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『知らない世界、知りたい世界 』
鳳凰院ひりょka3744)&弓月 幸子ka1749


「このバーガーセットを二つ頼む。ピ、ピクルスは四枚で」
 ここは月面にあるバーガーショップ。たまの休みに仲のいい友…いや、戦友を連れてやって来た鳳凰院ひりょ(ka3744)であるが、彼は些か困惑していた。というのも彼はいいとこ育ちの箱入り息子――次期当主という事もあり、同年代が好むような遊びや店には行かせて貰えず、幼い頃から礼儀作法習得の毎日。だから、こういった場所ははっきり言って不慣れである。だが、クルーはそんな事知ったこっちゃない。サイドメニューをすすめ、セットの飲み物の選択を促す。そんな戦場を何とか切り抜けて、彼がホッとしかけたその時だった。
「すみません、ピクルスの追加は一つで宜しかったですか?」
 聞き忘れていたのだろう。最後になって思い出したようにクルーが尋ねる。
「いや、だから一つではなく四枚で…」
「あ、いえ…セットメニューのバーガーの一つをピクルス追加。もう一つは通常通り一枚でのオーダーで間違いありませんか?」
 クルーが丁寧めに内容を確認する。それでようやくずれていた事に気が付くと、顔が熱を帯びてくる。
「あ、ああ…それで」
 だが、先に席を取りに行っている友にそんな姿は見せられない。足早にトレーを持ち、レジを去る。
 けれど、事はこれだけでは終わらない。
「もしかして間違われたのかな?」
 頼んだ筈のミルクティーがただの紅茶になっていて、今度こそはと彼が立ち上がる。
 が、連れは彼の袖を引っ張って、
「ひりょさん、もしかしてこういうとこは初めて? ミルク、ちゃんとついてるよ」
 小さな容器を手に取り、弓月 幸子(ka1749)が彼のカップにそれを流し入れる。
 それがここでのミルクティなのだと知って、彼は唖然とした。そして思わず二言。
「なんて画期的なんだ! まさかこんな簡単に…」
 本格的な淹れ方しか知らない彼に青天の霹靂が走る。そんな彼に他のお客の視線が集まって……彼は再び赤面するのだった。

 それから数日が過ぎた頃、彼は再び幸子と街に出た。
(今回は色々予習もしてきたし、不甲斐無い姿は絶対に見せない!)
 そうリベンジを誓う彼であったが、なかなかこれも思うようには進まない。
「すいません、お客様。もう一度翳して頂けますか?」
 入場ゲートのICカードの認識が甘かったのか声がかかる。どうやら彼の帯電体質が悪さをしたらしい。
「大丈夫、よくある事だよ」
 幸子はそう言うが、正直恥ずかしかった筈だ。だが、そんな素振りを見せず彼の手を引き先を促す。
 そして向かったのは娯楽施設――所謂ゲーセンだった。
「さて、今日は思いっきり遊ぶんだよ」
 アナログゲームから最新のものまで。
 月面とは思えない品揃えで、移住民やハンターらのストレス緩和に努める人気施設らしい。
「どうしたの? 行くよ、ひりょさん」
 幸子の大きな瞳が彼を覗き込む。いきなりの上級施設であるが、ここで逃げては男が廃る。
「よし、まずはあれからとかどうだ?」
 彼が指差す先にはワクワクを煽るカードから飛び出たリアルな魔物の看板が掲げられていた。


 マテリアルの力を借りて魔法が使える紅の世界…そんな世界を目にしては映像ゲームもすたれるもの。
 まあ、リアルSFを体感しているのだから無理もない。けれど、それでもそれなりに需要はあるようで、ひりょが見つけたアトラクションは幸子が好きなカードゲームをモチーフにしたもののようだ。
「あ、なつかしー…今こんな連動してるんだ」
 カードをセットすれば盤面にセットしたモンスターが出現し、実際に目の前で戦いが繰り広げられる。
 ややこしいダメージ計算やコストの算出も機械がやってくれるからプレーヤーは戦闘に集中できるようだ。
「幸子、やってみたら?」
 興味津々に見つめる彼女に彼が促す。
「うーん、でも折角なんだし二人でやろうよ。タッグマッチ出来るみたいだからカードは貸すし…ってあれだ!」
 いつも腕にしているカードホルダーからカードを取り出しかけて、彼女が手を止める。そんな彼女の先には更なる機種。カードを使うのに変わりないのだが、ヘルメットのような機械を被る事により、より実体験に近い形で対戦が出来るらしい。
「こっちにしようよ。面白そうだよ♪」
 幸子に手を引かれるままにひりょも機械に向かう。
 そして、早速その機械を装着すると、眼前にはさっき盤上に作られていた闘技場が目を前に広がっている。
「ひりょさん、まずはチュートリアルスタートするね」
「あ、うん」
 幸子の姿を捉えて言われるままにゲームを進める。
 そして、あれよあれよのうちに本番となるトーナメントが開始される。
 初戦のCPUは双子のようで息もぴったり。彼には強敵に見える。がこちらとて、幸子がいると思えば、負けられない。勝負は序盤、互いのモンスターを出し合い防御を固めて、両者数値で食らい合う攻防戦が続き、回ってきた重要な局面――ひりょのターン。眼前には二体のモンスターが並びこちらも数は同数。手札には切り札的カードがツモっている。
(確かこのカードを使えば一掃できる筈…)
 竜巻の絵が描かれたカードには『選択した自分以外の全てのモンスターとPLにダメージを与える』の解説文。このカードは魔法カードであり、手持ちのモンスターを主軸に発動できるからここで使えば、敵を一掃するのみならず、敵プレーヤーへの直接攻撃も入るとみえる。
「よし、これでお終いだ」
 手にしていたカードを掲げて、バーチャルの竜巻が発生させ敵を一掃する。
 だが、隣りからも悲鳴が上がって、視線を飛ばせばしっかりと幸子と彼女の召喚したモンスターにもダメージが入っているではないか。
 しかも防御力の低かった彼女のモンスターはあっさり消滅してしまう。
(し、しまった…自分以外は仲間もだったのか)
 慣れていなかったとはいえ、察しはついたのにこの失態。けれど、まだ彼のターンは終わっていない。
「ひりょさん、止めを刺すんだよ」
 そんな彼によろけていた幸子から声が飛ぶ。
 そうだ。今のは魔法であって、自軍のモンスターの攻撃ターンは終わっていない。
「くっ…いけ、レッサーデーモン! PLに直接攻撃だ!」
 それを受けて彼が指示を出す。すると召喚されていた魔物は双子の片割れのHPを削り切り、咆哮を上げる。
「グッジョブだよ、ひりょさん。後はボクが」
 その後は――一人になったCPUに幸子のモンスターが召喚速攻で攻撃を加えて、無事勝利。
 その後は順調に勝ち進むも、決勝は手強く惜しくも敗退しゲームオーバーとなる。
「んーー、楽しかったね」
 機械を取り外し、頭が軽くなったのを感じながら幸子がグッと伸びをする。
「ああ…しかし、あれはすまなかった」
 そんな彼女に謝るのはあの時の全体攻撃を悔やむひりょだ。
「え、何言ってるの? あれが最善だったよ〜、それにあれがあったから勝てたんだし謝る事なんてないよ」
 幸子はそう言い笑顔を返す。しかし、もしあれが実際の戦場だったなら…?
 日頃仕事で無理をさせてばかりの自分だ。
 こういう時こそ力になれたらと思ったのだが、現実はやはり甘くない。
「そうだ、幸子はこの後何が食べたい? 奢るよ」
 ひりょがさっきの詫びを兼ねて、彼女に問う。
「んー、そうだな〜…そういえばさっき回転寿司の看板があったし、そこにする?」
 回転寿司――またも行き慣れない場所に内心戸惑うひりょであった。


 ごくりとひりょが息を呑む。
 目の前に広がる光景はまるでさっきの遊技場の一部のようだ。
 寿司がレーンを回り、それに人々が平然と手を伸ばし、カウンター席の前には何やら寿司の映像が流れている。
「あ、まずはお茶だよね。ひりょさん、そこのお茶取って」
 そんな場所でもやはり幸子はいつものままで…これではどちらが誘ったか判らない。
 それでも彼は純粋に嬉しかった。友がいなかった訳ではないが、リアルブルーから転送されてきた当時は屋敷に籠ってばかりだったし、こんなに楽しい事があるのだと気付きもしなかった。だから、知らない場所に連れて行ってくれる彼女との時間は何よりも貴重だ。
「えーと、これかな」
 指差された先の茶筒を取って、彼女に手渡す。
 その後もお湯はこうやって出すのだとか、新鮮なものが食べたい時はパネルで注文したらいいのだとかを教わって…全くもって彼女にはかなわなかったが、それを楽しむ余裕が出来始めている。
「本当に安くても美味しいんだね。また来よう…今度は妹も連れて」
 腹八分をとおに越してしまったが、それ位美味しかったのだとひりょが言う。
「そうだね。今度はもっと大勢で来たいよね。そしたら籤ももっと引けるし」
 幸子はさっきのお店で貰った残念賞の寿司の形のストラップを指でくるくる回しつつ、そう答える。
「そんなに気に入ったのか、それ」
 よく出来たものだとは思うが、女の子が好むようなものとも思えず彼が問う。
「んー、気に入ったというか記念かな。これを見ると今日の事忘れないし」
 さらりとそう言って、彼女がドームに覆われた宙を見る。
 あっという間の一日だった。
 始めからすったもんだした事を思い出し、別れの時間を察し急ぎ彼が口を開く。
「幸子、今日はなんか不甲斐無い所を沢山見せてしまったな。すまない」
 一応、今日の事は今日のうちにと思いもう一度謝罪する。だがやはりここでも笑顔を絶やさない。
「ねえ、みてひりょさん。宙がとてもきれいだよ…ボクはこの世界が大好きなんだ。だから、ひりょさんにももっとこの世界の事好きになって貰えたら嬉しいんだよ」
 彼女の肩の学ランの袖が揺れる。彼女は彼よりずっと広い視野で物事を見、捉えているようだ。
(俺も、幸子に追いつきたい…その為にはこの世界の事をもっと知らないと、だね)
 ポケットにしまったもう一つの寿司のストラップを取り出し、彼は思う。
 その為には、また――そう、心に誓う彼であった。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka3744/鳳凰院ひりょ/男/18/人間(リアルブルー)/闘狩人(エンフォーサー)】
【ka1749/弓月 幸子/女/15/人間(リアルブルー)/魔術師(マギステル)】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お世話になっております、奈華里です。
そして、ギリギリまでかかってしまいすみません。
道中のそれをどうしようか迷いに迷いまして…やはりここはゲームかなと。
デュエリストの称号からあのカードゲームかなと思いつつ、少し手を加えてVR的ものも取り入れてみました。
珍道中――お気に召す感じになっていたら良いのですが…誤字等ありましたらご連絡下さい。
それでは、乱文ではありますがこれにて。この度は発注有難う御座いました。
更なる活躍とお二人の成長を願っております。
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ファナティックブラッド
2017年06月01日

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