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『ソサエティで一番、金になる男 』
ジャック・J・グリーヴka1305)&ナディア・ドラゴネッティkz0207

「それでは、血盟作戦において優秀な戦績を残したジャック・J・グリーヴへ、特別報酬の贈与を行う!」
 ナディア・ドラゴネッティの宣言に湧く、ハンターズ・ソサエティ本部。
 ここ冒険都市リゼリオ内に存在するソサエティ本部から、神霊樹を用いたマテリアルダイブによる“神との対話”を目指す戦いがあった。
 その名も“血盟作戦”――。本来人前に姿を見せることのない“神”の座する封神領域マグ・メルへダイブしたハンターたちは、そこで神の代行者たる四体の高位精霊と対峙した。
 繰り広げられた激闘――そして神の試練を乗り越えたハンターたちは、ヒトという種の階位をひとつ上げることに成功する。
 大地に満ちる精霊の息吹。神の力の末端たる“サブクラス”。人類はこの世界の守護者としての力を示したのだ。
 ジャックはその戦いの中で優秀な戦果を齎した。こうして同僚の賞賛を一身に受けながら、総長たるナディアから報酬を受けとるのも初めてではない。
 ひざまずいていたジャックが立ち上がり、ナディアへと歩み寄る。
 仲間たちの歓声と拍手。中には微妙にディスってる声も聞こえない気もしないでもないが、あいつらはいつものことだからいいとして。
「ジャックよ。この度、おぬしが示した“節制の理”は大精霊にも通じるものであった。よってこれを贈呈する」
 ごそごそとナディアが取り出したもの。それは――。
「これぞ神の祝福を受けしビキニパンツ「アブサイ」 である――!!」

 ビキニパンツ「アブサイ」

 シャープなスタイルの、男性用の黒いビキニ水着。
 ジャック・J・グリーヴ(ka1305)が【血盟】の戦いで節制の精霊プラトニスへの道を切り拓いたことを称賛したらしい彼の精霊の祝福を与えられた品で、着用したものの筋肉美を120%引き出し、魅惑的に演出するという。
 その銘は「Abdominals and thighs」の略とも、危ないサイコ野郎の略とも言われる。
 このパンツをはいて筋肉美をアピールするときには、一般スキルの「ナンパ(5%)」をセットしているものとして扱える。

「待てぇーーーーーーーーーい!!」
 ジャックの雄叫びが会場の響き渡る!
「ナンパ(5%)をセットしているものとして扱える……じゃねぇえええええ! いい加減にしやがれハンターズ・ソサエティ!!」
「そうは言うても、おぬし別に報酬はなんでもよいと言うたではないか」
 ぴろーんとパンツの左右を摘んで広げながらナディアが首を傾げる。ジャックは微妙に赤面しつつ。
「つーか、女子がパンツをぴろーんとするんじゃねぇ! は、はしたないだろう!」
「別にまだ誰もはいとらんパンツじゃから大丈夫じゃろ?」
「これから俺様がはくんですけど!?」
 ジャック・J・グリーヴは、ハンターの中でも名の知れた女性嫌い……ではなく、女性が苦手な男だ。
 しかし、ナディアに対する苦手意識は薄かった。見た目が幼いこと、そしてハンターズソサエティの総長という役割を果たしていること……。
 これまで彼女は数百年間過ごしてきた過酷な童貞……じゃない、道程に尊敬の念を覚えるからだ。
 つまり、リスペクト。リスペクトしているから基本的にOKOKだが、自分がはく予定のパンツを広げられるとなんか、その、困る。
「そもそもなんでパンツなんだよ! MVPアイテムって他にもっと色々あるだろ!? “神刀”とかよ!」
「いやいや。おぬしもう結構まじめなMVPアイテムは持っとるじゃろ? 法術盾「咲き誇る薔薇の如く」とか……おぬしがワガママいうからグラムヘイズ・シュヴァリエの連中にだいぶ頭さげたのわらわぞ?」
「その節は大変お世話になりましたァ! だがそれはそれ、これはこれだろ!?」
「いうておぬし、どういうMVPアイテムがいいですか〜って訊いたら、なんでもいいで〜すって言っておったではないか」
 腕を組み、思案するジャック。
 確かになんでもよかったので、なんでもOKという感じにした気がする。
「そう言われてみると確かにおまかせにしたな。でもなんでおまかせでパンツなんだよ?」
「いやいやなんでって。おぬし自分が血盟作戦で何をしたのか、胸に手を当てて考えてみよ」
 言われた通り胸(左大胸筋ロジャー&右大胸筋チャールズ )に手を当てて考えてみる。
 ジャックが参戦した血盟作戦第3フェーズ。節制を司る四大精霊の一柱、プラトニスとの戦い……。
 そこでジャックは己の肉体美を誇示し、「節制とは何か?」を理解した上でプラトニスが作り出す氷像を引きつける事に成功した。
 節制とは言葉ほど単純な理ではない。知性と感情が複雑に絡み合うその小宇宙から生じるものこそ節制である。
「ヤベェ、確かに脱いでたわ」
「じゃろ? しかもおぬし、おまかせしたらプラトニスと相談になるじゃろが」
「プラトニスが考えたのかよ」
「いや考えたのはわらわ」
「やっぱりてめぇじゃねーか! いい加減にしやがれ!」
「でもプラトニスに訊いたらいいですね〜それで行きましょう〜みたいな感じでノリノリじゃったぞ」
「誰か止める奴はいねぇのかよ……。まあ俺様も途中からパンツになる流れなのはわかってたが、まさか本当にパンツになるとは思わなかったぜ」
 夜な夜なナディアとプラトニスがパンツの相談してると想像するとなんかイヤだ。
「有名デザイナーさんにこんなもん描かせやがって……」
「たぶんパンツのお願いする事は今後一生ないじゃろうな。ところでこのパンツ、どういうパンツなのじゃ?」
「なんでデータしらねーんだよ……生命力がなぜかあがる。そして……急所防御力があがるみてぇだな」
「なるほど。急所防御力……」
「ちょっと頬を染めるんじゃねぇ!! やめろ! 想像するな!!」
「じゃが、アクセサリ装備枠って必ずしもその急所とは限らぬじゃろう? 例えば頭につけるアクセサリなどもあるはずじゃ」
「そうだな。ヘアアクセサリなんかもここに装備するぜ。メガネとかもそうだな」
 次の瞬間、徐にナディアは自らの頭部にアブサイをセットした!
「やめろおおおおお!! 女子がそういうことするんじゃねぇ! 俺のパンツのせいでお嫁にいけなくなったらどうすんだ!?」
「まだおぬしには渡しておらぬので厳密にはおぬしのパンツではないぞ。今はわらわのパンツ」
「いやいやそっちの方が百万倍やべーんだよ」
「まあそんなわけで、ありがたく受け取るがよい」
 頭にかぶっていたパンツを脱ぎ、ぐっとジャックの掌に握らせるナディア。ジャックはげんなりしている。
「というわけで、MVPのジャック・J・グリーヴでした〜!」
「でした〜じゃねぇよ! ていうかよぉ、ハンターズ・ソサエティには色々言いたいこと溜まってんだよ。ちょうどいいから言わせてもらうぜ総長」
「なになに?」
「ハンターズショップでアイテム売ってるだろ?」
「うん、毎週売ってるヤツね」
「あれに俺の写真使いすぎなんだよ! 肖像権とかどうなってんだよ!?」
「あの写真の肖像権は弊社にあるぞ?」
「そ……そんな事言われたらもう何も言えねぇだろ……」
「おぬしの写真使いやすいんだもん。◯◯◯ィ◯・◯◯◯ー◯の次くらいに」
「参加してないヤツの名前言おうとするんじゃねーよ!! 俺が怒られたらどうすんだよ!」
「そういえば今ちょうど困っておることがあってな。またおぬしのポスターが欲しいという陳情が来ておって」
「自分で言うのもなんだが、俺のポートレートはもう三種類くらいなかったか? いらねーだろ」
「闘祭とかのやつな。じゃが、ママチャリがダメならおぬしっていう強い希望が……」
「◯◯ー◯ィ◯ーーーーー!!! 変なもん陳情するんじゃねええええ!!」
「参加してないヤツの名前叫ぶでない。本人の許可は取ったと言うておったぞ」
「つーかそういうのも売れたところでビタ一文俺の懐に入ってこねぇだろ。どうなってんだよ。商売人としてやっぱ納得いかねぇぞ」
「え? そんな事気にするタイプだったの?」
「俺の自由設定欄見ろォオオオオ!」

 閑話休題。

「ともあれ、ジャックは血盟作戦に限らず様々な作戦で活躍しておるからな。ソサエティの懐も温めてくれるし、常日頃から感謝しておるぞ」
 ナディアは改めてパンツを丁寧に梱包すると、それをジャックへと差し出す。
「このパンツをはいて、これからもソサエティに貢献して欲しい!」
「おう……もうグダグダだが、ありがたく頂戴するぜ……」
 パンツの入った化粧箱を掲げると、ハンター達からより一層の拍手が降り注ぐ。
 なんだかんだ言って、ジャックはこのキャラクターで皆に愛されているのだ。
「せっかくなのではいてるところも写真に撮っていい?」
「マジかよ……もう少しでいい感じに締められそうな予感が……してなかったな、うん」
 というわけで用意されたカーテンの中でドキドキ☆生着替え!
 そして現れたのは、MVPパンツ一枚だけで急所防御をしたジャック・J・グリーヴの黄金の肉体であった!
 鍛え上げられた筋肉を誇示するポーズと共に、甘いマスクでウィンクを一つ。白い歯が輝き、歓声が湧き上がる。
 ナディアはその後ろで用意していた薔薇の花びらをせっせと撒くのだった。
「なんでこんな事になっちまったんだ……」
「おまかせって言うたではないか」

 おまかせ――それは魔法の言葉。
 マッスルポーズを繰り返すジャックに、惜しみない花と歓声を――。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka1305/ジャック・J・グリーヴ/男性/22/闘狩人(エンフォーサー)】
【kz0207/ナディア・ドラゴネッティ/女性/14/一般人】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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この度はノベルを発注いただき、まことにありがとうございます。
ジャックくんはコンテンツに存在する大好きなキャラクターの一人です。
どこでも活躍しているので書くネタには全く困らないのですが、今回は直近のイベントにしてみました。
強くてかっこよくて面白い、礼儀正しく皆に愛されるジャックくんがこれからも輝き続けられるようなコンテンツであるように、僕も頑張ります。
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2017年07月18日

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