▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『満たされる心 』
シルヴィア・エインズワースja4157)&天谷悠里ja0115

 ベッドへと腰掛ける天谷 悠里(ja0115)の前、花嫁が跪いている。

 つい先刻まで白かったはずのドレスは悠里の愛に浸されたかの様に、チュールの裾をほんのり赤く染め、幾重にも重なる赤からピンク、白へと繋がるグラデーションは、姫の可憐で愛らしさをよりを引き出している。

『今お召しなっているドレスはお客様の心を写す鏡の様なものです』

 この部屋へ来る前、白い少女にそう言われたことをシルヴィア・エインズワース(ja4157)はぼんやり思い出す。
 あの言葉が本当なら、私の心はお姉様の所有物になってきているという事なんだろうか。そう思うと喜びが体を駆け抜ける。

 壊れ物でも扱うかの様に丁寧に取った手。
 そのやけに冷えて感じる甲に唇を当てる。
 部屋が寒いわけでも悠里が冷えているわけでもない。
 ただシルヴィアの体が熱を持ちすぎているのだ。
 
 その熱を手から離す事なく指先へと移し、爪の上でちゅぅと音を立て、そのまま啄ばむ様に何度も指先に口付けながら女王を仰ぎ見る。

「……っ!」

 シルヴィアの奉仕へと注がれていた悠里の視線がシルヴィアとかち合う。
 たったそれだけのこと。
 視線が絡む、それだけで自分の中から蜜が溢れるのを感じた。
 喘ぎに似た熱い息を飲み込んだ喉が震え、声ともつかない音が漏れる。

 爪の先に舌を這わせれば、その刺激が心臓を早くし、心が声を上げる。

『もっと……』

 戸惑いながらも心のままに指を口に含む。
 熱い口腔に細い女王の指は一層冷たく感じられ、彼女の存在にどんなに煽られているのかを浮き彫りにしていく。

 許可を求める様にもう一度視線を合わせれば、目の前でゆっくりと口角が上げられた。 勿論、拒絶の声は聞こえない。
 視線を絡めたまま差のある両者の温度を合わせる様に、丁寧に愛していけば、支配者の瞳の奥に灯っていた快と悦の炎が大きくなっていくのが見て取れた。

 シルヴィアはずっと伝えたかった。黒い彼女の瞳に普段は滲むことすらない色が見える事に心から喜んでいる事を。

「お姉……悠里様……」

 言いかけて言い直す。
 愛おしい人の名を口にしたかった。
 名前を呼び、シルヴィアが誰を慕っているのか明確にしたかったのかもしれない。
 睦言の様な甘さで囁き、耳朶に唇を寄せる。

「愛しています。私は貴女のもの、貴女だけのもの。他に何もいらない」

 熱に浮かされた様な愛と忠誠の言葉は喘ぎにも似た甘い息遣いと耳を愛撫する水音に混じりながら悠里の鼓膜を揺らす。

 自分の奉仕を受け入れ許してくれる女王、そんな花嫁を悦ばせられる自分。
 その事実はシルヴィアの愛情と忠誠心を満たし溢れさせ、奉仕を加速させる。

 ***

 シルヴィアの手によって足元へと落とされた二人のドレスが音を立てる。

 シワになるのではないか、形が崩れるのではないか、そんな心配は思考の隅にも入らなかった。

 悠里はシルヴィアの腰に手を回すと胸元へ顔を埋めるように唇を押し当てる。
 数秒の間の後、姫の胸元には悠里のドレスを彷彿とさせる赤い華が咲き誇ってた。

「私の……でしょう?」

 答えなど分かっているのにも関わらず、尋ねる様に上げられた意地悪い語尾。

「勿ろ……」

 それでも肯定するシルヴィアの言葉は悠里のキスに呑まれた。
 蕩けるほど甘いそれを重ねれば重ねる程熱を帯びた淫らな音が部屋に響く。

 ***

 熱を抑え付ける理由はもうない。
 二人は生まれたままの姿で肌と肌を合わせ、体温を分かち合い、愛と快楽に溺れる。

 悠里から与えられるおかしくなる程の快楽にシーツに肌を滑らせながら甘い声を上げ、涙を流ながら打ち震えるシルヴィア。
 その姿に悠里は満足そうに瞳を細めた。
 彼女のこんな姿を見られるのは己だけ。
 そもそも彼女がこんなに乱れるのは自分の前だけ。
 目の前の光景は女王の所有欲と嗜虐心をひどく満たし、確信が支配欲を満たしていく。
『私のもの……。私だけのもの』 

 夜明けまで互いを求め愛し合った二人の手はその絆を表徴する様にしっかりと握られている。

 その傍、微塵も落ちきる気配を見せない砂時計の砂が朝日に煌めいていた。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
【 ja4157 / シルヴィア・エインズワース / 女性 / 23歳 / 悦楽にひたる姫】

【 ja0115 / 天谷 悠里 / 女性 / 18歳 / 享楽に微ふける女王】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

 度重なるご依頼本当にありがとうございます。

 二度目の初夜が明けましたが、砂時計が示す通り店が消えるまでまだまだ時間はある様です。
 砂が落ちきるまでにこれからどんな愛が紡がれるのか今回も書せて頂いた側ではありますがとても楽しみにしております。

 お気に召されましたら幸いですが、もしお気に召さない部分がありましたら何なりとお申し付けください。

 今回はご縁を頂き本当にありがとうございました。
 またお会いできる事を心からお待ちしております。
WTツインノベル この商品を注文する
龍川 那月 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2017年01月30日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.