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『本日快晴、行楽日和 』
齶田 米衛門aa1482)&オリヴィエ・オドランaa0068hero001)&紫 征四郎aa0076)&八咫aa3184)&寫眞 撮生aa4007)&波月 ラルフaa4220

「ほぉぉおお!! どんぐり!! すごい!! 大きい!!!」

 ぴかぴか光る大ぶりの木の実をもみじのような手のひらに載せ、ぺかぺかと輝かんばかりのほっぺたを赤らめ、零れ落ちそうなほど両の目を見開いている、片翼の少女。

「こっちにもあったのです!! 大発見です、ヘンなカタチなのですよ!!」

 ころころとしたまぁるい木の実を大事そうに掲げ持ち、もちもちとしたほっぺたをこれでもかと上気させ、夜明けの太陽に似た瞳を輝かせる紫髪の少女。

「走るとあぶないよ」

 はしゃぐ少女たちを見守りながら、ちらちらと太陽の光を反射する木の実に目を奪われ気味な、どこか抜き身の刃物を思わせる少年。

「うんうん、元気なのはいいことだね!」
「ッスな!」

 そんな「子供たち」を見守る、何故かカメラを模した被り物をしたままカメラを構えるきっとたぶんおそらくMaybe男性と、その光景になんの違和感も抱いていないらしいパーカーにトレッキングシューズ装備のマタギ――失敬、青年。

「みんな楽しそうだな」

 を、「よかったよかった」とでも言いたげな表情で見つめる少々目付きの鋭い青年。



 さて、ともかく結論から告げておこう。

 この場に、ツッコミなど、存在しない。





「いいッスね? もう一回確認するッスよ?」

 ピンと指を立て、意図的に大仰な仕草で目の前に立つ3人の子供たちを見渡す齶田 米衛門(aa1482)。

「はい! きのこは見つけても触らない!」

 に、ビシィッ! と片手を挙げて元気良く答える八咫(aa3184)。

「決められた道からそれない! です!」

 続けて、シュビッ! と前のめり気味に手を挙げる紫 征四郎(aa0076)。

「あと、異変を感じたら即座に集合、事態に備える」

 を横目に、そっ、と控えめに手を挙げるオリヴィエ・オドラン0068hero001)。

「その通り! ちゃんと守れるッスか?」

 三者三様の答えを聞き、満足げに頷く米衛門。
 きゃいきゃいとはしゃぐ子供たちは「はーい!」と元気いっぱいで声を揃えた。

「いいよいいよその笑顔! ほら、オドランサンも笑顔だよ! ほらワタシの真似してニッコリ笑顔!!」

 パシャパシャと構えたカメラのシャッターを切っている寫眞 撮生(aa4007)は、なんというか、とても楽しそうである。被り物をしたままだがレンズは覗けているのかとか、「ワタシの真似して」とか言われてもその被り物でなにも見えないとか、そういったツッコミを入れられる人物は残念ながらこの場に存在しないため、彼の暴走は止まらない止められない。
 オリヴィエはどこかぎこちない表情で、かろうじてピースサインと思しきカタチの手を撮生に向けていた。

「撮生は写真が好きなのか」
「モチロンだよ! 写真はいいよォ、その時間をいつまでも切り取って遺しておけるんだからね!」 

 バッシバッシとシャッターを連打しまくる撮生を興味深げに見つめている波月 ラルフ(aa4220)も、天然属性持ちである様子。テンション高く撮生に迫られ若干焦燥の滲んできたオリヴィエに救いの手は差し伸べられなかった。

 季節は深秋。一行の目の前には、鮮やかな紅葉を魅せる、そこそこに深く、そこそこになだらかな山。
 彼らは現在、米衛門の誘いで、彼の住居からほど近くにあるこの場所へ、ハイキングに来ているのである。



「イガイガ発見!!」
「こっちにもあるのです! あっ、痛ッ」
「素手で触ると危ないッス! 栗はこうやって、靴の底でぎゅっと押し割るようにして採るッスよ」
「「「おお……!」」」

 程々に深いこの山は、自然の恵みが豊かだ。
 栗の木が群生している一角にやってきた一行は、それぞれ思い思いに栗拾いを楽しんでいる。

 年少組に靴の底でイガを割って中身を取り出す方法を実演している米衛門の持った背負子には、カゴの中ほどにまで栗以外の山の幸が入っている様子。どうやらこの場所に来るまでの道すがらにむしり取っていたらしい。さすがマタギ抜け目ない。

「うんうんその笑顔! 心が洗われるようだよ!! ほらほら八咫嬢、征四郎嬢、栗を顔の横に掲げて――そうそう上手だね! はい、ぱしゃっとな!」

 撮生の写真はメモリ2個目に突入した。この場に来るまでに要した時間、約2時間。なにが彼をそこまで駆り立てるのか。撮生のシャッター音が止む気配は未だない。オリヴィエはそっとカメラのレンズから距離を取った。あのテンションは少し気が引けるらしい。

「へぇ、野生の栗でも結構大振りなものが取れるんだな」
「そうッスね。特にこのあたりは土が豊かッスから、木の実も山菜もきのこ類も、みんなでっけえッス!」

 取り出した栗の実をしげしげと眺めていたラルフに、米衛門が笑顔を向けている。

「でも今日は食べられないんだよな。残念だ」

 そう。
 栗の実は、採取した後天日干ししたり水に漬けたり、何時間かかけて煮込んだりと、食べるために結構な時間がかかるため、今日のハイキングでは食べられないのだ。
 後日、また皆で集まって作業する予定にしている。

「まあまあ、その代わりと言っちゃああれッスけど、山の幸は他にもたくさんあるッスからね!」

 そんなことを言うマタギの手には、いつの間に入手したのか、ぱっかりと大きく弾けたあけびの実が。

「食べるッスか?」
「ああうん、貰おうか」
「寫眞さんもどうッスか? 甘いッスよ」
「おっいいのかい? じゃあエンリョなくいただくとしようかな!」

 ツタからぷちりと実をもげば、あけび独特の香りが鼻孔をくすぐる。
 藤色の実は大ぶりで、八咫の両手からはみ出すほどの大きさ。先に貰っていたらしい年少組は、慣れない味と大量の種に四苦八苦している様子。
 征四郎が口に含んだ種をどうしようかオロオロしている隣で、オリヴィエがお手本を見せるように地面に種を吐き出していた。

「うん、甘い!! 初めて食べたけど、なかなかどうして素朴な味だねェ!! 大自然の中で食べる山の恵! とってもオツだよ!!」

 撮生が地味に「被り物を取ったわけでもどこかが変形した形跡もないのにあけびだけが着々と減っている」という超常現象を起こしているが、残念なことにこの場にそれを指摘する人物はいないのである。
 百歩譲って「食べている」のは良しとして、種は一体どこへ消えているのか。謎は深まるばかりだ。

「種が多くて食べにくいけど、おいしいのです!」
「あまぁい!!」

 女子組は天然の甘味がお気に召した様子。
 小さな口でちょっとずつあけびを頬張るさまは愛らしい。撮生のシャッター音が唸る。
 オリヴィエは無心であけびを食べていた。シャッター音をシャットアウトすることにしたらしい。撮生のことはちょっとばかり賑やか過ぎるBGMと認識することにしたようだ。それでいいのか少年。

「種と皮は自然にかえるッスから、端の方に捨ててほしいッス! お土産にする分もちゃんとあるッスよ!!」

 マタギ、もとい米衛門は、また何処からか採取してきたあけびのツタを掲げて笑顔を振り撒いている。山における彼の機動力はどうなっているのか。

「……しかし、なんというか、これを食べたことで空腹を思い出してしまったな」
「ふっふっふ、心配無用ッスよ」

 きゅる、とラルフの腹の虫が小さく鳴いているのを聞きつけたのか、米衛門が「チッチッチ」とでも言い出しそうな仕草で人差し指を左右に振っている。戦利品よろしく両手に掲げ持っていたあけびは既に幻想蝶へと仕舞ったらしい。

「ここから30分ばかし歩いたところに、開けた沢があるッス。そこで昼食にするッスよ! 秋の山菜もそこで食べるッス!」

 じゃじゃーん! とどこからともなく聞こえてきた効果音と共に掲げられた飯盒を見て、一行ははしゃいだ歓声をあげるのだった。



 数種類のきのこ、丸い実、細長い実、コブの付いた山草に歪なカタチの長芋。エラに蔓を通された、まだぴちぴち跳ねる川魚が数匹。
 沢の水で軽く洗ったそれらを作業代替わりの岩の上に並べて、米衛門は「さて」と腰に両手を当てた。

「お手伝いしてくれるひとー!!」
「「「「「はぁーい!!」」」」」

 ノリよく手を挙げる一行に、米衛門は満足げな笑みを浮かべて頷く。

「では各自配置につくッスよ! 火の扱いと刃物にはじゅーぶんに気をつけること!!」

 きゃあきゃあはしゃぎながら飯盒と米を持って沢の方へ走っていった八咫と征四郎の背中に声をかけて、米衛門はくるりと男衆を振り返る。

「波月さんと寫眞さんは火を起こしてほしいんス。薪はその辺に落ちてる枝を拾ってほしいッスよ」
「了解した」
「りょーかいだよ! ワタシたちにどーんと任せておいて!」

 言葉少なに頷くラルフと、芝居がかった仕草で一礼する撮生。対照的な二人だが、案外相性は悪くないのかもしれない。
 撮生はラルフに何やら喋りかけながら、ラルフはそれを興味深げに聞きながら、森のほうへと歩いていく。

「さて、と! それじゃあ、オドランさんはオイの手伝い、してくれるッスか?」

 コツの要る火起こしを大人組に割り振ってから、米衛門はじぃっと撮生とラルフの背中を見つめていたオリヴィエを見やる。

「わかった」

 若干森に対する未練も見られるが、オリヴィエは素直に頷いた。
 彼の手元で一瞬金属の輝きが見えた気がしたがきっと気のせい。視線の先にまるっと肥えた山鳥が見えた気がしたがたぶん気のせい。気のせいったら気のせいなのだ。

「さっき山鳥が見えたが……鹿とかも……いるんじゃないか……?」

 気のせいじゃなかった。

 口ほどに、いや口以上にものを言う瞳が「獲ってこようか?」と純粋な輝きをたたえている。「サバイバルは嫌いじゃない」とか言っているが今回の趣向は「ハイキング」である。彼は一体何を目指しているのか。

「あー、残念ッスけど今日は無理なんス。今回は入山申請はしたッスけど、狩猟系は許可とってきてないんスよ……」

 しょん、と意気消沈して「残念ッスけど狩猟はお預けッス」と嘆く東北在住のマタギ青年。まるで「許可を得ていたら狩っていた」とでも言いたげである。「まるで」というか、その通りなのは誰の目に見ても明らかなのだが。

「そうか……」

 同じようにシュンとするオリヴィエ。
 この狩猟民族共は日本の里山をなんだと思っているのか。

「……でも、なんらかの理由で、投げたナイフが、偶然、そこにいた鳥や鹿にあたったら、事故だよね?」
「そうッスな」
「事故なら、しかたないよね?」
「そうッスな」

 そしてこの真顔である。
 オリヴィエが何かを決意した表情でナイフを見つめているが、残念ながらこの場にそれを止める人物は存在しない。

「お米研げたよ!」
「つやつやなのですよ!!」

 と。
 狩猟民族が良からぬことを企んでいたところに、頭上に飯盒を掲げた八咫と、その後ろをてててっとついてくる征四郎の姿が。
 どうやら無事米を研ぎ終えたらしい。服の裾が濡れているのはご愛嬌だ。

「おお! ありがとうッスよ! じゃあ早速、調理開始ッス!!」

 切り替えが早いのが米衛門の美点である。
 未だ未練がましく森を、というか鳥を眺めるオリヴィエをなだめつつ、年少組3人を前に、米衛門はコホンとひとつ咳払い。

「今日の献立は!」

 威勢良く発せられた米衛門の言葉を継いで、八咫。

「栄養満点! 秋の山菜入りきのこごはんと!」

 ぱぁっと瞳を輝かせて、征四郎。

「シャッキシャキ! ミズのお味噌汁! ……と!」

 まだ少しこのノリに慣れていないオリヴィエ。

「とれたてヤマメの塩焼き」
「「です!!」」

 きゃあ! と、女子二人のあげた歓声が、調理開始の合図だ。



 まず、いつの間にか米衛門が採ってきていたキノコ類を食べやすい大きさに手でちぎっていく。

「アギダ、これはなんですか?」
「これは舞茸ッスね。こっちのオレンジのがなめこッス。あ、なめこは味噌汁に入れるッスからそのままでお願いするッスよ」

 肉厚な舞茸は、征四郎が手に持つとその大きさが余計に際立って見えた。パック詰めされ市販されているものとは全く別物に見えるほどの立派さである。
 舞茸以外にも、しめじやえのき、椎茸などのよく見かけるキノコ類がいくつか。その全てが市販されているものより肉厚であったり、姿が少々違っていたり。
 食べ盛りが多いため大き目の飯盒を用意しているので、それなりの量が必要だ。

 年少組がむっしむっしとキノコをちぎっては飯盒へ投入している間に、米衛門は先ほど大人組で釣ってきたヤマメとイワナの下処理を済ませる。
 エラや内臓を多機能な鉈(アーミーナイフっぽい形状だが誰が何と言おうと鉈)で手早く処理していく。さっきまでヤブを切り分けていた刃物だが、アウトドアに細かいことを言うのは無粋というものである。洗ったから大丈夫なのだ。

 人数分の魚の処理を終えれば、その辺に生えていた細竹を鉈で適当な太さに割り裂いて即席の串を作り、川魚の頭からぶっすりと突き刺した。この作業は途中からオリヴィエも手伝っている。どちらがどれを作ったかは一目瞭然だが、特に問題はないのでよしとする。

「戻った」
「たっだいま! いっぱい取ってきたよォ!!」
「おお、ナイスタイミングッス!」

 ここで両手に枝を抱えたラルフと撮生が戻ってきた。枝の量は充分。2時間ほど火を焚き続けてもおつりが出そうだ。
 早々に火を熾してもらって――着火剤がなかったため一悶着起きかけたがマタギが一瞬で解決した――ある程度火が落ち着いたところで焚火の周りに串刺しの川魚を地面に突き立てていく。

「米君米君、準備できたよ!」
「おっ、了解ッス! じゃあ、3人には火の番をお願いするッスね!」
「了解だよ!」

 麓から持ってきていた野菜類と鶏肉も刻み終えた八咫と征四郎が、飯盒を持ってわくわくドキドキした様子で米衛門を呼んでいる。
 火の番を男衆に頼み、女子組の元へ向かえば、麓から持参していた野菜や鶏肉を切り終え、あとは味付けをするだけの状況。

「アギダ、この小さくて丸い実はなんなのです?」

 片手に小指の先ほどの大きさの丸い実を乗せて首を傾げる征四郎。これも飯盒の中に入れたものだが、正体がわからなかったのだ。

「これはムカゴっていうんスよ。山芋の子供みたいなもんッスね」
「へぇえ!」

 山芋の子供、という言葉に目をぱちくりさせる征四郎。
 細長くてゴツゴツしている山芋と、つるんとしたまぁるい実が、なかなか結びつかないらしい。

「火を通すとホクホクでうまいんスよ」

 いい酒のアテになる、とは、さすがに未成年の手前言わなかったが。

 そんなムカゴと人参、ごぼう、鶏肉を味を整えた飯盒に投入し、水を適量入れ、蓋をし、確保していた三つ又の枝2本を支柱に、焚火の上へ設置する。
 飯盒の隣では、男衆がわーきゃー言いながら味噌汁を作っていた。

 そんなこんなで、約30分後。

「できたッスよ!!」

 逆さまにして蒸らしていた飯盒の蓋を開ければ、辺りにふわりと秋の豊かな香りが広がった。

「わぁ!!」
「つやっつやだ!!」

 身を乗り出すようにして米衛門の手元を覗き込んでいた征四郎と八咫が歓声をあげる。
 男衆も、歓声こそあげなかったが、それぞれ感嘆の吐息を吐き出していた。

「炊き込み御飯と、直火焼きのヤマメと、ミズの味噌汁、出来上がりッス!!」

 各々の手元に、それぞれの料理が行き渡る。

「おいしい!! これはおいしいね齶田クン!! ミズって初めて食べたけど、これとってもおいしいよ!!」

 箸を口元に持っていくと料理が消えるという超常現象を起こしながら、大興奮で米衛門を褒めちぎっている撮生。だからその被り物をした状況でどうやって食事をしているんだと野暮なことを気にしてはいけないのである。

 ちなみに、ミズとは「ウワバミソウ」というシダ科の一種のこと。主に茎部分を食用とし、秋には「むかご」と呼ばれる生殖用のコブを生成する。皮を剥いて汁物に入れたりおひたしにしたりして食べられる。今回はなめこと一緒に味噌汁になった。シャキシャキした食感と、少々のぬめりがおいしい逸品である。
 年少組には少々食べづらいかと思われたが、3人ともおいしそうに食べていた。

「すごい、このヤマメ、身が骨からぽろっと取れて食べやすい」

 遠火でじっくりと焼いたヤマメにかじりついて、彼にしては珍しくぱっと表情を明るくさせるオリヴィエ。その顔はあからさまに「おいしい」と語っており、見るものをほっこりさせる。

「本当だな。まさか山の中でこんなに豪華な食事ができるとは思わなかった」

 ラルフが同じようにヤマメを頬張りながらぽつりと呟く。
 その言葉に、米衛門以外のメンツがしみじみと頷いていた。

「山は、付き合い方さえ間違えなければ、豊かな恵みをオイたちに与えてくれるッス。んだけど、ちょっとでも甘く見てると、すーぐ足元掬われるッスべ。今日食べたきのこだって、シロウトには見分けがつきにくいくらい似てる毒きのこもあるッス。山に入る時は、熟練者に同行するか、しっかり準備を整えてからにしてほしいッスよ」

 神妙な顔をして語る米衛門。周りも神妙な顔をしてそれを聞いているが、常にもぐもぐと口が動いているためイマイチ締まりがない。

「あと、きのこ類はまだまだ数があるっすから、……山下りたららホイル焼きにして一杯やるッスよ!」
「「おお!!」」

 ぐっと親指を突き立てる米衛門。どよめく大人組。「うまい日本酒があるんスよぉ」と格好を崩す米衛門に、大人連中は揃って身を乗り出すのだった。

「ヤタ、オリヴィエ、あんな大人になっちゃダメですよ」
「そうなの?」
「……大丈夫、ならないよ。あと八咫、ごはんつぶ付いてる」
「んぁ、ありがと、オリヴィエ君!!」

 今回最年少の征四郎が神妙な顔をしてヤタと自分を見つめているのを、「なんだかなぁ」とでもいいたげな表情で見つめ返すオリヴィエ。なんというか、このメンバーに求めてはいけないのかもしれないが、そこはかとなく「残念感」が漂っているのがとても脱力するというかなんというか。
 好きな酒の話で盛り上がり始めた大人衆を厳しい眼差しで見つめる女子二人を見やって、オリヴィエは思わずため息を吐き出す。

 まぁ、それがこのメンツのいいところなのかもしれない。
 そう気を取り直して、オリヴィエはムカゴときのこの炊き込みご飯を口に運ぶのだ。

「ん、おいしい」

 秋晴れの空が、つかの間の休息を得ている一行をやさしく見守っている。



 本日快晴。
 絶好のピクニック日和だ。


 
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa1482/齶田 米衛門/男性/21歳/アイアンパンク/アイアンパンク】
【aa0068hero001/オリヴィエ・オドラン/男/11歳/ジャックポット】
【aa0076/紫 征四郎/女性/8歳/人間】
【aa3184/八咫/女性/12歳/ワイルドブラッド】
【aa4007/寫眞 撮生/27歳/男性/アイアンパンク】
【aa4220/波月 ラルフ/23歳/男性/人間】
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2016年12月15日

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