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『ぜったい秘密!メイドの脳内はいつもももいろだいさんじ 』
レヴェリー・ルナルクスka4723

 とあるリビングに、紅茶の香り。
「ふうん。高級リゾート地にそろそろ客足。夏に向けて酒類や水着などの取引が加速、か……」
 ぴら、と広げた新聞に視線を落とす銀髪の頭。ふんふんと読み込んではテーブルのティーカップに手を伸ばします。
「あれ? もう飲み干してたのか」
 取っ手をつかみ損ねて改めてカップの方を見たのは、いかにも育ちの良さそうな中性的な顔立ち。いつも穏やかなニコラス・ディズレーリ(ka2572)さんです。
「坊ちゃま、ちょうど新しい紅茶が入りましたわ。お代わりはいかがでしょう?」
 そこにレヴェリー・ルナルクス(ka4723)さんの声。ひらめくスカートの丈は短く振り返った胸元は惜しげもなくおっきな胸の谷間を晒している、「それ本当に仕事着?」と突っ込まれそうなメイド服のメイドさんです。
「いい匂いがしたのはそのせいなんだね。でも、二杯目か……」
「ではミルクを多めにいたしましょうか?」
 レヴェリーさん、仕えるご主人の健康も考え提案するあたり、とっても優秀なメイドさんですよね。表情も穏やかで、顔立ちも整っています。気品あふれる立ち居振る舞いで、いかにも名家仕えといった感じです。
「そうだね。ミルクたっぷりで。……ミルクだけでも良かったけど、レヴェリーの淹れた紅茶がとってもいい香りだから」
 ニコラスさん、新聞から顔を上げてにっこりと微笑みます。
 その、なんと甘やかなことでしょう!
 この瞬間、レヴェリーさんの頭にご主人様であるニコラスさんのこれまでの言葉が甘く響き渡るのです。
 高級リゾート地。
 夏に向けて水着。
 レヴェリーがとってもいい香り……。
「坊ちゃま?」
 レヴェリーさん、意を決してうっとりしつつ話し掛けます。

「なんだい?」
「この水着、坊ちゃまの為に新調致しましたの……」
 背中のリボンを外しメイド服が床に落ちると、レヴェリーさんは水着姿になっていました。紅茶色のパレオを腰に巻き、形よく丸く張り出した胸はミルク色でシルキーな風合いの、光の影でふくらみが強調されるようなチューブトップのビキニです。
「南国の高級リゾートにふさわしいように」
「レ、レヴェリー。凄く大胆だね……」
 そう言うニコラスさんもいつの間にかトランクス水着姿で上半身裸になっています。
 周りの風景はさざ波の音が耳に心地良い海辺。日差しはまぶしくわたる潮風は肌を撫で、遠くからは水遊びを楽しむ人々の楽しそうな声が聞こえてきます。
「ミルクだけ、でしたね。……もっと良くご覧になって下さいな」
 恥じらうように視線を左下に移したのは、そのままパレオの結び目をほどくためでもあったようです。ん、しょと両手で作業する動きで胸がぷるん。そして弾けるように跳ねたのは、両手を離し長いパレオを落としたから。
 瞬間、腰骨が無防備にさらされるようなハイレグのミルク色したビキニが現れました。やはりシルキーな生地で、光の当たる部分と影の部分が滑らかさを強調しています。
「うん、よく見せてよ」
 チェアにゆったり座ったままのご主人様に近付きます。もちろん、顔の高さには……。
「ああ、レヴェリー。とってもいい香り……」

「レヴェリー?」
「はっ!?」
 レヴェリーさんが気付くと、そこは元のリビングでした。ニコラスさんはミルクティーを待っているようで、不思議そうにレヴェリーさんを見上げてました。思わず口元に手の甲を当てると、涎がつつつーと上品に糸を引いています。
「調子、悪いの?」
 あ、ニコラスさん立ち上がりましたよ?
「あ……」
 レヴェリーさん、この事態に青くなります。
 よりにもよって!
 メイドが仕えるべきご主人様に対し!
 脳内ではしたない妄想を巡らせて幸せにふけっていたとは断じて、断じてっ!
「わたくし、濡れてますから……」
 濡れた口元をぬぐいつつ身をくねらすレヴェリーさんです。

「それよりこの森の方が心配だよ」
 近寄ったニコラスさんは視線を周囲にやってから呟きます。
「この森?」
 レヴェリーさんも思わず周りを見回します。
 見ると、確かに薄暗くて何となく森全体が敵意を持っているような雰囲気が感じられます。遠くからぎゃーぎゃーと不気味な鳥の鳴き声が響いています。
 そして雨も降っているではありませんか。
 レヴェリーさんの服は胸の谷間が見えてるようなメイド服。つややかな肌をなめるように雨粒が滴り落ち、ふくらみの谷間から服の中へと容赦なく侵入してくるのです。
「レヴェリー。そんなに離れていたら危ないよ。もっと近くに、ほら」
「い、いけません坊ちゃま。貴方様の身体が濡れて、あぁっ♪」
 思わずレヴェリーさんが歓喜の声をはしたなく上げてしまったのは、袖なしメイド服の肩に手を掛けて抱き寄せられたからです。肌に吸い付くようなご主人様の手の平の感触にくらくらしてしまうのです。
「気にしなくていいよ」
 ニコラスさんは優しい男性です。
 もしかしたらレヴェリーさんが不安で震えているのではないか、と感じてもっと近くに抱き寄せようとします。
「そ、それでもわたくしが坊ちゃまを濡らしてしまうわけには……」
 レヴェリーさんはメイドさんの鑑です。
 抱き寄せるニコラスさんに自分の濡れた体を密着させるわけにはいかない、その前に止めなくてはと両手を持ち上げました。
「あ!」
 その手の平は、ニコラスさんの胸に。
 そして、雨で服が濡れてしまっているのを改めて実感するのです。
 しわがつかないように。
 パリッとして名家の気品を失わないように――。
 そう思いながら洗濯し乾かしている薄手の真っ白なワイシャツが……。
「もう……こんなに濡れてしまって……」
 ワイシャツの濡れ具合を確認するように、愛おしく表面をなでなでしているうち大切なものが汚されたように感じられ、んぎゅっ、と添えた手に力を入れてしまうのです。
「レヴェー、ダメだよ……あ、あそこでひとまず雨宿りをしよう」
「はっ!」
 図らずもご主人様を愛撫してしまったことに気付いたレヴェリーさんは、大人しくリードされるままです。
「ふぅ、びっくりした」
「も、申し訳ございません」
 大樹の下に並んで腰掛けたところで一息つく二人。
 で、声を掛けたニコラスさんが気付くのです。
「あれ? レヴェリー、顔が赤いよ? 熱があるのかな?」
 手を腰に回して座ったのでレヴェリーさんが赤くなるのは仕方ないような気がしますが、ニコラスさんは優しいのです。
 熱を測ろうと、そっと自分のおでこをレヴェリーさんのおでこに当てようと近付くのですが……。
「そんな……そんな、いけません……わたくし、濡れてますから」
 レヴェリーさん、もじっと腰を抱かれたまま身をよじります。
 が、観念して顔上げました!
「熱がないなら急いで戻って温泉に入ろう」
「そんな……」
 観念したのはいいけどちょっとレヴェリーさん?
 貴女、なぜに夢見るように瞳を閉じて顎を上げて何かを期待するように唇を差し出してるんですかッ?!

「レヴェリー、濡れてるの?」
「はっ?!」
 んー、と顎を上げていたレヴェリーさんが気付くと、そこは元のリビングでした。
「い、いえその……」
 急いで口元を手の甲で拭うと、不思議と涎は垂れていませんでした。
「その、濡れることになりますから。……その、お風呂のご用意をしておけばいつでも坊ちゃまが出掛けることができますので」
 レヴェリーさん、メイドさんの本能でこれからの予定を絡めて何とか言い逃れしました。
「あ、そうか」
「すぐにご用意いたします」
 レヴェリーさんは美人さんですので、きりっと言い放つと威厳があります。ニコラスさんもそれ以上は聞いてきません。
 このままでは脳内桃色大惨事なのがばれてしまうと、そそくさとお仕事に向かうレヴェリーさんでした。

「レヴェリー……どうして?」
 そして浴室でニコラスさんは立ち尽くすのです。
「どうしてって……ここは混浴の温泉ですから」
 にっこり微笑むレヴェリーさん。ニコラスさんが入って来るのをここで待ち構え……お待ちしていたようです。
 もちろん二人とも裸で大切なところはタオルを巻いて隠しています。
「こ、混浴なのに誰もいないね……」
「覗きや危険がないことはすでに確認済みです。さあ……」
 ばつが悪そうに腰を揺するニコラスさんですが、むしろそれでレヴェリーさんのハートに火がファイヤー。ぱしっとニコラスさんの手を取り抱き寄せるのです!
「わたくしが全身を使って洗わせて頂きます!」
 きぱ、と言い切ると風呂椅子に座らせて背中側に回――バックを取りました!
 そこからしゃきーん、とボディーシャンプーを左手に。
 きゅぴーん、とスポンジを右手。
 そしてスポンジで泡を大量生産。まずは自分を泡だらけにして巻いていたタオルを外します!
 ――ぴとっ、むにゅ〜っ☆
「レヴェリー。だ、駄目だよ。あぁ、せ、背中にあたって」
「当てていますの。坊ちゃまの身体は、わたくしが隅々までぇ……!」
 ――うにうにゅ、むにゅ☆
 まるで幼児化したようなニコラスさんの反応。いやんいやんするものだから余計にむにむに。レヴェリーさんの方は呼吸が荒くなって息継ぎする回数が増えてます。腰もうごめいてますね。
 そして後ろだけではありません。
「え?」
 にゅっ、と横からスポンジを持つ手が回されます。そのまま抱き着くような動きの両手の餌食に。
「ああ……」
「あら。この椅子、真ん中がくっついてないんですね……」
 おおっと、レヴェリーさんが何かに気付いたッ!
「え?!」
「それでは坊ちゃま……」

「お楽しみくださいぃ」
 んぎゅっ、と自分の身体を抱き締めて身悶えます。
 場所は、リビング。レヴェリーさんはメイド服姿です。
「……どうしたのかな?」
 そこに通りかかるニコラスさん。不思議に思いますが、とにかく新聞を手に取り席に着くのです。
 すでに紅茶は入っています。
「ふうん。高級リゾート地にそろそろ客足。夏に向けて酒類や水着などの取引が加速、か……」
 ぺら、と新聞をめくり世情に目を通すのを怠らないあたり、やっぱり名家のおぼっちゃんですよね。
 果たしてレヴェリーさん、いつ気付くのでしょうか。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka4723/レヴェリー・ルナルクス/女/24/人間(クリムゾンウェスト)/舞刀士(ソードダンサー)
ka2572/ニコラス・ディズレーリ/男/21/人間(クリムゾンウェスト)/猟撃士(イェーガー)

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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レヴェリー・ルナルクス御一行 様

 いつもお世話様になっております。
 美人メイドさんによる脳内桃色大惨事でございます。楽しく妄想に巻き込まれながら執筆させていただきましたよ♪
 内容は、

 ビーチサイドで水着!
 森の中で濡れ濡れ!
 最後は温泉で泡まみれ!

 の三段活用。発注分を解釈すると、三段階に分かれてレヴェリーさんの密着度が増していくのが素晴らしいですよね。実際の執筆では、流れで坊ちゃまの胸のシャツをわしゃわしゃする描写をくわえてしまいました。残念メイドさん、ということですので、真面目なんだけどそれが裏目に、な感じも出したかったということで。

 この度は楽しい大惨事……もとい、ご発注、ありがとうございました。
■イベントシチュエーションノベル■ -
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2017年06月16日

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