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『【死合】丈比べ 』
一ノ瀬 春翔aa3715)&迫間 央aa1445
 ふと点った7・5mmの太陽が、青黒い闇をかすかに押し退ける。
 愛飲する煙草、ラッキーストライカーをひと吹かし。一ノ瀬 春翔は空になったソフトパッケージを握り潰し、尻ポケットへねじ込んだ。
 投げ捨てなかったのは倫理ばかりのことではない。わずかにでも足場を損なう危険を潰しておくためだ。
「待たせたか」
 闇の奥から穏やかな声音が投げかけられた。
 こんなときまでいつもどおりかよ。春翔は紫煙を吸い込み、ため息を共に吐き出した。
「今来たとこだ――とは、言わねぇけどな」
 闇から姿を現した迫間 央は薄笑み、辺りを見やる。
「吸い過ぎじゃないのか?」
「俺じゃねぇよ。霧っつーか、朝靄ってやつだろ」
 夜明け近づくスクラップ場に這い寄る朝靄。闇と煙で、視界は最悪だが。
「悪くない。これで邪魔されずに殺り合える」
 さらりと央が言い放ち。
「生き残った奴が死んだ奴を抱えて帰る。ゴミはお持ち帰りくださいの心だぜ」
 さらりと春翔が言い返す。
「その前に煙草は片づけておけよ」
 央に促された春翔は煙草を下に落としてにじり、つまみあげた。誰が残していったか知れぬ缶を再利用した灰皿に投じ、スクラップの脇に置いた。
「生き残った奴が、これも持って帰るってことにしようぜ」
 春翔は央の到着を待ち、央は春翔の準備が整うのを待つ。互いにシャドウルーカーでありながら、およそシャドウルーカーらしくない正々堂々さ――いや、感傷だ。
 今はまだ、気の置けない友でありたい。
 終わりが始まるまでは、せめて。


『死合ってくれねぇか?』
 とある戦場の帰り道、片脇を行く央へぽつり。春翔が言った。
『受けよう』
 顔を振り向けることもなく、央は春翔に応えた。

 央と肩を並べて戦う中で、春翔はいつしか考えていたのだ。
 アイツと俺、どっちが強い?
 火力特化というシャドウルーカーの邪道を行く自分に対して、央は王道。並のエージェントをはるかに超える経験を積み、自らを鍛え上げてきた春翔だが、それでも央の背中に届いたことはなかった。少なくとも自分ではそう思う。だが。
 ――この手がまだ届かなくても、握った得物の先なら。
 確かめたかった。
 挑みたかった。
 力を尽くし、技を尽くし、あの高みに垣間見える背中を追ってみたい。たとえそう、半ばにして倒れ伏すのだとしても。
 もしかすれば、確かめたいのは強さならず、自分の資格なのかもしれない。この世界でも名うての“影”と立ち並び、友と呼んでいい資格が自分にあるのかと。
 それを問うために命を張る。実に馬鹿げた話だと思う。
 しかし。
 友だからこそ、友であるためにすべてを尽くす。
 アタマの悪い俺にゃ、それしか思いつかねぇんだよ。
『死合ってくれねぇか?』

 これまで春翔とどれほどの言葉を交わしてきただろう。
 央は指を折ることなく苦笑した。そんなもの、数えきれるわけがない。
 公務員の自分と、自営業の春翔。奇襲と強襲を信条にする自分と、火力勝負にこだわり続ける春翔。およそ噛み合うものなどないはずなのに、不思議なほどに気が合った。戦場の内でも外でも、互いがいることで、契約英雄に怒られるようなバカもためらわずにしでかせた。
 もともと協調を信条とする央には知り合いが多い。が、春翔のことを誰かに話すとき、無意識にこう告げていたものだ。「友だち」と。
 その春翔が今、彼に死合を望んだ。
 声音の重さが、春翔の万感を示していた。
 戦闘スタイルのせいで目立たないが、けして春翔は頭の悪い男ではない。むしろ思慮深いと言えるだろう。その男が言葉にできない思いを、この俺にぶつけてきた。
 ――そんなものがわかってしまうほど、俺はあいつと通じ合ってしまっているわけだ。
 なぜかなんて悩む必要はない。だって俺たちは、友だちだものな。
 春翔が言わなくても、わかる。
 俺が言わなくても、わかってくれる。
 だからこの返事はただの蛇足だ。いや、親しき仲の礼儀、だな。語らずともいいはずの言葉で、正々堂々と俺を誘ってくれたおまえへの。
『受けよう』


 最初の1歩を踏み出したのは央だった。
 理由のひとつは、大重量の海神の斧――ラッキーストライカーKSをかついだ春翔よりも央のほうが“軽い”。
 もうひとつは、示したかったからだ。自分と春翔の間に、格の差などありえないことを。
 さあ。命を尽くして凌ぎ合おうか、春翔。
 対する春翔は、央に合わせて踏み出した足が地についた瞬間、あらん限りの力をつま先へ注ぎ込んだ。大地という超重量を全力で押せば、当然それと同じだけの反動が返ってくる。
 その反動に、未だ前へ進もうとする体の慣性力、膂力、さらには重刃を振り下ろす遠心力、重力までもを使い、大斧を縦一文字に振り切った。
「おおっ!」
 裂かれた空気が野太い悲鳴をあげるが。
 斧が地に届くころにはもう、央の姿はない。
 右か左か――いや、おまえがそんな、ただよけるようなマネ、するわけねぇな。
 春翔が地にめり込んだ斧の柄を軸に、体を回転させた。その頬や肩口を、ライヴスの針がかすめて落ちていく。
 人の眼は横に広く、縦に狭い。つまり視界もまた横に広く、縦に狭いのだ。
 格闘において下に潜ることは、人の視界の弱点を突くためのものでもあるのだが、下は春翔の斧が塞いでいるから考えるまでもない。下以外で虚を突くとすれば、そう。
 上しかねぇよな!
 回転に乗せ、春翔が天へと回し蹴りを放った。
 こういう奇襲、閃きとかじゃなくてあたりまえにやらかしてくれんだからよ。ほんと、めんどくせぇ奴だぜ。
 迫る春翔の踵を見下ろし、央は胸の内で苦笑した。
 やはり、上にいることは読んできたか。
 気配は消していた。その上で縫止の針を集中させずにあえてばらまき、正確な位置を隠してもいた。実際、春翔はこちらの居場所を特定できていない。それなのに、見もしないで正解を引き当ててきた。
 せめて迷ってくれればこちらも甲斐があるというものなのにな。この当て勘の高さは厄介だ。
 央が天叢雲剣の切っ先で春翔の蹴り足の先を突き、ふわりと前へ回転、飛び越えた。
 あの斧の一撃をもらえばそれだけで終わる。ならば。
 ここまで積み重ねてきた技の丈をもって、騙る。迷わないおまえを迷わせるために。
 カツン。
 央の刃がスクラップの先を斬り落とした。
 カシャ、カラカラ、カシャン……音を立てて転がり、別のスクラップに当たって止まる。そして。
 カカツンツ、カン、カシシャャ、カカララカカララカ、カシャシャンン。
 カカツンカツ、カツン、カン、シカシャシャャ、カカラカララカカラカラ、カラカシャ、カンシャシャンン。
 鉄くずの合唱が始まった。
「ち」
 斧の柄を掴んだまま動けず、春翔は舌を打った。
 彼が音に気を取られたわずかな隙に、央の姿は闇に紛れて消えた。
 意識からこの音を切り離す――つもりだったのに、意図的にずらされたリズムが障り、追い出しきれない。
 この苛立ちを抱えたまま央の後を追ったところで、次の手でさらにかき乱されるだけだ。
 だから、央が来るのを待つ。気配を読ませてくれるような相手じゃないが、読みちがえればそのまま死ぬ。アレが効いてくれるようにお祈りしとくしかねぇか。
 キン。
 鉄くずが立てるよりも細く高い音が弾け。
 春翔が赤いコートの裾を跳ね上げた。
 露われたのは、腰に佩いた妖刀「華樂紅」。その柄を掴み、ひと息に抜き打った。
 ……彼はとまどう体を装いながら、自分の周りに縫止の針をばらまいていたのだ。その針は踏まれればたやすく折れ、悲鳴をあげる。春翔はこの罠を機能させるべく、動かずに待った。
 ま、動けなかったってのもほんとだけどな。かわされるのがわかってる針をどう使うか、寝ねぇで絞り出した結果の策ってやつだ。
 妖刀を隠してきたのは、央の眼に大斧を印象づけておくためだ。迅さで勝ると思い込んでくれれば――いつでも先の先、後の先を取れると思い込んでくれれば、春翔は必殺の機を得ることができる。
 そう。これは、必殺の一閃のはずだったのだ。
「!?」
 しかし。春翔の刃は弾かれ、脇腹を裂かれた。

 忘れたのか? 俺の刃が攻めと守りの一対だということを。
 まとわりつく春翔のコートから右手の叢雲を引き抜く央。その左手の内、逆手に握られた忍刀「無」の刀身に、ライヴスの龍紋が浮き上がった。
「推して参る」
 唱えた言葉を置き去り、央が駆ける。
 忍刀を横薙ぎに振り込み、妖刀に受けさせておいて、その接点を支点に回転、横合いから叢雲を、春翔の腹めがけて突き込んだ。
 叩き落とそうにも、妖刀は忍刀に押さえつけられていて動かせない。下から押し上げて軌道をずらそうにも、叢雲は両刃。左右からの打ち払いは到底間に合わず、かといってそのまま刺されれば腹圧で腸が噴き出し、遠からず死ぬ。
 だったら!
 春翔が膝を突き上げた。
 刃の正面ではなく、刃の内側へ沿わせ、外へ流す。
 土壇場の判断の速さと正しさはさすがだよ。でも。
 叢雲の剣身は今、そのほとんどが春翔の脚に接している。
 申し分のない支点として機能している。
 妖刀が忍刀を押し返してくる力を弾みとし、叢雲に重心を預けた央がさらに半回転。
「!」
 押さえられていた力を失い、体を前へ泳がせる春翔。片脚では踏ん張れない。反射的に上げていた脚を前へ下ろして体を支え――硬直した。
 そして央は。
 春翔の背後にいた。
 正面をとろうとは思わない。“影”の死は、いつだって誰かの背中から降りかかるものだから。俺は“影”の正々堂々を、おまえの背に語るよ。
 春翔の延髄へ、そっと忍刀を伸べた。
 まだ終わらねぇ! 背中を追っかけるのは、俺だ!
 首の皮に鋼が潜り込むひりりと熱い冷たさを感じながら、春翔が前へ体を投げ出した。前転して距離を離し、そして悶絶した。
「っ!!」
 央は忍刀を鞘に収め、叢雲の切っ先から赤い血を振り飛ばした。
 ……前転するために春翔は身を丸め、背を突き出した。
 それを見て取った央は、叢雲を伸べてその腎臓を貫いたのだ。反りのない剣、その85センチは狙いを過たず突き立ち、央に応えてくれた。

 腎臓は体の中でも最高に“痛い”そうだ。その痛みを負ってまだ踏み込めるか?
 ――いや、愚問だな。おまえはそれでも踏み込んでくる。
 わかってるさ。見くびったわけじゃない。ただ、俺は俺が思う以上に未練があるらしい。ここで止めにしようと声をかけて、おまえとまた酒を飲んでバカな話をしたいんだ。
 でも、おまえは最後までやるんだろう?
 一本気な奴だから……答を掴むまで、あきらめない。俺はその命賭けの問いを受けると約束した。破らないさ。だって俺は、おまえの友だちだからな。
 央の眼が冷める。
 思い、想い、念い、すべてを振り切り、冴える。
 俺は俺の“色”を振り捨てる。“空”だけを込めておまえを斬る。

 腎臓への攻撃は多くの競技で禁止されている。その意味を今、春翔はいやというほど思い知っていた。
 ひとつ残ってりゃ死なねぇらしいが、この痛みは半端ねぇな。ったく、未練がましく死ねねぇとこ狙って刺しやがって。こんなもんで俺が止めるとか思ってんのかよ。
 春翔は痛みを思考から切り離し、央の間合を外して立ち上がった。
 いや、おまえの未練は俺のせいだよな。死合わせてくれって頼んだのは俺なのに、俺は俺を尽くしてねぇ。生き汚ぇまね晒して、必死になれてねぇ。
 春翔の眼が滾る。
 思い、想い、念い、すべてを糧とし、燃える。
 俺は俺を惜しまねぇ。全部ぶっ込んでおまえを斬る!

 正眼に構えた妖刀を押し立て、春翔が央へ打ちかかった。
 打ち下ろし、打ち上げ、薙ぎ払い。央の意識を上に寄せておいて、ローキック。それらはすべて受け止められ、流され、落とされた。
 かわすだけじゃなくて守りも固ぇ! なにをしても見て取られちまう。だめだ、こんな攻めじゃ届かねぇ!
 春翔のローを持ち上げた膝で受け、央は左右の刃を巻きつけるようにして妖刀を払う。
 打ち込みが迅い。重い。斬り返す間がもらえない。だめだ。受けているだけじゃ捕まる。
 央が体を返し、半身となって叢雲から沸き立つ靄めいたオーラの影に身を隠した。
 央の次の手を警戒したか、春翔の攻めの圧力が弱まった。
 ここだ。
 央の左脚がまっすぐと伸び、強烈な横蹴りで春翔を突き放した。
 刹那。央の体からもうひとりの央――分身がすべり出す。
 分身が、吹き飛ぶ春翔を追った。最短距離で駆け抜け、春翔へ斬りかかる。
 結果を見届けることなく、央はスクラップの陰に潜伏。半拍ずらしてスクラップの上から春翔へ斬りかかった。
 これが央の奥の手であり、決め手の“二刀流”だ。
「!?」
 分身に斬られた春翔の体が、分身と共にかき消える。
 まさか!?
 跳び降りる央へ、闇に紛れて跳びかかった春翔が刃を一閃した。
 おまえの二刀流はちっと忘れてたがな。決め手は忘れちゃいなかったぜ。
 と。
 喉を薙がれた央の体が霧散した。
「なっ!?」
 決め手は、かならず決められるからこそ決め手になる。
 再び放っていた分身の残像を割り、央が今度こそ姿を現す。
 飛び上がって攻め終えた春翔に支えはなく、体をそれ以上伸び上がらせることも返すこともできはしない。
 対して、攻めを打っていない央は重力に引かれるまま、体勢を整えながら春翔へ迫ることができる。
 上段に構えた叢雲で春翔を斬り落とす央。
 春翔は央に先んじて地へ落ちていく。まるでそう、弾き落とされるように。
 そういうことか――!
 斬られる瞬間、春翔は筋肉を締め、自身を固めていた。刃を支えとし、下へ跳ぶために。
 果たして深手を負いながらも成し遂げてみせたわけだ。央を迎え討つための準備を。
 それだけじゃねぇ。ただ斬り込んでたわけじゃねぇんだよ。
 春翔の落下地点には、突き立てられたままのラッキーストライカーがある。
 彼は大斧の柄を掴み、アックスチャージャーを通してライヴスを緊急チャージ。地に叩きつけられる勢いを利してそれを抜き放った。
 己と命とを尽くしたのは、この一撃のため。
 ゆえに、吼えない。
 この体に残されたものを、すべてこの一撃に乗せる。
 央につけられた傷口から血を噴き、闇の内に赤い軌跡を描きながら、渾身の力を込めて春翔がラッキーストライカーを打ち上げた。
 すべてを見ていながら、重力に囚われた央はただ大斧の軌道へと落ちていく。
 しかし。その眼は冴えたまま、冷酷さを保っていた。
 おまえはおまえを尽くしてみせた。ならば俺は、俺を捨てて俺を尽くす。
 攻めの刃であるはずの叢雲を守りにまわす央。
 そこへラッキーストライカーの重く鈍い刃がぶち当たり、刃ごと央の肋を折り砕き、肺を破って背骨を割った。
 口から赤黒い血がごぶりとあふれ出すが――背骨を砕かれるのは避けた。春翔。俺は、まだ動くぞ。
 しかし。
 そこにいるんだろ? 見えなくてもわかるぜ。だって俺は……おまえのこと、ずっと見てきたんだからよ。
 自らの当て勘と友への思い。ふたつを乗せた妖刀の切っ先が、央の喉を貫いた。
 おまえは俺の背中を追ったと言うが。追ったのは俺だ。いつだって俺はおまえに手を引いてもらってきた。そして今も。
 喉に突き通った刃をたぐるように、央は春翔へと落ちていく。
 そして左手で、忍刀「無」を抜き打った。EWスカバードの内に張られた電磁膜が刃を加速させ、央の抜き手をさらに研ぎ澄ます。
 宙にあるまま、不十分な体勢での居合ではあったが――央の体で視界を塞がれた春翔に、彼の抜き手は見えなかった。否、央は見せぬためにあえて春翔の斧を受け、こうして落ちたのだ。
 春翔、これが俺の全部だ。央が笑んだ。
 やられたぜ。最後はおまえが“影”かよ、央。春翔が笑んだ。
 果たして。
 忍刃が春翔の鎖骨と肋とを断ち割り、心の臓を斬り飛ばした。

 名残惜しいな、春翔。もう終わりだよ。
 またやろうぜ、央。時間はこれから、たっぷりあるんだからよ。
 そうか。それも悪くないな。
 ああ。悪くねぇ。
 その前に、少し休んでおくか。
 そうだな。俺も、ちょい疲れたよ。


 かくして世界に朝が訪れた。
 折り重なって倒れ伏すふたりのシャドウルーカーを、白をいや増す朝靄のヴェールがしずしずと押し包む。
 光がふたりを起こしてしまうことを嫌うように。
 ふたりが交わす笑みが、世界に晒されてしまうことを恐れるように。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【一ノ瀬 春翔(aa3715) / 男性 / 24歳 / 武勇への祝福】
【狭間 央(aa1445) / 男性 / 25歳 / 冷静に俯瞰する者】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 刃はなにを語ることなく、万を尽くした言の葉の先に在る友誼を唄う。
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2017年03月13日

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