っ黒になっていた画面に光が戻る。
 と、思った瞬間。

『うふぅ〜ん♪』

 やたら色っぽい女の声が大音量で流れだし、全員がパソコン越しにレティシアを注視する。
 当のレティシアは、画面を見たまま凍りついたように動きを止めていた。
 画面では、半裸の美女が扇情的なポーズでウィンクしていたのである。

 ガターン!

 派手に椅子を転がしてレティシアが立ちあがった。
「………………」
 無言のまま床を蹴ると、真っ直ぐ徒靱の元へ。
「え、俺!?」
「他にいるか!!」
 腕を首に回すと同時に足を引っ掛け、骨の音が軋む程に徒靱の身体をねじる。
「わああああタンマタンマ!!!」
「他人のパソコンに触る輩は万死に値する!!」
「ぎゃああああああ」


 すぐ後ろで繰り広げられるその騒ぎをよそに、ちょこんと椅子に掛けたルゥはうつろな目で呟いた。
「……ルゥ、お腹空いた」
「お腹が空いていてはレポートは書けませんわね。どうぞ」
 コルトはバッグからおもむろにチョコバーを取り出し、包み紙を半分取り除いてルゥの口元に差しだす。
「ありがとう」
「どういたしまして」

 もぐもぐもぐ。

「レティ、レポート書けるのかな」
「無理なら単位が無くなるまでですわ」
 コルトの返答は大変簡潔だった。



 ようやく静かになった部屋の中に、再びキーボードの音が戻ってくる。
 ルゥも自分のレポートに取り掛かるが、手は止まりがちだ。
「……飽きてきた……」
 こてん。机の上に頭を乗せて、恨めしそうにレティシアを見上げる。
 まるで一生懸命課題をこなしているレティシアが悪者のようだ。
「脳に糖分が足りていないのですわ」
 コルトが手を伸ばして、器用にルゥの口にビスケットをくわえさせる。
 ルゥはもぐもぐと口だけ動かして、気だるげに薄眼を開けている。
「お嬢さん、お茶もどうぞ。気分転換を挟むのも必要ですよ」
 ガルーはどこから出してきたのか、電気ポットでお湯を沸かし、ティーバッグのお茶をいれていた。
「ミントの香りつきです。リフレッシュできますよ」
 男に対するのとは随分と態度が違う。それがガルーという男だった。
 ルゥは起き上がり、ずずっとお茶をすすり、目を閉じる。
「……眠い……」
「逆効果になってないか?」
 レティシアは自分の資料から目を離さないまま、ツッコミを入れる。
 徒靱がぽんとルゥの頭に手を置いた。
「ほら、手伝ったるから。もうちょっとだけ頑張るンやで」
 こちらもレティシアに対するのとは随分違う。
「ん……」
 ルゥもこくんと頷き、再びレポートに取り掛かる。
 ――そして数分後には、「飽きてきた」に戻るのだが。


 一方、レポートに無関係なコルトは、持ってきたファッション雑誌をぱらぱらとめくっていた。
 めくってもめくっても『キレイめスカート』だの『愛されニット』だの『憧れワンピ』だのが並んでいるのだが、突然その写真を示しながらリュカのほうに向けた。
「この服とか、あなたに似合うんじゃなくて?」
「ぶふぉあ」
 リュカが思わずお茶をふいた。
 透ける生地を重ねた、やたら綺麗な色のスカートだった。
「や、ちょっと、それは……!!」
 リュカが咳き込み、それを見ながらガルーは肩を震わせ、笑いを堪える。
「そう。残念ですわ。似合う物を着るのが一番ですのに」
 コルトが笑いを取ろうと思ったわけではないことは確かだ。
 だがコレが笑わずにいられようか。
 そこでふと、ガルーが何かを思い出したような表情になる。
「あぁ、それで思い出した。今度の学祭で、なにかやるかい?」
「なにかって?」
 リュカが促す。
「俺も今回が最後の学祭だからねぇ。せっかくならみんなでなにかやらないかい? ほら、屋台でも、教室借りての見世物でも……」
「あら、いまからでも間に合いますの?」
 コルトが身を乗り出した。
 大学生になって初めての学祭である。どんなことをするにせよ、興味深いのも当然だ。
「うん、何とかなると思うんだよねぇ。じゃあそういうところも含めて……」
 ガルーは重々しく頷き、そしてカッと目を見開いた。
「相談しようかねぇ。飲みながら!」
「お前がただ飲みたいだけだろうが!!」
 レティシアがパソコンから顔をあげ、ビシッとガルーを指さしていた。




「……レティ、結局レポートは……」
「大丈夫だ。間に合うペースでやってるからな!」
 ルゥは疑わしそうにちらりとレティシアを見たが、それ以上何も言わなかった。
 そもそも今いるのは、大学のすぐ近くにある、小洒落た洋風の居酒屋である。
 なんだかんだでガルーの提案通り、全員で移動してきたのだ。当然レポートは書きかけのまま、ノートパソコンは鞄の中に。
 もちろんレティシアだって、眉間に皺をよせてレポートを作成するよりは、皆で賑やかに飲み会でもやってるほうが楽しいに決まっている。
 おまけに邪魔は増えるばかり。それならもう今日はすっぱり割り切ってリフレッシュ、頑張れ明日の俺!! という爽やかな気分になっていた。
 ……翌日、フザケンナ昨日の俺!! になる可能性もあるのだが。
「なにがおいしいのかな〜」
 リュカは顔をくっつけるようにしてメニューを眺めている。だが逆さまだった。
 リュカと腐れ縁ともいえる長い付き合いのガルーは、それに気付かない風で、好きそうな物を見つくろってオーダーしていく。
「おまかせサラダと、ナスとイベリコ豚のピザと、それから……」
「ポトフはありませんの?」
 コルトは背筋を伸ばして行儀よく座ったまま、メニューも見ずに食べたい物を指定する。
 徒靱がルゥにも見えるようにメニューを広げた。
「あ、鉄板焼きナポリタンもいこか! ルゥも好きやろ?」
「……食べたい」
 こくんと頷きながら、ルゥはメニューの写真を見つめ続けていた。

 飲み物や食べ物が次々と運ばれてくる。テーブルはすぐにいっぱいになった。
「んじゃ、かんぱーい!」
「「かんぱーい!!」」
 賑やかな飲み会が始まった。
「ルゥ、うまいか?」
「うん、おいしいよ」
「ほなこっちはどうや?」
「……食べる……」
「ルゥさん、エビのフリッターもいかが?」
「……食べる……」
 ルゥは徒靱やコルトが取り分けてくれる料理を、おいしそうに平らげていく。

 既にほろ酔いのガルーが、楽しそうにグラスを煽る。
 お酒は好きだが、余り強くはないようだ。自分でもわかっているのか、一応今回の本題を持ちだす。
「おでんの屋台とか、結構人気が高いんだよねぇ。仕込みは大変だけど後は交代で煮込むだけだし」
 学祭で何をするかを考えているのだ。
「メイド喫茶も似合うと思いますわ」
「コルトちゃんがかな? ルゥちゃんがかな? うん、可愛いと思いますよ」
 ガルーがさりげなく話題の矛先を変えつつ、紳士的な笑みを浮かべる。
 だがコルトは首を横に振った。
「先輩方皆様、とてもお似合いですわ。きっと大学で語り継がれる伝説のメイド喫茶になりますの」
 いやそれ、どんなメイド喫茶だよ。
 ガルーが目でそう言っている。
 リュカが人畜無害そのものの優しい笑顔で、更に恐ろしいことを言いだす。
「ガルーちゃん謹製、不思議なお薬喫茶とかどうかな? 楽しいことになりそうだよね」
 ガルーは手で顔を覆った。
「やめてくれ……下手したら折角の就職先がダメになるだろ……?」
 それはもう、色んな意味で。


 結局、学祭の出し物の話はいつの間にかうやむやになり、それぞれが好き勝手に飲んだり食べたり喋ったりしていた。
 程良くお腹が膨れたルゥは、徒靱にもたれてうつらうつらしている。
「あーあ、風邪ひいたらアカンで?」
 徒靱は小さく笑い、店に備え付けのひざかけを借りてかけてやった。
 レティシアとガルーは差し向かいで飲んでいたはずだが、今や机の上に頭を乗せて潰れている。
 突然、レティシアが薄眼を開けて、片手をゆるゆると伸ばす。
「もう一杯いくぅ〜?」
 アルコール度数は軽めのスパークリングワインの瓶を取り上げ、ガルーのグラスに注いだ。
 ガルーは顔を上げないまま、くぐもった声で答える。
「飲むぅ〜。……もうあと何回、こんな風に学校の近くで飲めるかわからないからな〜……」
 レティシアが無言で顔を上げた。
 そう、こんな時間は人生の中でもほんの僅かの間だけ。
 レポートに追われるのも、バカ話で盛り上がるのも。
 そこから先は……?

 ガンッ。

「がっ!?」
 ガルーが唸り、びくりと肩を震わせて起き上がった。
「っざけんじゃねーぞ! 酒は真面目に飲むもんだろ!」
 レティシアは咄嗟に、ガルーの足を蹴飛ばしていたのだ。
 それから更に、蹴り飛ばす。
「グダってんじゃねぇよ! 酒が不味くなんだよ!」
「あーわかったわかった。俺が悪かったって!」
 いつの間にかガルーが笑っている。
 笑いながら互いのグラスを取り上げ、カチンと合わせた。


 コルトがふと気付くと、レティシアとガルーは仲良く酔いつぶれていた。
「こちら、どうすればよろしいですの? 置いていってもよろしくて?」
「はは、できればそうしたいところだけどね……そうもいかないかなあ」
 リュカが笑う。
 ふたりの会話は聞こえていた。
 いつかはみんな、それぞれの道を進んでいく。
 寂しさがないといえばウソになる。けれどいつまでもここにいられるわけではないこともわかっている。
 ――だからこそ。
「でもただ連れて帰るなんて、お兄さんの性に合わないんだよね」
 リュカはケチャップを手ににっこりほほ笑む。

 それから少し後のこと。
 皆に揺り動かされてようやく目を覚ましたガルーとレティシアは、互いの形相に目を剥くことになる。
「「どうしたんだよ、それ!?」」
 頭から赤い液体を大量に垂らしている姿は、まるでホラー映画。
 リュカと一緒にケチャップをぶちまけたコルトは、それを見て満足そうだった。
「おふたりとも、特殊メイクもよく似合いますのね。コープスパーティーの出し物もいいかもしれませんわ」
「諦めないねぇ、コルトちゃん」
 リュカがくすくす笑った。
「なんやあのふたり、飲みたい飲みたい言うててあんなもンかいな。おーい、そんなんで合コンなんかでけんやろ」
 徒靱の声に、ホラー男ガルーが振り向いた。
「それは! 別だから!!」
 なおも囃したてようとする徒靱の袖を、ルゥが引っ張る。
「なんや、どうしたんや?」
「徒靱………ルゥ、お腹空いた」


 一緒にいられる時間は長くはない。
 けれど、今日という日はまだまだ終わらないようである。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa0626hero001 / レティシア ブランシェ / 男性 / ジャックポット】
【aa0068 / 木霊・C・リュカ / 男性 / 人間・攻撃適性】
【aa0076hero001 / ガルー・A・A / 男性 / バトルメディック】
【aa0203hero001 / Le.. / 女性 / ドレッドノート】
【aa1741 / コルト スティルツ / ? / 人間・命中適性】
【aa4277hero001 / 徒靱 / 男性 / バトルメディック】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お待たせいたしました、英雄もみんなも大学生なIFノベルのお届けになります。
大学生らしくひたすらだら〜っと過ぎた一日となりました。
ご依頼のイメージから大きく逸れていないようでしたら幸いです。
この度は誠に有難うございました。
■WTアナザーストーリーノベル(特別編)■ -
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リンクブレイブ
2016年10月24日

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