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『薔薇の蜜に酔う 』
天谷悠里ja0115

 朝方まで愛し合った体をさっとシャワーで清めた天谷 悠里(ja0115)はドレスを着つけて貰うためにドレッシングルームにいた。

 前では黒い少女が胸元を整え、背後で白い少女が編み上げ部分を丁寧に結っていく。

「女は愛されるだけ美しくなるっていうけれどここまでわかりやすい例も珍しいわよね」

「そうですね。同意見です」

「そう……かしら?」

「ええ。勿論」

「……お話中に申し訳ありません。姿見の方を見て頂けますか?」

 小悪魔の様に微笑む黒の少女。
 二人の作業がひと段落したら鏡を見てみよう。そう思ったところで、その心を読んだかの様にタイミングよく白の少女の声が聞こえる。

「あぁ……ええ。言う通りだわ」

 鏡に映る高貴で妖艶な女王は、淫蕩な雰囲気を纏っている。
 悠里自身でも一瞬で分かる程に女王は美しかった。

「昨日の夜の花嫁はどんな風だったのかも気になるわ」

「お客様の変わり様を拝見すればどれ程熱い夜であったかは想像出来ますが、確かに」

 少女達の囁きに導かれる様に自分だけの姫を思い浮かべる悠里の肌が一気に艶を増す。
 脳内で再生される金糸の花嫁に愛しさがこみ上げ……それ以上に淫らな欲が膨れ上がり一気に悠里を昂らせたのだ。

「……っ」

 突然の刺激にそちらを見れば、興奮で敏感になった肌に少女の唇が触れている。首筋にかかる息や、ゆっくりと触れられる手や指がもどかしく、もっと強い刺激を求めてドレスに隠された部分が身悶えた。
 だからと言って年端もいかない少女達に淫行を願うことは出来ない。

「……あっ」

 声を抑えようと噛んだ指の刺激が快楽を刺激し声を上げてしまう代わりにもどかしさがほんの少量だが消える。

 ***

 気がつけば悠里は自分で自分を刺激していた。
 指で唇を慰め、胸元を手で愛す。
 自らが欲しい刺激を欲しいところに欲しい分だけ。焦らす様な少女達の動きと相まってどんどんと体の中の快楽は高みへと登っていく。

 どの位そうしていただろう。ふいに鏡が目に入る。

「……え?」

 もどかしい愛撫していたはずの少女達の姿はなく、そこに映っていたのは悠里だけだった。

 一瞬の動揺。
 それは追いかけて来た昂りに飲み込まれすぐに消えてしまった。
 鏡に映る女性、淫魔にもまさるだろうその淫らな美しさがまっすぐ悠里を射抜いたのだ。

 鏡に触れれば彼女もまた近づき鏡に触れる。
 彼女が何を期待しているのか分からないはずもない。
 口角を上げその期待をなぞるように刺激すれば、予想以上に彼女の表情は快楽に歪む。
 目の前で自分に乱される自分の姿は登り詰めかけていた悠里の背を押し法悦へと至らせるには十分だった。

「花嫁以外からの快楽で達するなんて、随分エッチなのね」

「自らの快楽に溺れ耽っているお客様にその物言いは失礼ですよ」

「悪いなんて言ってないわ。うっとりするほど綺麗なんだもの」

「……お客様の美しさには目を奪われております。どうかお許し下さい」

 両耳元で少女の声が聞こえる。

 見られている。
 自分を慰める様を鏡の中の自分だけでなく少女達にも。
 それでも体は止まらない。
 少女達の声が聞こえるたび、視界の端に淫らな自分の影を見るたび快楽はより早く駆け上り悦びの声が上がる。

 後ろめたいと感じる頭とは裏腹に、心は花嫁との愛の時間とは別の充足感を覚え
もっと味わいたいと体を欲望のままに動かし続けていた。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【 ja0115 / 天谷 悠里 / 女性 / 18歳 / 淫愛に溺れて】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 今回もご依頼ありがとうございました。

 花嫁様に与えていた愛を自らに注がれる物語は悠里様に新しい感覚を芽生えさせた様です。
 この後この充足感がどうなっていくのか現段階ではわかりませんが新しい愛の扉を開く鍵になればと思います。

 お気に召されましたら幸いですが、もしお気に召さない部分がありましたら何なりとお申し付けください。

 今回はご縁を頂き本当にありがとうございました。
 またお会いできる事を心からお待ちしております。
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龍川 那月 クリエイターズルームへ
エリュシオン
2017年01月31日

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