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『怒りの獣欲神 』
イアル・ミラール7523)&エヴァ・ペルマネント(NPCA017)


 無数の繊手が、身体のあちこちに触れてくる。
 綺麗な五指の群れが、白っぽい虫の如く蠢きながら、イアル・ミラールの全身至る所を這い回り、そして迫る。女としては有り得ないものを隆々と屹立させた、イアルの肉体の最もおぞましい部分へと。
 ここが夢の中であるのは、わかっている。
 だが、際限なく間断なく襲い来る、おぞましいほどの快楽は本物だった。
 イアルは悲鳴を上げた。
 自分の悲鳴で、目を覚ました。
「あら……お目覚めね、ふふっ。一体どんな、いけない夢を見てらっしゃったのかしら? このお姉様は」
 エヴァ・ペルマネントが、イアルの上にいた。
「エヴァ……ち、ちょっと何やってるの、貴女はっ!」
「だからぁ、それはこっちの台詞。夢の中で一体どんな、いけない事をなさってたの? ね、お姉様ぁ」
 そんな事を言いながらエヴァが嬉々として、イアルの身体からおぞましく生えたものを弄り回している。
「や、やめなさい! こらっ、朝っぱらから」
「朝だから、よ。こんな御立派なもの、ギンッギンにさせたまま1日過ごすおつもり? いやらしいお姉様ねえ、まったくもう」
「やめてーっ!」
「無理をなさらないで、お姉様」
 イアルの耳元で、エヴァは優しく囁いた。右手を、秘めやかに卑猥に動かしながらだ。
「こんなに溜まってしまったもの……定期的に出しちゃわないと、頭も心も壊れてしまうわ。限界だったのでしょ? お姉様」
「お姉様と……呼ぶのを、やめなさいと……何度言えば……っ!」
 おぞましい快感のせいで、声にならなくなってきた。
 エヴァには見抜かれている。
 錬金術師たちによる、呪い、と言うべきなのか。
 こうしてエヴァの匂いを感じているだけでも、イアルの下半身は反応してしまう。醜悪なるものが、固く固く膨らんでしまう。
 これを定期的に噴火させ、何もかも放出しないと、気が狂いそうになってしまうのだ。
 ガタゴトと、奇怪な音が聞こえた。
 部屋の隅で、石像が震えている。苦しむ生き物のように、振動している。
(貴女も……)
 物言わぬ女人像と化してしまった女教師に、イアルは心の中から語りかけた。口では、しどけない悲鳴が止まらないからだ。
(私と同じように……苦しいのね。だけど、ごめんね……石になっちゃった、その身体……エヴァみたいな事をして、溜まったもの出してあげる事も出来ない……)
 メイド服を着せられたまま石化しているので、見ただけではわからない。が、この女教師もイアルと同じく、おぞましいものを生やしている。生身であれば、隆々と屹立しているところであろう。
 どうしてやる事も出来ないままイアルは、エヴァに導かれるまま絶頂に達し、汚らしいものを大量にぶちまけていた。


 拳銃でもあれば、天井に向けて1発ぶっ放すところだ。
 だが拳銃はない。
 あるのは、怨霊を使って作り上げた携帯式6連装ガトリング砲である。
 それをエヴァは、天井に向けて乱射した。
「はい閉店閉店。蛍の光、流す代わりにコレね。さっさと帰らないとユー、全員ミンチになっちゃうわよ?」
 轟音と共に、店内の蛍光灯はほぼ全てが砕け散った。
 何人かいた客たちが悲鳴を上げ、逃げ去って行く。
 都心近郊の海沿いに建つ、マリンスポーツ専門店である。
 店主の女性が、目を丸くしている。
 その胸ぐらを、イアルが掴み寄せた。
「私を……とっても綺麗な真珠の塊にしてくれて。どうもありがとう、お礼に来たわ」
「イアル・ミラール……」
 店主が息を呑んだ。
「生きていた……と言うか、生き返ったのかい?」
「さあ、どうなのかしらね」
 胸ぐらを掴んだまま投げ飛ばし、顔面から床に叩き付ける。その衝動を、イアルは懸命に抑えているようだ。
(ああ……怒り狂ったお姉様、とっても素敵……)
 身悶えをしながらエヴァは、胸ぐらを掴まれている店主に6連銃身を突きつけた。
「ユーは生き返る事が出来るかしらね? ちなみに私、頭がミンチになったくらいなら大丈夫よ。一週間くらい脳みそ壊れたまんまで、奇声あげながらストリップとかしちゃうようになるけど。魔女さんは、どうなのかしら。お姉様、試してみてもいい?」
「私も興味あるけど少し待って。魔女結社の生き残りが、この女以外にもいるのかどうか、わからないから」
「うふふ……このガトリング砲、材料になった怨霊どもが随分ユーの事、恨んでるわよ店主さん? やっぱり魔女結社の残党なのねえ」
 店主の美しい顔に、エヴァは熱を持った6つの銃口を容赦なく押し付けた。
 皮膚の焼け焦げる香ばしさが、漂った。
「そう……IO2だけでなく虚無の境界まで味方に付けているんだね。お前は」
 円形に並ぶ銃口の跡を刻印された美貌が、苦笑の形に歪む。
「イアル・ミラール……お前が魔女結社の生き残りを捜している、その理由は言わなくていい。随分と難儀な身体になってしまったね……臭いで、わかるよ。安物の香水で誤魔化しているのもね」
「……わかっているなら、さあ私を元に戻しなさい。石に変わった人たちを助けるために、大元の呪いを解きなさい」
 イアルが牙を剥いた。獣になりかけている、とエヴァは感じた。
「そうしたら、私を真珠に変えてくれたお礼はしないでおいてあげる。嫌だと言うなら百倍のお礼をしてあげる。さあ、どっち?」
「そうカッカしなさんな……ふふっ、わかるよ。溜まったもの出さないと、頭がおかしくなって、下手するとまた獣になってしまうんだろう?」
「……千倍に……されたいようね……ッッ!」
 このままでは店主が、イアルに殺されてしまう。
 この美しい人体を、獣と化したイアルが食いちぎり、引き裂き、ぶちまけて全身に浴びる。
 考えただけでエヴァは、悦びで悶絶しそうになってしまう。
「慌てては駄目だよ、イアル・ミラール……」
 胸ぐらを掴まれたまま、魔女は片手を伸ばす。イアルの下半身にだ。
「命あっての物種だ、お前の言う通りにするよ。だけど残念ながら私の力では今、即座に、この難儀な身体を元に戻してあげる事は出来ない……いや本当、元に戻すのがもったいないほど御立派なもの立ててしまって、何とまあ」
 悶絶しているのは、イアルの方であった。
 魔女の美しい手でキュッ……と優しく容赦なく握り込まれ、もう我を失いかけている。
「あの愚かな錬金術師ども……私たちでは考えもつかない事をしてくれるものだねえ」
「はい、そこまで」
 魔女の頭を、エヴァは6連銃口でつついた。
「お姉様をオモチャにしていいのは、私と盟主様だけ。あんまり悪ノリしてるとユー、綺麗な顔に火傷くらいじゃ済まなくなるわよ?」
「言ったろう、この場で今すぐ元に戻す事は出来ないと。まあ石になった連中を助ける事は出来る。そのためにね、後でいいものをやるよ」
 動じる事なく、魔女は言った。
「その前にまず、この魔王マーラ・パーピーヤスの怒りを静めないと。ここは1つ私に任せておくがいい……それとも、お前も参加するかい? 虚無の境界の生き人形。一緒に昇天させてあげるよ?」
PCシチュエーションノベル(シングル) -
小湊拓也 クリエイターズルームへ
東京怪談
2017年03月27日

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