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『 』
シキaa0890hero001)&A・Kaa0008hero002)&朱葉 宗二aa0027hero002)&紫 征四郎aa0076

タコヤキ・ハンティング!

●待ち合わせ
 駅の改札口の外に、ひとりの子どもが立っていた。
 儚げな印象の白い肌と赤い瞳、銀髪に組紐を編み込んだ愛らしい子であった。
 可愛らしいキュロットは涼しげな初夏の装いでお気に入りのがま口のポシェットを下げて、聞こえてくる発車メロディの音に合わせて小さく髪を揺らしていた。
「シキ!」
 小さな足音を立てて走って来たのは紫 征四郎(aa0076)である。名前を呼ばれたシキ(aa0890hero001)は友人へ少し頬を膨らませて見せた。
「おそかったね。まちくたびれてしまったよ」
「でも、まだ約束の時間まえ、なのですよ」
 征四郎の言葉にシキは駅の時計を見上げる。
「おや? そのようだね。おもったよりはやくついてしまっていたようだ」
 泣き黒子のある目元を細めてシキは笑った。
「シキちゃんは今日のたこ焼き、楽しみにしていたんだね」
 にこにこと笑いながら朱葉 宗二(aa0027hero002)が征四郎の後から歩いて来た。
「テレビでやっていて、まえからいきたいとはおもっていたのだよ」
「へえ、面白いところなんだろうな」
 ひょこっと宗二の後ろから顔を出したA・K(aa0008hero002)は、征四郎を見つけるとしゃがんで笑いかけた。
「はじめまして。紫 征四郎なのです」
 友人の第二英雄なのだが初対面のA・Kに、征四郎は少し緊張した面持ちで挨拶をした。
「セ―……しろ? 呼びにくいな、シローでいいか?」
「どうぞなのです、エーケー。いつもお話は聞いているのですよ」
 征四郎の言葉に、彼はにこにこと笑った。
「よろしくな!」
 人懐こいその笑顔に、征四郎もすぐにA・Kが好きになった。



●たこ焼きイロイロ
 駅前に『アツアツタコヤキランド』がオープンしたのはつい先日の事である。「ソースも塩もネギポンも明石焼きもあるよ!」を合言葉にしたそこは、しばらくは混雑が酷かったのだが……。
「平日は少し空いているようですね。珍しい味のがあったら、ついふらっと癖で買っちゃいそうだな」
 そう言った宗二を追い越して、建物の奥へと進んだシキが目を輝かせる。
「おだしの、いいにおいがするね」
 店内には何店舗のたこ焼き店が軒を並べている。
「ぜんしゅるい、たべたいな」
「見たことがないタコヤキもあるのです!」
 はしゃぐシキと征四郎。
 ──若い子ばかりで俺、大丈夫かなぁ……えーくんもシキちゃんも征ちゃんも元気だもんなぁ……。
 とりあえず、年少組を見守りながら一抹の不安を覚える宗二。
「──匂いは、いいんだな」
 珍しそうにあちこち観察するA・Kだが、あまり楽しそうではない。
「Ummm...」
「えーくん、どうしたの?」
 ここに来るまでの賑やかさはどこへ行ったのか、急に口数が減ったA・Kを心配する宗二。
 すると、A・Kは少しだけ顔を強張らせて屋台の看板に書かれているイラストを指した。
「だってタコだろ? あれ、苦手なんだよな、見た目がさ」
 たこ焼きランドだけあって、デフォルメされた蛸やリアルな蛸が屋台や施設内のあちこちに描かれている。
 そう言えば、日本人以外は蛸を嫌ったり食べる習慣自体が無いと言う。
 国がどうのという以前に彼は英雄であるが、それでも、見るからに日本人ではない彼の文化では蛸はあまり馴染みが無い食材なのだろう。
「ああ。食べたことはあるのかな?」
「売ってるのは見た事はあるけどなー……」
 確かに、匂いはとても美味しそうだとA・Kは思った。わざわざこんなところまで来るのだから美味しいには違いないとも思う。
 戸惑うA・Kの背中を宗二は押す。
「きっと気に入るよ」
 気が付けば、二人が話している間にシキたちは一件の屋台へと向かって行った。
「すみません──!」
 それに気付いて慌てて後を追う二人。
「……を、たのむぞ」
「……をお願いしたいのです」
 しかし、すでにふたりはメニュー片手にてきぱきと注文を終えているところであった。
「千五百円です」
 鉢巻をした店員が明るく答える。
「これでたりるかね?」
 パチン。シキはお気に入りのがま口ポシェットからお小遣いの五百円玉を得意げに取り出した。
「ええっと……」
「あぁ、あと二枚必要だね」
 言い淀む店員の前にひょいと顔を出した宗二。彼は五百円玉が何枚も詰まったシキのポシェットを見て枚数を教えてあげる。
「よきにはからってくれたまえ」
「はいはい。お願いします」
 得意顔で取り出した二枚の硬貨をなぜか宗二に渡すシキ。受け取った宗二もそのままそれを店員さんに渡す。
 店員は舟皿に並んだ湯気の立つたこ焼きにさっと刷毛を滑らせる。美味しそうな匂いが強まった。
「──それにしても、千五百円とはずいぶん買ったんだね」
「どうせなら、ぜんしゅるいたべてみたいのだ。……セーシローはたべれるだけ、かうのだよ」
「征四郎だって、いっぱい食べられます!」
 少し大人ぶって一言添えるシキに征四郎が抗議する。
 ──うーん、確かに全種類食べたいって気持ちはよくわかるけど……。
 きゃっきゃっと楽しそうなふたりを見ながらシキのポシェットの中身を思い出す宗二。恐らく征四郎の手持ちだってそう変わらないだろう。
「──……おっさんでも楽しまなきゃ損だよね」
 シキと征四郎の手に持ちきれないたこ焼きはトレイに乗せて宗二とA・Kが持つ。会計を済ませた子どもたちを食べ比べが出来る飲食ブースへ送っていくと、宗二はまた別な屋台へと向かった。


 やがて、テーブルの上にはシキと征四郎が買ったたこ焼きの他に、宗二と──いつの間にか買っていた──A・Kのたこやきがずらりと並ぶ。
「手を揃えていただきます、なのですよ」
 全員が揃うと、征四郎の一言でたこ焼きパーティの始まりだ。
「Yum!」
 ぎこちない手つきで楊枝を使い、恐る恐る口に運んだA・Kが驚いた顔で小さく叫んだ。
「なんだこれ……デビルフィッシュ……めっちゃ美味いな!」
 驚くA・Kへ、何故か誇らしげに胸を張るシキと征四郎。
 美味い美味いとひとしきり食べた後、他の変わり種の乗った皿にも臆さずあれもこれもと手を出す。
 それを見て、シキと征四郎もはむはむと食べ出す。
「とってもおいしいです!」
「これも、とてもおいしいのだよ」
 あつあつで色々な味のたこ焼きをシェアし合う四人。
 ソース、醤油、塩だれ、マヨネーズ、マヨネーズソースにマヨネーズ醤油。ゆずポン、お薦めのねぎポンも勿論、わさび味や明太子味なんてものもあった。
 具材も蛸にウィンナー、チーズ、トウモロコシに餅──、形だって半球型に油で揚げた球体など様々。
「色々な種類があるんだな」
 面白そうに楊枝や竹串を使って食べるA・Kは、いつの間に楊枝の扱いがかなり上手くなっていた。
 征四郎は新しい種類のたこ焼きを自分の皿に取ろうとして、ふと、シキの視線に気付いた。
 シキは笑顔で征四郎の皿を受け取ると、そこに自分が買ったたこ焼きをドンドン乗せた。
「たくさんたべて、おおきくおなり」
 子供扱いにムッとしたらしい征四郎は、すかさず自分の買ったシキとは別の種類のたこ焼きをバババッとシキの皿に移す。
「シキもおおきくなる余地があるのです」
 ムムムと顔を見合わせる二人をのんびりと見守りながら宗二は覚悟した。
 ──皆、食べられるといいけど。もしダメそうだったら俺が食べよう……。
 しかし、様子を見ている宗二の横からA・Kがひょいと手を伸ばす。
「いらねぇのか? じゃ俺が貰うわ」
 ひょい、ぱく。
 すっかりたこ焼きが好きになったらしい彼はどんどん食べて行く。そんな二十代の食欲に四十代の宗二は感嘆する。
「そうだ、これ食べた事あるかな? 明石焼きって言うんだけど、だし汁につけて食べるんだ。どうぞ」
 取り分けた明石焼きをハフハフしながら食べる一同。
「はじめて食べたのです!」
 たこ焼きとはまた違う、明石焼きに感動して声を上げる征四郎。
 そんな彼女を宗二はいつもの微笑で優しく見守ってくれる。
「…………」
 ……征四郎はこの英雄に以前も一度だけ会っている。彼は、友人である能力者の父親に似ていると言う。
 ──父親。
 征四郎の父親は厳しく、この優しい英雄は彼女の知っている『父親』像とは重ならない。
 ──ソウジは優しい。
 唐突に征四郎は思った。
 今ここに居ない彼の能力者が優しいのも、きっと『そう』だからなのだろうと征四郎は思った。
「?」
 そんな彼女の胸中を知らない宗二は、ペーパーナプキンを手に取る。
「シキちゃん、征ちゃん、口にソースが付いているよ」
 こすらないよう、優しく拭う。
「ソージ、すまないね」
「ありがとうなのですよ、ソウジ」
 黙って口を拭かれながら、くすぐったそうに笑う子どもたち。
 そんなシキたちを見て、宗二も考える。
 ──俺に子供がいたらこんな風に面倒見てるのかなぁ……。
 ふたりの口を拭いながら、ついそんなことを考える自分に笑ってしまう宗二。
 こんな小さな二人でも、戦場に立てば自分より強い戦士であると言うのに。
「日本人はこういう……小さいの、好きだよな」
 突然のA・Kの言葉に「?」と宗二が顔を上げると、彼は舟皿に乗ったタコヤキを神妙な顔で突いていた。
「少食だからか?」
 元々A・Kはかなり食べる方である。さっきから色々な味を試しているが、だいぶたこ焼きを気に入ったのかもっとがっつりと食べてみたくなったのだろう。
 そんなA・Kを見て、宗二は笑って彼にもペーパーナプキンを差し出す。
「えーくんもソース付いてるよ」
「お、サンキューだぜ」


 そろそろお腹もいっぱいになって来た頃、それはやって来た。
 ──あれは。
 通路の向こうで動くソレを征四郎は見逃さなかった。
『ワシがたこし丸やでぇ』
 ぱぱっと周囲を見渡した征四郎はすぐ隣に居たA・Kの袖を引いた。
「え、エーケー! たこし丸なのです!!」
「タコシマル?」
「たこし丸と写真撮りたいのです! エーケーも一緒に追いかけてくれますか?」
 必死に見上げる征四郎。
 きょとんと彼女を見返したA・Kだったが、何か面白そうな気配を察したのか青い瞳がキラキラと輝く。
「Sure thing. 行こうぜ!」
 即座にテーブルを離れる二人。
「どうしたんだい?」
「セーシロー?」
 しばらくすると、ふたりは何かを抱えて戻って来た。
「どうしたのだね? たべてすぐにはしるのは──」
 置いてかれたことが不服だったのか、シキはまた頬を膨らませて尋ねる。
「Ta-dah! これわかる?」
 勢い込んで答えたのはA・Kだった。
「これは……?」
「たこし丸特製たこ焼きなのです!」
 じゃんじゃじゃーん……と巨大な皿をテーブルに置く。
 どんっ!
「!!」
「うわ……」
 アツアツタコヤキランドのマスコット、たこし丸の焼き印を押された巨大たこ焼きがそこにあった。
 推定、炊飯器サイズ。
 巨大たこ焼きというファンタジーを目の前にして目を輝かせる三人と、ちょっとお腹一杯気味な一名。
「鷹!?」
 焼き印のたこし丸を指さすシキに対してA・Kは首を振った。
「鷲(ワシ)だけどな」
「ワシがタコ……」
「?」
「なんでもないのです!」
 征四郎は何か呟きかけたが、すぐに巨大なたこ焼きに夢中になった。
 四人はたこし丸の形に抜かれたフォークで四方からつつき──A・Kのお陰もだいぶあったが──ぺろりとそれをたいらげた。
 たこし丸のたこ焼きは外はカリカリ、中はトロトロ、キャベツやネギ、紅しょうがと天かすの入った絶品であった。



●帰路
 すっかり茜色に染まった空。
 タコヤキランドを出た四人は駅に居た。
 ベンチに座った宗二とシキと征四郎。
 A・Kは駅周辺の様子を見ながら歩き回っている。
「タコ焼き、美味しかったね。今度は沢山の人を誘って行こうね」
 そう言った宗二に返って来たのはふたつの小さな声……。
 宗二を挟んで座っていたシキと征四郎の頭が、彼の肩へとこてんと落ちて来た。
 困ったようにA・Kを見る宗二。
「もうすぐ、迎えも来るだろ」
 たくさんはしゃいでお腹いっぱいになって──宗二に寄りかかってぐっすりと眠る二人を見て、A・Kが笑った。
 眠りながらも、シキはタコヤキのぬいぐるみを征四郎は四人でたこし丸と撮った写真をしっかりと抱えていた。
 四人からは、ふんわりとどこか美味しそうな匂いがした。




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※性別・年齢は外見に拠る情報

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お腹一杯、満足して頂けたでしょうか?
タコヤキランド、私もぜひ行ってみたいです。
ご指名ありがとうございました!!
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リンクブレイブ
2017年06月20日

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